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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
EXTRACT |
画面表示の内容をファイルに保存するか,または現在の画面状態をあとで再構成するために必要なコマンドのすべてを盛り込んだデバッガ・コマンド・プロシージャを作成します。
注意
このコマンドは,デバッガへの HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースでは使用できません。
EXTRACT [display-name[,...]] [file-spec]
display-name
書き出すディスプレイを指定します。次のいずれかを指定できます。
- 定義済みディスプレイ
SRC
OUT
PROMPT
INST
REG
FREG (Alpha および Integrity のみ)
IREG- DISPLAY コマンドで作成したディスプレイ
ディスプレイ名のワイルドカード文字のアスタリスク (*) は使用できません。/ALL 修飾子を指定する場合,ディスプレイ名は指定できません。
file-spec
情報を書き込むファイルを指定します。論理名を指定できます。/SCREEN_LAYOUT を指定する場合,ファイルの省略時の指定は SYS$DISK:[]DBGS CREEN.COMです。指定しない場合,省略時の指定は SYS$DISK:[]DEBUG.TXT です。
/ALL
すべてのディスプレイを書き出します。この修飾子を指定する場合, /SCREEN_LAYOUT は指定できません。/APPEND
新しいファイルを作成するのではなく,ファイルの終わりに情報を追加します。省略時の設定では,新しいファイルが作成されます。この修飾子を指定する場合,/SCRE EN_LAYOUTは指定できません。/SCREEN_LAYOUT
画面の現在の状態を記述するデバッガ・コマンドを含むファイルを書き込みます。この情報には画面の幅と高さ,メッセージのラップの設定,既存のすべてのディスプレイの位置,表示対象,ディスプレイ属性が含まれます。あとで画面を再構成するためにこのファイルを実行プロシージャのコマンド (@ ) で実行することができます。
ディスプレイの内容をファイルに保存するために EXTRACT コマンドを使用すると,そのディスプレイのメモリ・バッファに現在格納されている行だけ (DISPLAYコマンドの /SIZE 修飾子で求められるとおり ) がファイルに書き込まれます。PROMPT ディスプレイをファイルに書き出すことはできません。
関連コマンド
DISPLAY
SAVE
#1 |
---|
DBG> EXTRACT SRC |
このコマンドは SYS$DISK:[]DEBUG.TXT ファイルに SRC ディスプレイのすべての行を書き込みます。
#2 |
---|
DBG> EXTRACT/APPEND OUT [JONES.WORK]MYFILE |
このコマンドは [JONES.WORK]MYFILE.TXT ファイルの終わりに OUT ディスプレイのすべての行を追加します。
#3 |
---|
DBG> EXTRACT/SCREEN_LAYOUT |
このコマンドは SYS$DISK:[]DBGSCREEN.COM ファイルに画面を再構成するために必要なデバッガ・コマンドを書き込みます。
FOR |
変数を増分しながら一連のコマンドを指定された回数実行します。
FOR name=expression1 TO expression2 [BY expression3]
DO (command[;...])
