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この節では,UETP を実行するための詳細な情報について説明します。
システム管理者から SYSTEST のパスワードを教えてもらいます。次のように入力し,コンソール・ターミナルから SYSTEST アカウントにログインします。
Username: SYSTEST Password: |
SYSTEST には特権があるので,権限のないユーザがこのアカウントを使用すると,システムの機密保護上,問題が発生することがあります。 |
SYSTEST アカウントからテストを実行しないと, UETP は失敗します。また,コンソール・ターミナル以外のターミナルから UETP を実行しようとすると,現在使用しているターミナルはテストには使用できないというエラー・メッセージが装置テスト・フェーズで表示されます。このメッセージは無視してもかまいません。
SYSTEST アカウントにログインした後,コマンド SHOW USERS を入力して,ユーザ・プログラムが実行されていないことと,ユーザ・ボリュームがマウントされていないことを確認してください。 UETP は,システム資源を排他的に使用することを想定しています。この制約を無視すると, UETP はその資源に依存するアプリケーションに影響を与えることがあります。
UETP を実行するときに発生し得る,クォータ,特権,またはアカウントの間違いなどの問題を識別および解決するための情報については, 第 19.7.2 項 を参照してください。 UETP を実行する前に,この節に目を通しておいてください。 |
ログインに成功すると,省略時のディレクトリはシステム・ディスク上の [SYSTEST] となります。 UETP は,UETP コマンド・プロシージャ (UETP.COM) が使用するファイル,および UETP がテスト中に使用する一時ファイルをこのディレクトリに格納します。
典型的なシステムでは,論理名 SYS$TEST は次のように定義されています。
$ SHOW LOGICAL SYS$TEST "SYS$TEST" = "SYS$SYSROOT:[SYSTEST]" (LNM$SYSTEM_TABLE) |
スクラッチ・ディスクなどの特定のディスクを UETP でテストするには,そのディスクに [SYSTEST] ディレクトリまたは [SYS0.SYSTEST] ディレクトリを作成します。スクラッチ・ディスクのテストのための設定については, 第 19.3.3 項
を参照してください。
19.3 テストを行う装置の設定
この節の説明に従って,ログイン後にシステム上の装置を UETP テスト用に設定します。なお,この節で述べられているすべての装置がユーザのシステムにも接続されているとは限らないので注意してください。
19.3.1 装置のチェック
UETP が使用するすべての装置が次の状態であるかチェックしてください。
この節で述べる通信装置の中には弊社のサポート担当者が設定しなければならないものもあるので注意してください。
19.3.2 必要なシステム・ディスク領域
UETP を実行する前に,システム・ディスクの少なくとも 1200 ブロックが使用できることを確認してください。 ロード・テスト・プロセスを 20 より多く実行するシステムでは,少なくとも 2000 ブロック必要です。UETP の複数パスを実行する場合,ログ・ファイルは省略時のディレクトリに蓄積され,後続のパスで使用できるディスク領域が減少します。
ディスク・クォータがシステム・ディスクに対して使用可能に設定されている場合は, UETP を実行する前に,ディスク・クォータを使用不能に設定しておいてください。
19.3.3 UETP のディスク上での動作
UETP のディスク・テスト・フェーズでは,テストを行うすべてのディスク上で使用できるほとんどの空き領域は,次のような方法で使用されます。
このように,断片化されたファイルを作成および拡張することによって, UETP はディスクを調査します。この調査によって,クォータを超過しているか,またはディスクがいっぱいになっているかをチェックでき,使用できるディスク領域の大きさも調整できます。
他のディスクと同様に,シャドウ・セットやボリューム・セットも UETP でテストできますが, UETINIDEV (UETP の初期化) の間に,個々のメンバがテスト不能としてリストされることが予想されます。 UETINIDEV は,システム・ディスク (UETDISK00) のパス中にシャドウ・セットでテストすると,エラーを表示しますが,シャドウ・セットはテスト可能とリストされます。ボリューム・セットでテストすると,相対ボリューム番号 1 以外ではエラーが出て,UETINIDEV の最後にテスト不能とリストされます。
19.3.4 ディスク・ドライブの準備
次の手順に従って,システム上の各ディスク・ドライブを UETP テスト用に準備してください。
$ INITIALIZE DUA1: TEST1 |
このコマンドは,DUA1 を初期化し,TEST1 というボリューム・ラベルをそのディスクに割り当てる。同じラベルのボリュームが存在してはならない。
$ MOUNT/SYSTEM DUA1: TEST1 |
このコマンドは,TEST1 というラベルのボリュームを DUA1 上にマウントする。 /SYSTEM 修飾子は,システム上のすべてのユーザが使用できるボリュームを作成していることを示している。
$ CREATE/DIRECTORY/OWNER_UIC=[1,7] DUA1:[SYSTEST] |
このコマンドは [SYSTEST] ディレクトリを DUA1 上に作成し,利用者識別コード (UIC) として [1,7] を割り当てる。 UETP を実行するためには,ディレクトリの UIC は [1,7] でなければならない。
マウントしたディスクにルート・ディレクトリ構造が存在する場合には, [SYS0.] ツリーの中に [SYSTEST] ディレクトリを作成することができます。
19.3.5 磁気テープ・ドライブ
次の手順に従って,テストを行う磁気テープ・ドライブを設定します。
$ INITIALIZE MUA1: UETP |
テストを行うテープには UETP というラベルが付いていなければならない。安全のため,UETP は MOUNT コマンドでマウントしたテープはテストしない。
