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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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目次
まえがき
第1章:New Desktopの概要
第2章:New Desktopの使用方法
第3章:New Desktopの管理
第4章:アプリケーションの統合
第5章: プログラミング・リソース
付録A :New DesktopとCDEとの違い
付録B :複数画面のサポート
付録C :CDEのAPIルーチン
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New Desktop 使用概説書

New Desktop 使用概説書


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New Desktop のアプリケーションが使用するフォントは,一般的なフォント名で参照されます。これらのフォント名は,実際のフォント名ではなくフォントの別名です。これらの別名は,フォント別名ファイルによって実際のフォント名にマップされます。 New Desktop のログイン・プロセスが起動すると,現在選択されている言語とディスプレイの解像度に基づいて,該当するフォント別名ファイルを選択します。 New Desktop は接続されているXサーバに,フォント・パスをリセットして新しいフォント・ディレクトリを組み込むよう指示します。これはログイン・プロセスが, Xサーバと同じシステム上で実行中の場合にのみ可能です。ログイン・プロセスが,ディスプレイのノード名と現在のトランスポート型を調べて, Xサーバと同じシステムであるかどうかを判断します。

  注意
フォント別名ディレクトリは,トランスポートがLOCALに設定 (デフォルト設定) されているか,ディスプレイのノード名が0に設定されている場合にのみ,フォント・パスに追加されます。

遠隔ディスプレイでは, New Desktop のフォントは New Desktop のフォント別名が遠隔ディスプレイ用に定義されている場合にのみ使用されます。

3.7.1 アプリケーションのフォントのサイズの変更

スタイル・マネージャの [フォント] オプションで,全CDEアプリケーションで使用するフォントのサイズを選択することができます。選択値は,変更後起動する各アプリケーションに影響しますが,すでに実行中のCDEアプリケーションには影響しません。また既存のDECwindowsアプリケーションにも影響しません。

3.8 X端末その他の遠隔ディスプレイの使用

New Desktop をX端末などの遠隔ディスプレイとともに使用する場合,ウィンドウ・マネージャやフォント別名など,一部の構成要素に特別に注意する必要があります。

3.8.1 New Desktop のウィンドウ・マネージャの選択

ほとんどのX端末には, X端末自体で実行するローカルなウィンドウ・マネージャなど,いくつかのローカル機能を提供しています。 New Desktop のワークスペース(ウィンドウ)・マネージャは, New Desktop の中心部分をなすもので, New Desktop を正しく動作させるために必ず使用しなければなりません。ほとんどのローカルのX端末用ウィンドウ・マネージャは,起動時に遠隔ウィンドウ・マネージャに従属することができますが,この機能は標準オプションではない場合があります。

たとえば,弊社の VXT 2000 X Terminal には [遠隔ウィンドウ・マネージャ使用可]オプションがありますが,これは標準ではありません。 New Desktop のウィンドウ・マネージャを使用するには, [ターミナル・マネージャ...] ダイアログ・ボックスの [カスタマイズ] オプションにある [遠隔ウィンドウ・マネージャ使用可] オプションをオンにする必要があります。他のX端末のこれに相当するオプションについては,ご使用のX端末のマニュアルを参照してください。

3.8.2 フォント別名ファイルへのアクセス

X端末あるいは X サーバがローカル・システムで実行されていない環境では,フォント・パスは New Desktop のフォント別名ディレクトリをログイン・プロセス中に組み込むように変更されません。この結果, Xサーバは New Desktop のアプリケーションで使用するフォント名を認識しません。ほとんどのアプリケーションは同一の代替フォントを使用し,スタイル・マネージャの [フォント] オプションを使用してサイズを変更することはできません。アプリケーションは正しく実行されますが,多くのアプリケーションのフォントのサイズとスタイルは, New Desktopアプリケーションのものとは異なります。

この問題を避けるためには, Xサーバが利用できる New Desktop のフォント別名ファイルを作成する必要があります。その 1 つの方法は, UNIXシステム上で稼動中のフォント・サーバを使用することです。その UNIX システムが CDE (共通デスクトップ環境)をサポートしている場合には,正しいフォント別名ファイルを設定する必要があります。サポートしていない場合は,フォント別名ファイルを OpenVMS AlphaシステムからUNIXシステムにコピーすることができます。デフォルトのCロケールのフォント別名ファイルは,次のとおりです。

CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.C.100DPI]DECW$FONT_ALIAS.DAT 
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.C.75DPI]DECW$FONT_ALIAS.DAT 

以上の各ファイルをUNIXシステムの該当するフォント別名ディレクトリにコピーして,ファイル名をfonts.aliasに変更してください。フォント・パスの変更方法についての詳細は, UNIXの X サーバとフォント・サーバ関連のドキュメントを参照してください。フォント・サーバが New Desktop のフォント別名ファイルを認識するようになったら, X端末から遠隔システムのデフォルトのフォント・パスに,そのフォント・サーバを追加してください。

その他の言語では,次のファイルがフォント別名ファイルです。

CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.language.100DPI]DECW$FONT_ALIAS.DAT 
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.XFONTS.language.75DPI]DECW$FONT_ALIAS.DAT 

C以外の言語では,その言語のフォント別名の次に必ず, C ロケールのフォント別名を入れてください。

  注意
本書の作成時点では, OpenVMSフォント・サーバは用意されていませんが, OpenVMS Alpha用のフォント・サーバが他ベンダから提供されています。

フォント・サーバにアクセスできない場合は,フォント別名ファイルをX端末あるいは遠隔Xサーバのフォント・パスに直接含めることができます。これは,遠隔システムのXサーバがアクセスできるディレクトリに,必要なフォント別名ファイルをコピーすることで可能となります。遠隔XサーバがOpenVMS Alphaシステム上で稼動中の場合は,フォント別名ファイルが置かれる正しいディレクトリは次の各ディレクトリです。

SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI] 
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI] 
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_COMMON] 

フォント別名ファイルのコピー後は,フォント・パスをリセットする必要があります。これは,セッションをログアウトしてから再度ログインすることで可能です。

  注意
弊社の X 端末は,OpenVMS の LAT フォント・デーモンを使用してフォント別名ファイルを読み込むことはできません。 OpenVMS Alphaシステムでは, NFS あるいは TFTP を使用してフォント別名ファイルにアクセスする必要があります。



遠隔ディスプレイでは,フォント・パスはログイン時に選択されたロケール用のフォント別名ファイルを動的に組み込むようには変更されません。言語を切り替えるたびに, X端末や遠隔ディスプレイのフォント・パスを編集する必要があります。

3.9 複数画面の使用

New Desktop では, 1台のXディスプレイに複数画面を使用することができます。この構成は,デュアルヘッド・ディスプレイとも呼ばれます。複数画面の作成と管理方法についての詳細は, 付録 B を参照してください。

3.10 New Desktop で作成されるプロセスの管理

New Desktop は数多くのアプリケーションで構成されており,これらのアプリケーションのほとんどは,特に指定しなくても独立プロセスとして起動します。プロセスの論理名やグローバル・シンボルなどのほとんどのプロセスの状態データは,独立プロセスには渡されません。通常,DECW$DISPLAY および LANG の各論理名だけが渡されます。その他のプロセスの論理名は特別にシンボルを付けて渡すことができ,あるいは独立プロセスの代わりにサブプロセスを指定することもできます。

3.10.1 プロセスの論理名の独立プロセスへの引き渡し

独立プロセスに他のプロセスの論理名を渡す必要がある場合は, New Desktop の特殊なメカニズムを利用することができます。このメカニズムは,個人アプリケーションのセットアップ・ファイル SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM に定義する CDE$DETACHED_LOGICALS シンボルを使用して動作します。たとえば,次の定義により論理名 MYLOGICALが作成されたすべての独立プロセスに渡されます。

$ CDE$DETACHED_LOGICALS == "MYLOGICAL" 



3.10.2 サブプロセスの作成の指定

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイルに CDE$SPAWN_PROCESSES シンボルを定義することによって,独立プロセスではなく全プロセスをサブプロセスとして作成することができます。次の定義により,全プロセスはサブプロセスとして作成されます。

$ CDE$SPAWN_PROCESSES == "TRUE" 

特定のプロセスのクォータは,そのプロセスおよびそのサブプロセスで共有されます。サブプロセスの作成を指定した場合は, Authorize ユーティリティを使用してプロセス・クォータの一部の増加が必要となる場合があります。特に,PRCLM, PGFLQUOTA, BYTLM の増加が必要となる場合があります。

3.10.3 プロセスのデバッグ

デバッグ処理で, New Desktop の各プロセスが起動している実際のDCLコマンドを表示したい場合があります。次のシンボルを定義することによって,ユーザのエラー・ログ・ファイルにこの情報を記録することができます。

$ CDE$LOG_PROCESSES = "TRUE" 

デフォルト設定では,この情報はユーザのエラーログ・ファイルに記録されません。なお,たとえば1つの背景に対して短時間で複数のスクリーン・セーバを選択した場合など,対話型でプロセスを作成している場合,エラーログ・ファイルが著しく大きくなることに注意してください。

3.10.4 プロセスをプロセス名別に識別する

New Desktop および DECwindows デスクトップの両方とも,明確に定義される方法でプロセス名を付けます。 SHOW SYSTEM コマンド,SHOW USERS/FULLコマンドのいずれかを使用して,システムのプロセス一覧を表示することができます。

表 3-7 に, New Desktop で作成される New Desktop 固有のプロセス名を示します。

表 3-7 New Desktopのプロセス名
プロセス名1 用途
DTLOGIN ログイン・マネージャ
DTGREET ログイン用ユーザ・インタフェース・アプリケーション
DTHELLO_ n ログイン時に表示される挨拶画面
DTSESSION セッション・マネージャ
DTWM ワークスペース (ウィンドウ) ・マネージャ
user$CDE n New Desktop で作成される独立プロセス

1プロセス名のnは1桁以上の数値を表し,userはユーザ名を表します。

表 3-8 に, DECwindowsデスクトップで作成され DECwindows 固有のプロセスを示します。

表 3-8 DECwindowsデスクトップのプロセス名
プロセス名1 用途
DECW$LOGINOUT ログイン・マネージャ
WAITFORSM_ n セッション・マネージャ起動中にX接続を保持します。
DECW$SESSION セッション・マネージャ
DECW$MWM ウィンドウ・マネージャ
VUE$ user_ n サブプロセス

1プロセス名のnは1桁以上の数値を表し,userはユーザ名を表します。

表 3-9 に,両デスクトップで共用するプロセス名を示します。

表 3-9 両デスクトップの共用プロセス名
プロセス名1 用途
DECW$TE_ n 漢字端末エミュレータのコントローラ
_FTA n 漢字端末エミュレータのユーザ・プロセス
_WSA n ログイン前または再起動中のプレースホールダ・プロセス
user_ n サブプロセス

1プロセス名のnは1桁以上の数値を表し,userはユーザ名を表します。



CDE(共通デスクトップ環境)のシステム管理についての詳細は,関連するオンライン・ヘルプおよびオンライン版のCDEドキュメント『共通デスクトップ環境: 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』を参照してください。このオンライン版ドキュメントにアクセスする方法またはその印刷版ドキュメントを入手する方法については, 表 1-2 を参照してください。


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