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HP DECwindows Motif for OpenVMS

HP DECwindows Motif for OpenVMS
管理ガイド


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3.5.2.2 X Keyboard のキーマップ・ファイルの作成

X Keyboard のキーマップ・ファイルを作成するには,以下の手順を実行します。

  1. 第 3.5.2.1 項 で説明した 1 つ以上のコンポーネント・ソース・ファイルを編集し,必要な変更を行います。たとえば,すべての US キーマップで左括弧と右括弧を入れ替えるには, SYS$COMMON:[SYS$KEYMAP.XKB.SYMBOLS.DIGITAL]US を次のように編集します。


       .
       .
       .
       19       key <AE09> {       [               9,      parenleft ] }; 
       20       key <AE10> {       [               0,     parenright ] }; 
       .
       .
       .
    

  2. xkbcomp ユーティリティを使用して,コンポーネント・ソースファイルをコンパイルし,変更済みのキーマップ・ファイルを作成します。たとえば,DIGITAL_US_LK401 用の変更済みのキーマップ・ファイルを作成するには,次のようにしてソースをコンパイルします。


    $  xkbcomp -RDECW$SYSCOMMON:[SYS$KEYMAP.XKB] -xkm -m lk401 -
    _$  DECW$SYSCOMMON:[SYS$KEYMAP.XKB.KEYMAP.DIGITAL]us -
    _$  -o SYS$COMMON:[SYS$KEYMAP.XKB.COMPILED]digital_us_lk401.xkm
    

次に, 第 3.5.2.3 項 の説明に従って,変更済みのコンパイル済みキーマップ・ファイルをロードします。

3.5.2.3 コンパイル済みキーマップ・ファイルをロードする

コンパイル済みの X Keyboard キーマップ・ファイルをロードするには,以下の手順を実行します。

  1. DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更し, X Keyboard (XKB) 拡張の使用を有効にするように DECW$SERVER_EXTENSIONS パラメータの値を定義します。たとえば次のようにします。


    $ DECW$SERVER_EXTENSIONS == "XKB,XINERAMA" 
    

  2. パラメータ DECW$SERVER_XKEYBOARD_LOAD_MAP の値を, X Keyboard キーマップの使用を有効にするように定義します。


    $ DECW$SERVER_XKEYBOARD_LOAD_MAP=="1" 
    

  3. DECW$SERVER_XKEYBOARD_COMPILED_DIR パラメータの値を,キーマップ・ファイルがある場所を指すように定義します。このディレクトリには,サーバが必要に応じてコンパイルしたキーマップ・ファイルも格納されます。

  4. DECW$SERVER_XKEYBOARD_MAP パラメータの値を,サーバのスタートアップ時にロードするデフォルトの X Keyboard キーマップを指すように定義します。

  5. ファイルを保存してサーバを再起動します。

3.5.2.4 AccessX キー機能を有効にする

AccessX キー機能を有効にするには,以下の手順を実行します。

  1. DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを編集します。

  2. DECW$SERVER_EXTENSIONS パラメータの値を,X Keyboard (XKB) 拡張の使用を有効にするように定義します。たとえば次のようになります。


    $ DECW$SERVER_EXTENSIONS == "XKB,XINERAMA" 
    

  3. DECW$SERVER_ENABLE_ACCESSX パラメータに 1 (有効) を設定します。

  4. ファイルを保存してサーバを再起動します。

次に,accessx ユーティリティを使用するか,スロー・キー機能やスティッキー・キー機能を使用して,AccessX の機能をさらに構成することができます。以下のようにします。

構成内容 実施方法
スロー・キーを切り替える Shift キーを単独で 8 秒間押し続ける。
スティッキー・キーを切り替える 左または右の Shift キーを,間で他のキーを押さず,30 秒以上の間隔を開けずに 5 回連続で押す。
スティッキー・キーをオフにする 2 つ以上の修飾キーを同時に押す。