name
カウント変数の名前を指定します。expression1
整数型または列挙型の値を指定します。expression1 と expression2 のパラメータは同じ型のものでなければなりません。expression2
整数型または列挙型の値を指定します。expression1 と expression2 のパラメータは同じ型のものでなければなりません。expression3
整数を指定します。command
デバッガ・コマンドを指定します。複数のコマンドを指定する場合は,それぞれのコマンドをセミコロンで区切らなければなりません。各コマンドを実行すると,デバッガはそのコマンド内の式の構文をチェックして,評価します。
FOR コマンドの動作は expression3 パラメータの値によって決まります。次の表をご覧ください。
expression3 FOR コマンドの動作 正の値 name パラメータは, expression2 の値より大きくなるまで, expression1 の値から expression3 の値ずつ増分される。 負の値 name パラメータは, expression2 の値より小さくなるまで, expression1 の値から expression3 の値ずつ減分される。 0 デバッガはエラー・メッセージを返す。 Omitted デバッガは,値が +1 であるものとみなす。
関連コマンド
EXITLOOP
REPEAT
WHILE
#1 |
---|
DBG> FOR I = 10 TO 1 BY -1 DO (EXAMINE A(I)) |
このコマンドは配列を後ろから前に調べます。
#2 |
---|
DBG> FOR I = 1 TO 10 DO (DEPOSIT A(I) = 0) |
このコマンドは配列を 0 に初期化します。
GO |
プログラムの実行を開始または再開します。
GO [address-expression]
address-expression
プログラムの実行をアドレス式で示される記憶位置から再開することを指定します。アドレス式を指定しないと,実行は中断されたポイントから,またはデバッガ起動の場合にはイメージ転送アドレスから再開されます。
GO コマンドはプログラムの実行を開始するか,または実行が現在中断されているポイントから再開します。GO コマンドはプログラムを実行するために使用できる 4 つのデバッガ・コマンドの 1 つです ( 他の 3 つは CALL,EXIT,STEP です )。GO コマンドでアドレス式を指定すると,それはプログラムの通常の制御の流れを変えるため,思いがけない結果が生じる可能性があります。たとえば,デバッグ・セッションの最中に GO %LINE 1 というコマンドを入力すればプログラムの先頭から実行を再開できますが,そのプログラムはすでに実行されているため,変数によっては,最初に同じプログラムを実行したときとは異なった内容に初期化されるものもあります。
例外ブレークポイントを検出すると (SET BREAK/EXCEPTION コマンドまたは STEP/EXCEPTION コマンドの結果 ),実行はアプリケーション宣言条件ハンドラが起動される前に中断されます。そのあと GO コマンドで実行を再開すると,動作は次のようになります。
- 現在の記憶位置から実行を再開するために GO コマンドを入力すると,デバッガは例外を再度シグナル通知する。これにより,必要であればどのアプリケーション宣言ハンドラが次にその例外を処理するのかがわかる。
- 現在の記憶位置以外の記憶位置から実行を再開するために GO コマンドを入力すると,その例外に対してはアプリケーション宣言ハンドラを実行できなくなる。
マルチプロセス・プログラムをデバッグする場合,GO コマンドは現在のプロセス・セットのコンテキストで実行されます。また,マルチプロセス・プログラムをデバッグするときに,プロセス内で実行がどのように続行されるかは,入力したコマンドが SET MODE [NO]INTERRUPT コマンドか,それとも SET MODE [NO]WAIT コマンドかによって異なります。省略時の設定 (SET MODE NOINTERRUPT) では,1 つのプロセスが停止しても,デバッガは他のプロセスに関しては何のアクションも行いません。また,やはり省略時の設定 (SET MODE WAIT) では,デバッガは現在のプロセス・セットの中のすべてのプロセスが停止するのを待ってから,新たなコマンドを求めるプロンプトを表示します。詳細は,『HP OpenVMS デバッガ説明書』を参照してください。
関連コマンド
CALL
EXIT
RERUN
SET BREAK
SET MODE [NO]INTERRUPT
SET MODE [NO]WAIT
SET PROCESS
SET STEP
SET TRACE
SET WATCH
STEP
WAIT
#1 |
---|
DBG> GO ... 'Normal successful completion' DBG> |
このコマンドはプログラムの実行を開始します。その実行はやがて正常に完了します。
#2 |
---|
DBG> SET BREAK RESTORE DBG> GO ! 実行を開始 ... break at routine INVENTORY\RESTORE 137: procedure RESTORE; DBG> GO ! 実行を再開 ... |
この例では,SET BREAK コマンドはブレークポイントをルーチン RESTORE に設定します。最初の GO コマンドはプログラムの実行を開始します。それはやがてルーチンRESTOREのブレークポイントで中断されます。2 番目の GO コマンドはブレークポイントから実行を再開します。
#3 |
---|
DBG> GO %LINE 42 |
このコマンドは実行が現在中断されているモジュールの 42 行目で実行を再開します。
HELP |
デバッガ・コマンドと選択されたトピックに関するオンライン・ヘルプを表示します。
注意
このコマンドは,デバッガへの HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースでは使用できません。コマンドに関するヘルプは DECwindows デバッガ・ウィンドウの「Help」メニューから入手できます。
HELP topic [subtopic [...]]
