HP OpenVMS Systems Documentation |
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シリアル・プリンタでは,電源投入時の初期化を実行するときに,ホスト・システムに余分なデータを送信します。OpenVMSオペレーティング・システムは通常,ターミナル装置からのデータをログイン要求として解釈します。 DCPS$STARTUP.COMはホスト・システムですべてのプリンタ・ターミナル装置の SECURE_SERVERターミナル属性を設定します。 SECURE_SERVERが設定されている場合には,OpenVMSホストとプリンタは,終了しない可能性のあるログイン時の対話を実行しません。
ログイン時の対話を実行しないようにするには,以下の手続きを行うことにより,ターミナル装置の属性を設定します。
AUTOCONFIGUREはSYSGENパラメータを使用して,システムのすべてのターミナル装置に省略時のターミナル属性を設定します。SYSGENによってSECURE_SERVERが設定されている場合には,ログイン時の対話に関する問題が発生することはありません。この属性を設定するためのSYSGENパラメータはTTY_DEFCHAR2です。SYSGENパラメータの設定についての説明は『 HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
システム・スタートアップ・プロシージャもターミナル属性を設定する可能性があります。このコマンド・ファイルはプリンタ・セットアップ・ファイルより前に実行されるため,SYSTARTUP_VMSファイル内でプリンタ・ターミナル装置に対して SECURE_SERVERが設定されている場合には,ログイン時の対話に関する問題が発生する可能性はさらに低くなります。
DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM (プリンタ実行キュー・コマンド・ファイル)は,省略時の設定により,プリンタ・ターミナル装置のSECURE_SERVERターミナル属性を設定します。このファイルはソフトウェア・キットに添付されています。
プリンタがローカル・エリアEthernet内の LAT 装置で構成されている場合には, LAT ポートとプリンタのターミナル・サーバ属性を設定することにより,ログイン時の対話をできるだけ少なくしてください。LAT ポート属性については『 DCPS インストレーション・ガイド』を参照してください。
11.5 印刷速度が期待される速度より遅い場合の処置
印刷速度が低下するのは次のいずれかの理由によります。
複雑なテキスト・ジョブとして,ダウンロードされた多くのフォントを1ページで使用するジョブや,外字を多く印刷するジョブがあります。このようなジョブは常に長い印刷時間を必要とします。
シリアル・プリンタでテキスト・ジョブの印刷の前に約30秒の遅延時間が必ずあるときは,テキスト・トランスレータとプリント・ジョブの間でテキスト・トランスレータ・プロローグが一致しないと考えることができます。この場合には,シリアル・プリンタの電源を切断した後,再度投入し,適切なプロローグを常駐させてください。最初のテキスト・ジョブはプロローグのロードのために遅延しますが,2番目以降のテキスト・ジョブはプロローグをロードする必要がないため,これまでより効率よく印刷されます。
異なるバージョンの印刷システムを実行している複数のノードにプリンタが接続されている場合には,プリンタの電源を切断した後,再度投入しても,30秒の遅延時間が発生します。プリンタに最初に接続されたノードは,プロローグを常駐させます。他のノードのプリント・ジョブは,毎回プロローグをロードしなければなりません。この場合,遅延時間が発生しないようにするには,各ノードで DECprint Supervisor ソフトウェアの同じバージョンを実行しなければなりません。
11.6 レイアップ定義ファイルを見つけることができないときの処置
DECprint Supervisor ソフトウェアは,次のサンプル・レイアップ定義ファイルを論理名 DCPS$LAYUP で指定されているロケーションに登録します。
LPS$HOLES.LUP
LPS$SINGLEHOLES.LUP
LPS$DOUBLEHOLES.LUP
LPS$NUP.LUP
COLOR-PRINTER-FULL-PAGE.LUP
PROPRINTER-FULL-PAGE.LUP
レイアップ・ディレクトリ論理名であるDCPS$LAYUPが
SYS$SYSDEVICE:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]を示すか,またはクラスタ内のすべてのノードで .LUP ファイルが登録されているディレクトリを示すことを確認してください。
11.7 印刷結果が予想と異なる場合の処置
DECprint Supervisor ソフトウェアは,プリント・パラメータの指定やプリント・ジョブ属性の指定に問題がある場合でも,すべてのプリント・ジョブのすべてのファイルを印刷しようとします。省略時のパラメータにエラーのあるプリント・キューもファイルを印刷できますが, 第 11.7.1 項 で説明するように,プリント・パラメータはすべて無効になり,問題のあることを示すメッセージが出力されます。
誤ったデータ・タイプ・トランスレータを使用してファイルが印刷される場合には,ファイルのデータ・タイプは DECprint Supervisor ソフトウェアによって正しく判断されていないことになります。自動的なデータ・タイプ検出機能に関する問題の解決方法については, 第 11.7.2 項 を参照してください。
11.7.1 省略時のキュー・パラメータが有効でないときの処置
