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キューを作成するためには,次の形式でコマンドを使用してキュー・データベースを作成しておく必要があります。
START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION[/ON=(ノード名,...)] - [ディレクトリ指定] |
/NEW_VERSION | 新しいキュー・データベース・ファイルを作成することを指定する。
マスタ・ファイル /NEW_VERSION 修飾子を指定するのは,新しいデータベース・ファイルを作成する場合 だけである。キュー登録システムがすでに機能している場合には,新しいデータベース・ファイルを作成する必要はない。 |
/ON= (ノード名,...) | キュー・マネージャのフェイルオーバをカスタマイズすることを許可する。詳細は 第 13.6 節 を参照。 |
ディレクトリ指定 | キュー・ファイルとジャーナル・ファイルの場所を指定する。 第 13.3.2 項 を参照。キュー・ファイルとジャーナル・ファイルを省略時の場所以外の場所に作成する場合には,このパラメータを使用する。 |
現在正しく機能しているキュー・データベースがない場合にのみ , /NEW_VERSION 修飾子を指定します。既にキュー・データベース・ファイルがある場合にこの修飾子を指定すると,現在のキュー・データベース・ファイルは上書きされます。 |
通常,ユーザがこの作業を実行するのは1度だけです。 これは,ユーザがこのコマンドを実行すると,システムはこのコマンドと指定した修飾子とパラメータとともに,このコマンドをキュー・データベースに格納するからです。
ユーザが STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER コマンドを入力しない限り,ジョブ・コントローラは再起動時に自動的にキュー・マネージャを起動します。このため,スタートアップ・コマンド・プロシージャに START/QUEUE/MANAGER コマンドを記述する必要はありません。
ここでは,システム・ディスクが 1 つの OpenVMS Cluster またはシステム上で,キュー・マネージャを起動する方法とキュー・データベースを作成する方法を説明します。 複数のシステム・ディスクを持った OpenVMS Cluster 内のシステムでは,特殊な作業を実行する必要があります。 OpenVMS Cluster は混合アーキテクチャでもかまいません。実行方法については『Compaq OpenVMS Cluster システム』を参照してください。 |
詳細は 第 13.11.5.1 項 の 2 番目の例を参照。
キュー・マネージャが起動しない場合は, 第 13.11.1 項 の問題解決チェックリストを参照。
次の例は以下を指定しています。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE QMAN$MASTER DUA4:[MASTER] $ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DUA4: $ ! $ ! Add the two previous commands to SYLOGICALS.COM $ ! $ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION DUA2:[SYSQUE] |
1 つ以上のキュー・マネージャを追加作成する方法については, 第 13.8 節 を参照してください。
13.6 キュー・マネージャ・フェイルオーバのカスタマイズ
省略時の設定では, OpenVMS Cluster 環境のすべてのノードでキュー・マネージャが実行可能であり,実行に決まった順番はありません。 START/QUEUE/MANAGER コマンドの /ON 修飾子を使うと,キュー・マネージャの実行可能な OpenVMS Cluster ノードを,実行したい順に列挙したリストを指定できます。少なくとも 1 つのノードが常にキュー・マネージャを実行できるようにするために,ノード・ディスクの最後にアスタリスク (*) を指定することをおすすめします。
13.7 キュー・マネージャの停止
キュー・マネージャを停止し,再起動するには,DCL コマンドを入力する必要があります。
13.7.1 キュー・マネージャの停止
スタンドアロン・ノードまたは OpenVMS Cluster ノードでキュー・マネージャをシャットダウンするには,次のコマンドを入力します。
$ STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER |
キュー・マネージャは,次の作業を実行します。
STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER コマンドが入力されると,キュー・マネージャ・プロセスが停止状態になるため, START/QUEUE/MANAGER コマンドを入力することによってキュー・マネージャを再度起動しないかぎり,キュー・システムに対する要求は拒否されます (キュー・マネージャが 1 つでも実行されているとキュー・システムも実行されています)。
OpenVMS Cluster 遷移によって,キュー・マネージャの状態が変化することはありません。また, START/QUEUE/MANAGER コマンドが入力されないかぎり,新たに使用可能になったノードがキュー・マネージャの起動を試みることはありません。
クラスタ全体で動作するキュー・マネージャを停止させるためには, /CLUSTER 修飾子が必要です。以前の/CLUSTER 修飾子なしの STOP/QUEUE/MANAGER コマンドは,DCL の STOP/QUEUES/ON_NODE コマンドと同じ働きをします。
キュー・マネージャを停止させることなく,特定の 1 つのノードのすべてのキューを停止したい場合は,STOP/QUEUES/ON_NODE コマンドを使用してください。
13.7.2 キュー・マネージャの再起動
システムを再ブートすると,キュー・マネージャは自動的に再起動されます。しかし,次のいずれかの理由で START/QUEUE/MANAGER コマンドを入力しなければならないことがあります。
キュー・マネージャを再起動する場合は,次の形式で START/QUEUE/MANAGER コマンドを使用します。
START/QUEUE/MANAGER[/ON=(ノード名,...)] [ ディレクトリ指定 ] |
