本文に進む 日本−日本語
日本HPホーム 製品 & サービス OpenVMS製品情報
≫ お問い合わせ
日本HPホーム
HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)

第2章 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの管理

≫ 

OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:システムパラメータの管理
第2章:ページファイル/スワップファイル/ダンプファイルの管理
第3章:性能の管理
第4章:ファイルシステムのデータキャッシュの管理
第5章:UETPによるシステムのテスト
第6章:システムに関する情報の入手
第7章:リソース使用状況の調査
第8章:クラスタの管理
第9章:ネットワーク
第10章:LANの管理
第11章:InfoServerの管理
第12章:LATの管理
第13章:特殊処理環境の管理
第14章:DECdtmサービスの管理
付録A:Files-11ディスク構造
付録B:時差係数表
付録C:タイムゾーン
用語集
索引
PDF
OpenVMS ホーム
ここから本文が始まります

目次

2.1 ダンプ・ファイルについて
2.1.1 ページ・ファイルを使ってシステム・クラッシュ・ダンプを格納する方法
2.1.2 システム・ダンプの種類
2.2 ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルについて
2.3 ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示
2.4 ダンプ・ファイル,ページ・ファイル,スワップ・ファイルのサイズの机上計算
2.4.1 システム・ダンプ・ファイルのサイズの計算
2.4.2 エラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズの計算
2.4.3 ページ・ファイルのサイズの計算
2.4.4 スワップ・ファイル・サイズの計算
2.5 ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化
2.5.1 選択型システム・ダンプでの情報の順序
2.5.2 選択型システム・ダンプにプロセスが書き込まれる順序の微調整 (Alpha および I64)
2.6 システム・ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み
2.6.1 Alpha システムおよび I64 システムでのシステム・ディスクへのシステム・ダンプ
2.6.2 VAX システムでのシステム・ディスクへのシステム・ダンプ
2.7 代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み
2.7.1 Alpha システムおよび I64 システムでの DOSD の必要条件
2.7.2 VAX システムでの DOSD の必要条件
2.8 SDA によるクラッシュ・ダンプの内容の分析
2.9 SDA CLUE コマンドによるクラッシュ・ダンプ・ファイルの分析 (Alpha および I64)
2.9.1 CLUE について (Alpha および I64)
2.9.2 SDA CLUE コマンドによるデータの表示 (Alpha および I64)
2.9.3 ダンプ・オフ・システム・ディスクと SDA CLUE の使用 (Alpha および I64)
2.10 CLUE を使用して,クラッシュ・ダンプに関する履歴情報を得る方法 (VAX のみ)
2.10.1 CLUE について (VAX のみ)
2.10.2 CLUE を使用したデータの表示 (VAX のみ)
2.11 システム障害後のシステム・ダンプ・ファイルの内容の保存
2.12 システム・ダンプ・ファイルをテープまたはディスクへコピーする
2.13 ページ・ファイルからのダンプ情報の解放
2.13.1 VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでのダンプ情報の解放
2.13.2 VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでダンプ情報を解放するための使用上の注意
2.14 ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール
2.14.1 会話型のインストール
2.14.2 SYPAGSWPFILES.COM でのインストール
2.15 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの削除
2.16 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更
2.16.1 AUTOGEN を使用(標準的な方法)
2.16.2 SWAPFILES.COM の使用方法
2.16.3 SYSGEN の使用法
2.17 プロセス・ダンプについて
2.17.1 特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha および I64)
2.17.2 プロセス・ダンプへのアクセスの許可 (Alpha および I64)
2.17.3 プロセス・ダンプへのアクセスの制限 (Alpha および I64)

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルは,自動的に作成されます。 しかし,これらのファイルがどういうものかを理解することは必要です。 また,実際の環境に合わせて,これらのファイルを変更しなければならない場合があります。

この章の内容

この章では,次の作業について説明します。

作業

参照箇所

ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示

2.3 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示」

各ファイルの適切なサイズの計算

2.4 項 「ダンプ・ファイル,ページ・ファイル,スワップ・ファイルのサイズの机上計算」

ディスク空間が十分でない場合のダンプ・ファイル・サイズの最小化

2.5 項 「ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化」

複数パスまたはシャドウ・セット・メンバのあるシステム・ディスクでのダンプ・ファイルの書き込み

2.6 項 「システム・ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み」

システム・ディスク以外へのデバイスへのダンプ・ファイルの書き込み

2.7 項 「代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み」

クラッシュ・ダンプの内容を分析するための SDA の使用方法

2.8 項 「SDA によるクラッシュ・ダンプの内容の分析」

クラッシュ・ダンプ要約情報の入手と分析のための SDA CLUE コマンドの使用方法[7]

2.9 項 「SDA CLUE コマンドによるクラッシュ・ダンプ・ファイルの分析 (Alpha および I64)」

クラッシュ・ダンプについての履歴情報の入手のための CLUE の使用方法[8]

2.10 項 「CLUE を使用して,クラッシュ・ダンプに関する履歴情報を得る方法 (VAX のみ)」

システム障害発生後のシステム・ダンプ・ファイルの保存

2.11 項 「システム障害後のシステム・ダンプ・ファイルの内容の保存」

テープまたはディスクへのダンプ・ファイルのコピー

2.12 項 「システム・ダンプ・ファイルをテープまたはディスクへコピーする」

ページ・ファイルからのダンプ情報の解放

2.13 項 「ページ・ファイルからのダンプ情報の解放」

ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール

2.14 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール」

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの削除

2.15 項 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの削除」

ページ・ファイルとスワップ・ファイルの作成

2.16 項 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更」

プロセス・ダンプへのアクセスの制御

2.17.2 項 「プロセス・ダンプへのアクセスの許可 (Alpha および I64)」

[7] Alpha および I64 のみ

[8] VAX のみ

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

ダンプ・ファイルについて

2.1 項 「ダンプ・ファイルについて」

ページ・ファイルとスワップ・ファイルについて

2.2 項 「ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルについて」

選択型システム・ダンプ中の情報の順序について

2.5.1 項 「選択型システム・ダンプでの情報の順序」

SDA CLUE について[9]

2.9.1 項 「CLUE について (Alpha および I64)」

CLUE について[10]

2.10.1 項 「CLUE について (VAX のみ)」

プロセス・ダンプについて

2.17 項 「プロセス・ダンプについて」

[9] Alpha および I64 のみ

[10] VAX のみ

2.1 ダンプ・ファイルについて

オペレーティング・システムは,修復不可能なエラー,あるいはシステム障害を発生させるような矛盾を内部で検出した場合,エラー・ログ・バッファ,プロセッサ,レジスタ,およびメモリの内容をシステム・ダンプ・ファイルに書き込みます。 システム・ダンプ・ファイルの以前の内容は,上書きされます。

Alpha システムでは,エラー・ログ・バッファの内容も,エラー・ログ・ダンプ・ファイルに書き込まれます。 作成されたもののシステム・クラッシュ時には書き込まれていなかったエラー・ログ・エントリを含めて,リブート時にシステムを更新するために,エラー・ログ・ダンプ・ファイルは提供されます。

システム・ダンプ・ファイル

システム・ダンプ・ファイルを書き込む場合,システムは,いくつかのコンソール・メッセージとエラーまたは矛盾に関する情報を表示します。 最後のメッセージは,ダンプ・ファイルが正常に書き込まれたことを示します。

重要:

コンソール・ターミナルを使用してシステムを停止する前に,終了メッセージが表示されるのを確認してください。 これを行わないと,完全なシステム・ダンプ・ファイルを保存できない場合があります。

コンソール・メッセージとシステム・ダンプ・ファイルは,システム障害の原因を調べるための重要な情報源です。 これらの情報は,次のように使用します。

  • システム・ダンプ・アナライザ・ユーティリティ (SDA) を使ってダンプの内容を分析し,障害の原因を突き止める。

  • Alpha システムおよび I64 システムでは,SDA CLUE コマンドを使って,ダンプ・ファイル要約情報を入手および分析する。

  • VAX システムでは,CLUE を使用して,システム・ダンプ・ファイルから履歴情報を入手する。

  • システム・ダンプの内容のコピーを作成し,弊社のサポート担当者にお知らせください。

オペレーティング・システムのディストリビューション・キットで提供されるシステム・ダンプ・ファイル SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP はインストール中に作成されます。 オペレーティング・システムは,システム・ダンプ・ファイルがなくても稼働します。 しかし,システムがクラッシュしたときは,クラッシュの原因を突き止めるために,ダンプ・ファイルが必要となります。 AUTOGEN は,実際のハードウェア構成とシステム・パラメータに従って,システム・ダンプ・ファイルの適切なサイズを自動的に決定します。 ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化については,2.5 項 「ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化」を参照してください。

ハードウェア構成が特殊な場合,あるいは作業負荷が変化する場合には,システム・ダンプ・ファイルのサイズを変更することができます。 詳細は 2.16.1 項 「AUTOGEN を使用(標準的な方法)」を参照してください。 システム・ディスク以外のディスクに,システム・ダンプ・ファイルを書き込むことができます。 これは,Dump Off System Disk (DOSD) と呼ばれます。 詳細は 2.7 項 「代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み」を参照してください。

エラー・ログ・ダンプ・ファイル

AUTOGEN は,インストール時にエラー・ログ・ダンプ・ファイルを作成します。 ファイルのサイズは,システムの構成とシステム・パラメータによって異なります。 VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでのエラー・ログ・ダンプ・ファイルの違いは次のとおりです。

  • Alpha システムおよび I64 システムでは,エラー・ログ・ダンプ・ファイルは SYS$ERRLOG.DMP と呼ばれます。 このファイルはシステム・ディスクにあり,オペレータが シャットダウンを始めると,システムエラー・ログ・バッファの中身をエラー・ログ・ダンプ・ファイルに書き込みます。 システム・ダンプ・ファイルには書き込みません。 したがって,直前のシステム・クラッシュ・ダンプは上書きされません。

  • VAX システムでは,エラー・ログ・ダンプ・ファイルは SYSDUMP.DMP と呼ばれます。 システムがこのファイルをどのように扱うかは,システム管理者が ダンプ・オフ・システム・ディスク(DOSD)を使用しているかどうかに依存します。

    • DOSDを使用している場合,エラー・ログはシステム・ディスクのスタブ・エラー・ログ・ダンプ・ファイル SYSDUMP.DMP に書き込まれます。 また,エラー・ログとシステム・メモリは DOSD ディスクの SYSDUMP.DMP ファイルに書き込まれます。

    • DOSDを使用していない場合,エラー・ログとシステム・メモリはシステム・ディスクの SYSDUMP.DMP ファイルに書き込まれます。

    VAX システムでは DOSD を使用しているかどうかにかかわらず,直前のシステム・クラッシュ・ダンプは,オペレータがシャットダウンを開始すると常に上書きされます。

2.1.1 ページ・ファイルを使ってシステム・クラッシュ・ダンプを格納する方法

オペレーティング・システムは,SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP の最新バージョンにシステム・クラッシュ・ダンプを格納します。 SYSDUMP.DMP が SYS$SYSTEM に存在した場合,オペレーティング・システムはシステム・ページング・ファイル SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS の内容を書き換えます。

システム・パラメータ SAVEDUMP が設定されている場合,クラッシュ・ダンプ・ファイルはシステムのブート時,PAGEFILE.SYS に格納されます。 SAVEDUMP がクリアされている場合,システムは,ページ・ファイルをページングに使用し,そのページング・ファイルに書き込まれていたダンプはなくなります。

SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS ファイルにシステム・クラッシュ・ダンプを格納する場合には,その後で次のいずれかの方法を使って,システムのページングでダンプが占有している空間を使用できるように解放する必要があります。

  • SDA の COPY コマンドを使用して,ダンプをページ・ファイルから別のファイルにコピーする。

  • SDA の RELEASE コマンドを使用して,ページ・ファイルから情報を削除する。

詳細は2.13 項 「ページ・ファイルからのダンプ情報の解放」 を参照してください。

適切なコマンドを SYSTARTUP_VMS.COM スタートアップ・コマンド・プロシージャに取り込んで,システムがリブートされるたびにページ・ファイルからダンプ情報を解放します。

