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ヘルプ・メッセージ・データベース・ファイルは,システム・ディスクに存在しなくても構いません。システム論理名を作成して,ヘルプ・メッセージ検索パスを定義すれば,システム・ディスク以外の場所にある複数の .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。
ヘルプ・メッセージをインストールした場合,省略時の設定では, OpenVMS メッセージ・データベース・ファイルは SYS$COMMON:[SYSHLP]MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA にインストールされます。 ただし,このファイルがインストールされていなくても問題になりません。また,別のディスクにインストールすることもできます。移動先は,論理名 MSGHLP$LIBRARY に定義する必要があります。 この論理名の定義に使用するコマンドは次のとおりです。
DEFINE/SYSTEM MSGHLP$LIBRARY ディスク:[ ディレクトリ ]MSGHLP$LIBRARY |
論理名 MSGHLP$LIBRARY が定義されていなければ,ヘルプ・メッセージは省略時の格納場所にメッセージがあるものとして検索を行います。省略時のデータベース格納場所を使用しない場合は, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に論理名を定義するコマンドを入れて,システムのブートのたびにデータベースを定義するようにしてください。
インストール後に MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA を別の場所に移動した場合は,誤ってデータベースが削除されたり,変更されたりすることのないように,移動先のファイルとディレクトリに正しい保護を設定してください。インストール時の保護は,ディレクトリに対して (RWE,RWE,RE,RE),ファイルに対して (RWE,RWE,RWE,RE) です。 |
システム管理者もシステム・ユーザも,別の .MSGHLP$DATA ファイルを作成することができます。詳細は『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。どの .MSGHLP$DATA ファイルも,システム・ディスク上に存在する必要はありません。新しいファイルに対しては,MSGHLP$LIBRARY でシステム単位の省略時のデータベース検索パスを定義すれば,その .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。また,.MSGHLP$DATA ファイルごとに特別な検索パスを作成しても,その .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。
検索パス定義には,個々のファイル名または 1 つ以上のディレクトリを指定できます。ディレクトリを指定してファイルを指定しないと, Help Message ユーティリティは,このディレクトリ内のすべての .MSGHLP$DATA ファイルを検索します。.MSGHLP$DATA ファイルを追加または削除した場合,ファイルではなくディレクトリを指定すると,保守作業を最小限に抑えることができます。
必要な .MSGHLP$DATA ファイルごとに異なる検索パスを作成すれば,システム資源を有効に利用することができます。異なる種類のメッセージまたは異なるユーザ・グループごとにディレクトリを作成することもできます。たとえば,次の例のように,異なるユーザ・グループに対して,3 つの異なる専用の検索パスを指定することもできます。
DEFINE/SYSTEM 論理名 1 ファイル a, ファイル b, ファイル c |
DEFINE/SYSTEM 論理名 2 ファイル a, ファイル z |
DEFINE/SYSTEM 論理名 3 ファイル x, ファイル a, ディレクトリ y |
/INSERT と /DELETE 処理では,検索パスに最初に指定されたファイルが省略時のデータベースになります。その他の処理では,省略時の設定で検索パスのすべてのファイルがアクセスされます。検索パスに最初にディレクトリを指定した場合,そのディレクトリにファイルを追加または削除すると, /INSERT と /DELETE 処理用の省略時の移動先が設定される可能性があります。 |
システム管理者は,HELP/MESSAGE コマンドに /LIBRARY 修飾子を指定することによって,システムの省略時のデータベースに代わるデータベースを選択することができます。システム・ユーザは,独自の論理名検索パスを定義することもできます。
次の例では,3 つの場所に分かれて存在する .MSGHLP$DATA データベース・ファイルにアクセスするヘルプ・メッセージ検索パスを定義しています。コンパックが提供する OpenVMS メッセージは USERS:[TOOLS] に,ユーザが提供するファイル USERS:[NEW_PROJ]OUR_MESSAGES.MSGHLP$DATA およびすべての .MSGHLP$DATA ファイルは,ディレクトリ TEST:[TRY_ME] にあります。
$ DEFINE/SYSTEM MSGHLP$LIBRARY USERS:[TOOLS]MSGHLP$LIBRARY,- _$ USERS:[NEW_PROJ]OUR_MESSAGES.MSGHLP$DATA,TEST:[TRY_ME] |
ヘルプ・メッセージ・データベースからコンパックが提供するメッセージを削除して,システム資源を節約したり,応答時間を改善することができます。
HELP/MESSAGE/FACILITY= 機能名 /EXTRACT= ファイル名 .MSGHLP |
検索文字列が示すメッセージを抽出する場合は,次の構文を使用する。
