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OpenVMS マニュアル


日本語トランスレータリファレンス・マニュアル

日本語トランスレータ リファレンス・マニュアル


目次 索引



KANJI78データ・タイプは,1978年版DEC漢字コードをサポートするために,提供しているものです。DEC漢字コード以外の機能に関しては, KANJIと変わりありません。以下の文字セット指示シーケンスは,すべてDEC漢字 1978 年版をG3コード・テーブルに指示します。

ESC $ + 1
1/11 2/4 2/11 3/1

ESC $ + @
1/11 2/4 2/11 4/0

ESC + " 0
1/11 2/11 2/2 3/0

ESC $ + 3
1/11 2/4 2/11 3/3

ESC $ + B
1/11 2/4 2/11 4/2

KANJI78データ・タイプは,DEC漢字1983年版文字セットを用いて,DEC漢字1978年版文字セットを表現しています。1983年版で文字コードが変わったものについては,1978年版のコードを変換して,同じ文字が出力されるようにしていますが, 1983年版で字形が変わった文字もあるため,完全には 1978年版と同一にならない場合があります。 付録 E "JIS漢字1978年版と1983年版の違い" を参照してください。

  注意

  1. DEC罫線(コードFE21〜FE2B(16進))は,1983年版罫線を使用してサポートされます。

  2. DEC漢字 1978年版は,将来サポートされなくなる可能性があります。現在1978年版を使用している利用者の方には,できるだけ早く,1983年版に移行することをお勧めします。



2.2.4 LA_KANJIデータ・タイプ

LA_KANJIデータ・タイプは,漢字LA86/LA280/LA380プリンタおよび漢字LN03/LN05レーザプリンタのLA86モードとの互換機能を提供します。この節ではANSIおよびKANJIとの相違点を説明します。

  注意
LA_KANJIでは拡張ANSIやKANJIデータ・タイプで使用できる命令は,この節で述べる例外を除いてすべて利用できますが,他製品との互換性および将来のバージョンアップでの互換性を維持するためには,本来のLA86/280/380プリンタでサポートされていない機能を使用することは避けてください。

LA_KANJIデータ・タイプは,すでに LA86/280/380用に作成された日本語文書がある場合を想定して提供されたものです。はじめから日本語トランスレータでの印刷を考えるなら,KANJIデータ・タイプを使用してください。




KANJIデータ・タイプと同様に,LA_KANJIデータ・タイプでは,DEC漢字 1983 年版のみをサポートします。




LA_KANJIでの縦書きは,文字属性指定命令(SGR)のパラメータ10/11で行います。縦書き指定命令(DECKVPM)はLA_KANJIでは無視されます。初期状態は横書き(SGR パラメータ=10)です。

Ps 意味
10 縦書き解除
11 縦書き
12から19 無視されます

  注意
SGRの10〜19以外のパラメータの意味は,拡張ANSIおよびKANJIと同じです。

このSGRでの縦書き指定/解除は,DECKVPMとは異なり,印字方向も印字開始位置も変えません。DEC漢字(2バイト・コード)だけが,左に90度回転させられたようにみえます。さらに,DECKVPMと異なり,命令指定時点からすぐに有効になります。 図 2-2 を参照してください。

図 2-2 DECKVPMによる縦書き(2)


  注意
LA_KANJIでは,SGRの10〜19はフォントの選択に使用することはできません。したがって,LA_KANJIではゴシック体フォントを表示することはできません。




LA_KANJIでは,文字サイズ変更命令(GSM)のパラメータ値として,100または200 のみが有効です。パラメータ値200が指定されると,文字を縦または横に倍に拡大します。すでに倍角になっている場合はさらに倍にはなりません。LA_KANJIでは, GSMの他に,文字ピッチ指定命令(DECSHORP),行拡大命令(DECDWL,DECDHLT,DECDHLB) を使用しても倍角文字が表示できます。




文字ピッチ指定命令(DECSHORP)はANSIおよびKANJIのDECSHORPとは機能が異なり,フォントの変更と横倍角の選択ができます。ポートレート・オリエンテーションとランドスケープ・オリエンテーションで,使用されるフォントは変わります。 表 2-5表 2-6 をご覧ください。