DCPS$STARTUP.COMにパラメータを誤って入力した場合には,そのプリント・キューに送信したプリント・ジョブは印刷されますが,誤りのあるパラメータとその後に続くパラメータはプリント・ジョブに適用されません。
誤ったプリント・パラメータがキュー定義に指定されている場合には,印刷システムはエラー・メッセージを出力します。このメッセージは画面に表示され,関連するキューに送信された各プリント・ジョブのジョブ・トレーラ・ページにも印刷されます。処理されないパラメータの値は省略時の設定になります。
次の例では, 2番目のパラメータ,PAGE_ORIENTATIONの引数に余分なLが指定されています。したがって,プリンティング・システムは3番目のパラメータ,NUMBER_UP=2を無視し,最初のパラメータ,SHEET_SIZE=Bだけが処理されます。
@sys$startup:dcps$generic_queue - ! Landscape queue DCPS$WIDE$PRINT - ! P1 - Generic queue name TEK4014_TTB4 - ! P2 - /GENERIC = execution queues "SHEET_SIZE=B,PAGE_ORIENTATION=LLANDSCAPE,NUMBER_UP=2" ! P3 - Default queue parameter |
このキューに登録されたすべてのプリント・ジョブに対して,次のようなエラー・メッセージが画面に表示され,ジョブ・トレーラ・ページのメッセージ・セクションにも同じメッセージが印刷されます。
10- MAR- 2007 15:21 %DCPS-E-PARSYNERR, Syntax error in the /PARAMETERS qualifier at or near PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPE |
11.7.2 ファイル・データ・タイプが認識されないときの処置
DECprint Supervisor ソフトウェアがファイルのデータ・タイプを正しく判断できない場合には,ユーザはDATA_TYPEパラメータを明示的に指定できます。必要な場合には,ジェネリック・キューに対して特定のデータ・タイプを設定できます。このキューを使用して印刷されるファイルはすべて,指定されたデータ・タイプになります。ただし,ユーザがDATA_TYPEパラメータを使用して明示的に別のデータ・タイプを指定した場合は例外です。ユーザはまた, DATA_TYPE=AUTOMATICパラメータを指定することにより,自動的なデータ・タイプの検出を明示的に指定することもできます。
自動的なデータ・タイプ検出機能は,ファイルのデータ・タイプを判断するために次のことを確認します。
DECprint Supervisor ソフトウェアがこれらの要素からファイルのデータ・タイプを判断できない場合には,省略時のテキスト・データ・タイプが使用されます。省略時のテキスト・データ・タイプの設定については, 第 4.2.2 項 を参照してください。省略時のテキスト・データ・タイプが使用される場合には, PostScriptデータの前にテキストが付加されていても構いません。このようなファイルも正しく印刷されます。しかし,PostScriptデータの後に追加テキストがある場合には,ファイルは正しく印刷されません。この場合には,ファイルを編集し,テキスト・データとPostScriptデータを別々のファイルとして印刷しなければなりません。
しかし一般に,データ・タイプを判断できるようにするために,ユーザがファイルの内容を変更したり,ファイル拡張子を変更することは望ましくありません。このような場合には,ファイルを作成するアプリケーションを確認し,必要に応じてアプリケーションを変更してください。また,システム管理者はシステム固有のファイル拡張子とデータ・タイプを関連づけるためのシステム固有のデータ・ファイル,省略時のテキスト・データ・タイプ,または省略時のデータ・タイプを割り当てたジェネリック・キューを作成することもできます。
標準の OpenVMS DCLコマンドを使用して, DECprint Supervisor のキュー,ジョブ,関連するシステム資源を管理することができます。
管理コマンドはそのコマンドを実行したシステムだけに影響を与えます。ネットワーク・プリンタは,独自のキュー,ジョブ,フォーム等を持つその他のシステムに対しても同様のサービスを提供することができます。 |
表 A-1 は,プリント・キューを管理するために使用するコマンドの概要を示しています。これらのコマンドについての詳しい説明は『 HP OpenVMS DCL Dictionary 』を参照してください。
コマンド | 機能 |
---|---|
ASSIGN /MERGE | ジョブを1つのキューから削除し,別の既存のキューに移動します。 |
ASSIGN /QUEUE | 論理キューを実行キューに割り当てます。 |
DEASSIGN /QUEUE | 論理キューの割り当てを解除し,論理キューを停止します。 |
DEFINE /CHARACTERISTIC | キュー属性名と番号を定義します。 |
DEFINE /FORM | プリンタ・フォーム名,番号,および属性を定義します。 |
DELETE /CHARACTERISTIC | キュー属性の定義を削除します。 |
DELETE /ENTRY | 1つ以上のジョブ・エントリをキューから削除します。 |
DELETE /FORM | フォームの定義を削除します。 |
DELETE /QUEUE | キューを削除します。 |
INITIALIZE /QUEUE | このコマンドを DECprint Supervisor ソフトウェアに対して使用することはお勧めできません。 |
