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HP OpenVMS Systems
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日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

システム管理者ガイド


2007 年 7 月

本書では,DCPS プリント・キューの作成方法, DCPS 環境のカスタマイズ方法,印刷に関するトラブル・シューティングについて説明します。

ソフトウェア・バージョン:日本語 HP DECprint Supervisor (DCPS) V2.6 for OpenVMS

オペレーティング・システム:日本語 OpenVMS I64 V8.2, V8.2-1, V8.3
日本語 OpenVMS Alpha V6.2, V7.3-2, V8.2, V8.3
日本語 OpenVMS VAX V5.5-2,V6.2,V7.3



日本ヒューレット・パッカード株式会社


2007 年 7 月

© Copyright 2007 Hewlett-Packard Development Company, L.P.

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まえがき

対象読者

本書は, DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアをインストールしたプリンティング・システムを管理するOpenVMSシステム管理者と,データ・センター・オペレータを対象にしています。本書を参照すれば,プリント・キューを作成および変更し,プリント・ジョブとプリント・キューを管理し,ユーザの必要条件を満足するようにプリンティング環境を設定することができます。

本書はまた,フォーム定義,セットアップ・モジュール,およびレイアップ定義ファイルを使用してプリンティング・システムを設定する高度なユーザや,アプリケーション・プログラマも対象にしています。ユーザがプリンティング・システムの機能をアクセスする方法については,『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアがまだインストールされていない場合には,『 DCPS インストレーション・ガイド』を参照してください。

注意

本書は,標準版『HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS System Manager's Guide』の翻訳版です。英文マニュアルにあるDEClaser プリンタ, ScriptPrinter および LN03 イメージ・プリンタに対応する日本語製品は存在しませんが,記述は削除しておりません。また,SoftFonts 製品についても,同様に日本語版は存在していません。現在サポートされている日本語 PostScript プリンタおよび今後サポートされるハードウェア/ソフトウェアの変更,追加に関しては,その時点での『ソフトウェア機能仕様書(SPD)』および『リリース・ノート』を参照してください。

本書の構成

本書には,以下の章と付録があります。

関連資料

DCPS については次のドキュメントを参照してください。

表 1 日本語 DECprint Supervisorドキュメント
『リリース・ノート』 DCPS の使用上の注意事項について説明しています。
『インストレーション・ガイド』 DCPS のインストール方法について説明しています。
『システム管理者ガイド』 システム管理者,データセンタ・オペレータ,アプリケーション・プログラマが, DCPS プリント・キューをどのように作成/管理し,印刷に関する問題を解決するかを説明します。
『ユーザーズ・ガイド』 DCPS を使用して PostScript プリンタに印刷する方法について説明しています。
『ソフトウェア仕様書 (SPD 48.27.xx) 』 DCPS がサポートするプリンタの一覧, DCPS V2.6 の機能と動作環境について説明しています。

HP OpenVMS の製品およびサービス情報については,下記のURLの Web サイトを参照してください。


http://www.hp.com/jp/openvms/ (日本語) 
http://www.hp.com/go/openvms/ (英語) 

本書の表記法

このドキュメントでは以下の表記法を使用します。

表記法 意味
Ctrl/ x Ctrl/ x という表記は,Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。
[Return] 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。

HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。

... 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。

  • 文中のオプションの引数が省略されている。

  • 前出の 1 つまたは複数の項目を繰り返すことができる。

  • パラメータや値などの情報をさらに入力できる。

.
.
.
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。
( ) コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。
[ ] コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか 1 つを選択しても,あるいは 1 つも選択しなくても構いません。ただし, OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。
[|] コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。
{ } コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか1のオプションを指定しなければなりません。
太字 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。
italic text イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ ( たとえば内部エラー number),コマンド・ライン ( たとえば /PRODUCER= name),コマンド・パラメータ ( たとえば device-name) などの変数を示す場合にも使用されます。
UPPERCASE TEXT 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。
Monospace type モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。

C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。

-- コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。
数字 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて 10 進数です。10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) は,その旨を明記してあります。