表 2-5 LA_KANJIのDECSHORP -ポートレート・オリエンテーションのとき
Ps cpi 使用されるフォント    
0 10文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 10cpi
1 10文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 10cpi
2 12文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 12cpi
3 13.2文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi
4 16.5文字/インチ DEC BUILTIN 1 8ポイント 18.75cpi
5 5文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 10cpi横倍角
6 6文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 12cpi横倍角
7 6.6文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi横倍角
8 8.25文字/インチ DEC BUILTIN 1 8ポイント 18.75cpi横倍角
9 15文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi
10 12.77文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi
11 6.38文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi横倍角
12 8.55文字/インチ DEC BUILTIN 1 8ポイント 18.75cpi横倍角
13 18文字/インチ DEC BUILTIN 1 8ポイント 18.75cpi
14 9文字/インチ DEC BUILTIN 1 8ポイント 18.75cpi横倍角
15 10.3文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 10.3cpi
16 6.38文字/インチ DEC BUILTIN 1 10ポイント 15cpi横倍角

表 2-6 LA_KANJIのDECSHORP -ランドスケープ・オリエンテーションのとき
Ps cpi 使用されるフォント    
0 13.6文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi(フォントの値)
1 10文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
2 12文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
3 13.2文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
4 16.5文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
5 5文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角
6 6文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角
7 6.6文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角
8 8.25文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角
9 15文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
10 12.77文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
11 6.38文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角
12 8.55文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
13 18文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
14 9文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
15 10.3文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi
16 6.38文字/インチ DEC BUILTIN 1 6.7ポイント 13.6cpi横倍角

  注意

  1. 将来,Psの11は全て17.1cpiとして解釈されるようになる予定です。将来の互換性が必要なら,6.38cpiを使う場合は,Psを16にしてください。

  2. テキスト・トランスレータでは,従来の132桁印字をサポートするために,ランドスケープ・オリエンテーションでの印字で自動的に文字サイズを縮小して132桁印字ができるようにしています。ランドスケープのときには,6.7ポイント13.6cpiが初期状態となります。すなわち,従来LA86/280/380 で印刷した場合は10cpiであった文字が, LA_KANJIのランドスケープでは6.7ポイントになります。この状態でDECSHORPを用いて文字間隔を変更した場合,たとえば5cpiにしたとすると,LA86/280/380では10cpiから5cpi に変わりますが,LA_KANJIでは,13.6cpiから5cpiに変わることになります。
    要するに,ランドスケープ・オリエンテーションにおいては,LA_KANJIとLA86/280/380で互換性を保てない場合が生じます。




LA_KANJIでは,VTシリーズ・ビデオ端末の機能である4つの行拡大命令をサポートしています。

DECDHLT ESC
1/11
#
2/3
3
3/3
4倍角文字
(この行のみ有効)
DECDHLB ESC
1/11
#
2/3
4
3/4
空白行
(この行のみ有効)
DECSWL ESC
1/11
#
2/3
5
3/5
倍角解除
(この行のみ有効)
DECDWL ESC
1/11
#
2/3
6
3/6
横倍角文字
(この行のみ有効)

  注意

  1. VTシリーズ端末では,DECDHLTは拡大文字の上半分を,DECDHLBは拡大文字の下半分を表示しますが,LA_KANJIではDECDHLTで,拡大した文字全体を印字し, DECDHLBは空白を印字することにより,同じ機能を実現しています。したがって, DECDHLTとDECDHLBは必ずこの順番で,続けて使用するようにしてください。

  2. 行拡大命令は,VTシリーズ端末の画面出力をプリンタ上でも表示できるように しますが,VTシリーズ端末ではこれらは行に対する属性です。したがって行拡大命令を同じ行の中で組み合わせて使用することはできません。LA_KANJIでは文字に対する属性として扱われますので,組み合わせての使用は可能ですが,将来のバージョンアップにおける互換性の維持に障害となる可能性がありますので,同じ行のなかで行拡大命令を組み合わせることは避けてください。さらに,行拡大命令をプリンタ固有の命令(たとえば,DECSHORP,GSM等)と組み合わせて使用することは避 けてください。やはり将来のバージョンアップにおける互換性の維持に障害となる可能性があります。




LA_KANJIでは行ピッチ指定命令のパラメータ値0は,6行/インチです。一方, ANSIおよびKANJIではパラメータ値0は,現在有効なフォントの持つ行間隔の値を反映させます。



