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すべてのプロセッサ・モジュールでファームウェアをアップグレードした後,次の例に示すように,Galaxy 固有の環境変数を作成できます。この例では, 2 つのインスタンス,4 つの CPU,1 GB の OpenVMS Galaxy コンピューティング環境を構成しているものと仮定しています。
P08>>> create -nv lp_count 2 P08>>> create -nv lp_cpu_mask0 100 P08>>> create -nv lp_cpu_mask1 e00 P08>>> create -nv lp_io_mask0 100 P08>>> create -nv lp_io_mask1 80 P08>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P08>>> create -nv lp_mem_size1 10000000 P08>>> create -nv lp_shared_mem_size 20000000 P08>>> init |
これらの変数を作成した後,コンソール SET コマンドを使用して,変数を操作することができます。これらの変数はプロセッサ 0 でのみ作成する必要があります。
ここでは各環境変数について詳しく説明します。
この変数が 0 に設定されていると,システムは従来の SMP 構成だけをブートします。 Galaxy コンソール・モードは OFF になります。
この変数が 0 以外の値に設定されている場合は,Galaxy 機能が使用され,Galaxy 変数が解釈されます。LP_COUNT の正確な値は,コンソールが認識する Galaxy パーティションの数を表します。
このビット・マスクは,指定された Galaxy パーティション番号にどの CPU を最初に割り当てるかを指定します。AlphaServer 8200 コンソールは,パーティション内の最初の偶数番号の CPU をイニシャル・インスタンスとして CPU 08 で始まるプライマリ CPU として選択します。リソースを割り当てる場合は,このことに注意してください ( つまり,奇数番号だけの CPU をパーティションに割り当てないでください ) 。
これらの変数は,スロット番号によって IO モジュールを各インスタンスに割り当てます。
AlphaServer 8200 の場合,ここに示した割り当てだけが有効です。
これらの変数は,指定されたインスタンスに対して特定の容量のプライベート・メモリを割り当てます。システム内のメモリ容量と各インスタンスにとって必要な割り当てをもとに,適切な値を使用してこれらの変数を作成することが必要です。一般的な値については, 表 B-1 を参照してください。
また,この後の共用メモリ変数も参照してください。
この変数は,共用メモリとして使用するメモリを割り当てます。一般的な値については, 付録 B を参照してください。
共用メモリは 8 MB の倍数で割り当てなければならず,すべての値は 16 進バイトで表現されます。 使用する共用メモリの容量だけを定義でき,他の LP_MEM_SIZE 変数は未定義のままにしておくことができます。このようにすると,コンソールは上位アドレス空間から共用メモリを割り当て,LP_COUNT 変数によって指定された数のパーティションに対して,残りのメモリを等しく分割します。また,LP_MEM_SIZE 変数を使用して特定のパーティションにメモリを明示的に割り当て,他のパーティションのメモリ割り当てを未定義のままにした場合も,コンソールはメモリ・フラグメントを,明示的にメモリが割り当てられたパーティションおよび共用メモリに対して割り当て,残りのメモリを分割して,明示的にメモリが割り当てられていない残りのパーティションに割り当てます。 |
BOOTDEF_DEV 変数と BOOT_OSFLAGS 変数
初期インストールの後や,システム・クラッシュやオペレータによって要求された再ブートの後,システムを再ブートしなければならない場合は, AUTOGEN が正しく再ブートされるように,ブートの前に各 Galaxy コンソールでこれらの変数を設定する必要があります。
P08>>> SHOW LP* lp_count 2 lp_shared_mem_size 20000000 (512 MB) lp_mem_size0 10000000 (256 MB) lp_mem_size1 10000000 (256 MB) lp_cpu_mask0 100 (CPU 0) lp_cpu_mask1 e00 (CPUs 1-3) lp_io_mask0 100 (I/O module in slot 8) lp_io_mask1 80 (I/O module in slot 7) P08>>> |
KFE72-DA が Windows-NT 用に構成されていた場合は,おそらくビデオ・ボードを検出しようとしますが,検出できないときはハングします。 OpenVMS Galaxy を構成する場合,このような状況が一般的に発生します。操作モードを設定するには,コンソール・コマンドを使用します。
P08>>> SET CONSOLE SERIAL |
セカンダリ・コンソールを初期化する前に,プライマリ・コンソールに対してこのコマンドを実行すると,設定はセカンダリ・コンソール・ハードウェアに伝達されます。
イーサネット・ポートを使用する場合は,使用するメディアの種類と接続をコンソールに通知しなければなりません。つまり,AUI,UDP,ツイスト・ペアのいずれを使用するのかを指定する必要があります。コンソールとオペレーティング・システムはどのメディアを使用するかを判断しますが,次のコマンドを使用すれば,特定のメディア・タイプを割り当てることができます。
P08>>> SHOW NETWORK P08>>> SET EWA0_MODE TWISTED |
