HP OpenVMS Systems Documentation |
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本章では,OSF/Motifが提供するウィジェットとともにDECが提供している追加ウィジェット, またはDECがレイヤード・プロダクトとして販売している追加ウィジェットについて, その設計上またはスタイル上の注意点について説明します。OSF/Motif が提供するウィジェットとともに,DECは次の追加ウィジェットを提供しています。
第4章で説明します。
第5章で説明します。
本章で説明します。
本章で説明します。
DECのPrintウィジェットはすべてのアプリケーションで使用することができ,OpenVMS, UNIX ,Windows NTのいずれのシステムでもファイルを印刷できます。Print ウィジェットは,図 6-1に示す1次ダイアログ・ ボックスと,「オプション...」プッシュ・ボタンを押すことによって起動する2次ダイアログ・ ボックスで構成されます。2次ダイアログ・ ボックスは,オペレーティング・システムによって異なります。 図 6-2はOpenVMSシステム上の2次ダイアログ・ ボックスを示しています。
1次印刷ダイアログ・ボックスでは,次の設定を変更できます。
2次ダイアログ・ボックスは,使用するオペレーティング・システムによってかなり異なります。
アプリケーションの印刷ニーズに合わせて,Printウィジェット・ダイアログ・ ボックスをカスタマイズすることができます。たとえば,アプリケーションによっては, 「印刷終了後ファイル削除」チェック・ボタンが適当でないものもあります。 図 6-3に示すように,Print ウィジェットではこのような適当でないタブ・グループをダイアログ・ ボックスに表示しないように設定することができます。
Printウィジェットには印刷属性を保管する機能がないため,保管できるように何らかの方法を提供しなければなりません。 たとえば,「オプション」メニューの「設定値を保管」メニュー項目で印刷属性が自動的に保管できるように設定したり, 「オプション」メニューに「印刷属性を保管」メニュー項目を追加します。
Printウィジェットについての詳しい説明は,『日本語VMS DECwindows Motifアプリケーション開発の手引き』(日本語),『VMS DECwindows Motif Guide to Application Programming』(英語)および『日本語DECwindows Motif for OpenVMS拡張機能説明書』(日本語),『DECwindows Extensions to Motif』(英語)を参照してください。
アプリケーションで情報を階層化するためには,SVN(Structured Visual Navigation)ウィジェットを使用します。SVNウィジェットを使用すると, 階層的に情報にアクセスしたり,情報の構造を変更したりすることができます。SVN を情報の各レベルを表示する機能と考えてください。情報の最上位レベルのみを表示させたり, あるいはさらにレベルを広げ,下位レベルの情報まで表示させたりすることができます。 たとえば,DECwindowsメールでは, フォルダを収めるドロアを作成し,そのフォルダにメッセージを入れることができます。 この階層を表示する際には,ドロアのみ(情報階層の最上位レベル) を表示することもでき,またドロアを「オープン」してその中のフォルダすべてを表示することもできます。 さらに,フォルダを「オープン」すると 図 6-4に示すようにフォルダ内のすべてのメール・ メッセージを表示することもできます。
SVNでは,階層情報を次の3種類のフォーマットまたはモードで表示できます。
カラム・フォーマットは,ウィンドウの枠で構成要素の間を区切っています。 それぞれの構成要素は独立に水平方向にスクロールできます。 ただし,垂直スクロール・バーは1つしかありません。
3種類のフォーマットに加えて,SVNにはユーザが階層情報内を移動する際に役立つインターフェイス機能があります。 たとえば,スクロール・バー上に外矢印( 図 6-6を参照)やインデックス・ウィンドウ( 図 6-7を参照)を作成できます。
外矢印を使用すると,囲み矢印やステップ矢印に比べ移動範囲は大幅に広がります。 上ステップ矢印をクリックすると,表示は1ユニット上に移動します。 上外矢印をクリックすると,表示は現在表示されている階層構造の最上位レベルまで移動します。 たとえば,200個のメール・メッセージが入ったフォルダのメッセージ20 〜40番目が表示されている場合,上外矢印をクリックするとメッセージ1 〜20番目が表示されます。また,下外矢印をクリックするとメッセージ180 〜200番目が表示されます。
インデックス・ウィンドウは特殊ウィンドウの1つで,スクロール・バー上で起動され, マウスのボタンを放した時にウィンドウに表示される内容を示します。 図 6-7では,インデックス・ ウィンドウにブックリーダ・ライブラリのブック・タイトルが表示されています。 また,SVNはライブ・スクロール機能も備えています。これはスムース・ スクロールとも呼ばれるものです。この機能を使用すると,スライダを動かしたときにディスプレイがダイナミックにスクロールします。 ライブ・スクロール機能を使用しない場合は,スクロール・バーでスライダを動かしたときに, スライダーを動かし終るまではディスプレイは移動しません。
