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OpenVMS LATソフトウェアは,FDDIコントローラを介した仮想サーキットで, 大容量の バッファを使用しようとします。この機能は,代わりの仮想サーキット・パスがイーサネットを介さなければならない場合に,障害を起こすことがあります。 図 26-6 に,障害を起こす構成の例を示します。
図 26-6 LAT FDDIリングおよび大容量のバッファ
この図では,コントローラBおよびCにより作成されるパスを介することにより,大きなパケットを使用して,2つのOpenVMSシステムが通信することも可能です。 大きな パッケットとは,1500バイトを超えるデータのことです (イーサネット・メッセージは最大1500バイトのデータを含むことができます)。コントローラBおよびCにより作成されるパスに障害が起こった場合には, AおよびDによって作成されるパスを介して通信を続行することはできません。
コントローラAおよびDにより作成されるパスは,イーサネット LANセグメントを通過します。10/100ブリッジを介して経路指定されるメッセージは,イーサネット・メッセージの最大サイズより大きくすることはできません。 OpenVMS LATソフトウェアはこのタイプの構成を常に検出できるとは限らないため,障害が起こる可能性があります。
前述の構成の問題を回避するには,次の2つの方法があります。最も簡単な方法は,イーサネット・アダプタを使用して,論理LATリンクを作成する方法です(いずれかのシステムにイーサネットLANアダプタがある場合)。この方法では,メッセージ・サイズ折衝により,イーサネット・メッセージの最大サイズを超えることはありません。
どちらのシステムにもイーサネット・コントローラがない(したがって,最初の方法が使用できない)場合は,新しいLATCPコマンド修飾子/[NO]LARGE_BUFFERを使用して,大容量のバッファ・サポートの使用を無効にします。たとえば,次のように入力します。
$ MCR LATCP SET NODE/NOLARGE_BUFFER |
SET NODE/NOLARGE_BUFFERコマンドは,すべての論理LATリンクを作成した後, LATノードを起動する前に使用するようにします。たとえば,次に示すLAT$SYSTARTUP.COMのコマンドの順序に注意してください。
$! $! Create each logical LAT link with a unique name and $! unique LAN address (forced with /NODECNET). $! $ LCP CREATE LINK FDDI_1 /DEVICE=FCA0 /NODECNET $ LCP CREATE LINK FDDI_2 /DEVICE=FCB0 /NODECNET $! $! Don't use large buffer support (force packet $! sizes to be no larger than what Ethernet can $! support). $! $ LCP SET NODE /NOLARGE_BUFFER $! $! Turn on the LAT protocol. $! $ LCP SET NODE /STATE=ON |
LATCP (LAT 制御プログラム) ユーティリティは, OpenVMS システム上の LAT ソフトウェアの構成と制御を行うためのユーティリティ・プログラムです。LATCP のコマンドにより, LAT プロトコルをインプリメントする LAT ドライバの停止と起動,および OpenVMS ノードの LAT 特性の変更や表示を行います。
LATCP ユーティリティにより,システムをサービス・ノードとして設定し, 1 つ以上の資源 (サービス) をローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上の他のシステムのユーザから利用可能にすることができます。
さらに,LAN 上の他のシステムのサービスをローカル・システムのユーザが利用できるように設定することも可能です。この場合,システムはターミナル・サーバのように動作して,他のノード上のサービスへの接続を行う複数のユーザ・セッションを同時に管理します。
LATCP を使用すると,システムを外部からのアクセスだけをサポートするように設定することができます。また,外部へのアクセスだけを可能にしたり,両方向のアクセスを可能にすることもできます。 さらに,両方向のアクセスともサポートしないようにシステムを設定することもできます。
外部へのアクセスをサポートするように設定されていると, LAT ソフトウェアは LAT サービスとノードのデータベースを管理します。このソフトウェアは,ノード上で外部へのアクセスを可能にするとデータベースを構築します。 さらに,LAT のサービスの通知 (LAT サービス・ノードから送信されるマルチキャスト・メッセージ) の収集を開始し,これらのサービス通知に基づいてデータベースを構築します。 このデータベース内に登録されているサービスおよびノードを表示したり,データベースのサイズを設定したりするときにも LATCP ユーティリティを使用します。スタンドアロン・システムのようにオーバヘッドの増加をある程度許容できるシステムでは,外部へのアクセスを可能にしてください。
LAT プロトコルを使用すると, LAN 上の LAT ターミナル・サーバまたはサービス・ノードに接続されたプリンタおよび他の非同期装置に各ユーザがアクセスすることができるように,ローカル・ノード上で LAT アプリケーション・ポートを設定することができます。その場合,リモート・デバイスは適切に構成する必要があります。
26.4.1 LATCP の起動と終了