3.6 新しいフォントの指定

新しいフォントのサポートを追加するには,以下の手順を実行します。

  1. DECW$FONT ファイルをDECW$SYSCOMMON: [SYSFONT.DECW.USER_xx] ディレクトリに置きます。

  2. 特権を持ったアカウントで次のコマンドを実行し,サーバのフォント・データベースを更新します。


    $ @SYS$UPDATE:DECW$MKFONTDIR
    


    このコマンドは,すべてのレイヤード・プロダクトのフォント用の新しいフォント・ディレクトリを作成します。 DECwindows のインストール時に自動的に実行されます。

3.6.1 他社製のフォントの使用

他社製のフォントを使用する場合は,以下の方法のいずれかを選択します。

フォント・ファイルが BDF 形式の場合

  1. BDF (Bitmap Distribution Format) 形式のフォント・ソース・ファイルを入手します。

  2. 次のように,FONT コマンドでフォントをコンパイルします。


      $ FONT file-name
    


    FONTコマンドの詳細については,『VMS DECwindows Guide to Xlib (Release 4) Programming: MIT C Binding』を参照してください。

  3. 得られた *.PCF ファイルを,以下のディレクトリのいずれかにコピーします。


    SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI] 
    SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI] 
    SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.COMMON_USER] 
    

  4. 特権アカウントで,次のコマンドを実行して新しいフォント・ディレクトリを作成します。


      $ @SYS$UPDATE:DECW$MKFONTDIR
    

現在のセッションを終了させ,新しいセッションを開始して,新しいフォントを使用可能にします。

その他の他社製フォントの場合

その他の他社製フォントを利用するには,適切なフォント・ディレクトリに DECW$FONT_ALIAS.DAT ファイルを作成します。

フォント別名ファイルの形式は次のとおりです。

alias-font-name actual-font-name

フォント名にスペースが含まれている場合は,名前を二重引用符 (" ") で囲みます。

alias-font-name の値は他社製のフォント名で, actual-font-name の値は DECwindows のフォント名です。

サポートされている DECwindows フォント名については,『VMS DECwindows Guide to Xlib (Release 4) Programming: MIT C Binding』および『HP DECwindows Motif for OpenVMS New Features』を参照してください。

3.6.2 ユーロ通貨記号のサポートを有効にする

DECwindows Motif では,ユーロ通貨記号がサポートされています。ユーロ・フォント・セットは,基本 OpenVMS オペレーティング・システムのインストール時にインストールされます。インストール時にユーロ・オプションを選択することで, DECwindows Motif Version 1.3 以降が動作しているシステムでユーロ記号を有効にして表示できるようになります。

ユーロ・サポートを有効にするには,フォント定義をロードする必要があります。そのためには,一連のユーロセットアップ・コマンド・ファイルを作成します。以下に例を示します。


$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$EURO_APPS_SETUP.TEMPLATE -
_$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$EURO_APPS_SETUP.COM
$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$EURO_SERVER_SETUP.TEMPLATE -
_$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$EURO_SERVER_SETUP.COM

DECwindows Motif システムを再起動します。コマンドファイルは, DECwindows Motif のスタートアップ・プロシージャの一部として自動的に実行されます。

OpenVMS C ランタイム・ライブラリによるユーロ・ロケールのサポートは,基本的な DECwindows Motif のユーロ・サポートのためには必要ありません。ただし,ユーロ・ロケールで Motif アプリケーションを動作させる場合は, OpenVMS Alpha および OpenVMS I64 のメディア・キットに含まれているユーロ・ロケール・サポートをインストールする必要があります。

3.6.2.1 DECwindows Motif アプリケーションでのユーロ記号の表示

システムでユーロ・サポートを有効にすると,特に設定を行わなくても,ワークステーション上の任意の ISO8859-1 ビットマップ・フォントを使用してユーロ記号を表示することができます。標準の ISO Latin-1 フォントを使用して文字を表示する DECwindows Motif アプリケーションでは,文字 0xA4 でユーロ記号が表示されます。これらのフォントの XLFD (X Logical Font Description) 名の文字集合部分は,ISO8859-1 です。

