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HP OpenVMS Systems
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HP DECwindows Motif for OpenVMS

HP DECwindows Motif for OpenVMS
管理ガイド


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3.7.3 IPv6 環境でのプロキシ・サーバの利用

プロキシ・サーバは,起動すると,/TRANSPORT 修飾子を使用して構成されたすべてのトランスポートに対してリッスンを行います。 TCPIP トランスポートが選択されている場合,プロキシ・サーバは,インタフェースが IPv4 互換であるか IPv6 互換であるかにかかわらず,構成されているすべてのインタフェースに対してリッスンを行います。

/DISPLAY 修飾子を使用すると, 第 4 章 で説明する追加のトランスポート名が使用できます。プロキシ・サーバ・プロセスによるトランスポート名 TCP および TCPIP の解釈は,DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイルで定義されている DECW$IPV6_SUPPORT 論理名で決まります。

3.7.4 デフォルトのプロキシ・サーバ・プロセス属性の変更

表 3-4 に,SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY によって生成された RUN コマンド上で指定された,デフォルトの LBXPROXY プロセス属性を設定変更するための論理名の一覧を示します。

表 3-4 LBXPROXY プロセス属性論理名
論理名 RUN コマンドの修飾子
DECW$LBX_AST_LIMIT /AST_LIMIT
DECW$LBX_BUFFER_LIMIT /BUFFER_LIMIT
DECW$LBX_DUMP /DUMP
DECW$LBX_ENQUEUE_LIMIT /ENQUEUE_LIMIT
DECW$LBX_EXTENT /EXTENT
DECW$LBX_FILE_LIMIT /FILE_LIMIT
DECW$LBX_IO_BUFFERED /IO_BUFFERED
DECW$LBX_IO_DIRECT /IO_DIRECT
DECW$LBX_LOG /ERROR
DECW$LBX_MAXIMUM_WORKING_SET /MAXIMUM_WORKING_SET
DECW$LBX_PAGE_FILE /PAGE_FILE
DECW$LBX_PRIORITY /PRIORITY
DECW$LBX_PROCESS_NAME /PROCESS_NAME
DECW$LBX_QUEUE_LIMIT /QUEUE_LIMIT
DECW$LBX_WORKING_SET /WORKING_SET

3.7.5 プロキシ・サーバの停止

LBX プロキシ・サーバは自動または手動で停止できます。

3.7.5.1 自動停止

LBX プロキシ・サーバを自動的に停止するには,サーバを起動する際に /ONEXIT=TERMINATE 修飾子を使用します。スタンドアロン・プロキシ・サーバの場合,LBXPROXY コマンド行,またはコマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY の lbxproxy-qualifiers パラメータでこの修飾子を指定します。

管理対象サーバの場合は,プロキシ・マネージャの構成ファイルの LBX サービス定義中の parameters 引数でこの修飾子を指定します。

注意

プロキシ・マネージャは,停止する際に,まだ停止していない管理対象プロキシ・サーバがあると,すべて自動的に停止します。

3.7.5.2 手動停止

LBX プロキシ・サーバを手動で停止するには,DCL の STOP コマンドを使用します。

3.7.6 プロキシ・マネージャ構成ファイル

プロキシ・マネージャ構成ファイルには,プロキシ・マネージャがプロキシ・サービスを見つけるために必要となる情報が格納されます。構成ファイル内のそれぞれの行には,以下のいずれかを記述します。

3.7.7 プロキシ・マネージャの起動

プロキシ・マネージャは, DECwindows Motif のスタートアップ時に自動的に起動するように構成することも,後から手動で起動するように構成することもできます。

3.7.7.1 DECwindows Motif のスタートアップ時に自動的に起動する

DECwindows Motif のスタートアップ時にプロキシ・マネージャを自動的に起動するには, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイルを編集します。セッション・マネージャ環境のカスタマイズについての詳細は, 第 4 章 を参照してください。

表 3-5 では,このファイル内のプロキシ・マネージャを制御するシンボルについて説明します。

表 3-5 プロキシ・マネージャを制御するグローバル・シンボル
シンボル 説明
DECW$PROXY_MANAGER_CONFIG プロキシ・マネージャの構成ファイルの名前を指定します。このシンボルを定義することにより,DECwindows のスタートアップ処理によってプロキシ・マネージャが起動されます。このシンボルで指定されたファイル名は, DECW$PROXY_MANAGER_OPTIONS シンボルで指定された構成ファイルより優先されます。デフォルトの構成ファイル SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY.DECW$PMCFG がインストール時に提供されます。このファイルには,LBX サービス用のサービス・エントリが 1 つあります。
DECW$PROXY_MANAGER_LOG プロキシ・マネージャがイベントを記録するために使用するログ・ファイルの名前を指定します。プロキシ・マネージャが起動してこのシンボルが未定義の場合,デフォルトでログ・ファイルは SYS$MANAGER:DECW$PROXYMANAGER.LOG になります。
DECW$PROXY_MANAGER_OPTIONS プロキシ・マネージャの起動時に,XPROXYMANAGER コマンド行に追加する修飾子を指定します。 DECW$PROXY_MANAGER_CONFIG シンボルで指定された構成ファイルは,このシンボルで指定されたどの値よりも常に優先されます。
DECW$PROXY_MANAGER_QUOTAS プロキシ・マネージャを起動するために使用する RUN コマンド行に追加する修飾子を指定します。