重要:

ページ・ファイルを選択型ダンプに使用する場合は,注意が必要です。 選択型ダンプでは,利用できるすべての空間が使用されるので,ページ・ファイルが小さい場合,選択型ダンプ情報でページ・ファイルが いっぱいになってしまい,システムのブート時にページング用の空間が残されていないことになります。 この結果,リブート時にシステムがハングすることがあります。

2.1.2 システム・ダンプの種類

システム・ダンプには,物理ダンプと選択型ダンプの 2 種類があります。 表 2-1 「物理ダンプと選択型ダンプの比較」 に,それらの比較を示します。 また,表 2-3 「物理システム・ダンプ・ファイルと選択型システム・ダンプ・ファイルの比較」 に,物理システム・ダンプ・ファイルと選択型システム・ダンプ・ファイルで使用できる情報の比較を示します。

表 2-1 物理ダンプと選択型ダンプの比較

ダンプの種類

説明

物理ダンプ

物理メモリのすべての内容をシステム・ダンプ・ファイルに書き込む。 物理ダンプを確実に有効にするため,システム・ダンプ・ファイルには,物理メモリのすべての内容を含むのに十分なサイズが必要である。

選択型ダンプ

メモリのクラッシュ・ダンプの分析に役立つと考えられる部分を保存する。 選択型システム・ダンプは,物理メモリ全体を保持できるだけのディスク空間がない場合に有効。

 

有効なシステム・ダンプを作成するために必要な条件

オペレーティング・システムにとって有効となるシステム・ダンプ・ファイルを保存するためには,次の条件が満たされている必要があります。

  • システム・パラメータ DUMPBUG が 1 (省略時の値) に設定されている。

  • システム・パラメータ SAVEDUMP が 0 (省略時の値) に設定されている場合,ファイル SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP はシステム・ディスク上に存在しなければならない。

  • ファイル SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP がシステム・ディスク上に存在しない場合,ページ・ファイルを使用してダンプを格納しなければならない。 システム・パラメータ SAVEDUMP は 1 に設定しなければならない。 また,ファイル SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS はシステム・ディスク上に存在しなければならない。

  • ファイル SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP が存在せず,SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS をシステム・ダンプに使用できない場合には,ダンプ・ファイルを代わりのディスク上に作成しなければならない (2.7 項 「代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み」を参照)。

  • メモリ全体を保持するための十分なディスク空間がない場合は,選択型ダンプを格納できるように,システム・パラメータ DUMPSTYLE を適切な値に設定しなければならない。 詳細は2.5 項 「ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化」,および『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照。

  • システム・ダンプ・ファイル (システム・パラメータ SAVEDUMP が設定されている場合にはページ・ファイル) が,システム障害の発生時に書き込まれるすべての情報を格納できるように十分大きくなければならない。

    システム・パラメータ DUMPBUG が設定されていれば,ディスク空間が十分でない場合でも,AUTOGEN が SYSDUMP.DMP のサイズを自動的に変更する。

    システム・パラメータ SAVEDUMP が設定されている場合,AUTOGEN がシステム・ダンプ・ファイルを操作することはない。

    システム・パラメータ SAVEDUMP が設定されているかどうかにかかわらず,AUTOGEN がページ・ファイルのサイズを決定するときには,ページングしか考慮されない。

BACKUP 使用上の留意点

システム・ダンプ・ファイルには,NOBACKUP 属性が設定されています。 したがって,ダンプ・ファイルをコピーする場合には,BACKUP の起動時に /IGNORE=NOBACKUP 修飾子を使用する必要があります。 SDA の COPY コマンドを使用してシステム・ダンプ・ファイルをコピーする場合,コピー先のファイルに NOBACKUP 属性は設定されません。 コピーに NOBACKUP 属性を設定したい場合には,SET FILE コマンドに /NOBACKUP 修飾子を指定します (詳細は『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください)。

機密保護の問題点

省略時の設定では SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP は,一般ユーザがアクセスできないようになっています。 システム・ダンプ・ファイルには特権情報が入っている可能性があるため,システム・ダンプ・ファイルのこの保護レベルはそのままにしておいてください。 同様に,2.11 項 「システム障害後のシステム・ダンプ・ファイルの内容の保存」および 2.13 項 「ページ・ファイルからのダンプ情報の解放」で説明するように,システム・ダンプ・アナライザ・ユーティリティ (SDA) を使って,システム・ダンプ・ファイルをコピーする場合は,このコピーに必ず保護を設定して,一般ユーザがアクセスできないようにしてください。 ファイル保護についての詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。

2.2 ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルについて

メモリを有効に使用するため,オペレーティング・システムは,物理メモリからディスクへ,またはディスクから物理メモリへ,情報を移動します。 このようなメモリ管理は 2 種類あり,ページングとスワッピング と呼ばれます。 表 2-2 「ページングとスワッピングに関連する用語」 に,ページングとスワッピングに関連する用語を示します。

表 2-2 ページングとスワッピングに関連する用語

用語

定義

ページング

プロセスに割り当てられた物理メモリを効率よく利用するためのメモリ管理操作。 ページングによって,プロセス作業領域の使用頻度の低い部分が,物理メモリからファイルに移動する。 ページングについての詳細は,『Guide to OpenVMS Performance Management』を参照。

ページ・ファイル

ページングされたメモリの部分が書き込まれるファイル。 OpenVMS のインストール・プロセスによって,SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS という名前のページ・ファイルができる。 必要であれば,SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS をシステム・クラッシュ・ダンプ・ファイルの代わりに使用できる。 詳細は2.1.1 項 「ページ・ファイルを使ってシステム・クラッシュ・ダンプを格納する方法」を参照。

スワップ

システム全体で使用できる物理メモリを効率よく利用するためのメモリ管理機能。 スワップによって,活動頻度の低いプロセスの作業領域全体が,物理メモリからファイルに移動する。 スワッピングについての詳細は,『Guide to OpenVMS Performance Management』を参照。

スワップ・ファイル

スワッピングされたメモリの部分が書き込まれるファイル。 OpenVMS のインストール・プロシージャによって,SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS という名前のスワップ・ファイルができる。

1次ページ・ファイルと 1次スワップ・ファイル

OpenVMS のインストール中にできる省略時のページ・ファイル (SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS) とスワップ・ファイル (SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS)。

2次ページ・ファイルと 2次スワップ・ファイル

性能とディスク空間の理由により,ユーザによって作成される付加的なページ・ファイルとスワップ・ファイル。 1次ページ・ファイルと1次スワップ・ファイルをシステム・ディスク上に保持している場合,システムは,1次ページ・ファイルと1次スワップ・ファイルの空間に加え,ページングとスワッピングのための2次ファイルの空間を使用する。 2次ページ・ファイルと2次スワップ・ファイルの作成法については,2.16 項 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更」を参照。

 

ファイルのインストール

ページ・ファイルとスワップ・ファイルをインストールしてからでないと,システムはそれらのファイルを使用することはできません。 スタートアップ時にシステムは自動的に,SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS と SWAPFILE.SYS の最新バージョンをインストールします。 2次ページ・ファイルと2次スワップ・ファイルを作成する場合は,スタートアップ時にシステムがそれらを確実にインストールするようにしなければなりません。 ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストールについての詳細は,2.14 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール」を参照してください。

ファイルのサイズと記憶位置

AUTOGEN は,実際のハードウェア構成とシステム・パラメータに従い,これらのファイルの適切なサイズを決定します。 しかし,特殊な構成のシステム,あるいは作業負荷の変化が大きいシステムでは,ページ・ファイルまたはスワップ・ファイルのサイズを変更しなければならないことがあります。 詳細は 2.16.1 項 「AUTOGEN を使用(標準的な方法)」を参照してください。

システムにシステム・クラッシュ・ダンプを格納するためのページ・ファイルが必要ない場合は,システム・ディスクからページ・ファイルを削除することができます。 ただし,できればシステム・ディスクにページ・ファイルを 1 つ残しておいて,ページ・ファイルを保持している別のディスクが使用できない場合に,システムをブートできるようにしておいた方がよいでしょう。 また,スワップ・ファイルもシステム・ディスクから削除することができます。

2.3 ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示

DCL の SHOW MEMORY/FILES コマンドにより,システムに存在しているページ・ファイルとスワップ・ファイルに関して,ファイル名,サイズ,使用している空間の量などの情報が表示できます。 次に例を示します。

$ SHOW MEMORY/FILES
              System Memory Resources on 19-JAN-2001 13:35:26.58

Swap File Usage (8KB pages):                   Index        Free        Size
  DISK$PAGE_DUMPS:[SYS0.SYSEXE]SWAPFILE.SYS;2
                                                   1        7992        8248

Paging File Usage (8KB pages):                 Index        Free        Size
  DISK$PAGE_DUMPS:[SYS0.SYSEXE]PAGEFILE.SYS;1
                                                 254       13722       16496
  Total committed paging file usage:                                    4870

コミットされたページングファイルの合計使用量は,ページングに必要なページ・ファイル領域を必要とするシステムでのページ数です。 この値は,使用可能なページファイルの合計ページ数より大きくなっても構いません。 すべての必要な領域がページングで一度に使用されるようなことが起こる可能性は低いためです。

2.4 ダンプ・ファイル,ページ・ファイル,スワップ・ファイルのサイズの机上計算

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズは,オペレーティング・システムのインストールまたはアップグレード時に,AUTOGEN によって自動的に計算されます。 しかし,必要に応じて,これらのファイルのサイズを机上で計算することもできます。 次に,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの適切なサイズを決定する方法を説明します。

2.4.1 システム・ダンプ・ファイルのサイズの計算

完全なクラッシュ・ダンプを保存するために,システム・ダンプ・ファイルのサイズが十分であることを確認してください。 ダンプ・ファイルの適切なサイズは,AUTOGEN コマンド・プロシージャにより計算されます。 ただし,ダンプ・ファイル・サイズを机上で計算したい場合は,次の公式を使用してください。 この公式により,物理ダンプに保持する必要のあるサイズが計算できます。

SYSDUMP.DMP の場合

VAX システムの場合には,次の公式を使用します。

ファイルのブロック数(SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP)
= 物理メモリのページ数
+ (エラー・ログ・バッファ数 * バッファあたりのブロック数)
+ 1

Alpha システムおよび I64 システムの場合には,次の公式を使用します。

ファイルのブロック数(SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP)
= 物理メモリのページ数 * ページあたりのブロック数
+ (エラー・ログ・バッファ数 * バッファあたりのブロック数)
+ 10

ページ数

物理メモリのサイズ (ページ単位)。 システムの物理メモリ全体のサイズを決めるには DCL の SHOW MEMORY コマンドを使用する。

ページあたりのブロック数

メモリのページあたりのブロック数。

Alpha システムおよび I64 システムの場合,メモリの各ページのブロック数は,システムのページ・サイズを 512 (ブロック・サイズ) で割ることによって求める。 次のコマンドを使用する。

$ PAGESIZE==F$GETSYI ("PAGE_SIZE") 
$ BLOCKSPERPAGE=PAGESIZE/512
$ SHOW SYMBOL BLOCKSPERPAGE

エラー・ログ・バッファの数

システム・パラメータ ERRORLOGBUFFERS の値。 このパラメータにより,エラー・ログ・バッファの数が設定され,メモリ内で永久的に割り当てられる。

バッファあたりのブロック数

システム・パラメータ ERLBUFFERPAGES の値。 このパラメータにより,各バッファ内のメモリのページレット (ブロック) 数が設定される。

メモリ・サイズが大きなシステム,あるいはディスク容量の小さなシステムでは,完全メモリ・ダンプを行うのに十分な空間がとれないことがあります。 そのような環境では,特定の情報だけをダンプするように,システム・パラメータ DUMPSTYLE の値を設定します。 詳細は 2.5 項 「ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化」を参照してください。

