Compaq OpenVMS
V7.3 新機能説明書


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6.7 Kerberos for OpenVMS

MIT Kerberos バージョン 5 リリース 1.0.5 をベースにして開発された Kerberos V1.0 for OpenVMS Alpha および OpenVMS VAX は, OpenVMS バージョン 7.3 のディストリビューション・メディアに格納されています (MIT から提供される Kerberos ドキュメントが HTML 形式で標準版 OpenVMS documentation CD-ROM に格納されています)。

Kerberos は,秘密鍵暗号を使用することで,クライアント/サーバ・アプリケーションに強力な認証機能を提供できるように設計されたネットワーク認証プロトコルです。

Kerberos はネットワーク・セキュリティの問題に対処するためのソリューションとして,マサチューセッツ工科大学 (MIT: Massachusetts Institute of Technology) で開発されました。Kerberos プロトコルでは強力な暗号が採用されており,クライアントは安全を確保できないネットワーク接続でサーバに対して身元を証明できます (その逆も可能です)。クライアントとサーバが Kerberos を使用してそれぞれの身元を証明した後,プライバシーおよびデータの整合性を確保するために,すべての通信を暗号化することもできます。

Kerberos の詳細については,次のアドレスの World Wide Web サイトをご覧ください。


http://web.mit.edu/kerberos/www/ 

6.7.1 新しい DCL コマンド KERBEROS

OpenVMS Kerberos は認証セキュリティ製品です。RLOGIN, TELNET,FTP などの広範囲にわたる通信プログラムでユーザ認証を行うことができます。

形式:


KERBEROS [/ADMIN | /USER] 
         [/INTERFACE=[DECWINDOWS | CHARACTER_CELL]] 

修飾子:


/ADMIN 

選択されたインタフェースに対して, Kerberos 管理ユーティリティを起動します。


/USER (デフォルト) 

選択されたインタフェースに対して, Kerberos ユーザ・ユーティリティを起動します。


/INTERFACE=CHARACTER_CELL (デフォルト) 
/INTERFACE=DECWINDOWS 

可能な場合,要求された表示デバイスを起動します。

詳細については『Kerberos for OpenVMS Installation Guide and Release Notes』を参照してください。

6.8 Universal LDAPv3 API (Alpha)

OpenVMS バージョン 7.3 には, Lightweight Directory Access Protocol (LDAPv3) Application Programming Interface (API) が含まれており, OpenVMS アプリケーション開発者,サード・パーティ・アプリケーション,ユーザは OpenVMS 以外のシステムで運営されているエンタープライズ・ネットワーク,イントラネット,エクストラネット,インターネットで任意の LDAP ディレクトリにアクセスできます。マルチスレッド API は 64 ビット・アプリケーションと 32 ビット・アプリケーションの両方を自動的にサポートし, Common Object Model (COM) 対応になります。

ユニバーサルな LDAPv3 API は Microsoft の Active Directory, Novell の NDS,Compaq の X.500 バージョン 4.0 で認定を受けており,Kerberos V5 や Public Key Infrastructure (PKI) などのさまざまなセキュリティ・メカニズムをサポートします。

LDAPv3 キットは次の World Wide Web アドレスから取得できます。


http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/mgmt_agents/index.html 

LDAPv3 API の詳細については,『OpenVMS Utility Routines Manual』を参照してください。

6.9 Compaq PATHWORKS V6.0D for OpenVMS (Advanced Server)

Compaq PATHWORKS V6.0D for OpenVMS (Advanced Server) は,(Compaq Advanced Server V7.3 for OpenVMS の他に) OpenVMS バージョン 7.3 でサポートされる唯一の PATHWORKS for OpenVMS サーバです。PATHWORKS for OpenVMS サーバの以前のバージョンはアップグレードする必要があります。詳細については『 Compaq OpenVMS V 7.3  リリース・ノート [翻訳版] 』を参照してください。

PATHWORKS V6.0D for OpenVMS (Advanced Server) は, OpenVMS Alpha バージョン 7.3,7.2-1,6.2, OpenVMS VAX バージョン 7.3,7.2,6.2 で実行できます。

OpenVMS バージョン 7.3 で PATHWORKS V6.0D for OpenVMS (Advanced Server) にアクセスするには,クライアントはライセンス PAK PWLMXXXCA06.00, PWLMXXXCA07.02,PWLMXXXCA07.03 を使用してライセンスを受け取らなければなりません。詳細については『Compaq Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses 』を参照してください。

