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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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目次
まえがき
第 1 章:システムの概要
第 2 章:DECwindows Motif の起動
第 3 章:ディスプレイ・サーバの構成
第 4 章:DECwindows の使用方法
付録 A :DECwindows システムのチューニング
付録 B :DECwindows Motif キーマップ名
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HP DECwindows Motif for OpenVMS

HP DECwindows Motif for OpenVMS
管理ガイド


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無効にされた画面は,ディスプレイの一部として初期化されなくなり,画面番号も割り当てられません。これにより既存の画面の順序が変わり,ディスプレイの定義済みのエッジ連結が変わります。

次のシンボル定義は,4 つの画面 (0,1,2,3) で構成されるマルチヘッド・ディスプレイの 3 番目の画面 (2) を無効にします。


$ DECW$SERVER_DISABLESCREEN == "2"

DECW$SERVER_ONLYSCREEN

XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムでは,ディスプレイ中の特定の画面を有効にし,それ以外をすべて無効にすることができます。このパラメータは,指定した画面を明示的に有効にし,それ以外をすべて無効にします。有効な値は 0 〜 15 です。15 は,拡張によってサポートされる最大画面番号です。

次のシンボル定義は,4 つの画面 (0,1,2,3) で構成されるマルチヘッド・ディスプレイの 2 番目の画面 (1) を有効にし,それ以外の画面 (0,2,3) をすべて無効にします。


$ DECW$SERVER_ONLYSCREEN == "1"

DECW$SERVER_EDGE_LEFT

XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムでは,エッジ制御を使用して仮想ディスプレイの境界が定義されます。このパラメータは,ディスプレイの左側の境界をどの画面に連結するかを決定します。値は画面番号で指定します。例を示します。

left-screen#, index-screen#, right-screen#

ここで index-screen# は,境界を連結する画面の番号です。 left-screen# は,インデックスのすぐ左の画面番号を示し, right-screen# はインデックスのすぐ右の画面番号を示します。境界を結びつけるすべての画面に対してこのパターンを繰り返します。値 -1 は指定なしと同じです。

下記のシンボル定義は,4 つの画面が次の順で配置された正方形のディスプレイの左エッジを指定します。

0  1
2  3

2 番目と 4 番目の画面 (インデックス 1 および 3) の左エッジが, 1 番目と 3 番目の画面 (0,2) に連結されます。


$ DECW$SERVER_EDGE_LEFT == "-1,0,-1,2"

DECW$SERVER_EDGE_RIGHT

XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムでは,エッジ制御を使用して仮想ディスプレイの境界が定義されます。このパラメータは,ディスプレイの右側の境界をどの画面に連結するかを決定します。値は画面番号で指定します。例を示します。

right-screen#, index-screen#, left-screen#

ここで index-screen# は,境界を連結する画面の番号です。 right-screen# はインデックスのすぐ右の画面番号を示し, left-screen# は,インデックスのすぐ左の画面番号を示します。境界を結びつけるすべての画面に対してこのパターンを繰り返します。値 -1 は指定なしと同じです。

下記のシンボル定義は,4 つの画面が次の順で配置された正方形のディスプレイの右エッジを指定します。

0  1
2  3

1 番目と 3 番目の画面 (インデックス 0 および 2) の右エッジが, 2 番目と 4 番目の画面 (1,3) に連結されます。


$ DECW$SERVER_EDGE_RIGHT == "1,-1,3,-1"

DECW$SERVER_EDGE_TOP

XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムでは,エッジ制御を使用して仮想ディスプレイの境界が定義されます。このパラメータは,ディスプレイの上部の境界をどの画面に連結するかを決定します。値は画面番号で指定します。例を示します。

top-screen#, index-screen#, bottom-screen#

ここで index-screen# は,境界を連結する画面の番号です。 top-screen# は,インデックスのすぐ上の画面番号を示し, bottom-screen# はインデックスのすぐ下の画面番号を示します。境界を結びつけるすべての画面に対してこのパターンを繰り返します。値 -1 は指定なしと同じです。

下記のシンボル定義は,4 つの画面が次の順で配置された正方形のディスプレイの上エッジを指定します。

0  1
2  3

3 番目と 4 番目の画面 (インデックス 2 および 3) の上エッジが, 1 番目と 2 番目の画面 (0,1) に連結されます。


$ DECW$SERVER_EDGE_TOP == "-1,-1,0,1"

DECW$SERVER_EDGE_BOTTOM

XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムでは,エッジ制御を使用して仮想ディスプレイの境界が定義されます。このパラメータは,ディスプレイの下部の境界をどの画面に連結するかを決定します。値は画面番号で指定します。例を示します。

bottom-screen#, index-screen#, top-screen#

ここで index-screen# は,境界を連結する画面の番号です。 bottom-screen# はインデックスのすぐ下の画面番号を示し, top-screen# は,インデックスのすぐ上の画面番号を示します。境界を結びつけるすべての画面に対してこのパターンを繰り返します。値 -1 は指定なしと同じです。

