HP OpenVMS Systems Documentation |
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DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアは,これまで使用されていた DEC Image Print-PLUS Client Servicesに代わる製品であり * ,Imageインタプリタを使用して,PrintServer 17,PrintServer 20, PrintServer 32 プリンタで DDIF 2値イメージ・ファイルを高速で印刷できるようになりました。
PostScript レベル2インタプリタが存在する場合には,Imageインタプリタは使用されません。 |
ただし,プリント・ジョブに次のいずれかのパラメータが含まれている場合には,文書を印刷するためにImageインタプリタは使用されません。
/PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION /PARAMETERS=NUMBER_UP |
この場合,パラメータ値によって指定された機能を提供できるように,ファイルが PostScript に変換されます。
* DECprint Supervisor for OpenVMS 製品は,以前にインストールされている DEC Image Print-PLUS Client Servicesのすべてのバージョンと互換性がありません。 |
標準的なネットワーク環境では,次の 2 つの理由により,イメージの印刷にかなり時間がかかります。
DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアでは,次の理由により,イメージ印刷がこれまでより高速になります。
次のPRINTコマンドを使用すると,イメージ・ファイルはプリンタに直接送信されます。
$ PRINT /QUEUE=queue-name /NOTIFY file-name.DDIF |
次のPRINTコマンドでは,イメージ・ファイルは PostScript に変換されて印刷されます。
$ PRINT /QUEUE=queue-name /NOTIFY /PARAMETERS=NUMBER_UP=1 file-name.DDIF |
日本語 PCL はサポートされていません。 |
PCL ファイルは次のいずれかの方法で印刷されます。
$ PRINT /PARAMETERS=DATA_TYPE=PCL MYFILE.PRN |
図 8-1 に,DCPS ソフトウェアが PCL ファイルを処理する方法を示しています。
図 8-1 DCPS の PCL ファイルの処理方法
プリンタ固有の機能を犠牲にすることなくネイティブPCLモードを利用するために, DCPS ソフトウェアは次のような動作をします。
プリント・ジョブに PostScript セットアップ・モジュールと PCLセットアップ・モジュールの両方を含めることができますが,その効果は変換されたプリント・ジョブに応じて異なります。 PostScript セットアップ・モジュールの大部分の設定は PCL印刷に影響を与えません。 PCLセットアッブ・モジュールの設定は,それがプリント・ジョブ・ファイルに含まれているかのように,出力に影響します。
セットアップ・モジュールは/SETUPを使用して明示的に起動することができます。また,/FORMやキューの省略時の設定を使用することにより,暗黙のうちに起動することもできます。
8.2.1 ネイティブ PCL の使用を禁止する PRINT パラメータ
ネイティブ PCL モードでサポートされるプリンタに PCL ファイルを印刷する場合は,プリント・ジョブで特殊な PostScript 処理を要求しないかぎり,ファイルはプリンタに直接送信されます。プリント・ジョブに次の PRINT パラメータの1つあるいは複数が含まれている場合は, PCL ファイルをネイティブ PCL モードのプリンタに直接印刷することはできません。
/PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION
/PARAMETERS=NUMBER_UP
/PARAMETERS=SHEET_COUNT(1 よりも大きな値)
/PARAMETERS=PAGE_LIMIT(開始ページが 1 よりも大きな場合,あるいは最終ページを指定した場合)
次の方法を使用すると, Hewlett-Packard LaserJet プリンタのフロント・パネルの設定をエミュレートすることができます。
8.3.1 PRINT パラメータを使用した PCL プリント・ジョブの変更
表 8-1 に,PCL プリント・ジョブを変更するために使用することができる PRINT パラメータを示します。
LaserJet IIDフロント・ パネル選択 |
PRINTパラメータ | 参照項目 |
---|---|---|
#copies | /PARAMETERS=SHEET_COUNT | 第 1.5 節 |
duplex | /PARAMETERS=SIDES 1 | 第 1.3 節 |
orientation | /PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION 1 | 第 1.4 節 |
tray selection | /PARAMETERS=INPUT_TRAY | 第 3.1 節 |
paper size | /PARAMETERS=SHEET_SIZE | 第 11.4 節 |
manual feed | /PARAMETERS=INPUT_TRAY | 第 3.1 節 |
ページ・サイズは, /PARAMETERS=PAGE_SIZEパラメータを使用して選択することができます。 PCLファイルに対しては次のページ・サイズがサポートされます。
7_envelope あるいは Monarch
