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まえがき
第1章:コマンド・ディクショナリ概要
第2章:デバッガ・コマンド・ディクショナリ
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デバッガ・コマンド・ディクショナリ


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このコマンドは表示 OUT_X を可視プロセス ( プロセス 3) に固有のものにし,ウィンドウ S4 に表示を置きます。




メモリの内容を表示します。

形式

DUMP address-expression1 [:address-expression2]


パラメータ



address-expression1

表示する最初の記憶位置を指定します。

address-expression2

表示する最後の記憶位置を指定します (省略時の設定は address-expression1 です)。

修飾子



/BINARY

確認した個々の値を 2 進整数として表示します。

/BYTE

確認した個々の値をバイト整数 (1 バイト長) として表示します。

/DECIMAL

確認した個々の値を 10 進整数として表示します。

/HEXADECIMAL

確認した個々の値を 16 進整数として表示します。

/LONGWORD (省略時の設定)

確認した個々の値をロングワード整数型 (4 バイト長) で表示します。これは,コンパイラで生成されたデータ型のないプログラム記憶位置の省略時のデータ型です。

/OCTAL

確認した個々の値を 8 進整数として表示します。

/QUADWORD

確認した個々の値をクォドワード整数型 (8 バイト長) で表示します。

/WORD

確認した個々の値をワード整数型 (2 バイト長) で表示します。

説明

DUMP コマンドは,レジスタ,変数,配列も含めて,メモリの内容を表示します。DUMP コマンドは DCL の DUMP コマンドと同じ方法で出力をフォーマットします。デバッガの DUMP コマンドは集合体の構造体を解釈しません。

一般に,DUMP コマンドを入力すると,デバッガは address-expression1 を評価して,プログラム記憶位置を求めます。そのあと,デバッガは次の方法で,その記憶位置に格納されている値を表示します。

  • 値にシンボル名が割り当てられている場合は,デバッガは値のサイズを使用して,表示するアドレスの範囲を確認します。

  • 値にシンボル名がない場合には (したがって,コンパイラで生成されたデータ型が割り当てられていない場合),デバッガは address-expression2 (指定されている場合) を通じて, address-expression1 を表示します。

どちらの場合も,DUMP コマンドはこれらの記憶位置の内容を現在の基数で,ロングワード (省略時の設定) 整数値として表示します。

表示のために使用する省略時の基数は,ほとんどの言語で 10 進数です。例外は BLISS と MACRO です。これらの言語での省略時の基数は 16 進数です。

他の基数でデータを表示するには,4 つの基数修飾子 (/BINARY,/DECIMAL,/HEXADECIMAL,/OCTAL) のいずれかを使用します。また,SET RADIX コマンドと SET RADIX/OVERRIDE コマンドを使用して,省略時の基数を変更することもできます。

表示の形式を変更するには,サイズ修飾子 (/BYTE,/WORD,/LONGWORD, /QUADWORD) のいずれかを使用します。

DUMP コマンドは,現在のエンティティ組み込みシンボル %CURLOC とピリオド (.) を,指定されたアドレス式によって示される記憶位置に設定します。論理的に前の記憶位置 (%PREVLOC またはサーカンフレックス文字 (^)) と後の記憶位置 (%NEXTLOC) は,現在のエンティティの値をもとに決定されます。

関連コマンド:

EXAMINE


#1
DBG> DUMP/QUAD R16:R25
 0000000000000078 0000000000030038 8.......x....... %R16 
 000000202020786B 0000000000030041 A.......kx   ... %R18 
 0000000000030140 0000000000007800 .x......@....... %R20 
 0000000000010038 0000000000000007 ........8....... %R22 
 0000000000000006 0000000000000000 ................ %R24 
 
DBG> 
 

このコマンドは,汎用レジスタ R16〜R25 をクォドワード形式の 16 進数で表示します。

#2
DBG> DUMP APPLES
 00000000 00030048 00000000 00004220  B......H....... 00000000000300B0 
 63724F20 746E6F6D 646F6F57 000041B0 °A..Woodmont Orc 00000000000300C0 
 20202020 20202020 20202073 64726168 hards            00000000000300D0 
 6166202C 73646E61 6C747275 6F432020   Courtlands, fa 00000000000300E0 
                   00002020 2079636E ncy   ..         00000000000300F0 
 