下記のシンボル定義は,4 つの画面が次の順で配置された正方形のディスプレイの下エッジを指定します。

0  1
2  3

1 番目と 2 番目の画面 (インデックス 0 および 1) の下エッジが, 3 番目と 4 番目の画面 (2,3) に連結されます。


$ DECW$SERVER_EDGE_BOTTOM == "2,3,-1,-1"



トランスポートは,DECwindows クライアント・アプリケーションとディスプレイ・サーバ間のリンクです。ここで説明するシンボルは,使用可能なネットワーク・トランスポート・リンクとリンクのタイミング属性を制御するために使用します。

DECW$SERVER_TRANSPORTS

サーバが着信接続を監視するネットワーク・トランスポートを指定することができます。 DECW$SERVER_TRANSPORTS に指定できる値は, "DECNET","LOCAL","TCPIP",および "LAT" です。このパラメータのデフォルト値は,システム論理名 DECW$INSTALL_TCPIP の値によって変わります。この論理名に True が設定されていると,デフォルト値は "DECNET,LOCAL,TCPIP" となります。論理名が設定されていない場合のデフォルト値は "DECNET,LOCAL" です。

次の例では,使用するトランスポートとして DECnet,local,および TCP/IP を指定する方法を示します。


$ DECW$SERVER_TRANSPORTS == "DECNET,LOCAL,TCPIP"

DECW$XPORT_SYNC_TIMEOUT

このパラメータは,トランスポートのタイムアウト値 (ミリ秒単位) を定義します。デフォルトは 30000 ミリ秒 (30 秒) です。このタイムアウト時間が経過する前にクライアントが自身のバッファを空にしないと,サーバはクライアントを切断します。

次の論理名定義は,タイムアウト値を 60000 ミリ秒 (1 分) に延長します。


$ DEFINE/SYSTEM DECW$XPORT_SYNC_TIMEOUT 60000



テキストの表示は,ディスプレイ・サーバの主な仕事の 1 つです。テキストを表示するために,ディスプレイ・サーバにフォント名と描画する文字セットが渡されます。通常は,フォント名はサーバ・システム (ディスプレイ・サーバまたはフォント・サーバ) 上にある特定のフォント・ファイルに対応します。フォント名とフォント・ファイルの対応付けを行う際に,ディスプレイ・サーバはフォント・パスを検索します。フォント・パスは,順序付けられたディレクトリ・リストです。有効なフォント・ディレクトリには,フォント・ファイル名と対応するフォント名の一覧が記述されたフォント・ディレクトリ・ファイル (DECW$FONT_DIRECTORY*.DAT) がそれぞれ格納されています。ディスプレイ・サーバは,一致するフォント名が見つかるまで各ディレクトリ・ファイルを順に検索します。

また,DECwindows Motif ではフォント別名ファイル (DECW$FONT_ALIAS*.DAT) をサポートしています。このファイルは,有効なフォントディレクトリに格納しておくことができます。これらのファイルにより,あるフォント名が別のフォント名にマッピングされます。ディスプレイ・サーバは,あるフォント・ディレクトリ内のフォント・ディレクトリ・ファイルを確認しても一致するフォントが見つからないと,フォント別名ファイルを検索します。別名ファイル中に一致するフォントが見つかると,変換されたフォント名に置き換えられ,フォント・パスの最初から再度検索が開始されます。

3.1.2.6.1 フォント・パス

第 3.1.2.6 項 で説明したように,フォント・パスは,ディスプレイ・サーバから利用できるフォント・ファイルがあるディレクトリを順に列挙したリストです。フォント・パスは,いくつかの設定パラメータから構成されます。

利用可能なグラフィックス・デバイスの種類もフォント・パスの内容に影響を与えます。サーバの論理名テーブル中の論理名 DECW$FONT にフォント・パスが格納されています。フォント・パスは,以下のディレクトリのサブセットです。

SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.CURSOR32]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.CURSOR16]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.100DPI]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.75DPI]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.COMMON]

フォント・パスには以下のディレクトリも含まれています。

SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.SPEEDO]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.TRUETYPE]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.TYPE1]

フォント・パスの最後には,フォント・サーバへのポインタを追加することもできます。詳細は, DECW$FONT_SERVERS を参照してください。

各ディレクトリの改良版として,ユーザ定義のフォントとユーロ対応のフォントがあります。たとえば,SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI] があります。詳細は, 第 3.6 節 を参照してください。

DECW$SERVER_DENSITY

75 dpi と 100 dpi のどちらのフォントを使用するかは,サーバの密度値によって決まります。 100 dpi のモニタを使用している場合,画面の密度は 75 dpi または 100 dpi になります。 75 dpi のモニタ用のフォントを 100 dpi のモニタで表示すると,小さく表示されるため読みづらくなります。

次のシンボル定義は,100 dpi フォントを使用するように画面密度を設定します。


$ DECW$SERVER_DENSITY == "100"

