HP OpenVMS Systems Documentation |
本書では, HP DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアの設定および管理方法について説明します。
改訂/更新情報:本書は,『日本語DECwindows Motif for OpenVMS環境設定の手引き』の代わりとなるドキュメントです。
オペレーティング・システム:OpenVMS I64 V8.3
OpenVMS Alpha V8.3
ソフトウェア・バージョン:DECwindows Motif for OpenVMS I64 V1.6
DECwindows Motif for OpenVMS Alpha V1.6
日本ヒューレット・パッカード株式会社
© Copyright 2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P.
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Intel および Itanium は,米国ならびにその他の国における, Intel Corporation またはその関連会社の商標または登録商標です。
Java は,米国における Sun Microsystems, Inc. の商標です。
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X デバイスは,英国ならびにその他の国における,X/Open Company Ltd. の商標です。
原典: | HP DECwindows Motif for OpenVMS Management Guide |
© Copyright 2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P. |
ZK6300
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本書は, OpenVMS I64 プラットフォームまたは OpenVMS Alpha プラットフォームを使用したクラスタ・システムまたはスタンドアロン・システム上で, HP DECwindows Motif for OpenVMS ( DECwindows Motif ) ソフトウェアの管理とカスタマイズを行う OpenVMS システム管理者を対象としています。
本書の構成は以下のとおりです。
OpenVMS や DECwindows Motif 製品とサービスに関するその他の情報については,次の Web サイトをご覧ください。
http://www.hp.com/jp/openvms http://www.hp.com/go/openvms |
本書では以下の製品名が使用されています。
これら 3 つの名前 (長い形式と 2 つの省略形式) は,どれも Intel Itanium アーキテクチャ上で動作する OpenVMS オペレーティング・システムを指しています。
DECwindows および DECwindows Motif は, HP DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアを指します。また,X サーバと X ディスプレイ・サーバは,すべて DECwindows X11 Display Server を指します。
本書では,以下の表記法を使用しています。
Ctrl/ x | Ctrl/ xという表記は, Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
PF1 x | PF1 xという表記は, PF1 に定義されたキーを押してから,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
[Return] | 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。 (本文中では,キー名は四角で囲まれていません。)
HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,大括弧で囲まれています。 |
... | 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。
|
.
. . |
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,説明している内容にとってその項目が重要ではないからです。 |
( ) | コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。 |
[ ] | コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は省略可能です。オプションをすべて選択しても,いずれか 1 つを選択しても,あるいは 1 つも選択しなくても構いません。ただし,OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,代入文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧は省略できません。 |
[|] | コマンド形式の説明において,大括弧内の要素を分けている縦線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。 |
{ } | コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか 1 つのオプションを選択しなければなりません。 |
太字テキスト | 太字のテキストは,新しい用語,引数名,属性,条件を示しています。
オンライン版のマニュアルでは,ユーザ入力を示すためにも太字が使用されます。 |
italic text | イタリックのテキストは,重要な情報を示したり,変数やマニュアルの完全なタイトルを示します。また,システム・メッセージ (たとえば内部エラー number),コマンド行 (たとえば/PRODUCER= name),文中のコマンド・パラメータなどの変化する部分を示す場合にも使用されます。 |
Monospace type |
モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。
C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示された変数や識別子の実際の文字列などを示します。 |
UPPERCASE TEXT | 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,システム特権の短縮形を示します。 |
- | コード例中のハイフンは,要求に対する引数がその次の行に続くことを示します。 |
数 | 特に明記しない限り,本文中の数はすべて10 進数です。 10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) のときは,その旨を明記してあります。 |