DBG> 
 

このコマンドは,APPLES というエンティティの値をロングワード形式の 16 進数で表示します。

#3
DBG> DUMP/BYTE/DECIMAL 30000:30040
    0    0    0    0    0    3    0  -80 °...... 0000000000030000 
    0    0    0    0    0    3    1   64 @....... 0000000000030008 
    0    0    0    0    0    3    0   48 0....... 0000000000030010 
    0    0    0    0    0    3    0   56 8....... 0000000000030018 
    0    0    0    0    0    3    0  -64 
                                      `A...... 0000000000030020 
    0    0    0    0    0    3    0  -80 °...... 0000000000030028 
    0    0    0    0    0    0    7  -50 
                                      ^I...... 0000000000030030 
  101  101  119   32  116  120  101  110 next wee 0000000000030038 
                                     107 k        0000000000030040 
DBG> 
 

このコマンドは,記憶位置 30000〜30040 をバイト形式の 10 進数で表示します。




SET EDITOR コマンドで設定されたエディタを起動します。ユーザが SET EDITOR コマンドを入力していなかった場合には,システムにインストールされていればランゲージ・センシティブ・エディタ (LSE) を起動します。

形式

EDIT [[module-name\] line-number]


パラメータ



module-name

編集の対象となるソース・ファイルが含まれているモジュールの名前を指定します。モジュール名を指定する場合には,行番号も指定しなければなりません。module-na me パラメータを省略すると,現在のソース表示に表示されているコードを持つソース・ファイルが編集の対象として選択されます。

line-number

初期状態でエディタのカーソルをどのソース行に置くかを指定する正の整数。このパラメータを省略すると,カーソルは,初期状態ではデバッガの現在のソース表示の中央のソース行の先頭に置かれます。エディタが /NOSTATRT_POSITION (SET EDITOR コマンドを参照 ) に設定されていた場合には 1 行目の先頭に置かれます。

修飾子



/EXIT

/NOEXIT (省略時の設定)

エディタを起動する前にデバッグ・セッションを終了するかどうかを制御します。/EXIT を指定すると,デバッグ・セッションが終了されたあと,エディタが起動されます。/NOEXIT を指定すると,編集セッションが開始され,その編集セッションが終了したあと,デバッグ・セッションに戻ります。

説明

SET EDITOR コマンドでエディタが指定されていなかった場合には, EDIT コマンドはスポーンされたサブプロセスで ( ランゲージ・センシティブ・エディタ (LSE) がシステムにインストールされている場合には ) LSE を起動します。 EDIT コマンドの通常 (省略時) の使用法では,パラメータを全く指定しません。この場合,編集カーソルは,初期状態では現在選択されているデバッガ・ソース表示 ( 現在のソース表示 ) の中央にある行の先頭に置かれます。

SET EDITOR コマンドには,サブプロセス内から各種のエディタを起動するためのオプションや,呼び出し可能インタフェースを使用して各種のエディタを起動するためのオプションがあります。

関連コマンド

(SET,SHOW) EDITOR
(SET,SHOW,CANCEL) SOURCE

#1
DBG> EDIT

このコマンドは現在のソース・ディスプレイに表示されるコードを持つソース・ファイルを編集するために,サブプロセスとしてランゲージ・センシティブ・エディタ (LSE) をスポーンします。編集カーソルはソース表示の中央にある行の先頭に置かれます。

#2
DBG> EDIT SWAP\12

このコマンドは,SWAP というモジュールがあるソース・ファイルを編集するために,サブプロセスとしてランゲージ・センシティブ・エディタ (LSE) を作成します。編集カーソルはソース行の 12 行目の先頭に置かれます。

#3
DBG> SET EDITOR/CALLABLE_EDT
DBG> EDIT

この例では,SET EDITOR/CALLABLE_EDT コマンドは EDT が省略時のエディタであることと,それが ( サブプロセスとして作成するのではなく ) 呼び出し可能インタフェースを通じて起動されることを指定しています。 EDIT コマンドは現在のソース表示に表示されるコードを持つソース・ファイルを編集するために EDT を起動します。省略時の修飾子である /NOSTART_POSITION が EDT に対して有効であるため,編集カーソルはソース行の 1 行目の先頭に置かれます。




プログラムでの非同期システム・トラップ (AST) の実行要求を許可します。

形式

ENABLE AST


説明

ENABLE AST コマンドはプログラムの実行中に AST の実行要求を許可d します。これらの AST には保留中の AST d ( 配布されるのを待っている AST) も含みます。デバッガの動作中 ( コマンドの処理中など ) に AST が生成されると, AST はキューに登録され,制御がプログラムに戻ったとき配布されます。 AST の実行要求は省略時の設定では許可されます。

  注意
AST を禁止する $SETAST システム・サービスへの呼び出しを行うと,前回の ENABLE AST コマンドは上書きされます。

関連コマンド

(DISABLE,SHOW) AST

DBG> ENABLE AST
DBG> SHOW AST
ASTs are enabled
DBG>

ENABLE AST コマンドで AST の実行要求を許可します。それを SHOW AST コマンドによって確認します。




現在の言語 ( 省略時の設定では,メイン・プログラムを含むモジュールの言語 ) で言語式の値を表示します。

形式

EVALUATE language-expression[,...]