topic
ヘルプ情報を得たいデバッガ・コマンドまたはトピックの名前を指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を単独で指定することも,名前の中に指定することもできます。subtopic
さらに情報を必要とするサブトピック,修飾子またはパラメータを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を単独で指定することも,名前の中に指定することもできます。
デバッガのオンライン・ヘルプ機能は,コマンド記述,コマンド形式,コマンドで指定できるパラメータの説明,コマンドで指定できる修飾子の説明のほか,デバッガ・コマンドについて次の情報を提供します。特定の修飾子またはパラメータに関する情報を獲得するには,それをサブトピックとして指定します。すべての修飾子に関する情報が必要な場合には, "qualifier" をサブトピックとして指定します。すべてのパラメータに関する情報が必要な場合には, "parameter" をサブトピックとして指定します。 1 つのコマンドに関連するすべてのパラメータ,修飾子,その他のサブトピックについての情報が必要な場合には,アスタリスク (*) をサブトピックとして指定します。
コマンドに関するヘルプ以外にも,画面機能,キーパッド・モードなどのさまざまなトピックについてオンライン・ヘルプを獲得できます。 HELP と入力すると,コマンドといっしょにトピック・キーワードがリストされます。
デバッガの今回のリリースでの新機能の概略については, HELP New_Features をタイプして参照してください。
定義済みキーパッド・キーの機能についてのヘルプは,ヘルプ・トピックの Keypad_Definitions_CI を参照してください。また,現在のキー定義を調べるには SHOW KEY コマンドを使用してください。
DBG> HELP GO |
このコマンドは GO コマンドのヘルプを表示します。
IF |
言語式 (ブール式) が真として評価された場合に一連のコマンドを実行します。
IF Boolean-expression THEN (command[;...])
[ELSE (command[;...])]
Boolean-expression
現在設定されている言語でブール値 ( 真または偽 ) として評価される言語式を指定します。command
デバッガ・コマンドを指定します。複数のコマンドを指定する場合には,それぞれをセミコロン (;) で区切らなければなりません。
IF コマンドはブール式を評価します。値が真 ( 現在の言語での定義に従う ) である場合には, THEN 句のコマンド・リストが実行されます。式が偽である場合には, ELSE 句のコマンド・リストがある場合実行されます。関連コマンド
EXITLOOP
FOR
REPEAT
WHILE
DBG> SET BREAK R DO (IF X .LT. 5 THEN (GO) ELSE (EXAMINE X)) |
このコマンドを実行すると,デバッガは X の値が 5 未満であれば, R の記憶位置 ( ブレークポイント ) でプログラムの実行を中断します (Fortran の例 )。X の値が 5 以上の場合には,その値が表示されます。
MONITOR |
プログラム変数または言語式の現在の値を HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースのモニタ・ビューに表示します。
注意
HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースが必要です。
MONITOR expression
expression
モニタの対象とする要素を指定します。高級言語を使用する場合,これは通常,変数の名前です。現在,MONITOR は複合式 ( 演算子を含む言語式 ) は処理しません。集合体変数 ( 配列またはレコード構造などのような複合データ構造 ) の名前を指定すると,モニタ・ビューはその変数の値として "Aggregate" と表示します。そのあと変数名をダブルクリックすれば,すべての要素の値を獲得できます。 (『デバッガ説明書』を参照。)
個々の配列要素,配列断面またはレコードの構成要素を指定するには,現在の言語の構文に従います。
/ASCIC
/AC
モニタする個々の要素を,1 バイトのカウント・フィールドの後ろに続く,このカウント・フィールドにより長さを指定された ASCII 文字列と解釈します。/ASCID
/AD
モニタする個々の要素を ASCII 文字列を指す文字列ディスクリプタのアドレスと解釈します。ディスクリプタの CLASS フィールドと DTYPE フィールドはモニタされませんが,LENGTH フィールドと POINTER フィールドが ASCII 文字列の文字長とアドレスを与えます。そのあと文字列が表示されます。/ASCII:n