注意

プロキシ・マネージャ・プロセスが動作している最中に DECwindows Motif を再起動しても,プロキシ・マネージャは自動的に再起動されません。 DECwindows のスタートアップ時にプロキシ・マネージャを必ず (関連するオプションとともに) 再起動させるには, DECwindows を再起動する前にプロキシ・マネージャ・プロセスを停止します。

DECwindows のスタートアップの一部としてプロキシ・マネージャを再起動する場合は,プロキシ・マネージャ・プロセスの所有者は DECwindows Motif のスタートアップ・コマンドを実行したユーザになります。 DECwindows がシステムのスタートアップの一部として起動された場合は,所有者は SYSTEM アカウントです。 DECwindows が別のアカウントから起動される場合は,そのアカウントの所有者に対して X ディスプレイ・サーバへのアクセスが許可されていることを確認してください。

3.7.7.2 手動起動

プロキシ・マネージャを手動で起動するには,XPROXYMANAGER コマンドを使用します。


XPROXYMANAGER [qualifiers] 

たとえば,構成ファイル SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY.DECW$PMCFG とログ・ファイル SYS$MANAGER:DECW$PM.LOG を使用してプロキシ・マネージャを起動するには,次のコマンドを使用します。


$ XPROXYMANAGER/CONFIGURATION=SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY.DECW$PMCFG -
_$ /LOG=SYS$MANAGER:DECW$PM.LOG

指定可能な修飾子とその値についての詳細は,XPROXYMANAGER コマンドのオンライン・ヘルプを参照してください。


第 4 章
DECwindows の使用方法

この章では,DECwindows が起動した後で使用する以下の内容について説明します。

注意

この章の内容は,各デスクトップの基本的または高度なユーザ情報を総合的に説明することを目的としたものではありません。以下のマニュアルの補足となることを意図しています。

  • 『HP OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』 (SET DISPLAY コマンドと SHOW DISPLAY コマンド)

  • 『日本語 DECwindows Motif New Desktop使用概説書』

  • 『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 操作ガイド』

4.1 ディスプレイの設定

クライアント・アプリケーションが起動すると,ディスプレイ・サーバに対する接続を 1 つ以上オープンします。ディスプレイ・サーバは,ローカル・システムにあることもあれば,リモート・システムにあることもあります。アプリケーションは,基盤となる Xm,Xt,または Xlib ルーチンに対して,ディスプレイ・サーバのノード名とその他の接続情報を通知する必要があります。この情報は, ディスプレイ名と呼ばれる文字列に埋め込まれています。

X ウィンドウ・システムの用語では,ディスプレイ名は,「ハードウェア・ディスプレイ名を指定します。これは,使用するディスプレイと通信ドメインを決定します。 [...] ディスプレイ名が NULL の場合,デフォルトでは環境変数 DISPLAY の値が使用されます。」と説明されています。

OpenVMS システムでは,ディスプレイ名は,必要なサーバ情報が格納された WSA デバイス,または必要なサーバ情報を明示的に指定するディスプレイ名文字列のどちらかの形式となります。どちらの形式のディスプレイ名も指定されないと, Xlib は論理名 DECW$DISPLAY を展開してディスプレイ名を取得します。 DECW$DISPLAY 論理名が定義されていない場合には, Xlib は論理名 DISPLAY を展開します。論理名 DISPLAY も定義されていないときには, Xlib は論理名 SYS$OUTPUT を展開します。

事前に WSA デバイスを作成し,SET DISPLAY コマンドを使用してディスプレイ・サーバ情報を指定しておく必要があります。 SET DISPLAY コマンドを実行していない場合には,論理名 DECW$DISPLAY および DISPLAY は親プロセスから継承されます。なお,SET DISPLAY コマンドでは, /CREATE 修飾子を使用し論理名を指定していない場合には,論理名 DECW$DISPLAY と DISPLAY が設定されます。

4.1.1 ディスプレイ名の形式

ディスプレイ名文字列の形式は次のとおりです。

[transport/]node:[:]server[.screen]

transport

ディスプレイ・サーバに接続するために使用するトランスポートを指定します。指定できるトランスポートを以下に示します。 表 4-1 に, DECwindows Motif がサポートしているすべてのトランスポート名とその意味を示します。一部のトランスポート名の実装は, X の仕様で定義されているものと少し異なる場合がありますので注意してください。