パラメータ



language-expression

現在の言語での有効な式を指定します。

修飾子



/BINARY

結果を 2 進基数で表示することを指定します。

/CONDITION_VALUE

式を状態値 ( 条件処理メカニズムを使用して指定する状態値の種類 ) として解釈することを指定します。その状態値に対応するメッセージ文が表示されます。指定する値は整数値でなければなりません。

/DECIMAL

結果を 10 進基数で表示することを指定します。

/HEXADECIMAL

結果を 16 進基数で表示することを指定します。

/OCTAL

結果を 8 進基数で表示することを指定します。

説明

デバッガは EVALUATE コマンドで指定された式を言語式として解釈し,現在の言語の構文と現在の基数で評価し,その値を現在の言語でリテラル ( たとえば,整数値 ) として表示します。

現在の言語は前回 SET LANGUAGE コマンドで設定された言語です。 SET LANGUAGE コマンドが入力されていなかった場合には,現在の言語は省略時の設定ではメイン・プログラムを含むモジュールの言語です。

式に種々のコンパイラ生成型のシンボルが含まれている場合には,デバッガは現在の言語の型変換規則を使用してその式を評価します。

デバッガは 2 進数,10 進数,16 進数,8 進数の 4 つの基数のどれか 1 つで整数データを解釈したり表示したりできます。現在の基数は前回 SET RADIX コマンドで設定した基数です。

SET RADIX コマンドを入力しなかった場合,データの入力と表示のどちらに対しても,ほとんどの言語の省略時の基数は 10 進数です。例外は BLISS と MACRO です。これらの言語での省略時の基数は 16 進数です。

基数修飾子 (/BINARY,/OCTAL など ) を使用すれば別の基数で整数データを表示できます。これらの修飾子はユーザが指定したデータをデバッガが解釈する方法には影響を及ぼしません。現在の出力基数は上書きされますが,入力基数はもとのままです。

EVALUATE コマンドは現在の値の組み込みシンボル %CURVAL と円記号 (\) を指定された式で示される値に設定します。

関数呼び出しが含まれている言語式を評価することはできません。たとえば,PRODUCT が 2 つの整数を乗算する関数である場合には, EVALUATE PRODUCT(3,5) というコマンドは使用できません。関数の返却値を変数に代入してその変数を調べれば,結果として関数呼び出しを含む式を評価できます。

Alpha では,EVALUATE procedure-name というコマンドは指定されたルーチン,エントリ・ポイントまたは Ada パッケージの ( コード・アドレスではなく ) プロシージャディスクリプタアドレスを表示します。

言語に固有の演算子と構造に対するデバッガ・サポートについての詳しい説明は, HELP Languageをタイプしてください。

関連コマンド

EVALUATE/ADDRESS
MONITOR
(SET,SHOW) LANGUAGE
(SET,SHOW,CANCEL) RADIX
(SET,SHOW) TYPE

#1
DBG> EVALUATE 100.34 * (14.2 + 7.9)
2217.514
DBG>

このコマンドは,デバッガを計算機として使用することにより, 100.34 と (14 .2 + 7.9) の乗算を行います。

#2
DBG> EVALUATE/OCTAL X
00000001512
DBG>

このコマンドはシンボル X を評価し,その結果を 8 進基数で表示します。

#3
DBG> EVALUATE TOTAL + CURR_AMOUNT
8247.20
DBG>

このコマンドは,TOTAL と CURR_AMOUNT という 2 つの実変数の値の合計を評価します。

#4
DBG> DEPOSIT WILLING = TRUE
DBG> DEPOSIT ABLE = FALSE
DBG> EVALUATE WILLING AND ABLE
False
DBG>

この例では,EVALUATE コマンドは WILLING と ABLE という 2 つのブール変数の現在の値の論理積を評価します。

#5
DBG> EVALUATE COLOR'FIRST
RED
DBG>

この Ada の例では,このコマンドは COLOR という列挙型の最初の要素を評価します。




アドレス式を評価し,その結果をメモリ・アドレスまたはレジスタ名として表示します。

形式

EVALUATE/ADDRESS address-expression[,...]