階層内の各SVN項目,すなわち各行では,30個までの情報を構成要素として表示できます。 各構成要素のタイプは次の3種類のいずれかです。
図 6-8はピックスマップ(アイコン)とテキストを使用したSVN 項目を示しています。
この例では,強調表示された項目(図の下から2番目の情報)には,次の4つの構成要素が含まれています。
ユーザが階層構造に含まれる情報を容易に把握できるように階層構造をレイアウトする必要があります。 規則的に項目を表示する階層構造の方が, 不規則なものより理解しやすくなります。以下の各節で,理解しやすい階層構造を作成するガイドラインとして次の各項目について説明します。
項目が拡張された状態であるか縮小された状態であるかをアイコンで表します。 拡張された状態とは,その項目の下位の項目を表示している状態です。 縮小された状態では下位のレベルは表示しません。たとえば,DECwindows メールのフォルダ・アイコンは,図 6-9 で示すとおり,拡張されていない項目については閉じたフォルダでそれを示し, 拡張されている項目については開いたフォルダでそれを示します。
下位レベルの項目は同一線上に揃えます。同一線上に揃えることによって, 階層構造の見栄えが均等で規則的になり,階層構造のあるレベルを別のレベルと区別できるようになります。 たとえば,図 6-4の例では, メール・メッセージ, フォルダ,ドロアの階層構造が非常にはっきりしています。メール・メッセージはフォルダの下にインデントされ, フォルダはドロアの下にインデントされています。
SVN階層構造で利用するフォントのサイズと種類によって,ユーザが情報をどの程度迅速に効率的に把握できるかが決まります。 どれを選択するかは非常に主観的な問題ですが, いくつかガイドラインを示します。
階層構造内で使用するフォント数とフォント・サイズを制限してください。 階層構造全体では1種類のフォントとフォント・サイズを使い, 階層構造内の異なるレベルでは字体を変えます。
たとえば,階層構造のあるレベルの親項目については,太字の14ポイントのヘルベチカを使用し, その子項目については標準の14ポイントのヘルベチカを使用します。 このように字体を変えることで,親項目と子項目とを区別できるようにします。
様々なフォント,字体,フォント・サイズが入り混じった表示はユーザを混乱させます。 なぜなら,いろいろな要素があるとユーザの目はある要素から別の要素に常に移りやすいからです。
画面上で読みやすいフォントを選びます。文字が単純ではっきりしているヘルベチカのような字体を使用するとよいでしょう。 はっきり表示するためには, 画面に表示する文字は印刷する場合より大きくなければなりません。 文字サイズは14ポイント程度が適しています。12ポイント未満の文字は使用しないでください。
アプリケーションによっては,情報を明確に表すために数種類のフォントやフォント・ サイズを使用しなければならない場合があります。 この場合,項目を慎重に並べ,階層構造で同レベルにある各項目には同種のフォントとフォント・ サイズを使用してください。フォント・ サイズは段階的に変えるのがよいでしょう。つまり,階層構造の一番上位では大きなフォントを使用し, 下位にいくにつれて小さなフォントを使用します。
SVNには2種類の選択モードがあります。全体選択と限定選択です。全体選択モードでは, 項目内のいずれかの構成要素を選択すると,すべての構成要素, つまり,項目全体が自動的に選択されます。全体選択の例を図 6-10 に示します。
限定選択モードでは,図 6-11に示すように項目内の個々の構成要素を選択することができます。SVN では,1つのアプリケーションで両方の選択モードをサポートすることはできないため, ユーザのニーズに最も適したどちらかの選択モードを選択してください。
各選択モードで,選択行の長さとして固定長と可変長のいずれかを選択することができます。 固定長選択行の場合には,図 6-10 に示すように項目の長さ全体が選択されます。一方,可変長選択行の場合には, 図 6-12に示すように, ユーザ情報を表示したフィールド部分のみが選択されます。
ダイアログ・ボックスを除く任意のウィンドウ内でSVNを使用可能とするとき, 「表示」メニューに次のメニュー項目を設定することによって,ユーザは複数の項目を一度に開いたり閉じたりできます。
「開く」メニュー項目は,現在選択されている項目を一つ下のレベルまで開きます。
選択された項目を一番下のレベルまで開きます。
すべての項目を一番下のレベルまで開きます。
選択された項目を縮小します。
すべての項目が縮小します。
図 6-13は,「表示」メニュー内におけるこれらの項目の配置例です。
SVNを使用したインターフェイスの作成についての詳しい説明は,『日本語VMS DECwindows Motifアプリケーション開発の手引き』(日本語),『VMS DECwindows Motif Guide to Application Programming』(英語)および『日本語DECwindows Motif for OpenVMS拡張機能説明書』(日本語),『DECwindows Extensions to Motif』(英語)を参照してください。