モニタする個々の要素を長さn バイト (n 文字 ) の ASCII 文字列と解釈し,表示します。 n を省略すると,デバッガはアドレス式の型をもとに長さを求めようとします。/ASCIW
/AW
モニタする個々の要素を,2 バイトのカウント・フィールドの後ろに続く,このカウント・フィールドにより長さを指定された ASCII 文字列と解釈します。それから文字列が表示されます。/ASCIZ
/AZ
モニタする個々の値を最後部に 0 のある ASCII 文字列と解釈します。最後部の 1 バイト分の 0 は文字列の終了を示します。それから文字列が表示されます。/BINARY
モニタする個々の値を 2 進整数として表示します。/BYTE
モニタする個々の値をバイト整数型 (1 バイト長) で表示します。/DATE_TIME
モニタする個々の値を日付と時刻の内部表現を含むクォドワード整数 (8 バイト長 ) と解釈します。値は dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc の形式で表示します。/DECIMAL
モニタする個々の値を 10 進整数として表示します。/DEFAULT
モニタする個々の値を省略時の基数で表示します。/EXTENDED_FLOAT
(Alpha および Integrity のみ) モニタする個々の値を IEEE の X 浮動小数点型 (16 バイト長)で表示します。/FLOAT
Alpha では,モニタする個々の値を IEEE T 浮動小数点型 ( 倍精度,8 バイト長 ) で表示します。/G_FLOAT
モニタする個々の値を G 浮動小数点型 (8 バイト長 ) で表示します。/HEXADECIMAL
モニタする個々の値を 16 進整数で表示します。/INSTRUCTION
モニタする個々の値をアセンブリ言語命令 ( 命令の長さは命令オペランドの数とアドレッシング・モードの種類によって変化 ) として表示します。 /OPERANDS 修飾子も参照してください。/INT
/LONGWORD 修飾子と同じ。/LONG_FLOAT
(Alpha および Integrity) モニタする個々の値を IEEE S 浮動小数点型 ( 単精度,4 バイト長 ) で表示します。/LONG_LONG_FLOAT
(Alpha および Integrity) モニタする個々の値を IEEE T 浮動小数点型 ( 倍精度,8 バイト長 ) で表示します。/LONGWORD
/INT
/LONG
モニタする個々の値をロングワード整数型 (4 バイト長 ) で表示します。これがコンパイラ生成型を持たないプログラム記憶位置の場合の省略時の型です。/OCTAL
モニタする個々の値を 8 進整数で表示します。/OCTAWORD
モニタする個々の値をオクタワード整数型 (16 バイト長 ) で表示します。/QUADWORD
モニタする個々の値をクォドワード整数型 (8 バイト長 ) で表示します。/REMOVE
モニタ・ビューから指定されたアドレス式でモニタされた 1 つまたは複数の項目を削除します。/SHORT
/WORD 修飾子と同じ。/TASK
タスキング ( マルチスレッド ) プログラムの場合に指定できます。モニタする個々の値をタスク ( スレッド ) オブジェクトとして解釈し,そのタスク・オブジェクトのタスク値 ( 名前またはタスク ID) を表示します。タスク・オブジェクトをモニタするときは,プログラミング言語に組み込みタスキング・サービスが備っていない場合だけ/TASK を使用してください。/WORD
/SHORT
モニタする個々の要素をワード整数型 (2 バイト長) で表示します。
コマンドの出力はモニタ・ビューに出力されるため,MONITOR コマンドはデバッガの HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースがある場合にだけ使用できます。コマンド・インタフェースがある場合には,通常,代わりに EVALUATE,EXAMINE,SET WATCH の各コマンドを使用します。MONITOR コマンドは次のことを行います。
- モニタ・ビューがそれまでの MONITOR コマンドでまだ表示されていない場合には,モニタ・ビューを表示する。
- 指定された変数または式の名前とその現在の値をモニタ・ビューに配置する。
ユーザがモニタしている変数または記憶位置の値が変更されたかどうかにかかわらず,プログラムはデバッガから制御が戻ると,モニタ・ビューを更新します。対称的に,ウォッチポイントはウォッチされている変数の値が変化すると実行を停止します。
モニタ・ビューと MONITOR コマンドについての詳しい説明は,『デバッガ説明書』を参照してください。
関連コマンド
DEPOSIT
EVALUATE
EXAMINE
SET WATCH
DBG> MONITOR COUNT |
目次 索引
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