磁気テープの初期化中に問題が発生した場合,または磁気テープへのアクセスに問題がある場合は,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』の DCL の INITIALIZE コマンドの説明を参照してください。
19.3.6 テープ・カートリッジ・ドライブ
次の手順に従って,テストを行うテープ・カートリッジ・ドライブを設定します。
$ INITIALIZE MUA0: UETP |
テストを行うテープ・カートリッジには UETP というラベルが付いていなければならない。安全のため,UETP は MOUNT コマンドでマウントしたテープ・カートリッジはテストしない。
テープ・カートリッジの初期化中に問題が発生した場合,またはテープ・カートリッジへのアクセスに問題がある場合は,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』の DCL の INITIALIZE コマンドの説明を参照してください。
初期化フェーズ中,TLZ04 ユニットが UETTAPE00 テストを完了するまでの時間は 6 分に設定されます。この時間内に UETTAPE00 テストが完了しなければ, UETP は次のようなメッセージを表示します。
-UETP-E-TEXT, UETTAPE00.EXE testing controller MKA was stopped ($DELPRC) at 16:23:23.07 because the time out period (UETP$INIT_TIMEOUT) expired or because it seemed hung or because UETINIT01 was aborted. |
このタイムアウト値を増やすには, UETP を実行する前に,次のようなコマンドを入力します。
$ DEFINE/GROUP UETP$INIT_TIMEOUT "0000 00:08:00.00" |
この例では,初期化タイムアウト値を 8 分に定義しています。
19.3.7 コンパクト・ディスク・ドライブ
UETP を RRD40 または RRD50 コンパクト・ディスク・ドライブ上で実行する場合には,まず,ユーザのコンパクト・ディスク・ドライブ・ユニットに添付されているテスト・ディスクをロードしなければなりません。
19.3.8 光ディスク・ドライブ
UETP を RV60 ドライブ上で実行するには,次の手順に従って,RV64 光ディスク記憶システムを設定します。
UETP は,RV64 に存在するすべての RV60 を同時にテストします。テープ・テストと異なり,UETP はテスト終了時に光ディスクを再初期化しません。
19.3.9 ターミナルおよびライン・プリンタ
UETP でテストを行うターミナルおよびライン・プリンタは,電源が入っており,システムに対してオンラインでなければなりません。 ライン・プリンタおよびハードコピー・ターミナルに,十分な用紙が用意されていることを確認します。用紙の量は,実行する UETP パスの数によって異なります。パスごとに 2 枚の用紙がライン・プリンタおよびハードコピー・ターミナルに必要です。
すべてのターミナルについて,ボー・レートが正しく設定されており,特性が適切に割り当てられていることをチェックします (各ターミナルのユーザ・ガイドを参照してください)。
装置をスプールしたり,キューに割り当てると, UETP の初期化フェーズで失敗し,テストが行われません。
19.3.10 イーサネット・アダプタ
UETP を実行するときには,他のプロセスがイーサネット・アダプタ装置を共有していないことを確認してください。
DECnet for OpenVMS などの他のアプリケーションが装置を割り当てている場合,UETP はイーサネット・アダプタをテストしません。 |
DECnet for OpenVMS または LAT ターミナル・サーバはイーサネット・アダプタ (共有可能装置) を使用しようとするので,イーサネット・アダプタをテストするときには,装置テスト・フェーズを実行する前に DECnet および LAT ターミナル・サーバをシャットダウンしてください。
19.3.11 DR11--W データ・インタフェース (VAX のみ)
DR11--W データ・インタフェースは,内部論理ループバック・モードを使って,モジュール・コネクタ,ケーブル,トランシーバを除くすべての機能をテストします。
DR11--W データ・インタフェースを UETP テスト用に設定できるのは弊社のサポート担当者だけです。 |
この動作中にはランダムな外部パターンが作成されるので,テストを行うユーザ装置または他のプロセッサは,場合によっては,テストが完了するまで DR11--W データ・インタフェースから分離しておく必要があります。
DR11--W データ・インタフェースを適切にテストするには, E105 スイッチパックを次のように設定しておかなければなりません。
スイッチ 1 | スイッチ 2 | スイッチ 3 | スイッチ 4 | スイッチ 5 |
オフ | オン | オフ | オフ | オン |
UETP のテストが完了したら,DR11--W データ・インタフェースを適切な動作構成に戻します。
19.3.12 DRV11--WA データ・インタフェース (VAX のみ)
DRV11--WA データ・インタフェースは,汎用の 16 ビット・パラレルのダイレクト・メモリ・アクセス (DMA) データ・インタフェースです。
DRV11--WA データ・インタフェースを UETP テスト用に設定できるのは弊社のサポート担当者だけです。 |
MicroVAX コンピュータ上の DRV11--WA ドライバを UETP テスト用に準備するためには,次の状態を確認してください。
UETP テストが完了したら,DRV11--WA を適切な動作構成に戻します。
19.3.13 DR750 または DR780 (DR32 インタフェース) (VAX のみ)
DR32 (DR750 または DR780) 装置は,VAX プロセッサの内部メモリ・バスを, DR32 装置間接続 (DDI) と呼ばれるユーザ・アクセス可能バスに接続するインタフェース・アダプタです。
DR750 または DR780 を UETP テスト用に設定できるのは弊社のサポート担当者だけです。 |
次の手順に従って,DR750 または DR780 を UETP テスト用に準備してください。
UETP テストが完了したら, DR750 または DR780 を適切な動作構成に戻します。
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