キュー・マネージャを再起動する場合,現在使用している /ON=(ノード名,...) 修飾子または ディレクトリ指定 パラメータの値を変更するのでないかぎり,それらの項目を指定する必要はありません。キュー・マネージャを起動するコマンドは,指定した修飾子およびパラメータと一緒にキュー・データベースに格納されます。それらの指定がない場合,キュー・マネージャは,キュー・データベースに格納されているノード・リストと位置情報を使って起動されます。
キュー・マネージャが起動しない場合の対処方法については, 第 13.11.1 項 で説明しています。
13.8 複数のキュー・マネージャの使用
複数のキュー・マネージャを使用すると,バッチ処理とプリント処理の作業負荷を複数のノードやディスク・ボリューム間で分散できます。複数のキュー・マネージャの概要と,キュー・マネージャを追加作成するにはどのような処理が必要であるかを理解しておかなければなりません。
13.8.1 複数のキュー・マネージャについて
この節では,複数のキュー・マネージャの操作に関連する項目について説明します。
複数のキュー・マネージャには次の制限事項があります。
キュー・マネージャのプロセス名は,キュー・マネージャ名の最初の 12 文字です。省略時のキュー・マネージャ名は SYS$QUEUE_MANAGER です。省略時のキュー・マネージャのプロセス名は QUEUE_MANAGE です。 PRINT_MANAGER という名前の追加キュー・マネージャを作成すると,プロセス名は PRINT_MANAGE になります。
キュー・マネージャに関する問題が発生したときに,その問題に適切に対処できるように,すべてのキュー・マネージャのプロセス名を把握しておかなければなりません。 第 13.11 節 を参照してください。
複数のキュー・マネージャによるキュー・データベース・ファイルの使用
複数のキュー・マネージャは, 1 つのマスタ・ファイルを共有します。しかし,複数のキュー・マネージャを使用するキュー・データベースには,各キュー・マネージャに対して 1 つのキュー・ファイルと 1 つのジャーナル・ファイルが格納されます。 第 13.2 節 を参照してください。
省略時の設定では,次のコマンドは省略時のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER,または省略時のキュー・マネージャで実行中のキューに影響します。
/NAME_OF_MANAGER 修飾子を使用すると,これらのコマンドに対して異なるキュー・マネージャを指定できます。
13.8.2 追加キュー・マネージャの作成
1 つ以上のキュー・マネージャを作成するには,次の操作を実行してください。
START/QUEUE/MANAGER/ADD/NAME_OF_MANAGER=名前 - [/ON=(ノード名,...)] [ディレクトリ指定] |
/ADD | 既存のマスタ・ファイルにキュー・マネージャを追加作成し,新しいキュー・ファイルとジャーナル・ファイルを作成する。 |
/NAME_OF_MANAGER= 名前 | 31 文字以内の名前を使用して,省略時のキュー・マネージャ以外のキュー・マネージャを作成する。キュー・マネージャは最大 5 つ作成できる。 |
/ON= (ノード名,...) | キュー・マネージャのフェイルオーバをカスタマイズすることを許可する。詳細は 第 13.6 節 を参照。 |
ディレクトリ指定 | キュー・ファイルとジャーナル・ファイルの格納場所を指定する。 第 13.3.2 項 を参照。キュー・ファイルとジャーナル・ファイルを省略時の格納場所以外の場所に作成する場合には,このパラメータを使用する。 |
新しいキュー・マネージャを作成するときには, /NEW_VERSION 修飾子を指定しないでください。複数のキュー・マネージャは 1 つのマスタ・ファイルを共有します。追加作成した各キュー・マネージャに対して,追加のキュー・ファイルとジャーナル・ファイルが自動的に作成されます。 |
次のコマンドは,BATCH_MANAGER という名前の新しいキュー・マネージャを作成し,起動します。
$ START/QUEUE/MANAGER/ADD/NAME_OF_MANAGER=BATCH_MANAGER/ON=(A,B,*) DUA2:[QUEUES] |
INITIALIZE/QUEUE コマンドでキューを作成するときには, /NAME_OF_MANAGER 修飾子を付けて,キューが実行されるキュー・マネージャの名前を指定します。 /NAME_OF_MANAGER 修飾子を指定しないと,キューは省略時のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER 上で作成されます。
既存のキューを元のキュー・マネージャから別のキュー・マネージャに移動するには, DELETE/QUEUE コマンドでキューを削除し, INITIALIZE/QUEUE コマンドで再作成します。
13.8.2.2 キュー・マネージャの保守
キュー・マネージャを保守するために DCL コマンドを入力するときは,必ず /NAME_OF_MANAGER 修飾子でコマンドを適用するキュー・マネージャを指定します。 /NAME_OF_MANAGER 修飾子を指定しない場合,コマンドは省略時のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER で実行されます。
例で各コマンドが行っている操作は次のとおりです。
$ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION/NAME_OF_MANAGER=PRINT_MANAGER - _$ /ON=(JADE,RUBY,*) $ START/QUEUE/MANAGER/ADD/NAME_OF_MANAGER=BATCH_MANAGER - _$ /ON=(OPAL,PEARL,*) $ SHOW QUEUE/MANAGER/FULL Master file: SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]QMAN$MASTER.DAT; Queue manager PRINT_MANAGER, running, on JADE:: /ON=(JADE,RUBY,*) Database location: SYS$COMMON:[SYSEXE] Queue manager BATCH_MANAGER, running, on OPAL:: /ON=(OPAL,PEARL,*) Database location: SYS$SYSROOT:[SYSEXE] |
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