$ RUN SYS$SYSTEM:LATCP LATCP> |
LATCP> プロンプトが表示されている状態で, LATCP の各コマンドを入力することができます。LATCP を終了するためには,このプロンプトに対して EXIT と入力するか,Ctrl/Z を押します。
また,次の例のように DCL 文字列代入文を使用して,単一の LATCP コマンドを実行することもできます。
$ LCP :== $LATCP $ LCP SET NODE/STATE=ON |
LATCP は SET NODE コマンドを実行したのち, DCL に制御を返します。
26.4.2 LATCP コマンド
表 26-1 は, LATCP の各コマンドについてまとめています。
コマンド | 機能 |
---|---|
ATTACH | 現在のプロセスから指定されたプロセスに制御を移す。 |
CREATE LINK | LAT データ・リンクを作成する。 |
CREATE PORT | ローカル・ノード上に論理ポートを作成する。 |
CREATE SERVICE | サービス・ノード上にサービスを定義する。 |
DEFINE/KEY | コマンド文字列をキーパッド上のファンクション・キーに割り当てる。 |
DELETE LINK | ノードから LAT データ・リンクを削除する。 |
DELETE PORT | アプリケーション・ポートまたは専用ポートを削除する。 |
DELETE QUEUE_ENTRY | ローカル・ノードからキュー登録された接続要求を削除する。 |
DELETE SERVICE | サービス・ノード上のサービスを削除する。 |
EXIT | DCL コマンド・レベルに戻る。 |
HELP | LATCP コマンドのヘルプ・テキストを表示する。 |
RECALL | 以前に入力された LATCP コマンドを再び呼び出して,そのコマンドを再度実行できるようにする。 |
REFRESH | スクリーンの内容をリフレッシュする。たとえば,スクリーンの表示が他のソースからの出力によって上書きされた場合に使用する。 |
SCROLL | スクロールして画面から消えた情報の検索を可能にする。 |
SET LINK | LAT データ・リンクの特性を変更する。 |
SET NODE | ノードの LAT 特性を指定する。 |
SET PORT | ノード上の論理ポートをターミナル・サーバ上のリモート・デバイスまたは遠隔 LAT サービス・ノード上の特殊アプリケーション・サービスのいずれかにマップする。 |
SET SERVICE | サービス特性を変更する。 |
SHOW LINK | ノード上に存在するリンクの特性を表示する。 |
SHOW NODE | ノードの特性を表示する。 |
SHOW PORT | ポートの特性を表示する。 |
SHOW QUEUE_ENTRY | ローカル・ノードでキュー登録された要求または入力に関する情報を表示する。 |
SHOW SERVICE | ローカル・ノードが認識している LAT サービスの特性を表示する。 |
SPAWN | サブプロセスを作成する。 |
ZERO COUNTERS | ローカル・ノードで保持されているノード・カウンタ,サービス・カウンタ,リンク・カウンタをリセットする。 |
LATCP の各コマンドと指定可能な修飾子についての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
26.5 LAT プロトコルのスタートアップ
システム管理者として,LAT プロトコルをスタートアップし,ローカル・ノードをサービス・ノードとして構成します。そのためには,コマンド・プロシージャ SYS$STARTUP:LAT$STARTUP を実行します。このプロシージャは,次の 2 つのプロシージャを実行します。
システムのブート時に必ず LAT プロトコルが起動されるようにするためには,以下に示すように,汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにこのプロシージャを実行するコマンドを追加します。このコマンド・プロシージャについての詳細は 第 5.2.1 項 を参照してください。そこでは,オペレーティング・システムでこのコマンド・プロシージャを特定するためのファイル指定などを示しています。
システムがブートするたびにローカル・ノードを LAT サービス・ノードとして設定し,システム上で LAT プロトコル・ソフトウェアを起動するには,汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャに次の行を追加します。
$ @SYS$STARTUP:LAT$STARTUP.COM |
汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャがこのコマンドを実行すると,LAT$STARTUP.COM が呼び出されます。 LAT$STARTUP.COM は,コマンド・プロシージャの LAT$CONFIG および LAT$SYSTARTUP を呼び出します。
LAT$STARTUP を呼び出すコマンド行に次の引数を指定して,ローカル・ノード独自の LAT 特性を指定することができます。プロシージャはこれらの引数を LAT$SYSTARTUP.COM に渡して,指定された LAT 特性を定義します。
$ @SYS$STARTUP:LAT$STARTUP "P1" "P2" "P3" "P4" "P5" |
P1 から P5 にパラメータを渡すよりも,できるだけ LAT$SYSTARTUP.COM を直接変更するようにしてください。 P1 から P5 を使用する場合は,次の表を参照して各パラメータの意味を理解してください。
引数 | 形式 | 意味 |
---|---|---|
