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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第1章:DECprint Supervisor の概要
第2章:プリンタの設定
第3章:プリント・キューの作成と変更
第4章:自動的なデータ・タイプの検出
第5章:プリント・ジョブおよびプリント・キューの操作
第6章:セパレータ・ページ,ログ・ページ,エラー・ページの指定
第7章:セットアップ・モジュールおよび装置制御ライブラリの作成
第8章:フォーム定義の作成および保守
第9章:ユーザに対するプリンタ資源の料金請求
第10章:プリンタ固有の情報
第11章:問題の解決方法
付録A :プリンティング・システム管理コマンド
付録B :DCPSで使用する論理名
付録C :フォントのダウンロードと削除
付録D : DECprint Supervisor (DCPS)および DECprint プリンティング・サービス (CPS)
索引
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日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


目次 索引

第 1 章
DECprint Supervisor の概要



DECprint Supervisor ソフトウェアを使用することにより, ネットワークに接続された PostScript プリンタの使用および管理が可能となります。たとえば,ユーザは次のことが可能となります。

  • ユーザ独自のドキュメントの印刷,両面印刷,給紙トレイの選択

  • 出力するファイルを変更することなく出力ドキュメントを変更することによる,用紙の節約およびカスタム・ドキュメントの作成

  • PostScript プリンタへの異なるタイプのファイルの出力

  • OpenVMS オペレーティング・システム,パーソナル・コンピュータ (PC),Macintosh システムからのプリンタへのアクセス

システム管理者は次のものを準備することにより,プリンティング・システムを使用しやすくすることができます。

  • 省略時のキュー属性
    たとえば両面印刷などの特定のパラメータをユーザは指定する必要がなくなります。

  • セットアップ・モジュール
    これらのモジュールは装置制御ライブラリに格納され,プリント・ジョブの印刷環境を変更するために使用されます。

  • フォーム定義
    プリント属性を指定したり,セットアップ・モジュールを含むことにより,ユーザが簡単に特定のプリント・ジョブの属性を指定できるようにします。

  • レイアップ定義ファイル
    プリント・ジョブを用紙に印刷する形式を変更するために作成します。

DCPS では,次の機能も提供します。

  • ドキュメントのフォーマット
    DCPS を使用すると,ユーザは次のことが可能になります。

    • 次のコマンドを使用した,物理的な用紙サイズに適合したページ・サイズへの変換。

      $ PRINT /PARAMETERS=(PAGE_SIZE=n,SHEET_SIZE=m) file-spec
      

    • 次のコマンドを使用した,ファイル出力時のページ・レイアップ処理の指定。

      $ PRINT /PARAMETERS=(LAYUP=option=value)
      

    • 次のいずれかのコマンドを使用した,用紙の節約。

      $ PRINT /PARAMETERS=(PAGE_LIMIT="n,m")
      $ PRINT /PARAMETERS=(NUMBER_UP=n)
      

    • SHEET_COUNT パラメータを指定した,ソートされない複数のコピーの出力。

    • /SETUP 修飾子を指定した,あらゆるタイプの装置制御モジュールの使用。 ANSI モジュールの場合は制御シーケンスを含み, PCL モジュールの場合はバイナリ・フォント・データを含む可能性があります。

  • データ・タイプの変換
    DCPS により,次のデータ・タイプのファイルを出力することができます。

    • PCL 4 (Printer Control Language) ファイル
      Hewlett-Packard LaserJet IID での出力に使用

    • Proprinter ファイル
      IBM Proprinter XL24 での出力に使用

    • ReGIS グラフィックス・ファイル (白黒出力のみ)

    • TEKTRONIX ファイル
      TEKTRONIX 4010/4014 での出力に使用

    • ASCII テキスト・ファイル
      行番号,ページ・ヘッダ,背景にグレイ・バーとホワイト・バーを交互に表示

    • DDIF (DIGITAL Document Interchange Format)
      2 値イメージ・ファイル

  • 自動データ・タイプ検出
    ほとんどの場合,ユーザは出力ファイルのデータ・タイプを指定する必要はありません。 DCPS は,サポートされているデータ・タイプのファイルを識別し,出力する前に自動的に PostScript に変換します。
    DCPS では,テキスト・データ (ANSI, PCL, Proprinter データ) および PostScript データの両方を含むファイルを出力することができます。たとえば,PostScript ファイルを含む電子メール・メッセージを出力することができます。ユーザはデータ・タイプを指定することなく, プリント・ジョブをキューに登録することができます。 DECprint Supervisor ソフトウェアはテキスト・ファイルとして出力を開始し,自動的に PostScript への変換を識別してファイルを正しく出力します。
    ユーザが独自に作成したファイルを識別して出力するようにプリンティング・システムをカスタマイズするための情報については, 第 4 章 を参照してください。

DCPS のバージョン

現在システムで実行されている DCPS ソフトウェアのバージョンは,ジョブおよびファイルのセパレータ・ページに印刷される他, DCPS$STARTUP.COM 実行時に表示されます。論理名 DCPS$VERSION にもバージョン番号が含まれています。 DCPS$VERSION が定義されていない場合,DCPS はそのシステムで起動されていません。