DECterm ウィンドウにユーロ記号を表示するためには,「DECterm General Options」ダイアログ・ボックスで以下の 2 つの項目が選択されていることを確認してください。

UPSS ISO Latin-1
8-Bit Multinational Characters

3.6.2.2 キーボードを使ったユーロ記号の入力 (Alpha のみ)

ユーロ・サポートを有効にすると,システムに接続されているキーボードの種類に応じて,以下のキー・シーケンスのいずれかを使用してユーロ記号を入力することができます。

キーボード・タイプ キーマップ キー・シーケンス
LK-スタイル *LK201* キーマップ 世界通貨記号と同じキー・シーケンスを使用。例:
Compose+Space o x または Compose+Space O X

Compose+Space x o または Compose+Space X O
Compose+Space 0 x または Compose+Space 0 X
Compose+Space x 0 または Compose+Space X 0
LK-スタイル *LK401* キーマップ 1 LeftCompose + E
PC-スタイル 2 *LK44* キーマップ RightAlt + E
     


1RUSSIAN_LK401_BT キーマップは,LeftCompose + E キーのシーケンスをサポートしていません。POLISH_LK401_BT キーマップは, LeftCompose + U キーのシーケンスを使用したユーロ入力をサポートしています。
2LK44*-**,PCXA*-**,または LK97W-** など

3.6.3 フォント・サーバのサポートを有効にする

ファイル SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM のサイト固有のサーバ・セクションでシンボル DECW$FONT_SERVERS を定義することで,フォント・パスにフォント・サーバを追加することができます。トランスポートの種類に応じて,以下の方法のいずれかを使用します。

コンマで区切ったリストとしてシンボルを定義することで,複数のフォント・サーバを追加することができます。このシンボルでは大文字と小文字は区別されません。

3.7 LBX プロキシ・サーバの設定

図 1-3 に示したように, DECwindows は LBX プロキシ・サーバの使用をサポートしています。 LBX プロキシ・サーバの使用は,以下の 3 種類の方法で構成できます。

DECwindows Motif では,現在,管理対象構成およびスタンドアロン構成をサポートしています。

プロキシ・サーバとプロキシ・マネージャ・コンポーネントを使用するためには, DECwindows のインストール時にLBX オプションを選択しておく必要があります。 LBX サポートのインストールについては,『日本語HP DECwindows Motif for OpenVMS インストレーション・ガイド』を参照してください。

以降の項では,LBX 拡張を有効にする方法と,プロキシ・サーバの使用を構成する方法について説明します。

注意

クライアントとプロキシ・サーバ間の通信では,最適化されていない X プロトコルを使用するため,クライアントとプロキシ・サーバは常に同じノードまたは同じ LAN 上にある必要があります。

LBX によってシステム間のデータ・フローは減りますが,LAN のみの環境ではお勧めしません。全体的なトラフィック・フローは減りますが,その分プロセッサの負荷は増加します。通常,LAN のみの環境では,性能が少し低下します。

3.7.1 LBX 拡張を有効にする

LBX を使用するためには,X ディスプレイ・サーバが LBX プロトコルを解釈できる必要があります。 DECwindows Motif システムで,DECW$SERVER_EXTENSIONS パラメータを使用して, LBX プロトコルの使用を有効にしなければなりません。

LBX 拡張を有効にするには, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを修正して,値 "LBX" を含むように DECW$SERVER_EXTENSIONS パラメータを再定義します。次に例を示します。


$ DECW$SERVER_EXTENSIONS == "LBX" 

ファイルを保存してサーバを再起動します。

3.7.2 プロキシ・サーバの起動

LBX プロキシ・サーバを起動する方法によって,プロキシ・サーバのタイプとクライアントがプロキシ・サーバにアクセスする方法が決まります。いずれの方法でも LBXPROXY コマンドを使用します。指定可能な修飾子とその値についての詳細は,コマンドのオンライン・ヘルプを参照してください。