2.3 既存のプリンタとの相違

データ・タイプはいずれも,既存のDEC社のプリンタ製品との互換性を保つようにしていますが,いくつかの相違点もあります。ここでは,データ・タイプごとに,対応するプリンタとの機能の違いを述べます。ANSIデータ・タイプと他の英語版プリンタとの違いは「 Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Supplement 」で述べられていますので,ここでは弊社の漢字プリンタとの違いのみを述べます。

  注意
XON/XOFF,DECRFS,DECFSR,DSR,DA,パリティ,C1コントロール enable/disable モード等の通信制御/ハードウェア状態の報告機能等は,トランスレータの性質上使用できませんので,以下の相違点の説明からは省いてあります。



2.3.1 KANJIデータ・タイプ

KANJIデータ・タイプは,DEClaser2300 レーザ・プリンタのLN05モードに対応しています。 表 2-7 に両者の相違点を示します。

表 2-7 漢字LN05とKANJIの相違点
相違点 漢字LN05 KANJI
紙サイズ A4,B4,B5,*A5,*官製
はがき,*自由 (*手差しのみ)
A3,A4,A5,B4,B5
レター,リーガル,B(11"×17"),エグゼクティブ(7.5"×10.5")
ページ・オリエンテーション 1. PFS/DECVPFS命令
   で設定
2. ハードウェアの
   SET_UPで設定
1. PFS/DECVPFS命令による
2. PRINTコマンドのパラメータ
(PAGE_ORIENTATIONによる。トランスレータのランドスケープ・オリエンテーションでは,文字サイズなどの初期設定値がポートレート・オリエンテーションとは異なる)
オートラップ/トランケート 1. DECAWMモードで設定
2. SET_UPで設定
3. フォーム定義で設定
1. DECAWMモードによる
2. 初期設定は必ずオートラップ
3. フォーム定義による
初期文字セット
GL
GR
漢字コード

SET_UPで設定
SET_UPで設定
SET_UPで1978年版と1983年版切り換え可能

常にG0
常にG3(ANSIではG2)
常に1983年版(1978年版は,
KANJI78による)
ユーザ指定文字セット
(User Preference)
SET_UPでDECサプリメントとISOLATIN1サプリメントの切り換え可能 常にDECサプリメント
フォント    
英文書体 ビットマップ
クーリエ,エリート,PI
アウトライン
クーリエ
和文書体 ビットマップ
明朝体
OCR-Bカタカナ
アウトライン
明朝体・ゴシック体
OCR-Bカタカナ
(OCR-Bカタカナフォントのないプリンタに対してはゴシック体カタカナで代用する)
(トランスレータでは,エリート
フォント,PIフォントはクーリエフォントで代用している。クーリエ,明朝も書体デザインはLN05と異なる)
エラー文字    
未定義コード 逆クエスチョンマーク 逆クエスチョンマーク
未定義フォント ブロッブ(黒い四角) 逆クエスチョンマーク
未定義ユーザ文字 四角 逆クエスチョンマーク
縦書き文字 SET_UPによって以下の文字も縦書き用にできる
( , . −÷≠<>≦≧ )
これらの文字は縦書き用にならない
文字ピッチの変更 文字間隔を変えるだけ 同時に適当なピッチのフォント
に変える(サイズも変わることがある)
斜字体(イタリック)の代用 アンダライン 正体フォントから計算によって作成
オンデマンド・ローディング SET_UPで有効/無効を選択
可能
常に有効
ただしプリント・ジョブごとにリセットされる
プリローディング(漢字) 不可
フォームオーバーレイ あり あり
ただしプリント・ジョブごとにリセットされる
テキストと
Tektronixの混在
不可
SGR   スーパースクリプト,サブスクリプト,オーバーラインが使用できる
DECSHORP パラメータ11はSET_UP
で6.38CPIまたは17.1CPIに設定できる
パラメータ11は常に6.38CPI
(ANSIでは常に17.1CPI)
パラメータ12〜16が追加
されている
DECSHORP 0の時の
漢字のピッチ
SET_UPによって,漢字フォント本来のピッチか1byte文字フォントの半分のピッチかを選択できる 常に漢字フォント本来のピッチ
DECVERP   パラメータ12〜16が追加
されている


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