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INITIALIZE コマンドを使用してから,バックアップを行うという方法の代わりに,BACKUP コマンドで,一度にディスクの初期化とバックアップを行うことができます。
バックアップでディスクを初期化する方法は次の 2 通りあります。
$ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2: |
初期化を終えると,BACKUP は DUA1: の内容を DUA2: にコピーし,効率良く DUA2 の既存ファイルを消去する。DUA2: のファイルは連続して書き込まれるので,ディスクのフラグメンテーションが解消される。
$ BACKUP/IMAGE DUA1: DUA2:/NOINITIALIZE |
DUA1: の内容が DUA2: にイメージ・コピーされ,DUA2 の既存ファイルが効率良く消去される。
$ MOUNT/FOREIGN DJA2: %MOUNT-I-MOUNTED, USER1 mounted on _DJA2: $ BACKUP/IMAGE DUA1: DJA2:DAILY.SAV/INITIALIZE |
初期化を終えると,BACKUP は DUA1: のイメージ・バックアップを順編成ディスク・セーブ・セット DUA2:[000000]DAILY.SAV に作成する。使用可能な未使用空間よりセーブ・セットが大きい場合は,次のボリュームを求めるプロンプトを出し,ボリュームがセットされると,初期化を行って,新しいボリュームのマスタ・ファイル・ディレクトリ [000000] にセーブ・セットの残り部分を書き込む。セーブ・セットについては, 第 11.5 節
,/INITIALIZE 修飾子については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照すること。
ボリュームをマウントするということは,そのボリュームをシステムから使用できるようにすることです。バックアップの場合, BACKUP は自動的にテープをマウントします。ディスクの方は,その大部分がシステム起動時にマウントされます。この節では,明示的にボリュームをマウントする方法について説明します。
セーブ・セットをディスクに書き込む場合は,標準の Files--11 または順編成ディスクのどちらの形式でセーブ・セットを書き込むのか決めてください。
SHOW DEVICE 装置名 |
MOUNT [/FOREIGN] 装置名 [ ボリューム・ラベル ] [ 論理名 ] |
装置名 | マウントするボリュームがセットされている装置名。 |
ボリューム・ラベル | INITIALIZE コマンドでボリュームに設定した英数字からなる識別コード。ディスク・ボリューム・ラベルの最大の長さは 12 文字,磁気テープ・ボリューム・ラベルの最大の長さは 6 文字。 /FOREIGN 修飾子を使用する場合,このパラメータを指定する必要はない。 |
論理名 | ボリュームに対応付ける 1 文字から 255 文字の英数字からなる名前 (省略可)。 |
$ SHOW DEVICE MU Device Device Error Volume Free Trans Mnt Name Status Count Label Blocks Count Cnt DAD$MUA6: Online 0 MOM$MUA6: Online 0 FRED$MUA6: Online 0 $ MOUNT/FOREIGN FRED$MUA6: TEST DRIVE1 %MOUNT-I-MOUNTED, TEST mounted on _FRED$MUA6: |
FRED$MUA6: にテープ・ボリュームをマウントし,論理名として DRIVE1 を設定しています。
11.8.3 ボリュームのディスマウント
/RELEASE_TAPE 修飾子の指定がない場合,BACKUP がバックアップ対象の最後のボリュームをディスマウントすることはありません。したがって,ボリュームに対する操作を終えたら,ディスマウントを行う必要があります。
次の形式で DISMOUNT コマンドを使用します。
DISMOUNT 装置名 |
次は,MUB6: 装置からテープをディスマウントしている例です。
$ DISMOUNT MUB6: |
この DISMOUNT コマンドは MUB6 のテープをディスマウントして,アンロードします。アンロードされたテープは装置から取り出すことができます。テープをディスマウントするだけで,アンロードしたくない場合は,次のコマンドを入力してください。
$ DISMOUNT/NOUNLOAD MUB6: |
スタンドアロン型のワークステーションを使用しているか,設備的にディスクやテープ装置へのアクセスが簡単な場合,たいてい,システム管理者は自分で自分のボリュームをマウントし,初期化することができます。しかしながら,サイトによっては,オペレータが代わってそれらの作業を行うところもあります。使用したい装置のある場所が離れた場所にあったり,あるいはボリュームを操作するのに必要な特権がない場合は,オペレータの支援が必要です。
オペレータと交信する必要があるサイトでは,サイト別プロシージャの内容についてオペレータに問い合わせてください。システムのカスタマイズ方法によって,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) が必要になることがあります。OPCOM は,オペレータ支援を要請することを可能にするシステム・プロセスです。また OPCOM には,オペレータが要請に応答する機能も用意されています。
11.9.1 オペレータ支援の要請
サイト別プロシージャの内容についてオペレータに問い合わせてください。 OPCOM が使われていなかったり,この節で紹介する例と使用方法が異なっていたりすることがあります。 |
自分の代わりにオペレータにテープをマウントしてもらいたい場合は, OPCOM を使用してオペレータにテープのマウントを要請します。
オペレータにテープのマウントを要求する場合は,REQUESTS/REPLY または REQUEST/TO コマンドを使用します。
オペレータ支援を要求したのだが,オペレータがいないという場合は,次のメッセージが表示されます。
%MOUNT-I-NOOPR, no operator available to service request |