1.2 DECprint Supervisor ソフトウェアの構成要素

DECprint Supervisor ソフトウェアは次の要素で構成されています。

  • プリント・シンビオント
    プリンタに割り当てられたOpenVMSプリント・キューからのプリント要求を処理します。

  • キュー管理サービス
    第 5 章 を参照してください。

  • データ・タイプ・トランスレータ
    PostScript以外のファイルをPostScript装置で印刷できるように変換します。

  • ファイルの印刷方法を変更するセットアップ・モジュールを登録した装置制御ライブラリ
    第 7 章 を参照してください。

DECprint Supervisor シンビオントはOpenVMSプリント・シンビオントである PRTSMBの代わりに使用されます。ソフトウェアは実行可能イメージ・ファイル,テキスト,およびヘルプ・ファイルから構成されます。

図 1-1 は,プリント・ジョブがOpenVMSシステムで作成され,プリンタに送信される処理を示しています。

図 1-1 DECprint Supervisorソフトウェアの構成要素


この後の各項では, DECprint Supervisor プリンティング・システムのソフトウェア構成要素について説明します。

1.2.1 プリント・シンビオント

ユーザはDCLのPRINTコマンドを使用してジョブをプリンタに送信するか,または OpenVMSシステム・サービス・コール SYS$SNDJBC を発行するアプリケーション・プログラムを使用してジョブをプリンタに送信します。プリント・シンビオントはプリント・ジョブを管理します。 DECprint Supervisor ソフトウェアは次の操作を実行します。

  • 資源の管理

  • プリンタへの制御データの送信

  • プリンタへのデータ・ファイルの送信

  • プリンタの進捗状況の監視

  • プリンタの状態の報告

  • 例外状態の処理

たとえば,ユーザが次のPRINTコマンドを入力したとします。

$ PRINT /QUEUE=POST3 /NOTIFY THORNTON.TXT

PRINTコマンド行はシステム・サービス・コールに変換され,ジョブ・コントローラに送信されます。引数はジョブ・コントローラ・データ構造に変換され,その後,処理のためにシンビオントに渡されます。シンビオントは処理した引数とファイル・データをプリンタに送信し,プリント・ジョブの状態を示すメッセージを表示して,ユーザに通知します。

PRINTコマンドとその修飾子についての説明は『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

1.2.2 装置制御ライブラリ

装置制御ライブラリはセットアップ・モジュールを登録した OpenVMSテキスト・ライブラリです。シンビオントは装置制御ライブラリに登録されているモジュールを使用して,さまざまなPRINTパラメータを実現します。 DECprint Supervisor ソフトウェアは,PRINTコマンド行に指定された修飾子またはプリント・キューに割り当てられている修飾子に応じて,適切なモジュールを取り出し,そのモジュールをデータ・ストリームに挿入します。

また,装置制御ライブラリには,シンビオントが自動的には使用しないモジュールも登録されています。これらの一部のモジュールにはPostScriptプロシージャが登録されており,たとえば,プリント・ジョブにエラー処理プログラムを追加したり,代替文字エンコーディングを認識するように findfont プロシージャを拡張したりするために使用します。詳しくは『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

各システムで使用するために独自のセットアップ・モジュールを作成することもできます。セットアップ・モジュールを作成する場合には,それらのモジュールは DCPS$DEVCTLライブラリ以外の装置制御ライブラリに登録しなければなりません。 第 7 章 の説明に従って装置制御ライブラリを作成し, DCPS$STARTUP.COMに定義されている装置制御ライブラリ検索リストに,新しいライブラリを追加してください。

独自のセットアップ・モジュールを登録するためにシステム固有の装置制御ライブラリを作成した場合,ライブラリの内容は DECprint Supervisor ソフトウェアの現在のバージョンから次のバージョンに移行したときは,そのまま保存されます。標準装置制御ライブラリ,DCPS$DEVCTLは新しいものに置き換えられます。

1.2.3 トランスレータ

プリント・ジョブがPostScript以外のプリント・ファイルをキューに登録した場合には,シンビオントはトランスレータを起動し,ユーザの入力ファイルを PostScript に変換します(各ファイル・タイプを印刷するためにプリンティング・システムを設定する方法については, 第 4 章 を参照してください)。

DECprint Supervisor ソフトウェアはファイルのデータ・タイプを自動的に検出できるため,PRINTコマンド行にデータ・タイプを指定する必要はありません。印刷のためにPostScriptに変換する操作は自動的に実行されます。ジェネリック・プリント・キューに省略時のデータ・タイプを定義しておく必要はありません。

システム管理者は省略時のデータ・タイプをジェネリック・プリント・キューに対応づけることができ,このようにすれば,ユーザはジェネリック・キュー名を指定するだけでファイルを印刷できます。詳しくは 第 3 章 を参照してください。

DCPS がファイルのデータ・タイプを正しく識別しない場合は,次のように,コマンド行にデータ・タイプを指定することができます。

$ PRINT MYFILE.MEM /PARAMETERS=DATA_TYPE=ANSI
$ PRINT MYFILE.POST /PARAMETERS=DATA_TYPE=POSTSCRIPT


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