P1 | サービス名 | サービスの名前。サービス・ノードがクラスタ化されている場合には,サービス名としてクラスタ別名を使用する。サービス・ノードが独立している場合には, DECnet ノード名を使用する。 LAT$SYSTARTUP.COM は(LATCP CREATE SERVICE コマンドを使用して),引数 P1 に指定されたサービス名をノードに割り当てる。 |
P2--P4 | 以下のいずれか | LAT$SYSTARTUP.COM は (LATCP SET NODE コマンドを使用して),この引数に指定された値に基づいて LAT ノード特性を割り当てる。 |
/IDENTIFICATION= " 文字列 " | ノードおよびそのノードからローカル・エリア・ネットワーク (LAN) 上に通知されるサービスの説明。この値を省略すると,論理名 SYS$ANNOUNCE で定義された文字列が割り当てられる。指定する文字列は 5 組の二重引用符で囲む必要がある。
例:
|
|
/GROUPS=(ENABLE=
グループのリスト) |
サービス・ノードとの接続を許可するターミナル・サーバ・グループを設定する。省略時の設定では,グループ 0 が接続可能になる。 | |
/GROUPS=(DISABLE= グループのリスト) | 指定されたターミナル・サーバ・グループを接続可能に設定されているグループから削除する。後に示す例にあるように,修飾子 /GROUPS の後ろに,接続を許可するグループと接続を禁止するグループの両方を同時に指定することができる。 | |
P5 | CREATE SERVICE コマンドで使用される修飾子のいずれか。 | LAT$SYSTARTUP.COM は LATCP CREATE SERVICE コマンドを使用し,この引数で指定された値に基づいてサービス特性を割り当てる。修飾子 /IDENTIFICATION,/LOG,および /STATIC_RATING を指定することができる。次の例に示すように複数の修飾子を指定する。
"/IDENTIFICATION=" - |
LAT ネットワークに関する以下のいずれかの作業を行う場合は,
LAT$SYSTARTUP.COM を変更する必要があります。変更内容については, 第 26.6 節 を参照してください。
LATCP コマンドとその修飾子に関する全情報については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
次のコマンドは,クラスタ OFFICE に属するサービス・ノード NOE 上にサービス OFFICE を定義します ( 図 26-1 を参照)。
$ @SYS$STARTUP:LAT$STARTUP OFFICE |
ローカル・ノードの特殊な LAT 特性を定義する場合は,サイト別コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:LAT$SYSTARTUP.COM を編集します。 このコマンド・プロシージャには, LAT 特性を定義するための LATCP のコマンドが含まれています。 LAT$SYSTARTUP.COM は,コマンド・プロシージャ LAT$STARTUP を実行すると呼び出されます。 第 26.5 節 で説明したように,通常は LAT$STARTUP.COM を汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャから実行します。
ローカル・ノードを会話型ターミナルからの接続だけをサポートする LAT サービス・ノードとして設定する場合には, LAT$SYSTARTUP.COM を変更する必要はありません。 第 26.5 節 で説明したように,コマンド・プロシージャ SYS$STARTUP:LAT$STARTUP を呼び出すときにパラメータを指定することにより,サービス名および他の特性を割り当てることができます。
ただし,LAT$SYSTARTUP.COM を編集すると,ローカル・ノードの LAT 特性をカスタマイズするための LATCP のコマンドを追加することができます。カスタマイズ可能な項目は次のとおりです。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
複数のサービスの定義 | 第 26.6.1 項 |
特殊アプリケーション・サービスおよびプリンタのための論理ポートの設定 | 第 26.6.2 項 |
外部からの接続要求のキュー登録 | 第 26.6.3 項 |
外部への LAT 接続を可能にすることによる SET HOST/LAT コマンドのサポート | 第 26.6.4 項 |
ノード特性の変更 1 | 第 26.6.5 項 |
コマンド・プロシージャの LAT$STARTUP.COM および LAT$CONFIG.COM は変更しないでください。これらのプロシージャは, LAT プロトコルを正しく稼働させるために必要な機能を実行するためにコンパックが提供したものです。コマンド・プロシージャを変更するのは, LAT$SYSTARTUP.COM でサイト固有の LAT 特性を定義する場合に限ります。 |
LAT$SYSTARTUP.COM には LATCP ユーティリティのコマンドを追加するだけにしてください。また,コマンドの順序は,テンプレート・ファイル SYS$MANAGER:LAT$SYSTARTUP.TEMPLATE 内の順序に従ってください。 第 26.6.5 項 に, LAT$SYSTARTUP プロシージャの変更例を示します。『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』には, LAT$SYSTARTUP.COM に含むことができるすべての LATCP コマンドの全情報が示されています。
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