このメッセージは,オペレータによってオペレータ・ターミナル機能が無効にされていることを意味します。要求を強制終了する場合は,Ctrl/Z を押します。
BACKUP や MOUNT コマンドでは,/[NO]ASSIST 修飾子を使用することができます。
$ REPLY/ENABLE=TAPES $ REPLY/TO=identification-number "message text" |
$ REQUEST/REPLY "Is anyone using drive MUA12?" %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:21:12.46 %OPCOM-S-OPREPLY, PLEASE DIRECT YOUR REQUEST TO THE TAPE OPERATOR 2-APR-2000 12:26:13.12. request 2 completed by operator OPA0 $ |
/REPLY 修飾子は,オペレータが応答するときに要求を特定できるよう,要求にユニークな番号 (この例では 2) を割り当てる。この場合,オペレータからの応答があるまで,次のコマンドを入力することはできない。
$ REQUEST/TO=TAPES "Is anyone using drive MUA12?" %OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...12:40:11.32 %OPCOM-S-OPREPLY, I'M DONE GO AHEAD 2-APR-2000 12:45:26.18. request 5 completed by operator OPA0 $ |
BACKUP では,セーブ・セットとそこに含まれるファイル情報を取得して,ターミナルに表示したり,ファイルに出力したりすることができます。
BACKUP はそれ自身にのみ解釈可能な形式でセーブ・セットを書き込むため,セーブ・セットを復元せずにセーブ・セットの内容を確認する方法は,一覧出力しかありません。一覧出力機能は,他の BACKUP 機能と組み合せることができます。
省略時の設定では,セーブ・セットの一覧には,各ファイルの実際のブロック数をはじめとして,DCL の DIRECTORY/DATE/SIZE コマンドで提供されるのと類似したセーブ・セットのファイル情報が含まれます。
また BACKUP の一覧出力では,BACKUP ジャーナル・ファイルの内容を一覧出力することもできます。BACKUP ジャーナル・ファイルは,修飾子/JOURNAL[= ファイル指定 ] を使用して保存を行ったときに作成されるファイルであり,BACKUP 保存に関するディスク記録と,保存ファイルに関するファイル指定情報が含まれます。 BACKUP ジャーナル・ファイルの作成と一覧出力についての詳細は, 第 11.13.4 項 を参照してください。
BACKUP セーブ・セットの内容を一覧出力する手順は次のとおりです。
%BACKUP-F-OPENIN, error opening MUA0:[000000].; as input -SYSTEM-W-NOSUCHFILE, no such file |
$ BACKUP/LIST MIA0:2MAR1555.BCK/REWIND Listing of save set(s) Save set: 2MAR1555.BCK Written by: POLYANNA UIC: [000200,000207] Date: 21-MAY-2000 09:36:14.68 Command: BACKUP/LOG [USER.SAVE] MIA0:2MAR555.BCK/REWIND/LABEL=WKY201 Operating system: OpenVMS Alpha Version 7.3 BACKUP version: 7.3 CPU ID register: 08000000 Node name: _SUZI:: Written on: _MIA0: Block size: 8192 Group size: 10 Buffer count: 3 [USER.SAVE]ANOTHER.DAT;1 1 18-MAY-2000 14:10 [USER.SAVE]LAST.DAT;1 1 18-MAY-2000 14:11 [USER.SAVE]THAT.DAT;1 7 18-MAY-2000 14:10 [USER.SAVE]THIS.DAT;2 1 18-MAY-2000 13:44 Total of 4 files, 10 blocks End of save set |
$ BACKUP/LIST MIA0:*.*/REWIND |
$ BACKUP/LIST=MYBACK.DAT [PRAMS] MTA0:2MAR1555.BCK/LABEL=DLY201 |
BACKUP はボリューム・ラベルが DLY201 か調べ,ディレクトリ [PRAMS] の内容を 2MAR1555.BCK というセーブ・セットにコピーする。そして修飾子 LIST があるので,保存しながら,MYBACK.DAT ファイルにセーブ・セット情報を書き出す。
BACKUP でデータを保存すると,セーブ・セットが複数のボリュームにまたがり,マルチボリュームのセーブ・セットになることがあります。そうした場合,BACKUP は最初のボリュームに書き込めるだけのデータを書き込み,続いて,そのボリュームをディスマウントします。この後, BACKUP が行う処理は,BACKUP コマンド行に複数の装置が指定されているかどうか,あるいはテープ・ローダが使用されているかどうかによって異なります。
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-READYWRITE, mount volume DAILY02 on MUA0: for writing Respond with YES when ready: |
OPCOM があり,かつ /ASSIST 修飾子 (省略時の設定) が使用されている場合は,ターミナルに次のメッセージが表示されます。
|
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 |
%BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 . . . |
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