最初のコマンドは,使用可能なネットワーク装置の一覧を表示します。 2 番目のコマンドは,指定された装置 (この例では EWA0) に対してデフォルト・メディア・タイプを設定します。これはセカンダリ・コンソールを初期化する前に,すべてのイーサネット装置に対して実行しなければなりません。
コンソール・モードとネットワーク・メディア・タイプ (使用する場合) を設定した後,システムを再初期化して,現在の設定を保存します。 Galaxy パーティションをすでに定義している場合は,ここで初期化することができます。Galaxy パーティションをまだ定義していない場合は,初期化は後で実行しなければなりません。
システムを初期化できる場合は,次のコマンドを入力します。
P08>>> INIT |
プライマリ・コンソールからの応答として,通常の電源投入時の自己診断テスト (POST) レポートが出力されます。これには最大 2 分かかる可能性があります。Galaxy パーティションを適切に定義した場合は,プライマリ・パーティションに関連する I/O 装置だけが表示されます。
パーティションが定義されていることを確認するには,次のコマンドを入力します。
P08>>> SHOW DEVICE or P08>>> SHOW NETWORK |
セカンダリ・コンソールを初期化するには,次のコマンドを入力します。
P08>>> LPINIT |
コンソールに次の情報が表示されます。
Partition 0: Primary CPU = 0 Partition 1: Primary CPU = 2 Partition 0: Memory Base = 000000000 Size = 010000000 Partition 1: Memory Base = 010000000 Size = 010000000 Shared Memory Base = 020000000 Size = 010000000 LP Configuration Tree = 12c000 starting cpu 1 in Partition 1 at address 01000c001 starting cpu 2 in Partition 1 at address 01000c001 starting cpu 3 in Partition 1 at address 01000c001 P08>>> |
このコマンドはプライマリ Galaxy コンソール から入力しなければなりません。Galaxy パーティションが正しく定義されており,ハードウェア・リソースが正しく構成されている場合は,プライマリ・コンソールは各セカンダリ・パーティションに割り当てられているプロセッサを起動するはずです。セカンダリ・コンソールは約 2 分以内に初期化されます。
1 つ以上のコンソールの初期化が失敗した場合は,ハードウェアの取り付け, Galaxy パーティションの定義,ハードウェアの割り当てを二重にチェックする必要があります。
OpenVMS コンソールの制限事項とヒントの詳細については, 第 11 章 を参照してください。
6.8 ステップ 8: OpenVMS Galaxy のブート
Galaxy ファームウェアを正しくインストールし,コンソールを構成した後,次の方法で初期 Galaxy 環境をブートできます。
各 Galaxy インスタンスに対して,次の操作を実行します。
P08>>> B -FL 0,1 DKA100 // or whatever your boot device is. SYSBOOT> SET GALAXY 1 SYSBOOT> CONTINUE |
構成はこれで終了です。これで OpenVMS Galaxy が構築されました。
この章では,AlphaServer 4100 で OpenVMS Galaxy コンピューティング環境を構築するための要件と手順について説明します。
7.1 はじめに
AlphaServer 4100 で OpenVMS Galaxy を構築するには,構成およびハードウェアに関して,次の要件を十分理解しておく必要があります。
AlphaServer 4100 では,OpenVMS のインスンタスを最大 2 つ実行できます。
OpenVMS バージョン 7.3 CD-ROM にある AlphaServer 4100 コンソール・ファームウェアが必要です。
第 5 章 に示したコンソール・ヒントの他に,次のことにも注意してください。
AlphaServer 4100 には 1 つのクロックがあります。OpenVMS Galaxy の場合,このことは 2 つのインスタンスを異なる時刻に実行できないことを意味します。また,SET TIME コマンドは両方のインスタンスに影響します。しかし,かなり時間が経過するまで,このことは明らかにならない可能性があります。
COM1 (上) はインスタンス 0 のコンソール・ポートです。
COM2 (下) はインスタンス 1 のコンソール・ポートです。
AlphaServer 8400 で OpenVMS Galaxy を構築する場合と異なり,2 つ目のコンソール用に追加ハードウェアは必要ありません。この目的で COM2 が使用されます。
CPU0 はインスタンス 0 のプライマリでなければなりません。
CPU1 はインスタンス 1 のプライマリでなければなりません。
CPU2 と 3 はオプションのセカンダリ CPU であり,マイグレードすることができます。
下の 4 つの PCI スロットは IOD0 に属しています。これはインスタンス 0 用の I/O アダプタです。
上の 4 つの PCI スロットは IOD1 に属しています。これはインスタンス 1 用の I/O アダプタです。
KZPSA などのストレージ・コントローラが 2 つ必要です。これらのコントローラは個別の Storageworks ボックスに収納することができ,SCSI クラスタとして稼動するために,同じボックスに収納することもできます。各コントローラはそれぞれ IOD0 と IOD1 に接続されます。