PAGEFILE.SYS の場合

SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP がない場合,クラッシュ・ダンプは,1次ページ・ファイル SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS に書き込まれます。 ページ・ファイルの適切なサイズは,AUTOGEN コマンド・プロシージャにより計算されます。 ただし,クラッシュ・ダンプを保持するために必要なページ・ファイルの最小サイズを机上で計算したい場合は,次の公式を使用します。

VAX システムの場合には,次の公式を使用します。

ファイルのブロック数 (SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS)
= 物理メモリのページ数
+ (エラー・ログ・バッファ数 * バッファあたりのブロック数)
+ 1
+ 1000

Alpha システムおよび I64 システムの場合には,次の公式を使用します。

ファイルのブロック数 (SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS)
= 物理メモリのページ数 * ページあたりのブロック数
+ (エラー・ログ・バッファ数 * バッファあたりのブロック数)
+ 物理メモリのページ数 / 512
+10
+ システム・パラメータ RSRVPAGCNT の値

ページ数

物理メモリのサイズ (ページ単位)。 システムの物理メモリ全体のサイズを決めるには DCL の SHOW MEMORY コマンドを使用する。

ページあたりのブロック数

メモリのページあたりのブロック数。

Alpha システムおよび I64 システムの場合,メモリの各ページのブロック数は,システムのページ・サイズを 512 (ブロック・サイズ) で割ることによって求める。 次のコマンドを使用する。

$ PAGESIZE==F$GETSYI ("PAGE_SIZE") 
$ BLOCKSPERPAGE=PAGESIZE/512
$ SHOW SYMBOL BLOCKSPERPAGE

エラー・ログ・バッファの数

システム・パラメータ ERRORLOGBUFFERS の値。 このパラメータにより,エラー・ログ・バッファの数が設定され,メモリ内で永久的に割り当てられる。

バッファあたりのブロック数

システム・パラメータ ERLBUFFERPAGES の値。 このパラメータにより,各バッファ内のメモリのページレット (ブロック) 数が設定される。

RSRVPAGCNT

RSRVPAGCNT 特殊システム・パラメータの値。

重要:

この公式では,ダンプを保存するための1次ページ・ファイルの最低限のサイズだけが求められます。 ほとんどのシステムでは,システムがハングしないようにページ・ファイルのサイズをこの値より大きくする必要があります。 ページ・ファイル・サイズの計算についての詳細は,2.4.3 項 「ページ・ファイルのサイズの計算」を参照してください。

2.4.2 エラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズの計算

これらの計算は,OpenVMS VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでは異なります。

Alpha システムおよび I64 システム

Alpha システムおよび I64 システムでは,AUTOGEN コマンド・プロシージャはエラー・ログ・ダンプ・ファイルの適切なサイズを計算します。 ただし,エラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズを机上で計算したい場合は,次の公式を使用してください。 この公式により,すべてのエラー・ログ・バッファを保持するために必要なサイズが計算できます。

ファイルのブロック数(SYS$SYSTEM:SYS$ERRLOG.DMP)
= エラー・ログ・バッファ数 * バッファあたりのブロック数
+ 2

エラー・ログ・バッファの数

システム・パラメータ ERRORLOGBUFFERS の値。 このパラメータは,メモリで永久的に割り当てられるエラー・ログ・バッファの数を設定する。

バッファあたりのブロック数

システム・パラメータ ERLBUFFERPAGES の値。 このパラメータは,各バッファ内のメモリのページレット (ブロック) 数を設定する。

VAX システム

VAX システムでは,エラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズはダンプ・オフ・システム・ディスク(DOSD)を使用しているかどうかで異なります。

  • DOSDを使用していない場合: エラー・ログはシステム・ディスクのダンプ・ファイル SYSDUMP.DMP に書き込まれます。 サイズ情報については,2.4.1 項 「システム・ダンプ・ファイルのサイズの計算」を参照してください。

  • DOSDを使用している場合:

    • エラー・ログとシステム・メモリの両方が DOSD ディスク上の SYSDUMP.DMP ファイルに書き込まれます。 サイズ情報については,2.4.1 項 「システム・ダンプ・ファイルのサイズの計算」を参照してください。

    • さらに,エラー・ログはシステム・ディスクのスタブ・エラー・ログ・ダンプ・ファイル SYSDUMP.DMP に書き込まれます。 これは 2048ブロクの固定長ファイルであるため,サイズ計算が必要ではありません。

2.4.3 ページ・ファイルのサイズの計算

システム性能を維持するためには,ページ・ファイルの空間が十分にあることが重要です。 ページ・ファイル空間の適切なサイズは,AUTOGEN コマンド・プロシージャにより計算されます。 AUTOGEN は十分なサイズを算出するはずですが,ページ・ファイル空間のサイズを机上で計算したい場合には,次のいずれかの公式を使用します。

VAX システム

VAX システムの場合には,次の公式を使用して,ページ・ファイル空間のサイズを算出します。

ブロックのサイズ
(システム上のすべてのページ・ファイルの合計)
= サイトの平均プロセス・サイズ (ページ数)
* プロセスの最大数

  • 平均プロセス・サイズは,プロセスの平均仮想サイズの値。 平均プロセス・サイズを求めるには,次のコマンドを使用する。

    $ SHOW PROCESS/CONTINUOUS/ID=pid 
    

    値は,ページ単位で指定する。

  • プロセスの最大数は MAXPROCESSCNTシステム・パラメータの値。

調整の結果が VIRTUALPAGECNT より少ない場合には,代わりに VIRTUALPAGECNT の値を使用します。

システムの仮想ページの数を調べるには,次のコマンドを入力します。

$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI ("VIRTUALPAGECNT") 

Alpha システムおよび I64 システム

Alpha システムおよび I64 システムの場合は,メモリ・サイズと用途にさまざまなバリエーションがあるので,単純な公式はありません。 512 MBまでのシステムでは,次の公式を使用してページ・ファイル・サイズを算出します。

ブロック・サイズ
(システムのすべてのページ・ファイルの合計)
= 平均プロセス・サイズ (ページ単位)
* ページ単位のブロック数
* 最大プロセス数

  • 平均プロセス・サイズ は,プロセスの平均仮想サイズの値。 平均プロセス・サイズを求めるには,次のコマンドを使用する。

    $ SHOW PROCESS/CONTINUOUS/ID=pid 
    

    値は,ページ単位で指定する。

  • システム・ページ・サイズを 512 (ページレット・サイズ) で割ることによって,ページ単位のブロック数 を計算する。 たとえば,ページ・サイズ 8192 のシステムは,ページ単位で 16 ページレットを持つことになる。

    システムのページ・サイズを決めるには,次のコマンドを入力する。

    $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI ("PAGE_SIZE") 
    
  • プロセス最大数 は,システム・パラメータ MAXPROCESSCNT の値になる。

512MB を超えるシステムでは,以下の項で説明するページ・ファイル使用状況の監視の手順 (2.4.3.2 項 「ページ・ファイル使用状況の監視」) に従って,必要に応じて調整してください。

2.4.3.1 ページ・ファイル・サイズの表し方

算出したページ・ファイルは,次のいずれかの方法で表すことができます。

  • 1次ページ・ファイルのみ

  • 1次ページ・ファイルと2次ページ・ファイルに振り分ける。

  • SYS$SYSTEM 内の1次ページ・ファイルを削除した場合は,複数の2次ページ・ファイル間で振り分ける。

2.4.3.2 ページ・ファイル使用状況の監視

(AUTOGEN を使って,あるいは机上の計算で)ページ・ファイルの初期のサイズが決まったら,次のコマンドで AUTOGEN を実行してページ・ファイルの使用状況を監視してください。

$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES FEEDBACK

このコマンドを実行すると,AUTOGEN によりページ・ファイルの使用量とサイズの推奨値がフィードバック・レポート AGEN$PARAMS.REPORT に書き込まれます。 なお,AUTOGEN およびフィードバック・レポートの詳細については,1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」1.4.2 項 「フィードバック・レポート (AGEN$PARAMS.REPORT) について」 を参照してください。 2.3 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示」 で説明したように,また,DCL の SHOW MEMORY/FILES コマンドを使用すると,ファイルの使用状況も表示されます。

ページ・ファイルの使用量が1次ページ・ファイルのサイズ (または1次ページ・ファイルと 2 次ページ・ファイルのサイズを合計したサイズ) の半分以上にならないようにします。 ページ・ファイルの使用量がシステム性能に影響するレベルに近づくと,コンソール・ターミナルにメッセージが出力されます。 その場合は,ページ・ファイルのサイズを大きくするか,ファイルを追加してください。

注意:

システムの資源と代表的な作業負荷は,ページ・ファイルの必要なサイズに影響します。 そのため,これらの要素についてよく理解しておく必要があります。 詳細は『Guide to OpenVMS Performance Management』を参照してください。

2.4.3.3 ページ・ファイル空間の制限

AUTHORIZE の ADD および MODIFY コマンドに /PGFLQUOTA 修飾子を指定して,ユーザ・プログラムが使用するページ・ファイルの量を制限してください (詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTORIZE の節を参照)。 /PGFLQUOTA の値は,必ず 1024 以上にしてください。 ページ・ファイル空間の必要量は,ユーザのアプリケーションによって大きく異なります。

2.4.4 スワップ・ファイル・サイズの計算

システム性能を維持するためには,スワップ・ファイルの空間が十分にあることが重要です。 スワップ・ファイルの空間に適したサイズは,AUTOGEN コマンド・プロシージャにより計算されます。 スワップ・ファイルの空間のサイズを机上で計算したい場合は,次の公式を使用してください。

ファイルのサイズ
(システム上のすべてのスワップ・ファイルの合計)
= プロセスの最大数 (システム・パラメータ MAXPROCESSCNT)
* システム上のプロセスの平均ワーキング・セット・クォータ

プロセスの最大数

MAXPROCESSCNT システム・パラメータの値。

システム上のプロセスの平均ワーキング・セット・クォータ

システム上で動作しているプロセスの WSQUOTA 制限の平均値。

VAX システムの場合は,ページ単位で指定する。

Alpha システムおよび I64 システムの場合は,ページレット単位で指定する。

2.4.4.1 スワップ・ファイル・サイズの表し方

Alpha システムと VAX システムでは,算出したサイズを次のような方法で表すことができます。

  • 1次スワップ・ファイルのみ

  • 1次スワップ・ファイルと2次スワップ・ファイルに振り分ける。

  • SYS$SYSTEM 内の1次スワップ・ファイルを削除した場合は,複数の 2 次スワップ・ファイル間で振り分ける。

2.4.4.2 スワップ・ファイルの使用状況の監視

(AUTOGEN を使って,あるいは机上計算によって) スワップ・ファイルの空間の適切なサイズが決まったら,2.3 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関する情報の表示」で説明したように,DCL の SHOW MEMORY/FILES コマンドを使って,スワップ・ファイルの使用状況を監視してください。 スワップ・ファイル空間の 1/3 は未使用のままにしてください。 そうしないと,システム性能が著しく低下します。

注意:

システムの資源と作業負荷は,ページ・ファイルの必要なサイズに影響します。 そのため,これらの要素についてよく理解しておく必要があります。 詳細は『Guide to OpenVMS Performance Management』を参照してください。

2.5 ディスク空間が十分でない場合のシステム・ダンプ・ファイル・サイズの最小化

システム構成によっては,ディスク・ファイルにメモリ全体の内容を保存できないことがあります。 たとえば,メモリ・サイズが大きなシステムでは,完全メモリ・ダンプに十分なディスク空間が確保できないことがあります。 このような場合には,システム・ダンプ・アナライザ (SDA) でダンプを分析できません。

また,VAX システムの場合,ダンプ空間の不足が原因で,クラッシュ・ログ・ユーティリティ・エキストラクタ (CLUE) もダンプを分析できなくなります。

システム・ダンプ・ファイルのサイズ最小化のためのオプション

ディスク容量が不足しているときに,システム・ダンプ・ファイルのサイズを最小化するには,次に示すオプションのいずれか 1 つを使用します。

  • 選択型ダンプ

    VAX システムと Alpha システムでは,システム障害の原因を突き止めるために最も有用な情報を含む部分のメモリを保持するために,選択型システム・ダンプを使用することができます。 物理ダンプと選択型ダンプの比較を 表 2-1 「物理ダンプと選択型ダンプの比較」 に示します。