SET ENTRY | キューに登録されていて,まだ実行されていないジョブの属性を変更または削除します。 |
SET QUEUE | キューの状態と属性を変更します。 |
SET QUEUE /ENTRY | このコマンドは同じ機能を実行するSET ENTRYコマンドに変更されました。今後はSET ENTRYコマンドを使用することをお勧めします。 |
SET QUEUE /RETAIN | プリント・ジョブが正常終了したか,またはエラーによって終了した後,プリント・ジョブを削除しません。 |
SHOW ENTRY | プリント・ジョブに関する情報を表示します。 |
SHOW QUEUE | キューとジョブに関する情報を表示します。 |
SHOW QUEUE /CHARACTERISTICS | キューで使用できるキュー属性名と番号に関する情報を表示します。 |
SHOW QUEUE /FORM | システムで定義されているフォームの名前と番号を表示します。 |
START /QUEUE | キューを起動または再起動します。 |
START /QUEUE /MANAGER | システム・キュー・マネージャを起動し,キュー・ファイルをオープンします。 |
STOP /QUEUE | 実行キューを一時停止します。 |
STOP /QUEUE /ABORT | 実行中のプリント・ジョブを停止させますが,キューは停止しません。 |
STOP /QUEUE /MANAGER | システム・キュー・マネージャを停止し,ジョブ・キュー・ファイルをクローズします。 |
STOP /QUEUE /NEXT | 現在のジョブの印刷が終了した後,キューを停止させます。 |
STOP /QUEUE /REQUEUE | 実行中のプリント・ジョブを停止し,そのジョブを指定されたキューに移動しますが,キューは停止しません。 |
STOP /QUEUE /RESET | キューをただちに停止し,制御をシステムに戻します。 |
A.2 DCPS での SET PRINTER コマンドの使用
PostScriptプリンタは DECprint Supervisor ソフトウェアによって制御されるため,DCLのSET PRINTERコマンドは DECprint Supervisor 環境では意味がありません。 DECprint Supervisor を使用する場合のプリント・ジョブ属性は,他の手段で設定および表示されます。
DECprint Supervisor のプリント・ジョブ属性は次の要素によって決定されます。
ここに示した項目1,2,3は,処理するジョブの種類に応じて, PostScriptインタプリタまたはデータ構文トランスレータによって制御されます。項目4は,『 DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide 』で説明するPrintServerサーバ管理インタフェースによって制御されます。
表 A-2 は,SET PRINTERコマンドの修飾子と DECprint Supervisor プリンティング・システムでの対応する制御機能を示しています。
SET PRINTERの修飾子 | 対応する制御機能 |
---|---|
/CR | キャリッジ・リターン文字の挿入は現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。 |
/FALLBACK | DECマルチナショナル文字の変換は現在のフォントによって制御されます。文字が指定されたフォントに存在しない場合には,フォント・エラー文字が印刷されます。 |
/FF | 機械的なフォーム・フィードは現在のデータ・タイプ・トランスレータまたは PostScript インタプリタによって制御されます。 |
/LOWERCASE | DECprint Supervisor プリンタは小文字プリンタであると解釈されます。したがって,小文字を大文字に変換する処理は実行されません。 |
/PAGE | 各ページに印刷される行数はテキスト・トランスレータによって制御されます(ANSI/KANJI/KANJI78/LA_KANJIファイルの場合のみ)。この属性はDEFINE /FORMによって設定できます。 |
/PASSALL | システムが特殊文字を解釈するか,8ビットのバイナリ・データとして転送するのかは,現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。 |
/PRINTALL | プリンタが特殊文字を解釈するのか,8ビットの対応するバイナリとして印刷するのかは,現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。 |
/TRUNCATE | /WIDTH修飾子によって設定されている行の長さをこえるデータを切り捨てるかどうかは,フォーム定義または現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。 |
/WIDTH | 現在インストールされている媒体の各行に印刷できる文字数はフォーム定義によって制御されるか,または現在のデータ・タイプ・トランスレータと現在のフォントの組み合わせによって制御されます。 |
/WRAP | プリンタが行末に到達したときにキャリッジ・リターン/ライン・フィードを生成するかどうかは,フォーム定義または現在のデータ・タイプ・トランスレータによって制御されます。 |
すべてのデータ・タイプ・トランスレータが同じ方法でここに示した機能を実現しているわけではありません。各トランスレータ固有の情報については,適切なトランスレータの参照マニュアルを参照してください。 |
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