DECW$CURSOR_SIZE

このパラメータは,フォント・パスに含めるカーソル・フォント・ディレクトリを定義します。 16 を設定すると 16x16 のカーソルだけが対象となり, 32 を設定すると,32x32 と 16x16 の両方のカーソルが対象となります。値 32 を設定することで表示される大きなサイズのカーソルは, 100 dpi のディスプレイに適しています。

次のシンボル定義は,カーソル・サイズとして 16x16 を設定します。


$ DECW$CURSOR_SIZE == "16"

DECW$FONT_SERVERS

フォント・パスにフォント・サーバを追加するには,ファイル SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM のサイト固有のサーバ・セクションでシンボル DECW$FONT_SERVERS を定義します。

コンマで区切ったリストとしてシンボルを定義することで,複数のフォント・サーバを追加することができます。このシンボルでは大文字と小文字は区別されません。

次のシンボル定義は,フォント・パスにフォント・サーバ ASHFLD::FONTSRV を追加します。


$ DECW$FONT_SERVERS == "DECNET/ASHFLD::FONTSRV"

DECW$IPV6_FONT_SUPPORT

このパラメータは,クライアントが明示的なフォント・サーバ・パスを指定した場合に, DECW$FONT_SERVER 定義中でのトランスポート名 TCP および TCPIP の解釈方法を制御します。このパラメータには以下のいずれかの値を設定します。

  • TCP_IS_INET6
    トランスポート名 TCP および TCPIP は,INET6 トランスポートの同義語として解釈されます。この値を使用すると,トランスポート名 TCP または TCPIP を指定した場合に,ディスプレイ・サーバとそのフォント・サーバ間のデフォルトのトランスポートとして,IPv6 が有効になります。この設定は,IPv6 トランスポートをデフォルトとして使用することを要求する点に注意してください。指定したノード上で IPv6 トランスポートが利用できないと, IPv4 トランスポートが使用されます。

  • DISABLED
    トランスポート名 TCP および TCPIP は,INET トランスポートの同義語として解釈されます。これは,パラメータが定義されていない場合のデフォルト値です。この値を使用すると,トランスポート名 TCP または TCPIP を指定した場合に,ディスプレイ・サーバとそのフォント・サーバ間のトランスポートとして, IPv4 が設定されます。この場合も,クライアントがフォント・サーバ・パスで明示的に INET6 トランスポートを指定することで, IPv6 トランスポートを要求することができます。

次の例では,トランスポート名 TCP および TCPIP を INET6 のトランスポートとして解釈することを指定しています。


$ DECW$IPV6_FONT_SUPPORT == TCP_IS_INET6

3.1.2.6.2 フォント・キャッシュ

フォント・ファイルには,そのフォント内のすべてのグリフ (文字) を表す圧縮されたバイナリ・データが格納されています。たとえば,次のフォントファイルには,Helvetica 12 ポイント・フォントの各グリフのすべての情報が格納されています。

DECW$SYSCOMMON:[SYSFONT.DECW.100DPI]HELVETICA12_100DPI.DECW$FONT 

DECwindows ディスプレイ・サーバは, X11R5 のディスプレイ・サーバで採用された PCF (Portable Compiled format) をサポートしています。 PCF ではフォント形式が変更されており,フォント・データの一部としてビット/バイトの指示とアラインメント情報が格納されているため,ベンダに依存しないフォント・サポートが可能になっています。

DECW$SERVER_FONT_CACHE_SIZE

このパラメータは,各フォントに割り当てる単位数を定義し, 16 ビットの .PCF フォントだけに適用されます。デフォルトは 1024 です。

次の論理名定義は,フォント・キャッシュのサイズを 512 に減らします。


$ DEFINE/SYSTEM DECW$SERVER_FONT_CACHE_SIZE 512

DECW$SERVER_FONT_CACHE_UNIT

このパラメータは,単位あたりのバイト数を定義します。デフォルトは 128 です。

次の論理名定義は,単位あたりのバイト数を 512 に増やします。


$ DEFINE/SYSTEM DECW$SERVER_FONT_CACHE_UNIT 512

3.1.2.6.3 フォント・スケーリング

いくつかの形式のスケーラブル・アウトライン・フォントのサポートに加え, DECwindows のディスプレイ・サーバは,あらゆるビットマップ・フォントを任意のサイズにスケーリングすることができます。

ただし,これらのスケーリングされたビットマップ・フォントの品質は,元のビットマップ・フォントはもちろん,それに相当するスケーリングされたアウトライン・フォントよりも大きく劣ります。デフォルトでは,この機能は無効になっています。いくつかのケースでは,この品質劣化は許容範囲にあり,スケーリングによりフォント・サイズの柔軟性が増します。

DECW$SERVER_SCALE_BITMAP_FONTS

このパラメータを使用すると,ビットマップ・フォントのスケーリングによる,任意のポイント・サイズの文字の表示が有効になります。デフォルト値は False (無効) です。

次の論理名定義は,ビットマップ・フォントのスケーリングを有効にします。


$ DEFINE/SYSTEM DECW$SERVER_SCALE_BITMAP_FONTS TRUE


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