HELP/MESSAGE/EXTRACT= ファイル名 .MSGHLP 検索文字列 |
HELP/MESSAGE/DELETE= ファイル名 .MSGHLP |
HELP/MESSAGE/DELETE= ファイル名 .MSGHLP - /LIBRARY= ディスク :[ ディレクトリ ] ファイル名 .MSGHLP$DATA |
次のアップグレードの前に,削除したメッセージをデータベースに戻す予定がある場合は, .MSGHLP ファイルをセーブしておくこと。テープに保管しておくことによって,ディスク空間を節約することができる。いったん削除して,後でデータベースに戻したメッセージは,ユーザが提供したメッセージのように扱われ,変更バー付きになる。
削除したコンパックが提供するメッセージは,次のアップグレードでデータベースに自動的に挿入される。保存された .MSGHLP ファイルを使用したり,新しい .MSGHLP ファイルを作成して,メッセージを削除することができる。将来,メッセージを削除
する場合のためだけに .MSGHLP ファイルを残す場合は,1 と 2 が先頭についた行だけを保存する。
CONVERT ディスク:[ ディレクトリ ] ファイル名 .MSGHLP$DATA ディスク:[ ディレクトリ ] ファイル名 .MSGHLP$DATA |
PURGE ディスク:[ ディレクトリ ] ファイル名 .MSGHLP$DATA |
次の例では,省略時のデータベースから DDTM (DECdtm サービス) 機能のすべてのメッセージを抽出し,その後で削除しています。最後の 2 つのコマンドはコンパックが提供するデータベース・ファイルを圧縮して,削除後のディスク空間を節約するためのものです。
$ HELP/MESSAGE/FACILITY=DDTM/EXTRACT=DDTM.MSGHLP $ HELP/MESSAGE/DELETE=DDTM.MSGHLP $ CONVERT SYS$COMMON:[SYSHLP]MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA - _$ SYS$COMMON:[SYSHLP]MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA $ PURGE SYS$COMMON:[SYSHLP]MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA |
5.6.4 コンパックが提供するメッセージに対する注釈の追加
コンパックが提供するメッセージに注釈を追加することができます。追加した注釈は,コンパックが提供する説明の直後に変更バー付きで表示されます。この機能は,サイトでよく起こる問題に対する解決策を通知するときに便利です。
現在,ユーザがコンパック提供の .MSGHLP$DATA ファイルに追加したコメントは次回のアップグレード時には保存されません。ただし,アップグレード中に変更しなかった場合は,アップグレード終了後も .MSGHLP ファイルにコメントを追加して使用できます。 |
$ HELP/MESSAGE/EXTRACT=NOSNO.MSGHLP NOSNO |
1NOSNO, can't ski; no snow 2XCSKI, XCSKI Program 3Your attempt to ski failed because there is no snow. 4Wait until there is snow and attempt the operation again. 5If you don't want to wait, go to a location where there is 5snow and ski there. 5 5Or, try ice skating instead! |
ファイルの変更にあたっては,次のことに留意する。
$ HELP/MESSAGE/INSERT=NOSNO.MSGHLP |
これにより,コンパックが提供するヘルプ・メッセージの説明の後に注釈が表示されるようになる。
$ HELP/MESSAGE/EXTRACT=ACCVIO.MSGHLP ACCVIO |
[ACCVIO.MSGHLP を編集し,注釈を追加します。]
$ HELP/MESSAGE/INSERT=ACCVIO.MSGHLP |
第 5.6.4 項 に示した手順を使用して,コンパックが提供する情報を変更することはできません。コンパックが提供する情報を完全に変更する場合には,弊社のサポート担当者にご連絡ください。
この項では,コンパックが提供するデータの変更手順を説明します。この手順を用いた場合は,次の結果を伴いますので注意してください。
現在,コンパックが提供するメッセージは次のアップグレード時にデータベースに再挿入され,ユーザが提供するメッセージは上書きされます。 |
HELP/MESSAGE/EXTRACT= ファイル名 .MSGHLP 検索文字列 |
HELP/MESSAGE/DELETE= ファイル名 .MSGHLP |
HELP/MESSAGE/INSERT= ファイル名 .MSGHLP |
これでデータベースには,コンパックが提供するメッセージではないことを示す変更バー付きでメッセージが挿入される。
$ HELP/MESSAGE/EXTRACT=NOFILES.MSGHLP NOFILES $ HELP/MESSAGE/DELETE=NOFILES.MSGHLP |
[NOFILES.MSGHLP を編集し,メッセージを変更します。]
$ HELP/MESSAGE/INSERT=NOFILES.MSGHLP |
5.6.6 コンパックが提供するデータベース・ファイルへのメッセージの追加
独自の .MSGHLP$DATA ファイルを作成して,ヘルプ・メッセージ・データベースに新しいメッセージを追加することができます。具体的な方法については,『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。別のファイルにメッセージを保管しておくことにより,メッセージの管理が簡単になり,将来アップグレードしたときにも自分のメッセージを残すことができます。