各インスタンスでネットワーク・アクセスが必要な場合は,各インスタンスに対してネットワーク・カード (DE500 など) が必要です。
カードは 1 枚ずつ,IOD0 と IOD1 に接続されます。
AlphaServer 4100 の OpenVMS Galaxy では,メモリ・ホールがサポートされないため,OpenVMS Galaxy 環境用の物理メモリは連続していなければなりません。 AlphaServer 4100 でこのことを実現するには,次のいずれかの条件を満たさなければなりません。
AlphaServer 4100 システムで OpenVMS Galaxy を構築するには,この後の節の操作を行います。
7.2 ステップ 1: AlphaServer 4100 構成を確かめる
SHOW CONFIG コマンドを使用して,OpenVMS Galaxy 環境を構築するために使用する AlphaServer 4100 が, 第 7.1 節 で説明した要件を満たしているかどうか確認します。
コンソール・プロンプトに対して次のコマンドを入力します。
P00>>>show config |
コンソールに次の情報が表示されます。
Console G53_75 OpenVMS PALcode V1.19-16, Compaq UNIX PALcode V1.21-24 Module Type Rev Name System Motherboard 0 0000 mthrbrd0 Memory 512 MB EDO 0 0000 mem0 Memory 256 MB EDO 0 0000 mem1 CPU (Uncached) 0 0000 cpu0 CPU (Uncached) 0 0000 cpu1 Bridge (IOD0/IOD1) 600 0021 iod0/iod1 PCI Motherboard 8 0000 saddle0 CPU (Uncached) 0 0000 cpu2 CPU (Uncached) 0 0001 cpu3 Bus 0 iod0 (PCI0) Slot Option Name Type Rev Name 1 PCEB 4828086 0005 pceb0 4 DEC KZPSA 81011 0000 pks1 5 DECchip 21040-AA 21011 0023 tulip1 Bus 1 pceb0 (EISA Bridge connected to iod0, slot 1) Slot Option Name Type Rev Name Bus 0 iod1 (PCI1) Slot Option Name Type Rev Name 1 NCR 53C810 11000 0002 ncr0 2 DECchip 21040-AA 21011 0024 tulip0 3 DEC KZPSA 81011 0000 pks0 |
7.3 ステップ 2: OpenVMS Alpha Version 7.3 をインストールする
OpenVMS Galaxy ソフトウェアを実行するために,特別なインストール手順は必要ありません。Galaxy 機能は基本オペレーティング・システムに組み込まれており,この章で後述するコンソール・コマンドとシステム・パラメータ値を使用して,有効または無効に設定することができます。
AlphaServer 4100 が SCSI クラスタに属していない場合は,各インスタンスに対して 1 つずつ,2 つのシステム・ディスクに OpenVMS バージョン 7.3 をインストールしなければなりません。
AlphaServer 4100 がクラスタで共通のシステム・ディスクを持つ SCSI クラスタの一部である場合は,1 つのシステム・ディスクに OpenVMS バージョン 7.3 をインストールします。
OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのインストールの詳細については, 『OpenVMS Alpha Version 7.3 Upgrade and Installation Guide』 を参照してください。
7.4 ステップ 3: ファームウェアをアップグレードする
ファームウェアをアップグレードするには,OpenVMS バージョン 7.3 の CD-ROM パッケージに含まれている「Alpha Systems Firmware Update Version 5.4 CD-ROM」を使用します。ファームウェアを実際にインストールする前に,パッケージに同梱されているリリース・ノートを参照してください。
7.5 ステップ 4: 環境変数を設定する
インスタンス 0 に対してプライマリ・コンソールを構成します。
CPU0 はインスタンス 0 のプライマリです。
Galaxy 環境変数を作成します。Galaxy 環境変数と各変数の一般的な値については, 第 5 章 を参照してください。
次の例は CPU 3 つと 256 MB + 192 MB + 64 MB に分割された 512 MB のメモリを装備した AlphaServer 4100 の場合の例です。
P00>>> create -nv lp_count 2 P00>>> create -nv lp_cpu_mask0 1 P00>>> create -nv lp_cpu_mask1 6 P00>>> create -nv lp_io_mask0 10 P00>>> create -nv lp_io_mask1 20 P00>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P00>>> create -nv lp_mem_size1 c000000 P00>>> create -nv lp_shared_mem_size 4000000 P00>>> set auto_action halt |