    また,表 2-3 「物理システム・ダンプ・ファイルと選択型システム・ダンプ・ファイルの比較」 には,物理ダンプ・ファイルと選択型システム・ダンプ・ファイルで使用できる情報の比較を示します。

    表 2-3 物理システム・ダンプ・ファイルと選択型システム・ダンプ・ファイルの比較

    ダンプの種類

    入手できる情報

    入手できない情報

    物理ダンプ (またはフル・ダンプ)

    物理アドレスとエラー・ログ・バッファの順序で格納された, 使用中のメモリ全体の内容。

    クラッシュ時,メモリからディスクにページングされていた内容。

    選択型ダンプ

    システム・ページ・テーブル,システム空間メモリ,エラー・ログ・バッファ,保存されているすべてのプロセスのプロセス領域と制御領域 (および グローバル・ページ)。

    クラッシュ時にメモリからディスクにページングされていた内容,保存されていないプロセスのプロセス領域と制御領域,ページ・テーブルによってマップされていないメモリ。

     

    選択型システム・ダンプを保存するには,システム・パラメータ DUMPSTYLE の ビット 0 を適切な値に設定します。 システム・パラメータとその値については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の付録に記載されています。 システム・パラメータ値の変更については,1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」 を参照してください。

  • 圧縮ダンプ

    Alpha システムおよび I64 システムで,DUMPSTYLE システム・パラメータのビット 3 をセットすると,OpenVMS は物理システム・ダンプまたは選択型システム・ダンプを圧縮形式で書き込みます (圧縮の正確な量はシステムの使用状況に応じて異なりますが,典型的な圧縮ダンプは元のサイズの約 60 パーセントです)。 圧縮ダンプを使用する場合には,AUTOGEN はシステム・ダンプ・ファイルのサイズを,圧縮しない場合のサイズの 2/3 に設定します。

  • ダンプ・オフ・システム・ディスク(DOSD)

    DUMPSTYLE システム・パラメータのビット 2 をセットし,他のすべての必要条件を満たすと,OpenVMS はシステム・ダンプをシステム・ディスク以外のディスクに書き込みます。 詳細については,2.7 項 「代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み」 の説明を参照してください。

2.5.1 項 「選択型システム・ダンプでの情報の順序」 では,Alpha システム,I64 システム,および VAX システムで選択型システム・ダンプに情報が書き込まれる順序について説明しています。 2.5.2 項 「選択型システム・ダンプにプロセスが書き込まれる順序の微調整 (Alpha および I64)」 では,Alpha システムおよび I64 システムでこの順序を細かく調整する方法について説明しています。

2.5.1 選択型システム・ダンプでの情報の順序

VAX システム,Alpha システム,および I64 システムで選択型ダンプに情報が書き込まれる順序は次のとおりです。

VAX システムでは,情報は次の順序で選択型ダンプに書き込まれます。

  1. システム・ページ・テーブル (SPT)

  2. システム空間 (プロセス・ページ・テーブル,ページ・フレーム番号(PFN)データベース,およびグローバル・ページ・テーブル (GPT) を含む)

  3. プロセスのワーキング・セット内のグローバル・ページ

  4. クラッシュが発生した時点で常駐していたプロセス

    1. クラッシュした CPU の現在のプロセス

    2. あらかじめ定義されたプロセス(BUGCHECK にハード・コーディングされる)

    3. 他の CPU での現在のプロセス

    4. クラッシュが発生した時点で常駐していた他のプロセス (プロセス・インデックスの順)

Alpha システムおよび I64 システムでは,情報は次の順序で選択型システム・ダンプに書き込まれます。

  1. 共有アドレス(S0/S1/S2) のページ・テーブル(PT)

  2. S0/S1 空間

  3. S2 空間

  4. 複製されたページの内容が元のページと異なっている,性能上の理由から複製されているシステム空間ページ (P1,S0/S1,S2)

  5. 適切な場合には,Galaxy 共有メモリ領域のメモリ・マップ・ページ

  6. キー・プロセス

    1. クラッシュした CPU の現在のプロセス

    2. スワッパ

    3. CPU 上の現在のプロセスのうち,クラッシュ状態を記録できなかったもの

    4. 他の CPU の現在のプロセス

    5. 使用しているシステム固有の優先プロセス (次の節を参照)

    6. 弊社が定義している優先プロセス (BUGCHECK にハード・コーディングされる)

      • MSCPmount

      • AUDIT_SERVER

      • NETACP

      • NET$ACP

      • REMACP

      • LES$ACP

  7. リソースまたはその他の待ち状態での任意のプロセス (RWAST など)

  8. キー・グローバル・ページ (キー・プロセスのワーキング・セット内のグローバル・ページ)

  9. クラッシュが発生した時点で常駐していた他のプロセス (非キー・プロセス)。 ただしプロセス・インデックスの順。

  10. 非キー・プロセスのワーキング・セット内の残りのグローバル・ページ

Alpha システムおよび I64 システムでは,プロセスは 2 段階でダンプされます。 最初にプロセスのページ・テーブルがダンプされ,次にプロセスのボディがダンプされます。

Alpha システム,I64 システム,および VAX システムでの使用法に関する注意

Alpha プラットフォーム,I64 プラットフォーム,VAX プラットフォームのいずれでも,プロセスが 2 回ダンプされることはありません。 たとえば,Alpha システムおよび I64 システムでは,現在のプロセスがスワッパの場合,それは 1 回だけダンプされます。

同様に,Alpha システムおよび I64 システムでグローバル・ページが 2 回ダンプされることはありません。 したがって,キー・プロセスのワーキング・セット内のページが“キー・グローバル・ページ”セクションでダンプされた場合には,それが非キー・プロセスのワーキング・セットにも存在するからといって,後でもう一度ダンプされることはありません。

2.5.2 選択型システム・ダンプにプロセスが書き込まれる順序の微調整 (Alpha および I64)

Alpha システムおよび I64 システムでは,キー・プロセスと呼ばれる一連のプロセスは,そのプロセスに逆リンクする遷移ページも含めて,PT,S0/S1,S2 の直後にダンプされます。 システム管理者は,キー・プロセスとして取り扱う追加プロセスを指定できます。 これらのプロセスには,ダンプで他のプロセスより高い優先順位が与えられます。 したがって,ダンプ・ファイルが小さすぎて,すべてのプロセスを格納できない場合でも,選択したプロセスは正しく書き込まれます。

作業方法

ダンプするプロセスの順序を指定するには,SYSMAN DUMP_PRIORITY コマンドを使用します。

  • DUMP_PRIORITY ADD -- ダンプの初期段階でダンプされるプロセスの一覧に,プロセスを追加します。

  • DUMP_PRIORITY LOAD -- リストのイン・メモリ・コピーをアップデートします。 DUMP_PRIORITY LOAD コマンドは,システムのスタートアップ中に自動的に起動されます。

システムが稼働している間であればいつでも,新しいプロセスの追加や,リストのイン・メモリ・コピーのアップデートを行うことができます。 したがって,プロセスがハングした場合には,システム管理者はプロセスを優先プロセスとして指定し,強制的にクラッシュを発生させることができます。

2.6 システム・ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み

システム・ディスクへのパスが 2 つ以上あるか,システム・ディスクが複数のメンバを持つシャドウ・セットである場合には,確実にシステム・ダンプをシステム・ディスクに書き込むことができるようにするための追加策を取らなければなりません。

2.6.1 Alpha システムおよび I64 システムでのシステム・ディスクへのシステム・ダンプ

システム・ディスクへのパスが 2 つ以上ある場合には,コンソール環境変数 DUMP_DEV に,そのシステム・ディスクへのすべてのパスが記述されていなければなりません。 このようにすれば,フェールオーバのため元のブートパスが使用不可能になった場合でも,システムは引き続きシステム・ディスクを検索し,そこにシステム・ダンプを書き込むことができます。

システム・ディスクのシャドウ・セットが複数のメンバを持つ場合には,コンソール環境変数 DUMP_DEV に,そのシャドウ・セットのすべてのメンバへのすべてのパスが記述されていなければなりません。 このようにすれば,マスタ・メンバが代わった場合でも,システムは引き続きマスタ・メンバを検索し,そこにシステム・ダンプを書き込むことができます。

DUMP_DEV を定義しない場合には,システムは,ブート時に使用されたものと同じ物理パスだけを使用した場合に限って,ブート時に使用された物理ディスクにのみ,システム・ダンプを書き込むことができます。 DUMP_DEV の設定の詳細については,2.7.1 項 「Alpha システムおよび I64 システムでの DOSD の必要条件」を参照してください。

システム・ダンプ・ファイルを代替ディスクへ書き込むこともできますが (2.7.1 項 「Alpha システムおよび I64 システムでの DOSD の必要条件」を参照),その場合にも,エラー・ログを書き込むために,システム・ディスクへのパスを定義しなければなりません。 したがって,DUMP_DEV には,代替ダンプ・ディスクへのパスの他に,システム・ディスクへのすべてのパスも含まれている必要があります。

Alpha システムでは,一部の構成 (FC (Fibre Channel) ディスクを使用している場合など) には,システム・ディスクへのパスの組み合わせが,DUMP_DEV にリストできる以上に含まれている場合があります。 そのような場合には,通常はシャドウ・セットのマスタ・メンバであるシステム・ディスクへのすべてのパスを DUMP_DEV に含めることをお勧めします。 シャドウ・セットのメンバ変更が起きる頻度は,パスの変更が起きる頻度よりも少ないためです。

また,Alpha システムでは,DUMP_DEV に含むことができる以上のパスがある場合には,ダンプ・ディスクへのすべてのパスと,システム・ディスクへのできるだけ多くのパス (ただし少なくとも 1 つ) を定義することをお勧めします。 システム・ディスクのパスは,リスト内の最後のエントリでなければならないことに注意してください。

注意:

システムのリブート時にエラー・ログ・バッファを復元できるように,エラー・ログ・ダンプ・ファイルは必ずシステム・ディスクに作成されます。 このファイルは,DUMPSTYLE システム・パラメータや DUMP_DEV 環境変数の設定には影響されません。

システムは,リスト内で最初に見つかった有効なデバイスを,ダンプ・デバイスとして選択します。 このため,ダンプ・ディスク・パス・エントリは,リスト内でシステム・ディスク・エントリよりも前に存在しなければなりません。

Alpha システムでは,DUMP_DEV に含めることができるデバイスの数に制限があります。 この制限は,プラットフォームによって異なり,デバイスの構成によっても異なります。 プラットフォームには,1 つのデバイスだけを使用できるものや,デバイスのリストを使用できるものがあります。 デバイスのリストを使用できるシステムでは,リストの長さが,コンソール・サブシステムが使用する内部形式で 256 バイトに制限されています。 この長さは,SCSI または CI ベース・ディスクを使用している場合はエントリ 4 個分の大きさ,ファイバ・チャネル・ディスクを使用している場合はエントリ 8 ~ 9 個分の大きさがあります。

I64 システムでは,プラットフォームやデバイスの構成に関わりなく,DUMP_DEV に最大 99 個のデバイスを含めることができます。

詳細は,後述の「I64 システムでのダンプ・デバイスの指定」を参照してください。

I64 システムで,次のいずれかの方法を使用してください。

  • OpenVMS I64 Boot Manager (BOOT_OPTIONS.COM) ユーティリティを使用して,OpenVMS DCL プロンプトでダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定します。

    $ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS
    

  • または,EFI for OpenVMS (I64 のみ) の VMS_SET ユーティリティを使用して,EFI コンソール・プロンプトでダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定します。

    Shell> FSn:\EFI\VMS\VMS_SET DUMP_DEV device-name[,...]
    