パラメータ



address-expression

有効な形式のアドレス式 ( たとえば,ルーチン名,変数名,ラベル,行番号など ) を指定します。

修飾子



/BINARY

メモリ・アドレスを 2 進基数で表示します。

/DECIMAL

メモリ・アドレスを 10 進基数で表示します。

/HEXADECIMAL

メモリ・アドレスを 16 進基数で表示します。

/OCTAL

メモリ・アドレスを 8 進基数で表示します。

説明

EVALUATE/ADDRESS コマンドを使用すれば,アドレス式に対応するメモリ・アドレスまたはレジスタを求められます。

デバッガは 2 進数,10 進数,16 進数,8 進数の 4 つの基数のどれか 1 つで整数データを解釈したり表示したりできます。

ほとんどの言語の場合,データの入力と表示のどちらに対しても,省略時の基数は 10 進数です。例外は BLISS と MACRO です。これらの言語での省略時の基数は 16 進数です。

基数修飾子 (/BINARY,/OCTAL など ) を使用すれば別の基数でアドレス・データを表示できます。これらの修飾子はユーザが指定したデータをデバッガが解釈する方法には影響を及ぼしません。現在の出力基数は上書きされますが,入力基数はもとのままです。

変数の値がメモリではなくレジスタに現在格納されている場合には, EVALUATE/ ADDRESS コマンドはレジスタを識別します。この場合,基数修飾子は全く働きを持ちません。

EVALUATE/ADDRESS コマンドは,指定されたアドレス式で示される記憶位置に現在の要素組み込みシンボルの %CURLOC とピリオド (.) を設定します。論理的先行データ (%PREVLOC またはサーカンフレックス文字 (^) ) と論理的後続データ (%NEXTLOC) は現在の要素の値に基づきます。

Alpha では, EVALUATE/ADDRESS procedure-name というコマンドは指定されたルーチン,エントリ・ポイントまたは Ada パッケージの ( コード・アドレスではなく ) プロシージャディスクリプタアドレスを表示します。

関連コマンド

EVALUATE
(SET,SHOW,CANCEL) RADIX
SHOW SYMBOL/ADDRESS
SYMBOLIZE

デバッグ式でのルーチン名は Integrity と Alpha では違った意味を持ちます。


Alpha では,下記の例のように EVALUATE/ADRRESS RTN-NAMEコマンドでプロシージャ記述子を評価します。

#1
DBG> EVALUATE/ADDRESS RTN-NAME

Integrity では,正式な関数記述子のアドレスを表示する代わりにデバッガが単にコードのアドレスを表示します。たとえば Alpha システムでは,変数にアドレス FOO が含まれている場合次のようなコマンドを入力してブレークポイントを設定できます。

#2
DBG> SET BREAK .PC WHEN (.SOME_VARIABLE EQLA FOO)

ブレークポイントはこの変数にプロシージャ記述子のアドレスが含まれている場合に発生します。しかし,同じコマンドを Integrity システムで実行した場合,このユーザ変数には FOO の関数記述子のアドレスが含まれているかもしれませんが WHEN 句の EQLA FOO は FOO のコードアドレスと比較するためブレークポイントには達しません。この結果,このユーザ変数には FOO のコードアドレスが含まれることはありません。しかし,Integrity 関数記述子の最初のクォドワードにコードアドレスが含まれているため次のようにコマンドを使用することができます。

#3
DBG> SET BREAK .PC WHEN (..SOME_VARIABLE EQLA FOO)

  注意
Integrity システムでは,BLISS コードから下記のような行をコピーすることはできません。 IF .SOME_VARIABLE EQLA FOO THEN di-something;

#4
DBG> EVALUATE/ADDRESS MODNAME\%LINE 110
3942
DBG>

このコマンドはアドレス式 MODNAME\%LINE 110 によって示されるメモリ・アドレスを表示します。

#5
DBG> EVALUATE/ADDRESS/HEX A,B,C
000004A4 
000004AC 
000004A0
DBG>

このコマンドはアドレス式 A,B,C で示されるメモリ・アドレスを 16 進基数で表示します。

#6
DBG> EVALUATE/ADDRESS X
MOD3\%R1
DBG>

このコマンドは変数 X がレジスタ R1 に対応していることを示します。 X は非静的 ( レジスタ ) 変数です。


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