CPU が 4 つあり,すべてのセカンダリ CPU をインスタンス 1 に割り当てる場合は, LP_CPU_MASK1 変数が E になります。2 つのインスタンスで CPU を分割する場合は, CPU 0 がインスタンス 0 のプライマリ CPU になり,CPU 1 がインスタンス 1 のプライマリ CPU にならなければなりません。
MEM_SIZE 変数は,システム構成とメモリの分割方法に応じて異なります。
galaxy_io_mask0 は 10 に設定しなければなりません。
galaxy_io_mask1 は 20 に設定しなければなりません。
コンソール環境変数 AUTO_ACTION は HALT に設定しなければなりません。これにより,システムはブートされず,Galaxy コマンドを入力できるようになります。
7.6 ステップ 5: システムを初期化し,コンソール装置を起動する
P00>>> init P00>>> galaxy |
自己診断テストを完了した後,Galaxy コマンドはインスタンス 1 でコンソールを起動します。
Galaxy が初めて起動されると,次のような複数のメッセージが表示されます。
CPU0 would not join |
IOD0 and IOD1 did not pass the power-up self-test |
これらのメッセージが表示されるのは,2 組の環境変数があり, galaxy
変数は最初にインスタンス 1 に存在しないからです。
I/O バスが 2 つの Galaxy パーティション間で分割される場合は,装置のポート名が変化することに注意してください。たとえば,AlphaServer 4100 がシングル・システムの場合に,DKC300 として指定されるディスクは,OpenVMS Galaxy のパーティション 0 として構成した場合は,DKA300 になります。
P01>>> create -nv lp_cpu_mask0 1 P01>>> create -nv lp_cpu_mask1 6 P01>>> create -nv lp_io_mask0 10 P01>>> create -nv lp_io_mask1 20 P01>>> create -nv lp_mem_size0 10000000 P01>>> create -nv lp_mem_size1 c000000 P01>>> create -nv lp_count 2 P01>>> create -nv lp_shared_mem_size 4000000 P01>>> set auto_action halt |
P00>>> init |
コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Y と入力します。
Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N) |
次の設定名は OpenVMS Engineering システムの場合の例です。それぞれの環境の要件に適合するように,これらの変数は適宜変更してください。
P00>>> set boot_osflags 12,0 P00>>> set bootdef_dev dka0 P00>>> set boot_reset off !!! must be OFF !!! P00>>> set ewa0_mode twisted P01>>> set boot_osflags 11,0 P01>>> set bootdef_dev dkb200 P01>>> set boot_reset off !!! must be OFF !!! P01>>> set ewa0_mode twisted |
P01>>> boot |
インスタンス 1 がブートされた後,システム・アカウントにログインし, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を挿入します。
GALAXY=1 |
SCS ノードと SCS システム ID の行が正しいことを確認してください。次のように AUTOGEN を実行して,インスタンス 1 を Galaxy メンバとして構成し,システムを停止したままの状態にします。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL |
P00>>> boot |
インスタンス 0 がブートされた後,システム・アカウントにログインし, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を追加します。
Add the line GALAXY=1 |
SCS ノードと SCS システム ID の行が正しいことを確認してください。次の手順で AUTOGEN を実行して,インスタンス 0 を Galaxy メンバとして構成し,システムを停止したままの状態にします。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL |
P00>>> set auto_action restart P01>>> set auto_action restart |
P00>>> init |
コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Y と入力します。
Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N) |
また,システムの電源をいったんオフにした後,オンにすることもできます。このようにすると,両方のインスタンスで Galaxy が自動的にブートストラップされます。
操作はこれで終了です。OpenVMS Galaxy が構築されました。
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