    (FSn: VMS_SET ユーティリティが置かれている,ブート可能 FAT ファイル構造パーティション)

2.6.2 VAX システムでのシステム・ディスクへのシステム・ダンプ

システム・ディスクへのパスが 2 つ以上ある場合や,システム・ディスクのシャドウ・セットに複数のメンバがある場合に,確実にシステムがシステム・ディスクを検索し,そこにシステム・ダンプを書き込むことができるようにするには,プラットフォーム固有のブートに関する指示を守らなければなりません。 正しいレジスタ値を設定しなければならない VAX システムがある一方で,特定の環境変数を設定しなければならない VAX システムもあります。 詳細については,使用している VAX システムのアップグレードおよびインストールに関するマニュアルを参照してください。

システムに複数の CI スター・カプラがある場合には,シャドウ・セット・メンバはすべて同一のスター・カプラを経由して接続されていなければならないことに注意してください。

2.7 代替ディスクへのシステム・ダンプ・ファイルの書き込み

システム・ダンプ・ファイルは,OpenVMS システムのシステム・ディスク (DOSD) 以外のデバイスに書き込むことができます。 大きいメモリを装備したシステムや,共通のシステム・ディスクを使用しているクラスタで,1 つのディスクのディスク容量だけでは必要なダンプ・ファイルのサイズを必ずしもサポートできないクラスタでは,この機能は特に便利です。

DOSD を使用するための必要条件は,Alpha システムおよび I64 システムと,VAX システムとでは多少異なります。 しかし,どのシステムでも,バグチェック・コードがシステム・ダンプ・ファイルを代替デバイスに書き込むことができるように,DUMPSTYLE システム・パラメータを正しく有効に設定しなければなりません。

以降の節では,Alpha システム,I64 システム,および VAX システムでの DOSD の必要条件について説明します。

2.7.1 Alpha システムおよび I64 システムでの DOSD の必要条件

Alpha システムおよび I64 システムでの DOSD の必要条件は次のとおりです。

  • ダンプ・デバイスのディレクトリ構造は,現在のシステム・ディスク構造に類似していなければならない。 [SYSn.SYSEXE]SYSDUMP.DMP ファイルはそこに存在し,同じブート時システム・ルートを持つ。

    このファイルを作成するには,AUTOGEN を使用する。 MODPARAMS.DAT ファイルで,次のシンボルは AUTOGEN に対してファイルを作成するように要求する。

    DUMPFILE_DEVICE = "$nnn$ddcuuuu"

    デバイスのリストを入力できる。

  • ダンプ・ディスクには ODS-2 または ODS-5 ファイル構造がなければならない。

  • ダンプ・デバイスとしてボリューム・セットの一部を使用することはできない。

  • 必須条件ではないが,システム・スタートアップ時にダンプ・デバイスをマウントするようにする。 ダンプ・デバイスがマウントされると,CLUE と AUTOGEN はクラッシュ・ダンプ分析のためのアクセスができるようになる。 最適な結果を得るために,MOUNT コマンドを SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM に含める。

  • Crash Log Utility Extractor (CLUE) が DOSDをサポートできるためには,システム・クラッシュ後に分析されるファイルを論理名 CLUE$DOSD_DEVICE として定義しておく必要がある。 詳しくは 2.9 項 「SDA CLUE コマンドによるクラッシュ・ダンプ・ファイルの分析 (Alpha および I64)」を参照。

  • ダンプ・デバイスがシステム・ディスクであり,シャドウ・セットのマスタ・メンバである場合を除き,ダンプ・デバイスとしてシャドウ・セットの一部を使用することはできない。

  • Alpha システムでは,コンソール・プロンプトに対してダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定するには,次の形式を使用する。

    >>> SET DUMP_DEV device-name[,...]

    注意:

    DEC 3000 シリーズ・システムでは,DUMP_DEV 環境変数を使用するときに,次の制限事項が適用されます。

    • DEC 3000 シリーズ・システムにはファイルの内容を保存するために十分な不揮発性 RAM がないため,システム電源障害が発生した後,この変数の内容は保存されない。 したがって,電源障害が発生した後は,DUMP_DEV 変数を再設定しなければならない (しかし,他のタイプの再起動やブートストラップでは,DUMP_DEV は保存される)。

    • DUMP_DEV をクリアすることはできない (ただし,システムの電源をオフにした後,再度電源を投入すれば,クリアすることができる)。

    • 以前のバージョンでは DUMP_DEV がサポートされないため,コンソール・ファームウェア・バージョン 6.0 以上を使用しなければならない。

    CPU タイプには,1 つのデバイスだけを入力できるものや,デバイスのリストを入力できるものがある。 リストにはシステム・ディスクとダンプ・ディスクに対するさまざまな代替パスを指定できる。

  • I64 システムでは,OpenVMS I64 Boot Manager (BOOT_OPTIONS.COM) ユーティリティを使用して,OpenVMS DCL プロンプトでダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定する。

    $ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS
    
    または,EFI for OpenVMS (I64 のみ) の VMS_SET ユーティリティを使用して,EFI コンソール・プロンプトでダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定する。
    Shell> FSn:\EFI\VMS\VMS_SET DUMP_DEV device-name[,...]
    
    (FSn: VMS_SET ユーティリティが置かれている,ブート可能 FAT ファイル構造パーティション)

    次の項を参照。

  • DUMP_DEV を使用して代替パスを指定すると,システムの稼働時にディスクは代替パスにフェールオーバできる。 その後,システム・クラッシュが発生すると,バグチェック・コードは DUMP_DEV の内容を参照することにより,代替パスを使用できる。

  • しかし,デバイスのリストを入力する場合には,システム・ディスクへのパスは最後に指定しなければならない。

Alpha システムでのダンプ・デバイスの指定

DUMP_DEV 環境変数を使用してダンプ・デバイスを指定するには,次の操作を実行します。

  1. BOOTDEF_DEV の値を表示する。 次の例を参照。

    >>> SHOW BOOTDEF_DEV
    
    BOOTDEF_DEV             dub204.7.0.4.3,dua204.4.0.2.3
    
  2. 次に示すように,システムのデバイスを表示する。

    >>> SHOW DEVICES
    
    Resetting IO subsystem...
    
    dua204.4.0.2.3     $4$DUA204 (RED70A)        RA72
    dua206.4.0.2.3     $4$DUA206 (RED70A)        RA72
    dua208.4.0.2.3     $4$DUA208 (RED70A)        RA72
    
    polling for units on cixcd1, slot 4, xmi0...
    
    dub204.7.0.4.3     $4$DUA204 (GRN70A)        RA72
    dub206.7.0.4.3     $4$DUA206 (GRN70A)        RA72
    dub208.7.0.4.3     $4$DUA208 (GRN70A)        RA72
    >>>
    

    この例で,次のことに注意する必要がある。

    • DUA204 はシステム・ディスク・デバイスである。

    • DUA208 は DOSD デバイスである。

  3. システム・ディスクに対する 2 つのパスを指定し,ダンプ・ディスクを DUA208 として指定するには (やはり 2 つのパスを指定する),次のように DUMP_DEV を設定する。

    >>> SET DUMP_DEV dua208.4.0.2.3,dub208.7.0.4.3,dub204.7.0.4.3,dua204.4.0.2.3 
    

    この例で,dua208.4.0.2.3 と dub208.7.0.4.3 はダンプ・デバイスに対するパスである。 dub204.7.0.4.3 と dua204.4.0.2.3 はブート・デバイスに対するパスである。

  4. SHOW * コマンドを入力して,システムのすべての環境変数を表示する。 次の例を参照。

    >>> SHOW *
    
    auto_action             HALT
    baud                    9600
    boot_dev		dua204.4.0.2.3
    boot_file
    boot_osflags            0,0
    boot_reset              ON
    bootdef_dev             dub204.7.0.4.3,dua204.4.0.2.3
    booted_dev		dua204.4.0.2.3
    booted_file
    booted_osflags          0,0
    cpu                     0
    cpu_enabled             ff
    cpu_primary             ff
    d_harderr               halt
    d_report                summary
    d_softerr               continue
    dump_dev		dua208.4.0.2.3,dub208.4.0.4.3,dub204.7.0.4.3,dua204.4.0.2.3 
    enable_audit            ON
    interleave              default
    language                36
    pal                     V5.48-3/O1.35-2
    prompt                  >>>
    stored_argc             2
    stored_argv0            B
    stored_argv1            dua204.4.0.2.3
    system_variant          0
    version                 T4.3-4740 Jun 14 2003 15:16:38
    >>>
    

この項の手順が完了したら,次の項の後にある2.7.1 項 「Alpha システムと I64 システムでの DOSD の有効化」を参照してください。

I64 システムでのダンプ・デバイスの指定

I64 システムのダンプ・デバイスを指定するには,次のいずれかを使用します。

  • Boot Manager ユーティリティ,BOOT_OPTIONS.COM。

  • EFI ユーティリティ・コマンド VMS_SET。

注記: OpenVMS I64 Boot Manager Utility を使用することをお勧めします。 (このユーティリティの使用は,ファイバ・チャネル以外のデバイスではオプションですが,ファイバ・チャネル・デバイスでは必須です。) このユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

Boot Manager ユーティリティ BOOT_OPTIONS.COM の使用

OpenVMS DCL プロンプトから DUMP_DEV 環境変数でダンプ・デバイスを指定するには,次の手順に従います。

  1. DCL プロンプトで次のコマンドを入力して,OpenVMS I64 Boot Manager ユーティリティを起動する。

    $ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS.COM

  2. ユーティリティが起動され,メイン・メニューが表示される。 プロンプトで D を入力して,ダンプ・デバイスオプション・リストに対して操作を行うように設定する。

    Enter your choice: D
    

    ダンプ・オプション・リストへエントリを追加したときの出力例を,次に示す。

      OpenVMS I64 Boot Manager Dump Options List Management Utilities
    
      (1) ADD an entry to the Dump Options list
      (2) DISPLAY the Dump Options list
      (3) REMOVE an entry from the Dump Options list
      (4) MOVE the position of an entry in the Dump Options list
    
      (B)  Set to operate on the Boot Device Options list
      (D)  Set to operate on the Dump Device Options list
      (G)  Set to operate on the Debug Device Options list
    
      (E) EXIT from the Boot Manager utility
    
       You can also enter Ctrl-Y at any time to abort this utility.
    