A4
A3
Business_envelope あるいは COM10
C5_envelope
DL_envelope
Executive
Letter (A)
Legal
Ledger (B)
上記以外のページ・サイズを指定した場合には, PCLトランスレータはサポートするサイズのうち,指定されたサイズに最も近いサイズを選択します。
PCL ファイル内のページ・サイズ・コマンドは, PRINT パラメータに指定したページ・サイズよりも優先されます。変換されるファイルに適用される PostScript セットアップ・モジュールを作成し,ページ・サイズ・オペレータを再定義することで,印刷時にそのオペレータを無効とすることができます。セットアップ・モジュールの作成についての詳細は, 第 8.3.3 項 を参照してください。 |
サポートされるプリンタのネイティブ PCL 機能を使用して PCL ファイルを印刷する場合, DCPS は次の PRINT パラメータを無効とします。
INPUT_TRAY
OUTPUT_TRAY
PAGE_ORIENTATION
PAGE_SIZE
SHEET_SIZE
SIDES
この場合,プリンタの省略時の設定が有効となります。出力するファイルあるいはセットアップ・モジュールに適切な PCL エスケープ・シーケンスを挿入することにより, PCL プリンタのトレイ選択を操作することができます。
あるいは,ホスト上で PostScript に強制的に変換することにより,上記のパラメータがジョブに有効となるようにすることができます。強制的に変換するには,PAGE_LIMIT あるいは NUMBER_UP などの変換を強制的に行う DCPS 機能を使用します。
8.3.2 エスケープ・シーケンスを使用した PCL プリント・ジョブの変更
フロント・パネル・モード・エスケープ・シーケンスの形式は次のとおりです。
エスケープ・シーケンスの形式:
ESC ! ` value P |
10進数の値:
027 033 096 080 |
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。 |
フロント・パネル設定は,次の操作で指定します。
フロント・パネル・モードはPCLリセット・エスケープ・シーケンス(ESC E)によって禁止することもできます。
PCL エスケープ・シーケンスを指定して,次のプリント属性を設定することができます。
PCLエスケープ・シーケンスを使用すれば,主フォントと副フォントの両方を指定することができます。省略時のフォントを選択するためのフロント・パネル・モード・エスケープ・シーケンスに両方のフォント・タイプのエスケープ・シーケンスを指定することができます。
たとえば,ピッチを16.66文字/インチ(cpi)に設定し,シンボル・セットを ISO 17 Spanishに設定するPCLエスケープ・シーケンスを有効にするためのフロント・パネル・モード・コマンド形式は次のとおりです。
ESC ! ` 1 P ESC (s16.66H ESC (2S ESC ! ` 0 P |
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。 |
このコマンドには次のエスケープ・シーケンスが含まれています。
セットアップ・モジュールを作成するには,次の手順に従ってください。
$ PRINT /QUEUE=PS$A14 /PARAMETERS=DATA_TYPE=PCL /SETUP=module-name _$ file-name.DAT |
たとえば,次のPostScriptセットアップ・モジュールはトレイ選択エスケープ・シーケンス(a4tray)を再定義します。 PCLファイルにはA4用紙を選択するためのページ・サイズ・コマンドが登録されています。プリンタでA4用紙をサポートしない場合には,このファイルを印刷するために,プリンティング・システムがページ・サイズ・コマンドを無視するように設定する必要があります。このためには次に示すように,A4用紙を選択するための PostScriptオペレータを再定義するPostScriptセットアップ・モジュールを作成します。
statusdict begin /a4tray {} def end |
8.3.4 LaserJet IID プリンタの PCL トランスレータとの違い
PCLトランスレータを使用して印刷するファイルを作成する場合は,アプリケーションから LaserJet IID プリンタを選択してください。 LaserJetプリンタの各モデル間には互換性がありません。したがって, LaserJet IIDプリンタ以外のLaserJetモデルを対象に作成されたファイルは正しく印刷されない可能性があります。
PCLトランスレータは次の場合を除き,PCLファイルをLaserJet IIDプリンタと同様に処理します。
PCL言語について説明した解説書は Hewlett-Packard から提供されています。 LaserJet IID固有の解説書としては次のものがあります。
『HP LaserJet IID Printer Technical Reference Manual』 | HPパーツ番号33447 90905 |
『HP LaserJet IID Printer User's Manual』 | HPパーツ番号33447 90901 |
PCLファイルは DECprint Supervisor ソフトウェアによって自動的に認識されます。この機能は,PCLのリセット・エスケープ・シーケンス(ESC E)から始まるファイルや, DCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DATまたは.DAT_DEFAULTファイルに PCLデータ・タイプとしてファイル・タイプが指定されているファイルに対して有効です。
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