最終的に DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアを使用して印刷する PostScript ファイルを,他のオペレーティング・システムが稼動しているシステムで作成している場合は,次の事項に注意してください。
- プリンタ固有のコードの使用
Windows および Macintosh プリンタ・ドライバは,ドライバを構成したプリンタおよびプリンタ・オプションに固有の PrintScript コード (たとえば,プリンタのブランド名,モデル名,使用可能なトレイ,両面印刷が可能かどうか,プリンタ内の使用可能なメモリなど) を作成します。そのファイルを異なるタイプのプリンタあるいは異なるオプションを持つプリンタに印刷した場合,正しく印刷されない可能性があります。
最終的に使用するプリンタおよびプリンタ・オプションに固有なファイルを作成するようにしてください。そうでない場合は,移植性を最適化し,オプションを指定せずに汎用プリンタを選択して,複数のプリンタ構成にそのファイルを印刷することができるようにしてください ( 第 4.5 節 を参照)。
- 固有の機能に対する PostScript コードの使用
Windows および Macintosh アプリケーションおよびプリンタ・ドライバは,ファイル作成時に選択したプリンタ機能に固有の PostScript コード (たとえば,使用するトレイ,ソートされない部数,片面印刷か両面印刷かなど) を作成します。 PostScript ファイルにそのような機能を明示的に指定している場合,それに対応した DCPS パラメータ (たとえば,INPUT_TRAY,OUTPUT_TRAY, SHEET_COUNT,SIDES など) はそのプリント・ジョブに影響を与えません。
アプリケーションおよびプリンタ・ドライバが現在のプリンタ・ジョブに対して省略時の特定の設定値 (たとえば,給紙トレイ) を使用できるようになっている場合は, DCPS パラメータを使用して必要な設定を指定してください。そうでない場合は,アプリケーションおよびプリンタ・ドライバを使用して特定の機能を指定し,対応する DCPS パラメータを指定しないようにしてください。
- プリンタ固有の設定についての仮定
プリンタの物理的な設定は,プリンタにより,また時間により異なる可能性があります。たとえば,プリンタの上段のトレイに黄色の用紙が装着されていることを知っていて,黄色の用紙に印刷したい場合は,上段給紙トレイに印刷することで PostScript ファイルを作成することができます。しかし,そのファイルを同一ブランドの同一モデルの別のプリンタに送信した場合,あるいは以前と同一のプリンタであっても後日に送信した場合は,上段トレイには別の用紙が装着されている可能性があります。
DCPS で指定することができないプリンタ機能,あるいはアプリケーションおよびプリンタ・ドライバでも指定することができないプリンタ機能 (たとえば,用紙のタイプ) については,ファイルを送信する前に,印刷を行うプリンタの物理設定が必要とする設定となっていることを確認してください。そうでない場合は,上記の 1 および 2 の項目に示す理由のため,ファイルを再度作成する必要があります。
各 PostScript プリンタには,標準 PostScript 言語として定義されていないオペレータが格納されています。各 PostScript プリンタ固有の PostScript 言語の拡張機能については,各プリンタのマニュアルを参照してください。
PC および Macintosh システムで動作する,市販されている多くのアプリケーションおよびプリンタ・ドライバを使用した場合,プリンタ固有の拡張機能に依存したプリンタ機能を指定することができます ( 第 4.3 節 を参照)。たとえば,特定のプリンタの上段給紙トレイを使用する PostScript ファイルを作成することができます。そのファイルを別のタイプのプリンタに印刷しようとした場合,別のトレイに印刷される可能性や,印刷に失敗する可能性もあります。
プリンタ・タイプに依存しない文書を作成する場合は, PostScript ファイルを作成するために使用するアプリケーションが DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアで指定する PRINT パラメータと矛盾していないことを確認してください。できるだけ PostScript 文書が汎用的なものとなるように,オプションの設定を行ってください。
広範囲の各種プリンタで印刷可能である汎用的な文書をアプリケーションで確実に作成するには,給紙トレイや排紙トレイなど,すべてのプリンタ固有のオプションに対して「プリンタの省略時の設定」を選択します。あるいは,汎用プリンタまたは両面印刷機能や複数の給紙トレイを持たないプリンタを選択します。その後,ファイルへの出力を可能とするアプリケーションの機能を選択します。
プリンタで定義されていない PostScript 拡張オペレータを使用したファイルを印刷した場合には,次のエラー・メッセージが出力されます。