第 1 章
DECprint Supervisor の概要

1.1 DECprint Supervisor ソフトウェアの目的

DECprint Supervisor ソフトウェアを使用することにより, ネットワークに接続された PostScript プリンタの使用および管理が可能となります。たとえば,ユーザは次のことが可能となります。

システム管理者は次のものを準備することにより,プリンティング・システムを使用しやすくすることができます。

DCPS では,次の機能も提供します。

DCPS のバージョン

現在システムで実行されている DCPS ソフトウェアのバージョンは,ジョブおよびファイルのセパレータ・ページに印刷される他, DCPS$STARTUP.COM 実行時に表示されます。論理名 DCPS$VERSION にもバージョン番号が含まれています。 DCPS$VERSION が定義されていない場合,DCPS はそのシステムで起動されていません。

1.2 DECprint Supervisor ソフトウェアの構成要素

DECprint Supervisor ソフトウェアは次の要素で構成されています。

DECprint Supervisor シンビオントはOpenVMSプリント・シンビオントである PRTSMBの代わりに使用されます。ソフトウェアは実行可能イメージ・ファイル,テキスト,およびヘルプ・ファイルから構成されます。

図 1-1 は,プリント・ジョブがOpenVMSシステムで作成され,プリンタに送信される処理を示しています。

図 1-1 DECprint Supervisorソフトウェアの構成要素


この後の各項では, DECprint Supervisor プリンティング・システムのソフトウェア構成要素について説明します。

1.2.1 プリント・シンビオント

ユーザはDCLのPRINTコマンドを使用してジョブをプリンタに送信するか,または OpenVMSシステム・サービス・コール SYS$SNDJBC を発行するアプリケーション・プログラムを使用してジョブをプリンタに送信します。プリント・シンビオントはプリント・ジョブを管理します。 DECprint Supervisor ソフトウェアは次の操作を実行します。

たとえば,ユーザが次のPRINTコマンドを入力したとします。


$ PRINT /QUEUE=POST3 /NOTIFY THORNTON.TXT

PRINTコマンド行はシステム・サービス・コールに変換され,ジョブ・コントローラに送信されます。引数はジョブ・コントローラ・データ構造に変換され,その後,処理のためにシンビオントに渡されます。シンビオントは処理した引数とファイル・データをプリンタに送信し,プリント・ジョブの状態を示すメッセージを表示して,ユーザに通知します。

PRINTコマンドとその修飾子についての説明は『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

1.2.2 装置制御ライブラリ

装置制御ライブラリはセットアップ・モジュールを登録した OpenVMSテキスト・ライブラリです。シンビオントは装置制御ライブラリに登録されているモジュールを使用して,さまざまなPRINTパラメータを実現します。 DECprint Supervisor ソフトウェアは,PRINTコマンド行に指定された修飾子またはプリント・キューに割り当てられている修飾子に応じて,適切なモジュールを取り出し,そのモジュールをデータ・ストリームに挿入します。

また,装置制御ライブラリには,シンビオントが自動的には使用しないモジュールも登録されています。これらの一部のモジュールにはPostScriptプロシージャが登録されており,たとえば,プリント・ジョブにエラー処理プログラムを追加したり,代替文字エンコーディングを認識するように findfont プロシージャを拡張したりするために使用します。詳しくは『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

各システムで使用するために独自のセットアップ・モジュールを作成することもできます。セットアップ・モジュールを作成する場合には,それらのモジュールは DCPS$DEVCTLライブラリ以外の装置制御ライブラリに登録しなければなりません。 第 7 章 の説明に従って装置制御ライブラリを作成し, DCPS$STARTUP.COMに定義されている装置制御ライブラリ検索リストに,新しいライブラリを追加してください。

独自のセットアップ・モジュールを登録するためにシステム固有の装置制御ライブラリを作成した場合,ライブラリの内容は DECprint Supervisor ソフトウェアの現在のバージョンから次のバージョンに移行したときは,そのまま保存されます。標準装置制御ライブラリ,DCPS$DEVCTLは新しいものに置き換えられます。


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