LBX プロキシ・サーバを起動する前に, 第 3.7.2.1 項 の説明に従って,プロキシ・サーバから X ディスプレイ・サーバへの接続を適切に許可します。

3.7.2.1 プロキシ・サーバ環境での認証

プロキシ・サーバが X サーバに接続する際に,プロキシ・サーバはクライアントと同じようにして認証されます。プロキシ・サーバが認証情報を入手する方法は,プロキシ・サーバのタイプによって異なります。

管理対象のプロキシ・サーバは,認証情報をプロキシ・マネージャから入手します。プロキシ・マネージャは,クライアントから認証情報を入手します。クライアントのデフォルトの認証情報は,クライアントの X authority ファイルに格納されています。クライアントでは,SET DISPLAY コマンドの /XAUTHORITY 修飾子を使用して,使用する X authority ファイルを制御することができます。クライアントは,SET DISPLAY コマンドの /LBXAUTHENTICATE 修飾子および /LBXDATA 修飾子を使用して,明示的に認証情報を指定することもできます。さらに,/NOLBXAUTHENTICATE 修飾子を使用して,プロキシ・サーバの現在の X authority ファイルの認証情報を使用するように指定することもできます。 SET DISPLAY コマンドの LBX 用の修飾子についての詳細は,『HP OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』を参照してください。

スタンドアロンのプロキシ・サーバは,現在の X authority ファイル中の情報から認証情報を入手します。

3.7.2.2 管理対象プロキシ・サーバの起動

管理対象 LBX プロキシ・サーバを起動するには,プロキシ・マネージャの構成ファイルに,次の LBX サービス・エントリを追加します ( 第 3.7.6 項 を参照)。


LBX MANAGED COMMAND SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY_SUB ["qualifiers"] 

プロキシ・マネージャの構成を終えたら,プロキシ・サーバを起動するために特別な操作を行う必要はありません。プロキシ・マネージャは,最初のクライアント要求を受け取ると,プロキシ・サーバを起動します。

3.7.2.3 スタンドアロン・プロキシ・サーバの起動

スタンドアロンの LBX プロキシ・サーバは,現在のプロセス内で起動するか,独立プロセスとして起動することができます。スタンドアロン・プロキシを現在のプロセス内で起動するには, LBXPROXY コマンドを使用します。


LBXPROXY [qualifiers] 

たとえば,プロキシ・サーバを現在のプロセス内で起動し,サーバ番号 50 を割り当て, remote1.cmp.com 上の X ディスプレイ・サーバ用のプロキシとして動作させるには,次のコマンドを使用します。


$ LBXPROXY /DISPLAY="REMOTE1.CMP.COM:0"/SERVER=50/FIXED_SERVER

プロキシ・サーバを独立プロセスとして起動するには,コマンド・プロシージャ DECW$LBXPROXY を使用します。


@SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY ["lbxproxy-qualifiers"] ["run-qualifiers"] 

たとえば,プロキシ・サーバを独立プロセスとして起動し,サーバ番号 50 を割り当て, remote1.cmp.com 上の X ディスプレイ・サーバ用のプロキシとして動作させるには,次のコマンドを使用します。


$ @SYS$MANAGER:DECW$LBXPROXY "/DISPLAY=""REMOTE1.CMP.COM:0""" + -
_$ "/SERVER=50/FIXED_SERVER"

LBXPROXY イメージを起動するために使用する RUN コマンドに修飾子を渡すには,run-qualifiers パラメータを使用します。このパラメータを使用する 1 つの例としては,デフォルトの LBXPROXY プロセス属性や論理名による値より優先させて,これらのデフォルトを変更することがあげられます。

指定可能な修飾子とその値についての詳細は,LBXPROXY コマンドのオンライン・ヘルプを参照してください。

注意

LBX プロキシ・サーバを独立プロセスとして起動するためには, DETACH 特権を持っているか,利用できる最大独立プロセスの制限に収まる必要があります。独立プロセスのプロセス制限を変更するには,DETACH 特権が必要です。


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