    注記: このユーティリティを使用している間は,必要なだけ上矢印 (^) を入力することで,応答内容を変更することができる。 このプログラムを終了して DCL プロンプトに戻るには,Ctrl/Y を入力する。
  3. DUMP_DEV 環境変数にダンプ・デバイスを設定するオプションを指定するには,次のプロンプトで 1 を入力する。

    Enter your choice: 1
    

  4. ユーティリティは,デバイス名の入力を求めるプロンプトを表示する。 次の例のように,DOSD デバイスのデバイス名を入力する。 この例のダンプ・デバイスは,マルチパス・ファイバ・デバイス DGA1 である。

    Enter the device name (Enter "?" for a list of devices): $1$DGA1
    
    efi$bcfg: $1$DGA1 (VMS_DUMP_DEV_01) Option successfully added
    efi$bcfg: $1$DGA1 (VMS_DUMP_DEV_02) Option successfully added
    efi$bcfg: $1$DGA1 (VMS_DUMP_DEV_03) Option successfully added
    
    

  5. 他の DUMP_DEV デバイスも追加する場合は,手順 3 と 4 を繰り返す。

  6. すべての DUMP_DEV オプションが正常に追加されたら,次のプロンプトで E を入力して,ユーティリィから抜ける。

    Enter your choice: E
    

  7. システムをリブートし,「Alpha システムと I64 システムでの DOSD の有効化」の項に進む。

OpenVMS 用の EFI ユーティリティ VMS_SET コマンドの使用

OpenVMS 用の EFI ユーティリティ (I64 のみ) を使用して,EFI コンソール・プロンプトで,ダンプ・デバイス環境変数 DUMP_DEV を指定します。

  1. システム上のデバイスを,次のように表示する。

    Shell> FS0:\EFI\VMS\VMS_SHOW DEVICE
    
    VMS: EIA0 0-30-6E-39-F7-A5
    EFI: Acpi(000222F0,0)/Pci(3|0)/Mac(00306E39F7A5
    VMS: DKA0 HP 18.2GATLAS10K3_18_SCAHP05
    EFI: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|0)/Scsi(Pun0,Lun0)
    VMS: DKB400 HP 18.2GST318406LC HP05
    EFI: fs2: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|1)/Scsi(Pun4,Lun0
    VMS: DKB200 HP 18.2GST318406LC HP05
    EFI: fs1: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|1)/Scsi(Pun2,Lun0)
    VMS: DKB0 HP 18.2GATLAS10K3_18_SCAHP05
    EFI: fs0: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|1)/Scsi(Pun0,Lun0)
    VMS: EWA0 0-30-6E-39-77-3
    EFI: Acpi(000222F0,100)/Pci(2|0)/Mac(00306E39773D
    
    

    この例では,次のことが分かる。

    • DKB0 と DKB200 は,システム・ディスクのシャドウ・セットのメンバである。

    • DKA0 は,DOSD デバイスである。

  2. DUMP_DEV を,次のように設定する。

    Shell> FS0:\EFI\VMS\VMS_SET DKA0, DKB0, DKB200
    
    VMS: DKA0 HP 18.2GATLAS10K3_18_SCAHP05
    EFI: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|0)/Scsi(Pun0,Lun0)
    VMS: DKB0 HP 18.2GATLAS10K3_18_SCAHP05
    EFI: fs0: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|1)/Scsi(Pun0,Lun0)
    VMS: DKB200 HP 18.2GST318406LC HP05
    EFI: fs1: Acpi(000222F0,100)/Pci(1|1)/Scsi(Pun2,Lun0)
    
    

この項の作業を完了したら,次の項を参照してください。

Alpha システムと I64 システムでの DOSD の有効化

最後に,DUMPSTYLE システム・パラメータのビット 2 をセットすることにより,DOSD ビットを有効にします。 たとえば,SYSBOOT> プロンプトに対して 4 という値を入力すると,圧縮されていない物理ダンプを代替ディスクに書き込み,コンソール出力をできるだけ少なくすることを指定できます。

SYSBOOT> SET DUMPSTYLE 4

DUMPSTYLE システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』,およびオンライン・ヘルプを参照してください。

注意:

システムのリブート時にエラー・ログ・バッファを復元できるように,エラー・ログ・ダンプ・ファイルはシステム・ディスクに必ず作成されます。 このファイルは,DUMPSTYLE システム・パラメータの設定や,DUMP_DEV 環境変数の設定の影響を受けません。

システムは,リスト内で最初に見つかった有効なデバイスを,ダンプ・デバイスとして選択します。 このため,ダンプ・ディスク・パス・エントリは,リスト内でシステム・ディスク・エントリよりも前に存在しなければなりません。

Alpha システムでは,DUMP_DEV に含めることができるデバイスの数に制限があります。 この制限は,プラットフォームによって異なり,デバイスの構成によっても異なります。 プラットフォームには,1 つのデバイスだけを使用できるものや,デバイスのリストを使用できるものがあります。 デバイスのリストを使用できるシステムでは,リストの長さが,コンソール・サブシステムが使用する内部形式で 256 バイトに制限されています。 この長さは,SCSI または CI ベース・ディスクを使用している場合はエントリ 4 個分の大きさ,ファイバ・チャネル・ディスクを使用している場合はエントリ 8 ~ 9 個分の大きさがあります。

I64 システムでは,プラットフォームやデバイスの構成に関わりなく,DUMP_DEV に最大 99 個のデバイスを含めることができます。

2.7.2 VAX システムでの DOSD の必要条件

VAX システムでの DOSD の必要条件は次のとおりです。

  • システムは CI コントローラに直接接続されていなければならず,CI コントローラからブートしなければならない。

  • ダンプ・デバイスはブート・デバイスと同じ 2 台の HSx CI コントローラに物理的に接続しなければならない。 これら 2 台のコントローラは,すべて同一のスター・カプラを経由して接続されていなければならない。

  • ダンプ・デバイスのディレクトリ構造は,現在のシステム・ディスクの構造と類似していなければならない。 [SYSn.SYSEXE]SYSDUMP.DMP ファイルはそこに存在し,同じブート時システム・ルートを使用する。

    このファイルを作成するには,AUTOGEN を使用する。 MODPARAMS.DAT ファイルで次のシンボルは,AUTOGEN に対してファイルを作成するように要求する。

    DUMPFILE_DEVICE = "$nnn$ddcuuuu"

    1 つのデバイスだけを指定できる。

  • ボリューム・ラベルは 12 文字以内の長さである。 このボリューム・ラベルの一部として,ASCII 文字列 DOSD_DUMP を指定しなければならない。 たとえば,DOSD_DUMP,DOSD_DUMP_12,12_DOSD_DUMP はすべて正しいボリューム・ラベルである。 ラベルは読み込まれ,メモリ・ブート・データ構造体に格納される。

  • ダンプ・デバイスをボリューム・セットの一部として使用することはできない。 また,ダンプ・デバイスをシャドウ・セットの一部として使用することも望ましくない。

  • ダンプ・デバイスとして MSCP ユニット・ゼロ (0) を使用することはできない。 ユニット 1 ~ 4095 (1 ~ FFF) だけがサポートされる。

    ダンプ・デバイスは次のように指定できる。

    • VAX 7000 構成では,DUMPSTYLE システム・パラメータのビット 16 ~ 27 を使用する。 VAX 7000 構成で提供される DUMP_DEV 環境変数は,OpenVMS VAX では使用されないことに注意しなければならない。

    • VAX 7000 以外の構成では,レジスタ 3 (R3) のビット 16 ~ 27 を使用する。 レジスタのこの部分を使用して,ダンプ・デバイスを指定できる。

    DUMPSTYLE システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』,およびオンライン・ヘルプを参照。

注意:

システム・クラッシュが発生した後でシステムをリブートするときにエラー・ログ・バッファを復元するには,エラー・ログをシステム・ディスクに保存しておかなければなりません。 AUTOGEN は,そのためにシステム・ディスクに SYSDUMP.DMP ファイルを作成します。 このファイルは,エラー・ログ・バッファの最大サイズを格納できるだけの十分な大きさです。

2.8 SDA によるクラッシュ・ダンプの内容の分析

システム・ダンプ・アナライザ・ユーティリティ (SDA) を使用してシステム・ダンプ・ファイルの内容を翻訳し,クラッシュの予想される原因を調べることができます。 クラッシュ・ダンプの分析については,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual』または『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

システムに障害が発生した場合は,SDA を使用して障害発生時のシステム・ダンプ・ファイルのコピーを作成し,弊社のサポート担当者に連絡してください。 システム・ダンプ・ファイルのコピーの作成については,2.12 項 「システム・ダンプ・ファイルをテープまたはディスクへコピーする」 を参照してください。

2.9 SDA CLUE コマンドによるクラッシュ・ダンプ・ファイルの分析 (Alpha および I64)

SDA CLUE (Crash Log Utility Extractor) コマンドは,クラッシュ・ダンプの分析と,スタンドアロン・システムやクラスタで発生した重大なバグのチェックの履歴の管理を自動的に行います。 SDA CLUE コマンドは,SDA とともに使用し,標準の SDA からアクセス困難なダンプ・ファイル補足情報を収集およびデコードすることができます。 また,SDA CLUE コマンドを,Dump Off System Disk (DOSD) とともに使用し,システム・ディスク以外のディスクにあるシステム・ダンプ・ファイルを解析することができます。

2.9.1 CLUE について (Alpha および I64)

Alpha システムおよび I64 システムでは,システム障害後にシステムをリブートするとき,SDA は自動的に呼び出されます (省略時の設定)。 クラッシュ・ダンプの分析をより容易にするために,SDA CLUE コマンドは自動的に CLUE リスト・ファイルのダンプ・ファイル要約情報を取得および保管します。

スタートアップ・コマンド・プロシージャは,次の動作を行うコマンドを起動します。

  • SDA の呼び出し

  • SDA CLUE HISTORY コマンドの発行

  • CLUE$nodename_ddmmyy_hhmm.LIS リスト・ファイルの作成

CLUE HISTORY コマンドは,履歴ファイルに要約エントリを 1 行だけ追加し,SDA CLUE コマンドの次の出力をリスト・ファイルに保存します。

  • クラッシュ・ダンプ要約情報

  • システム構成

  • スタック・デコーダ

  • ページ・ファイルとスワップ・ファイル

  • メモリ管理統計情報

  • プロセス DCL 再呼び出しバッファ

  • アクティブ XQP プロセス

  • XQP キャッシュ・ヘッダ

この CLUE リスト・ファイルの内容は,システム障害を分析するときに便利です。

このようなファイルがしきい値 (省略時 5000 ブロック) を超えるまで蓄積される場合,(しきい値の限界内になるまで) 古いファイルから削除されます。 CLUE$MAX_BLOCK 論理名を使って,これをカスタマイズすることも可能です。

システムのスタートアップ時に CLUE を実行しないようにするには,SYLOGICALS.COM ファイル中の論理名 CLUE$INHIBIT を /SYS TRUE と定義します。

CLUE$nodename_ddmmyy_hhmm.LIS にはクラッシュ・ダンプの概要しか入っておらず,常にクラッシュの原因を決定するのに十分な情報が入っているとは限りませんので注意してください。 システム・クラッシュの分析を詳細に行わなければならない場合は,常に SDA COPY コマンドを使用して,ダンプ・ファイルを保存しておくことをお勧めします。

2.9.2 SDA CLUE コマンドによるデータの表示 (Alpha および I64)

次のように,SDA プロンプトから CLUE コマンドを呼び出します。

SDA> CLUE CONFIG

CLUE コマンドは,ダンプ・ファイルから取得したクラッシュ・ダンプの要約情報を提供します。 クラッシュ・ダンプを会話形式でデバッグするとき,SDA CLUE コマンドを使って,ダンプ・ファイルから取得情報を収集およびデコードすることができます。 このファイルは標準の SDA からでは簡単にアクセスすることができません。 一方,CLUE は詳細な XQP 要約を即座に提供します。

実行中のシステム上で CLUE コマンドを会話形式で使用して,性能問題を識別することも可能です。

クラッシュ・ダンプを分析するときは,すべての CLUE コマンドが使用できます。 しかし,実行中のシステムを分析するときには,CLUE コマンドの CLUE CRASH,CLUE ERRLOG,CLUE HISTORY,および CLUE STACK は使用できません。

SDA CLUE コマンドの使用について詳しくは,『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

2.9.3 ダンプ・オフ・システム・ディスクと SDA CLUE の使用 (Alpha および I64)

ダンプ・オフ・システム・ディスク (DOSD)によって,システム・ダンプ・ファイルをシステム・ディスク以外のデバイスに書き出すことができます。 システム・クラシュが発生した後,SDA CLUE が解析するダンプ・ファイルを正しくみつけるために,次の操作を実行します。

  1. コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM にダンプ・ファイルを指すシステム論理名 CLUE$DOSD_DEVICE を加える。 ファイル指定なしで物理デバイス名または 論理デバイス名だけを指定する。

  2. ダンプ・ファイルのあるデバイスをシステム単位のデバイスとしてマウントするように SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM へコマンドを追加する。 これを行わないと,SDA CLUE はダンプ・ファイルにアクセスして解析をおこなうことができない。

次の例では,ダンプ・ファイルは デバイス $3$DUA25 にあり,ラベルは DMP$DEVです。 次のコマンドを SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM に追加しておく必要があります。

$ mount/system/noassist $3$dua25: dmp$dev dmp$dev
$ define/system clue$dosd_device dmp$dev