表 4-1 サポートされている DECwindows Motifのトランスポート名
トランスポート名 意味
DECNET DECnet ネットワーク・プロトコルを使用します。
DNET DECnet ネットワーク・プロトコルの X ウィンドウ・システムの名前です。 DNET は,ほとんどの場合 DECNET と同等です。
INET IPv4 プロトコル上の TCP を使用します。このオプションは,TCPIP に対する X の同義語です。 IPv6 サポートの追加により,TCPIP が意味する 2 つのトランスポートのどちらかになります。
INET6 IPv6 プロトコル上の TCP が利用できればそれを使用します。 IPv6 プロトコルが利用できない場合は,IPv4 プロトコルが使用されます。これは TCPIP が意味する 2 つのトランスポートのどちらかになります。
LAT LAT プロトコルを使用します。このトランスポートに対する X の同義語はありません。
LOCAL 同じホスト内のサーバ・プロセスとクライアント・プロセスの間で共用メモリを使用します。
TCP TCPIP プロトコル・オプションの X ウィンドウ・システム名です。 TCP は TCPIP の同義語です。
TCPIP あるバージョンの IP 上の TCP プロトコルを使用します。以前は,このオプションは INET を指す X の同義語でした。 IPv6 のサポートが追加されたため,このオプションは,論理名 DECW$IPV6_SUPPORT の設定に応じて, INET または INET6 のどちらかを指すようになりました。この論理名の設定についての詳細は 第 4.4.3 項 を参照してください。

このパラメータはオプションです。デフォルトでは,コロン 1 つで終わるノード名では TCPIP トランスポートが使用されます。トランスポート名の代わりに 2 つ目のコロンを指定すると, DECNET トランスポートが使用されます。 DECnet ノード名がコロンで終わる場合は,ノード名を二重引用符 ("") で囲みます。コロン 3 つ (:::) で終わるアドレスは,INET6 または DECnet のどちらかとして解釈されます。

node パラメータには,指定したトランスポートと互換性があるノード値を指定する必要があります。ディスプレイ名文字列を解析する際には, DECwindows Motif は, node パラメータと transport パラメータに互換性があるかどうかを検証しません。パラメータに互換性がないと,実際に接続しようとしたときに失敗します。ディスプレイ名パラメータのトランスポートとノードの両方を省略した場合は, LOCAL トランスポートを指定したものと見なされます。

node

ディスプレイ・サーバの DECnet ノード,TCP/IP ホスト,LAT アドレス,またはローカル・システム名を指定します。以下のいずれかを指定します。

DECnet ノード DECNET トランスポートまたは DNET トランスポートでは, DECnet フェーズ IV ノード名, DECnet フェーズ IV アドレス,DECnet フェーズ V ノード名または別名, DECnet フェーズ V アドレスのいずれかを指定します。ローカル・ノードを指定するには 0 を使用します。 DECnet ノード名は引用符 (" ") で囲むことができます。
TCP/IP ホスト TCPIP,TCP,INET,INET6 のいずれかのトランスポートでは,TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定します。詳細は, 表 4-2 および 表 4-3 を参照してください。ローカルノードを指定するには 0 を使用します。
LAT サービス名 LAT トランスポートの場合は,ローカル・システムの名前を指定します。トランスポートは,この値をサービス名としてのみ使用します。
ローカル・システム名 LOCAL トランスポートの場合は,ローカル・システムの名前または 0 を指定します。

すべてのノード名またはアドレスの後には,実際の node パラメータ内のコロンに加え,コロン 1 つを指定します。さらにもう 1 つコロンを追加して, DECNET トランスポートを指定することもできます。詳細は,transport パラメータの説明を参照してください。ディスプレイ名パラメータのトランスポートとノードの両方を省略した場合は, LOCAL トランスポートを指定したものと見なされます。

INET6 トランスポートの TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定する場合 (または,DECW$IPV6_SUPPORT が TCP_IS_INET6 として定義されているときに TCPIP または TCP を使用する場合) には, 表 4-2 に示す IPv6 形式のいずれかを指定します。

表 4-2 サポートされている IPv6 ホスト名とアドレスの形式
形式
IPv6 ホスト名または完全修飾ドメイン名 ashfld.franklin.mass.us
IPv6 の通常のアドレス FEDC:BA98:7694:3210:FEDC:BA98:7654:3210
IPv6 圧縮アドレス ::7654:3210
IPv4 互換 IPv6 アドレス ::978.765.432.1
IPv4 射影 IPv6 アドレス ::FFFF:978.765.432.1
RFC 2732 スタイル IPv6 リテラル・アドレス [FEDC:BA98:7694:3210:FEDC:BA98:7654:3210]

INET,INET6,TCPIP,または TCP トランスポートの TCP/IP ホスト名またはアドレスを指定する場合には, 表 4-3 に示す IPv4 形式のいずれかを指定します。

表 4-3 サポートされる IPv4 ホスト名とアドレスの形式
形式
IPv4 ホスト名または完全修飾ドメイン名 ashfld.franklin.mass.us
IPv4 の通常のアドレス 978.765.432.10

server

X サーバ・ディスプレイ・システム上のディスプレイ・サーバのディスプレイ番号を 10 進数で指定します。ディスプレイ番号は通常は 0 から始まります。単一ディスプレイ・サーバ・システムでは,通常は 0 番を使用します。

screen

指定された X ディスプレイ・サーバで使用する画面番号を 10 進数で指定します。画面番号は 0 から始まります。このパラメータはオプションです。デフォルトの画面番号は 0 です。


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