この章では, HP DECwindows Motif for OpenVMS ( DECwindows Motif ) ソフトウェアの概要について説明します。以下のトピックについて説明します。
1.1 DECwindows のクライアント/サーバ処理モデル
DECwindows Motif ソフトウェアでは,クライアント/サーバの処理モデルが採用されています。サーバは,1 つの共有プロセスであり,多数のクライアント・プロセスの要求に基づいて処理を行います。
図 1-1 に, DECwindows Motif のクライアントとディスプレイ・サーバの基本的なアーキテクチャを示します。
図 1-1 DECwindows のシステム・アーキテクチャ: 基本
ほとんどのクライアント/サーバの関係では,クライアント・システムはデスクトップにあり,サーバ・システムはネットワーク上にあります。 DECwindows Motif では,すべての X ウィンドウ・システム環境と同じく,サーバ・システムはデスクトップにあり,画面上にグラフィックスを表示します。
1.1.1 クライアント
クライアントは,デスクトップ・アプリケーションや X ウィンドウ・システム・ユーティリティなどのプロセスであり, X プロトコル・リクエストを送信します。たとえば, DECwindows Motif 環境では,デスクトップ・アプリケーション (DECterm など) や X ウィンドウ・システムのユーティリティ (xlsfonts など) は, X ディスプレイ・サーバと通信するクライアントです。
クライアントは,ディスプレイ・サーバ・システム上の表示内容を制御し,ユーザと対話するためのグラフィック・インタフェースを生成します。
1.1.2 トランスポート
DECwindows アーキテクチャでは,ほとんどのクライアント/サーバ処理モデルと同様に,クライアントとディスプレイ・サーバはそれぞれ別のシステムに存在できます。これらのシステムは,ユーザからは見えないネットワーク・トランスポートで互いに接続されます。
トランスポートは,クライアントとサーバ・システム間でのデータのやり取りだけを担当します。データの変更は一切行いません。
DECwindows Motif では,以下の伝送手段がサポートされています。
クライアントとサーバは,ネットワーク・トランスポートに対する固有のインタフェースをそれぞれ維持管理しています。
1.1.3 ディスプレイ・サーバ
ディスプレイ・サーバは,クライアント・アプリケーションが,サポートされているデバイスと一貫した方法でやり取りできるようにします。ディスプレイ・サーバは,クライアント・アプリケーションに代わって物理的なグラフィックス・ディスプレイと周辺デバイスを管理します。トランスポート層を通じてクライアント・アプリケーションからの X プロトコル・リクエストを受信し,特定のデバイスに対する要求を満たすために必要な機能を実行します。
基本的に,サーバは,要求を表すデータを該当するグラフィックス・デバイスが実行できるコマンドに変換します。ユーザが入力デバイス (マウス,キーボード,タッチパッドなど) を使用してアプリケーション・データを入力すると,ディスプレイ・サーバがデバイス・ドライバから入力を受信し,トランスポート層を通じてプロトコル・パケットを X ライブラリ (Xlib) および X Toolkit Intrinsics (Xt) ルーチンに返します。
正常に通信するためには,クライアントとディスプレイ・サーバ間でアクセス制御方法,通信プロトコル,ホスト名の形式などの設定に関して,互換性が必要となります。
1.2 オプションのサーバ構成
以降の項で説明するように,基本システム・アーキテクチャを拡張して,他の種類のサーバを含めることができます。
1.2.1 フォント・サーバ
X ディスプレイ・サーバに組み込まれているフォント・レンダラでは, 1 つ以上のフォント・サーバを使用して,ディスプレイ・サーバが動作しているシステム以外のシステムに分散されたフォント・ファイルにアクセスすることができます。ディスプレイ・サーバとフォント・サーバの間の通信では, X フォント・サーバ (FS) プロトコルが使用されます。
図 1-2 に,フォント・サーバを追加した DECwindows Motif アーキテクチャを示します。
図 1-2 DECwindows のシステム・アーキテクチャ: フォント・サーバ
プロキシ・サーバは,クライアントからは他の X サーバと同じに見えます。 プロキシ・サーバはクライアントからの接続要求を受け付け,クライアントと X サーバ間の仲介者として動作します。プロキシ・サーバとクライアント間の通信では,標準の X プロトコルが使用されます。プロキシと X サーバ間の通信では,LBX (Low-Bandwidth X) プロトコルが使用されます。
LBX は,ディスプレイ・サーバとクライアントが, 56K bps のダイアルイン・モデムやワイド・エリア・ネットワーク (WAN) などの低速回線で接続されているような構成用に設計されています。 X プロトコルの開発当初は,主にローカル・エリア・ネットワーク (LAN) 上で使用されており,低速の接続用に最適化されていませんでした。 LBX では,クライアントとサーバの間のデータ・フローを最小化するように設計された圧縮とキャッシュを使用することでこの欠点に対処しています。
図 1-3 に,プロキシ・サーバを追加した DECwindows Motif サーバ・アーキテクチャを示します。
図 1-3 DECwindows のシステム・アーキテクチャ: プロキシ・サーバ
プロキシ・サーバは,プロキシ・マネージャ・アプリケーションで管理することもできます。クライアント・アプリケーションは,X ディスプレイ・サーバへの要求をプロキシ・マネージャに渡します。プロキシ・マネージャは,適切な既存のプロキシ・サーバを探すか,プロキシ・サーバの新しいインスタンスを自動的に起動します。
1.3 DECwindows Motif の構成要素
ここでは,レイヤード・プロダクト・ソフトウェア DECwindows Motif を構成するクライアントの構成要素,ディスプレイ・サーバ, OpenVMS オペレーティング・システムで提供されている共通の構成要素を示します。
1.3.1 レイヤード・プロダクトの構成要素
DECwindows Motif クライアント・ソフトウェアを構成するコンポーネントは以下のとおりです。
X ライブラリ (Xlib)
X Toolkit Intrinsics (Xt)
OSF/Motif ツールキット (Xm)
HP Extensions to Motif (DXm)
ICE (Inter-Client Exchange) および XSMP (X Session Management)
拡張
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