2.10 CLUE を使用して,クラッシュ・ダンプに関する履歴情報を得る方法 (VAX のみ)

VAX システムにおいて,クラッシュ・ログ・ユーティリティ・エキストラクタ (CLUE) は,クラッシュ履歴ファイルの内容を表示するために使用できるツールです。 クラッシュ履歴ファイルの内容を調べることにより,障害 (クラッシュ) の原因となった問題を理解して解決することができる場合があります。 また,場合によってはその他の有用なデータを得ることもできます。

2.10.1 CLUE について (VAX のみ)

クラッシュ履歴ファイルは,CLUE により作成,更新されるもので,主なパラメータはクラッシュ・ダンプ・ファイルからとります。 システムの障害が発生するたびに書き換えられ,そのため,通常は最も新しい障害に対してしか使用できないクラッシュ・ダンプとは異なり,クラッシュ履歴ファイルはシステム障害の永久的な記録です。

システムに障害が発生し,物理メモリがクラッシュ・ダンプ・ファイルにコピーされると,CLUE はシステムのリスタート時,関連するパラメータを自動的にファイル CLUE$OUTPUT:CLUE$HISTORY.DATA に付加します。 ここでは,CLUE を使用して収集したデータを CLUE を使って表示する方法について説明します。 CLUE については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

注意:

履歴ファイルは各エントリごとに通常 10 から 15 ブロックほどの割合で大きくなっていきます。 バイナリ・ファイル内のエントリ数は,論理名 CLUE$MAX_ENTRIES を必要な最大数になるように定義することにより,制限することができます。 この最大数に達すると,最も古いエントリが履歴ファイルから削除されます。

省略時の設定では,オペレータによるシャットダウンは履歴ファイルに記録されます。 論理名 CLUE$EXCLUDE_OPERS を TRUE として定義することにより,オペレータによるシャットダウンに関する情報を履歴ファイルから削除することができます。 たとえば,SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM に次の行を含めます。

$ DEFINE /SYSTEM CLUE$EXCLUDE_OPERS TRUE

2.10.2 CLUE を使用したデータの表示 (VAX のみ)

CLUE を使用してデータを表示するには,まず,次のシンボルを定義する必要があります。

$ CLUE :== $CLUE

シンボルを定義したら,次のコマンドを入力することにより,CLUE を使って情報を表示することができます。

$ CLUE/DISPLAY
CLUE_code_example> 

プロンプト CLUE_code_example>に対してコマンドを発行し,次の作業を行うことができます。

  • DIRECTORY コマンドを使用して,指定日付以降発生した障害,特殊なタイプの障害,指定モジュールを含む障害,指定オフセットを持つ障害をリストする。

    たとえば,次のように,DIRECTORY コマンドを使用して全障害を履歴ファイルにリストすることができる。

    CLUE_code_example> DIRECTORY
    
  • SHOW コマンドを使用して,システム・ダンプ・アナライザ (SDA) の特定のコマンドから得たものと同様の情報を生成する。

    たとえば,クラッシュ番号 7 でリストされたクラッシュに関する全情報が必要な場合は,次の SHOW コマンドを使用する。

    CLUE_code_example> SHOW ALL 7
    
  • EXTRACT コマンドを使用して,エントリから得たデータをファイルに書き込む。

    たとえば,次のコマンドにより,クラッシュ履歴ファイルのエントリ番号 7 から得たデータを 15MAYCRASH.TXT という名前のファイルに書き込む。

    CLUE_code_example> EXTRACT 7/OUTPUT=15MAYCRASH.TXT
    

CLUE コマンドについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。

2.11 システム障害後のシステム・ダンプ・ファイルの内容の保存

システム障害が発生すると,クラッシュ・ダンプ・ファイルの内容は上書きされ,以前の内容が失われます。 したがって,システムをリブートするたびに,システム・ダンプ・ファイルを自動的に分析し,コピーするように設定しておく必要があります。

Alpha システムおよび I64 システムでは,スタートアップ時に SDA が呼び出され(省略時の設定),CLUE リスト・ファイルが作成されます。 CLUE リスト・ファイルは一連のコマンドで作成され,クラッシュの概要だけが含まれます。 クラッシュの原因を決定するのに十分な情報を持っていません。 したがって,常にダンプ・ファイルをコピーしておくことをお勧めします。

ユーザのサイト別コマンド・プロシージャに,システム障害後のスタートアップ時に実行させるコマンド(SDA COPY など)を追加する方法については,『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

VAX システムでは,システムのブート時にシステム・ダンプ分析ユーティリティ (SDA) を呼び出すように,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYSTARTUP_VMS.COM を変更します。

次の点に注意してください。

  • STARTUP プロセスでサイト別スタートアップ・プロシージャから実行されている場合,システム障害の直後にシステムがブートしているときのみ,SDA は指定されたコマンドを実行する。 SHUTDOWN.COM または OPCCRASH.EXE でシャットダウンされた後のリブートの場合,SDA は,コマンドを実行しないで終了する。

  • ダンプ・ファイルをコピーするときは,DCL の COPY コマンドを使用できるが,できるだけ SDA の COPY コマンドを使用する。 SDA の COPY コマンドはダンプによって占有されたブロックだけをコピーし,コピーしたダンプ・ファイルをマークするためである。 SDA の COPY コマンドは,ダンプがページング・ファイル SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS に書き込まれたときにも使用したほうがよい。 SDA の COPY コマンドが,ダンプによって占有されているページをページャに解放するためである。 詳細は2.13 項 「ページ・ファイルからのダンプ情報の解放」を参照。

  • システム・ダンプ・ファイルには,特権情報が含まれている場合があるので,ダンプ・ファイルは一般ユーザにアクセスされないよう保護しておく。 ファイル保護についての詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照。

  • システム・ダンプ・ファイルには NOBACKUP 属性があるため,バックアップ・ユーティリティ (BACKUP) は,BACKUP の起動時に,修飾子 /IGNORE=NOBACKUP を使用しない限り,それらをコピーしない。 SDA COPY コマンドを使用して,システム・ダンプ・ファイルを別のファイルにコピーする場合,オペレーティング・システムにより新しいファイルが自動的に NOBACKUP に設定されることはない。 コピーに NOBACKUP 属性を設定したい場合は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』で説明しているように,SET FILE コマンドに /NOBACKUP 修飾子を指定する。

この例では,SDA の COPY コマンドを使って SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS ファイルの内容を保存し,そのファイルを分析しています。 ダンプで使用されるページ・ファイルは COPY コマンドが完了するとすぐに解放され,別の SDA コマンドが実行される前にページングに使用されることがあるため,この COPY コマンドは最終コマンドになることに注意してください。

$ !
$ !      Print dump listing if system just failed
$ !
$ ANALYZE/CRASH_DUMP SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS
    SET OUTPUT DISK1:SYSDUMP.LIS        ! Create listing file
    READ/EXECUTIVE                      ! Read in symbols for kernel
    SHOW CRASH                          ! Display crash information
    SHOW STACK                          ! Show current stack
    SHOW SUMMARY                        ! List all active processes
    SHOW PROCESS/PCB/PHD/REG           	! Display current process
    COPY SYS$SYSTEM:SAVEDUMP.DMP       	! Save system dump file
    EXIT
$ SET FILE/NOBACKUP SYS$SYSTEM:SAVEDUMP.DMP

2.12 システム・ダンプ・ファイルをテープまたはディスクへコピーする

システム障害が発生した場合は,システム・ダンプ・ファイルの内容のコピーを作成して,弊社のサポート担当者にお知らせください。 バックアップ・ユーティリティ (BACKUP) を使用すると,システム・ダンプ・ファイルを含むセーブ・セットを,磁気テープまたはディスクに作成できます。 ただし,BACKUP を使用してシステム・ダンプ・ファイルをコピーする場合は,次の理由から,/IGNORE=(NOBACKUP,INTERLOCK) 修飾子を指定する必要があります。

  • 省略時の設定では,システム・ダンプ・ファイルには NOBACKUP 属性がある。 したがって,/IGNORE=NOBACKUP を指定しない限りコピーされない。

  • システムには,ダンプ・ファイルへのオープン・チャネルが保持されている。 したがって,/IGNORE=INTERLOCK を指定しない限り,ファイルはコピーされない。

BACKUP の使用方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。 また,BACKUP コマンドについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の BACKUP の節を参照してください。

システム・ダンプ・ファイルをコピーする場合は,できるだけ次の手順に従ってください。

  1. SDA COPY コマンドを使用して,システム・ダンプ・ファイルのコピーを作成する。

  2. BACKUP ユーティリティを使用して,作成したコピーをテープまたはディスクに保存する。

この方法で行えば,BACKUP の修飾子による問題を回避できます。 また SDA COPY コマンドは,実際に使用されているブロックだけをシステム・ダンプ・ファイルにコピーするので,テープに書き込まれるデータ量を減らすことができます。

2.13 ページ・ファイルからのダンプ情報の解放

システム・クラッシュ・ダンプをSYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS に保存した場合,ページャのため,ダンプに占有された空間を後で解放する必要があります。 そうしないと,ページング空間が不足してシステムがハングすることがあります。

どんな場合に,システム・クラッシュ・ダンプをページ・ファイルに保存するのかについては 2.1.1 項 「ページ・ファイルを使ってシステム・クラッシュ・ダンプを格納する方法」を参照してください。

2.13.1 VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでのダンプ情報の解放

ここでは,VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでページ・ファイルからダンプ情報を解放する方法について説明します。

作業方法

VAX システムの場合は,次の手順に従ってください。

  1. PAGEFILE.SYS をターゲットにして,システム・ダンプ・アナライザ・ユーティリティ (SDA) を起動する。

    $ ANALYZE/CRASH_DUMP SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS
    
  2. SDA の COPY コマンドを次の形式で入力し,ダンプを SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS から別のファイルにコピーする。

    COPY ダンプ・ファイル指定

    たとえば,ダンプ・ファイルをシステム・ディスクから DISK$USER5 上の SAVEDUMP.DMP というファイルにコピーするには,次のコマンドを入力する。

    SDA> COPY DISK$USER5:[DUMPS]SAVEDUMP.DMP
    
  3. EXIT コマンドで SDA を終了する。

  4. ステップ 1 および ステップ 2 で入力した SDA コマンドを,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYSTARTUP_VMS.COM に追加する。 これにより,システムがリブートするたびにページ空間が解放されるようになる。

また,ページング・ファイルのダンプが格納されているページを他にコピーしないで解放するには,ANALYZE/CRASH_DUMP/RELEASE コマンドを使用します。 このコマンドは,ダンプを効果的に削除し,システム・ページングのために使用されるページをただちに解放します。 ただし,このコマンドでは,削除を行う前にダンプを分析することはできません

次のコマンドは,SYSTARTUP_VMS.COM コマンド・プロシージャに追加され,システムのリブート時に,ページ・ファイルの内容を SAVEDUMP.DMP というファイルにコピーします。

$ ANALYZE/CRASH_DUMP SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS
  COPY DISK$USER5:[DUMPS]SAVEDUMP.DMP
  EXIT
$ SET FILE/NOBACKUP SYS$SYSTEM:SAVEDUMP.DMP

Alpha システムおよび I64 システムでの作業方法

Alpha システムおよび I64 システムでは,『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』で説明しているように,システム障害が発生した後でシステムをリブートするときに,省略時の設定により SDA は自動的に起動されます。

システム・ダンプ・ファイルを自動的に保存するには,次の操作を実行します。

  1. SYS$$MANAGER:SAVEDUMP.COM ファイルを作成する。 次の例を参照。

    !
    ! SDA command file, to be executed as part of the system
    ! bootstrap from within CLUE.  Commands in this file can
    ! be used to save the dump file after a system bugcheck, and
    ! to execute any additional SDA command.
    !
    READ/EXEC               ! Read in the executive images' symbol tables
    SHOW STACK              ! Display the stack
    COPY SAVEDUMP.DMP       ! Copy and save system dump file
    
    !
    