Compaq Advanced Server バージョン 7.3 for OpenVMS の最新リリースの情報については, 第 6.2 節 を参照してください。

6.10 Compaq サービス・ツールと DECevent

Compaq Services は,新しい Web ベースのサービス・ツールとして, Web-Based Enterprise Services (WEBES) を提供します。 WEBES は OpenVMS バージョン 7.3 の CD-ROM パッケージの「Compaq System Tools CD-ROM」に格納されています (WEBESには Compaq Crash Analysis Tool (CCAT) と Compaq Analyze コンポーネントが含まれています)。 WEBES は OpenVMS を稼動するすべての AlphaServer DS,ES,GS システムのサービス・ツールとしてサポートされます。ただし,AlphaServer GS60 および AlphaServer GS140 プラットフォームではサポートされません。 AlphaServer GS60 および GS140 プラットフォームでは,今後も DECevent 診断ツールを使用してください。

「Compaq System Tools CD-ROM」には WEBES の他に, DECevent,DSNLINK, Revision and Configuration Management (RCM) ツールが格納されています。

DECevent と WEBES は同じクラスタで利用できます。

サービス・ツールのインストールの方法とその他のドキュメントは,「Compaq System Tools CD-ROM」に格納されています。最新のサービス・ツール情報は次の Web サイトでご確認ください。


http://www.support.compaq.com/svctools/ 

6.11 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS バージョン 5.1

Compaq TCP/IP Services for OpenVMS 製品は,OpenVMS Alpha および OpenVMS VAX システム用に TCP/IP プロトコル群およびインターネット・サービスをコンパックがインプリメントしたものです。

TCP/IP Services では,異種ネットワーク通信およびリソース共用のために,業界標準プロトコルをサポートする包括的な機能とアプリケーションが提供されます。

6.11.1 新機能と変更点

Compaq TCP/IP Services for OpenVMS バージョン 5.1 では,次の新機能が提供されます。

これらのサービスの構成と管理の詳細については,TCP/IP Services for OpenVMS バージョン 5.1 ソフトウェアに添付されている『Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management 』ガイドを参照してください。

6.11.2 TCP/IP Services for OpenVMS のドキュメント

インストールの方法については『Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Installation and Configuration』マニュアルを参照してください。

『TCP/IP Services for OpenVMS Release Notes』には,バージョン固有の最新情報が記載されており,これらの情報はドキュメンテーション・セットの情報より優先します。リリース・ノートでは,このバージョンの機能,制約事項,修正点が記述されています。ソフトウェアをインストールする場合は,あらかじめリリース・ノートを参照してください。

TCP/IP Services for OpenVMS ドキュメンテーション・セットには,次の新しいドキュメントが追加されました。

V5.1 では,次の既存の TCP/IP Services for OpenVMS のマニュアルが更新されました。


第 2 部
OpenVMS ドキュメントの概要


第 7 章
標準版 Compaq OpenVMS ドキュメントの概要

この章では,標準版 Compaq OpenVMS のドキュメントで,以前のバージョンから変更された点について説明します。

日本語 Compaq OpenVMS のドキュメントについては『日本語マニュアル概要』を参照してください。

7.1 標準版 Compaq OpenVMS ドキュメントの変更

表 7-1 は,標準版 Compaq OpenVMS バージョン 7.3 で提供される OpenVMS ドキュメントの変更点について説明しています。

表 7-1 標準版 Compaq OpenVMS バージョン 7.3 で行われたドキュメントの変更
変更分野 説明
オンライン・ドキュメントの拡張
Documentation CD-ROM OpenVMS ドキュメントは 1 枚の ISO9660 Level 2 CD-ROM で提供されるようになった。この CD-ROM は OpenVMS,Windows, Macintosh システムで使用できる。

Documentation CD-ROM の詳細については, 第 8.2 節 を参照。

オンライン形式 OpenVMS のドキュメントは,PDF 形式および HTML 形式のファイルとして,Documentation CD-ROM で提供されるようになった。
Adobe Acrobat Reader Documentation CD-ROM には,Adobe Acrobat Reader の 2 つのバージョンが格納されている。1 つは PC 用の実行可能ファイルである。もう 1 つは ZIP ファイルであり,Java バージョン 1.1.8-5 を稼動する OpenVMS Alpha システムにインストールできる。
オンライン・ヘルプ 次の OpenVMS ユーティリティ・ルーチンの参照情報は,オンライン・ヘルプの RTL_Routines で提供されるようになった。
Access Control List (ACL) Editor (ACLEDIT$)
Backup (BACKUP) (BACKUP$)
Command Language (CLI) (CLI$)
Command File Qualifier (UTIL$)
Convert (CONVERT) (CONV$)
Data Compression/Expansion (DCX) (DCX$)
DEC Text Processing Utility (DECTPU) (TPU$)
EDT (EDT$EDIT; FILEIO; WORKIO; XLATE)
File Definition Language (FDL) (FDL$)
Librarian (LBR) (LBR$)
LOGINOUT (LGI) (LGI$)
Mail Utility (MAIL) (MAIL$)
National Character Set (NCS) (NCS$)
Print Symbiont Modification (PSM) (PSM$; USER- x)
Symbiont/Job Controller Interface (SMB) (SMB$)
Sort/Merge (SOR) (SOR$)
マスタ・インデックス ASCII テキスト形式の『OpenVMS Master Index』マニュアルが Documentation CD-ROM に格納されるようになった。
新しいマニュアル
『Compaq Availability Manager User's Guide』 バージョン 7.3 向けのこの新しいマニュアルでは, OpenVMS Alpha または Windows ノードから Compaq Availability Manager システム管理ツールを使用して,拡張ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) で 1 つ以上の OpenVMS ノードを監視したり,特定のノードやプロセスの詳細分析を行う方法を説明している。
ドキュメント名の更新
ドキュメント名の変更 バージョン 7.3 では次のドキュメント名が変更された。

