6.1.5 over-the-spot 入力スタイル使用時の注意 |
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DEC 日本語入力サーバを用いて,over-the-spot 入力スタイルで文字を入力する場合, preedit 中の文字は Text widget 上に表示されていても,実際には Text widget には入力されていないので,XmTextGetString 等の関数を呼んでもその文字は受け取れません。preedit 中の文字とはアンダーラインが引かれてる文字です。
文字の入力から次の操作へ移る前に preedit 状態を終了させ Text widget への入力を完了させる必要があります。
日本語 OpenVMS の IMLIB の TARO キー以外のキー定義の初期状態では, preedit を終了させるキーの定義がありません。そこで,そのようなキーの定義を行う必要があります。
以下は,日本語 OpenVMS V6.0 のシステムで,標準の JVMS キー定義ファイルを変更して,preedit を終了させるキーを gold + Ctrl/N として追加する例です。 IMLIB のキー定義について詳しくは『ユーザ・キー定義利用者の手引き』を参照してください。
- JVMS キー用のマクロ・ファイルと本体を自分のログイン・ディレクトリにコピーします。
$ SET DEFAULT SYS$LOGIN:
$ COPY JSY$EXAMPLES:IM$KEY_JVMS_LEVEL2.DAT MY_KEY.DAT
$ COPY JSY$EXAMPLES:IM$KEY_COMMON_BODY_LEVEL2.DAT MY_KEY_BODY.DAT
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- エディタを使って MY_KEY.DAT を変更します。
- 以下の行を追加
owari = gold + CTRL_N ! 漢字変換終了
- 以下の行を変更
(変更前)%INCLUDE (IM$EXAMPLES:IM$KEY_COMMON_BODY_LEVEL2.DAT)
(変更後)%INCLUDE (SYS$LOGIN:MY_KEY_BODY.DAT)
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- エディタを使って MY_KEY_BODY.DAT を変更します。
- 以下の行を inputting, converting, kk_converting STATE に追加
owari : DONE, GOTO "initial";
- 変更されたファイルをコンパイルします。
- profile を自分のログイン・ディレクトリにコピーします。すでにログイン・ディレクトリにある場合は必要ありません。
$ COPY SYS$LIBRARY:IM$PROFILE.DAT SYS$LOGIN:
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- エディタを使って,ログイン・ディレクトリにある IM$PROFILE.DAT の中の次の行を変更します。
(変更前)DEC-JAPANESE.KEY.keybind : IM$KEY_JVMS_LEVEL2
(変更後)DEC-JAPANESE.KEY.keybind : SYS$LOGIN:MY_KEY
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テキストを入力する際に使用する変換キーには,次の4つの変換キー定義があります。このうちのいずれか1つを使用することができます。特に何も指定しない限り,変換キー定義は JVMS となります。変換キー定義の変更方法に関しては
第 6.2.1 項 を参照してください。
- JVMS キー (省略時設定)
日本語 VMS 標準の変換キー定義です。変換キーは 表 6-2 の通りです。
- EVEJ キー
EVEJ エディタの変換キー定義です。日本語 EVE の EVEJ キーパッド・モードで使われています。変換キーは 表 6-3 の通りです。
- LEIA キー
LEIA エディタのキー定義です。数字キーパッドを使ってかな漢字変換を行います。変換キーは
表 6-4 の通りです。
- TARO キー
ワープロ・ソフトの一太郎1の変換キー定義に似た変換キー定義です。変換キーは
表 6-5 の通りです。
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ワークステーションで日本語キーボードを使う場合は,『リリース・ノート』の「日本語キーボード」節に記述されている省略時の設定を行ってください。
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