コンパックが提供する .MSGHLP$DATA ファイルに対する書き込みアクセスがある場合は,もう 1 つの方法として,コンパックが提供する
MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA ファイルに独自のメッセージを挿入することもできます。現在のところ,この方法で挿入したメッセージは次のアップグレードで書き換えられます。しかし,入力として使用した .MSGHLP ファイルを保管しておけば,そのときに再び挿入することができます。
HELP/MESSAGE/INSERT= ファイル名 .MSGHLP |
$ HELP/MESSAGE/INSERT=MYMESSAGES.MSGHLP |
OpenVMS には,2 つの論理名があり,システムで MAIL 機能をカスタマイズできます。これにより,送信者と受信者が同じノードにいる場合には,使用するネットワーク・アドレス形式を確認したり,メールを (ネットワーク経由ではなく) OpenVMS Cluster 上のユーザに直接送信したりすることが可能です。
MAIL のカスタマイズは,論理名 MAIL$SYSTEM_FLAGS を システムおよびエグゼクティブ・モードの論理名として定義することで行います。次に例を示します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE MAIL$SYSTEM_FLAGS 1 |
論理名 MAIL$SYSTEM_FLAGS の値は,次のように解釈されます。
値 | 意味 |
---|---|
1 | このノードが同質 OpenVMS Cluster システムの一部であることを示す。つまり,すべてのディスクが OpenVMS Cluster システムにアクセス可能であり, OpenVMS Cluster システムに対して共通の SYSUAF ファイルと共通の MAIL ファイルが存在する。
このビットが設定されると,システムはユーザがメールを送っているノードを調べて,それが現在 OpenVMS Cluster システム内に存在するかどうか確認する。ノードが OpenVMS Cluster システム内にあれば,システムは DECnet をバイパスし,メッセージは受信者のメール・ファイルに直接書き込まれる (OpenVMS Cluster システムの一部かどうか決定するために,ノードの準備は整っている必要がある)。 |
2 | $BRKTHRU サービスを実行して受信者にメールの到着を通知するとき, OpenVMS Cluster ブレークスルー・フラグを設定するよう MAIL に指示する。このフラグは OpenVMS Cluster システムだけで使用する。通常は同質 OpenVMS Cluster システム (フラグ 1 も設定されている) だけで使用する。 |
4 | メール到着時刻を,受信者のターミナルに表示される通知メッセージに含めるよう MAIL に指示する。 |
+ 8 | システムが DECnet-Plus を実行している場合, DECnet VAX アドレス構文を使用するよう MAIL に指示する。 |
+16 | DECnet-Plus アドレス構文を使用するよう MAIL に指示する。 |
たとえば,MAIL$SYSTEM_FLAGS が 7 に変換されると,システムは最初の 3 つのフラグを選択します。論理名が変換されないとフラグは設定されません。省略時の値は 0 です。
VAX システムでは,MAIL$SYSTEM_FLAGS の値に 8 と 16 のどちらも含まれていない場合は,システムによって DECnet for OpenVMS または DECnet-Plus がシステム上で稼動しているかどうかのチェックが行われ,適切なビットが設定されているかのように操作されます。 MAIL$SYSTEM_FLAGS が,誤って DECnet と DECnet-Plus の両方を指定してしまった場合,Mail ユーティリティの省略時の設定は DECnet-Plus になります。
ネットワーク・アドレスの中には,Mail ユーティリティが,DECnet-Plus 名にも SMTP 名にも解釈できるアドレスがあります。このようなあいまいなネットワーク名には,次の特徴があります。
これらの名前をシステムが省略時にどのように解釈するかは, MAIL$INTERNET_MODE 論理名で制御できます。
メール・アドレス・モードを指定するには,論理名 MAIL$INTERNET_MODE を次のように定義します。
$ DEFINE/SYSTEM MAIL$INTERNET_MODE address_mode |
システム論理名テーブルにアクセスするためには,SYSNAM 特権または書き込み (W) アクセスが必要です。次の表に,address_mode の値と,MAIL$INTERNET_MODE のそれぞれの値が持つ効果について説明します。
アドレス・モード | 効果 |
---|---|
HYBRID (省略時の設定) | アドレスのノード・コンポーネントに,ピリオド (.) が入っている場合,MAIL は SMTP アドレス・モードを使用する。ピリオドがない場合,MAIL は,DECnet アドレス・モードを使用する。 |
DECNET | MAIL は,アドレスのノード・コンポーネントを常に DECnet ノード指定として解釈する。 |
SMTP | MAIL は,アドレスのノード・コンポーネントを常にインターネット・アドレス指定として解釈する。省略時のアドレス・モードは,論理名 MAIL$INTERNET_TRANSPORT を使用して異なるトランスポートを (したがって,異なるアドレス・モードを) 定義していない限り,SMTP である。 |
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