  • 『Compaq C Run-Time Library Reference Manual for OpenVMS Systems』

    (翻訳版は『Compaq C 国際化ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』)

    Compaq C 製品の名前を反映するように変更された。

  • 『Compaq Portable Mathematics Library』

    DEC から Compaq への社名変更にともない,ドキュメント名も変更された。

  • 『Guide to POSIX Threads Library』

    以前のドキュメント名は Guide to DECthreads だった。

  • 『OpenVMS Alpha Partitioning and Galaxy Guide』

    (翻訳版は『Compaq OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』 )

    以前のドキュメント名は OpenVMS Galaxy Guide だった。

  • 『OpenVMS MACRO-32 Porting and User's Guide』

    以前のドキュメント名は Porting VAX MACRO Code to OpenVMS Alpha だった。

  • 『OpenVMS Version 7.3 New Features and Documentation Overview Manual』

    (翻訳版は『Compaq OpenVMS V7.3 新機能説明書』 )

    OpenVMS のドキュメントに関する情報が含まれるようになった。

構成が変更されたドキュメント
『OpenVMS Programming Concepts Manual』 『OpenVMS Programming Concepts Manual』は構成が変更され,内容が拡充された。次の 2 分冊で提供されるようになった。

  • 『OpenVMS Programming Concepts Manual, Volume I』

    最初に OpenVMS プログラミングの概要を紹介し,その後に「Process and Synchronization (プロセスと同期化)」,「Interrupts and Condition Handling (割り込みと条件処理)」,「Addressing and Memory Management (アドレッシングとメモリ管理)」の 3 部が続いている。

  • 『OpenVMS Programming Concepts Manual, Volume II』

    「Calling a System Routine (システム・ルーチンの呼び出し)」と「I/O, System, and Programming Routines (I/O,システム,プログラミング・ルーチン)」の 2 部が追加された。

DCL コマンド MOUNT MOUNT コマンドに関する参照情報が『Compaq OpenVMS DCL Dictionary A-M』 (翻訳版は『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ: A--M』 ) に記載されるようになった。
OpenVMS のドキュメントに関する情報 『Overview of OpenVMS Documentation』マニュアルは独立したマニュアルとしては提供されなくなり,OpenVMS のドキュメントに関する情報は『OpenVMS Version 7.3 New Features and Documentation Overview Manual』 (翻訳版は『Compaq OpenVMS V7.3 新機能説明書』 ) に盛り込まれた。
アーカイブ扱いになったマニュアル
アーカイブ扱いになった 4 冊のマニュアル バージョン 7.3 以降,次のマニュアルはアーカイブ扱いになった。オンライン・バージョンは,他のアーカイブ扱いのマニュアルとともに, OpenVMS Documetation CD-ROM の別のディレクトリに格納されている。

  • 『Migrating an Application from OpenVMS VAX to OpenVMS Alpha』

    (翻訳版は『OpenVMS VAX から OpenVMS Alpha へのアプリケーションの移行』 )

  • 『OpenVMS Alpha Guide to 64-bit Addressing and VLM Features』

    (翻訳版は『OpenVMS Alpha 64 ビット・アドレッシングおよび VLM 機能説明書』 )

    一部の情報は『OpenVMS Programming Concepts Manual, Volume I』に盛り込まれた。

  • 『OpenVMS Programming Interfaces: Calling a System Routine』

    一部の情報は『OpenVMS Programming Concepts Manual, Volume II』に盛り込まれた。

  • 『TCP/IP Networking on OpenVMS Systems』

    OpenVMS システムで TCP/IP を使用する方法については,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』および Compaq TCP/IP Services for OpenVMS 製品のドキュメンテーション・セットを参照。

アーカイブ扱いになったマニュアルへの追加 『Standard TECO Text Editor and Corrector for the VAX, PDP-11,PDP-10, and PDP-8』マニュアルは,アーカイブ扱いのマニュアルとともに Documentation CD-ROM に格納されるようになった。このマニュアルは印刷形式では提供されない。


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