  2. 使用しているシステム固有のファイルを指すには,次のような行をファイル SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に追加する。

    $ DEFINE/SYSTEM CLUE$SITE_PROC SYS$MANAGER:SAVEDUMP.COM
    

    この例では,使用しているシステム固有のファイルは SAVEDUMP.COM という名前である。

論理名 CLUE$INHIBIT が定義されており,システム・スタートアップ時に SDA が自動的に起動されなかった場合には,ダンプによって使用されたページ・ファイル内のページは,ANALYZE/CRASH_DUMP/RELEASE コマンドを使用して解放できます。 このコマンドは,ダンプを効果的に削除し,システム・ページングのために使用されるページをただちに解放します。 このコマンドでは,ダンプを削除する前に分析することはできません

CLUE が使用する論理名については『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

2.13.2 VAX システム,Alpha システム,および I64 システムでダンプ情報を解放するための使用上の注意

システム・ダンプ・ファイルには特権情報が格納されている可能性があるため,ダンプ・ファイルのコピーがワールドから読み込みされないように保護してください。

システムがファイルの内容全体をバックアップしないようにするには,DCL の SET FILE/NOBACKUP コマンドを使用して,ファイルに NOBACKUP 属性を割り当てます。

また,DCL の COPY コマンドを使用してダンプ・ファイルをコピーすることもできますが,なるべく SDA の COPY コマンドを使用してください。 これは,SDA COPY コマンドが次の操作を実行するからです。

  • ダンプで実際に占有しているブロックだけをコピーする。

  • システムのページ・ファイルでダンプが占有しているページを,ページングするために解放する。

2.14 ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール

SYS$SYSTEM にある1次ページ・ファイルと1次スワップ・ファイルは,システムによって自動的にインストールされます。 ただし,その他のファイルが自動的にインストールされることはありません。 このため,2次ページ・ファイルまたは2次スワップ・ファイルを作成した場合には,システム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使って,それらをインストールする必要があります。 SYSGEN の INSTALL コマンドは,INSTALL ユーティリティ・コマンドとは異なる働きをする点に注意してください。

2.14.1 会話型のインストール

  1. 次のコマンドを入力して,SYSGEN を起動する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
    
  2. 次のように,SYSGEN の INSTALL コマンドを入力する。

    ページ・ファイルの場合は,次の形式で入力する。

    INSTALL ファイル指定/PAGEFILE

    次の例を参照。

    SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE
    

    スワップ・ファイルの場合は,次の形式で入力する。

    INSTALL ファイル指定/SWAPFILE

    次の例を参照。

    SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE
    
  3. システムがブートするたびにファイルがインストールされるように,SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM にステップ 2 で入力したコマンドを追加する。 詳細は 2.14.2 項 「SYPAGSWPFILES.COM でのインストール」を参照。

ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルを会話形式でインストールします。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE
SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE

2.14.2 SYPAGSWPFILES.COM でのインストール

SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS,SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS 以外のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルは,システムがブートするたびにインストールしなおす必要があります。 この作業は,スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM にファイルをインストールするコマンドを追加することによって自動化できます。 テンプレート・ファイル SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.TEMPLATE には,このファイルがどのように使用されているかを説明するコメントが含まれます。

この作業を行う前には,2.16 項 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更」で説明したように,2次ファイルを作成しておく必要があります。

SYPAGSWPFILES.COM についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

また,SATELLITE_PAGE.COM を使って,OpenVMS Cluster サテライト・ノードのローカル・ディスク上に,ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルをインストールすることもできます。 SATELLITE_PAGE.COM は,CLUSTER_CONFIG.COM を実行すると作成されます。 サテライト・ノードのローカル・ディスク上にページ・ファイルおよびスワップ・ファイルをインストールする方法については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

作業方法

  1. SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM を編集するために,任意のエディタを起動する。

  2. 必要に応じて,ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルを保持するディスクをマウントするための MOUNT コマンドを追加する。 この作業が必要なのは,SYPAGSWPFILES.COM の起動時には,システム・ディスクしかインストールされていないためである。

    例 :

    $ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DUA2: DISK_SYS2 
    

    MOUNT コマンドについては,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照。

    次のコマンドは,MOUNT コマンドの前に挿入する。 このコマンドも,マウント前にディスクが使用できるかどうかを判断するのに有用である。 ただし,ディスクが破損していてマウントできない場合は,これらのコマンドにより無限ループが発生する。

    $ LOOP1:
    $  ON WARNING THEN GOTO LOOP1
    $  WAIT 0000 00:00:00.50
    $  READY = F$GETDVI("device:","AVL")
    $  IF READY .EQS. "FALSE" THEN GOTO LOOP1
    

    ここで,device: には,デバイス名を指定する。

  3. SYSGEN を起動する次のコマンドを追加する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
    
  4. 次の形式のコマンドを SYPAGSWPFILES.COM に追加する。 これらのコマンドは,システムがブートするたびに該当するファイルをインストールする。

    ページ・ファイルの場合は,次の形式を使用する。

    INSTALL ファイル指定/PAGEFILE

    例:

    INSTALL DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE
    

    スワップ・ファイルの場合は,次の形式を使用する。

    INSTALL ファイル指定/SWAPFILE

    例:

    INSTALL DUA2:[SYSTEM]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE
    
  5. EXIT コマンドを追加して SYSGEN を終了する。

    EXIT
    

デバイス DUA2: 上に存在する,PAGEFILE_1.SYS および SWAPFILE_1.SYS という名前のファイルをインストールする場合に,SYPAGSWPFILES.COM に追加するコマンドを示します。

$ EDIT SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM
  [add the following commands to SYPAGSWPFILES.COM:]
  ⋮

$ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DUA2: DISK_SYS2
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
  INSTALL DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS /PAGEFILE
  INSTALL DUA2:[SYSTEM]SWAPFILE_1.SYS /SWAPFILE
  EXIT

2.15 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの削除

重要:

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを削除する場合には,単にファイルだけを削除しないでください。 ファイルだけを削除した後,システム・ディスクを継続して使用していると,システム・ディスクが破損することがあります。

作業方法

  1. RENAME コマンドを使って,削除するファイルの名前を変更する。

  2. システムをシャットダウンし,リブートする。

  3. ファイルを削除する。

  4. ファイルを削除する場合は,SYPAGSWPFILES.COM および MODPARAMS.DAT から,そのファイルに関連するすべてのコマンド行を確実に削除するようにする。

$ RENAME DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS; DUA2:[SYSTEM]JUNK.SYS;
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM
 ⋮
[SHUTDOWN.COM shuts down and reboots the system]
[When the system reboots, log in]
 ⋮
$ DELETE DUA2:[SYSTEM]JUNK.SYS;

2.16 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更

性能を向上させるため,あるいはディスク空間の制約から,システム・ディスク以外のディスクにページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびシステム・ダンプ・ファイルを作成することがあります。 ただし,エラー・ログ・ファイルは,システム・ディスク上になければなりません。

次の項では,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびシステム・ダンプ・ファイルのさまざまな作成方法を説明します。

方法

参照箇所

AUTOGEN を使用 (標準的な方法)

2.16.1 項 「AUTOGEN を使用(標準的な方法)」

SWAPFILES.COM を使用 (1次ファイルのみ)

2.16.2 項 「SWAPFILES.COM の使用方法」

SYSGEN を使用

2.16.3 項 「SYSGEN の使用法」

2.16.1 AUTOGEN を使用(標準的な方法)

新しく作成し AUTOGEN を起動するファイルの名前,格納場所,およびサイズを指定するように,MODPARAMS.DAT にシンボルを追加することにより,AUTOGEN を使用して新しいシステム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルを作成することができます。 これらの作業を行う前に,AUTOGEN およびパラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT を理解しておく必要があります。 AUTOGEN については 1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」,MODPARAMS.DAT については 1.4.4 項 「AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について」 をそれぞれ参照してください。

AUTOGEN はシステム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルの適切なサイズを自動的に計算します。 また,ファイルを適切なサイズに変更し,インストールします。 AUTOGEN が計算するサイズは,ファイル MODPARAMS.DAT でシンボルを定義することにより制御できます。 詳細は2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」 を参照してください。

作業方法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルのサイズを変更するには,AUTOGEN を 2 段階に分けて実行します。

  • 次のコマンドを入力して,AUTOGEN の第 1 段階を起動する。 AUTOGEN は,システム・ファイルのサイズの計算結果を SYS$OUTPUT に表示する。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES
    
  • ステップ 1 で表示されたファイルのサイズが十分ではない場合は,2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」で説明したように,ファイルのサイズを制御するために MODPARAMS.DAT にシンボルを追加し,ステップ 1 に戻る。

  • ステップ 1 で表示されたファイルのサイズで十分な場合は,次のコマンドを使用して AUTOGEN の第 2 段階を実行する。 これにより,システムがリブートする時に,変更されたシステム・ファイルをインストールされる。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT
    
  • システムがブートされるたびに,変更されたファイルがインストールされるように,サイト固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYPAGSWPFILES.COM にコマンドを追加する。 詳細は2.14 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール」参照。

2.16.1.1 システム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの格納場所の制御

作成するページ・ファイルとスワップ・ファイルの名前と格納場所を指定するには,次のシンボルを MODPARAMS.DAT に追加します。

定義

ページ・ファイル

スワップ・ファイル

ダンプ・ファイル

ファイル名と格納場所

PAGEFILEn_NAME
= "ファイル指定"

SWAPFILEn_NAME
= "ファイル指定"

DUMPFILE_DEVICE="デバイス"

ただし,

  • n はページ・ファイルまたはスワップ・ファイルを指定する。 1 次ページ・ファイルと 1 次スワップ・ファイルを指定するときは,n に対して 1 を指定する。 その後のファイルを指定するときは,n に対して順に大きい整数値を指定する。 たとえば,2 次ページ・ファイルまたは 2 次スワップ・ファイルを参照するときは,n の値として 2 を指定する。

  • ファイル指定は,作成するファイルの完全なファイル指定であり,二重引用符 ("") で囲む必要がある。

  • デバイスは,使用するディスクの名前を指定し,二重引用符 ("") で囲む必要がある。

2.16.1.2 MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御

AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に情報を追加すると,AUTOGEN が計算するページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを制御することができます。 MODPARAMS.DAT にシステム・ファイルのサイズ情報を指定しないと,AUTOGEN は,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの省略時のサイズ計算を行います。

次のいずれかを指定するシンボルを,MODPARAMS.DAT で定義できます。

指定するサイズ

参照箇所

すべてのページ・ファイルまたはスワップ・ファイルで必要なサイズの合計。 (システム・ダンプ・ファイルに対しては無効)。

表 2-4 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル,エラー・ログ・ダンプ・ファイル空間の合計サイズを制御するシンボル」

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,またはダンプ・ファイルの個々のサイズ。

表 2-5 「個々のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを制御するためのシンボル」

注意:

ファイルの合計サイズと個々のサイズの両方を指定することはできません。 MODPARAMS.DAT 中のシンボル定義が矛盾する場合は,AUTOGEN は警告メッセージを表示します。

ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関しては,他にページ・ファイルおよびスワップ・ファイルがない場合のみ,AUTOGEN は SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS および SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS を操作します。 2 次ファイルがある場合は,AUTOGEN は2 次ファイルを操作し,1 次ファイルは操作から除外されます。 ただしインスタンスによっては,1 次ページ・ファイルおよび 1 次スワップ・ファイルが変更されることがあります。

VAX システムでは,システム・ダンプ・ファイルに対して,AUTOGEN は 1 つのファイルだけのサイズを操作します。 DUMPFILE_DEVICE が指定されていないときは,システム・ディスクのシステム・ダンプ・ファイルを操作し,DUMPFILE_DEVICE が指定されているときは,指定されたデバイスのシステム・ダンプ・ファイルを操作します。

VAX システムでは,DUMPFILE_DEVICE が指定されているときは,AUTOGEN はエラー・ログ・バッファに対して常に最小の SYSDUMP.DMP ファイルをシステム・ディスク上に作成します。

Alpha システムおよび I64 システムでは,AUTOGEN はシステム・ディスクのエラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズだけを操作します。

AUTOGEN が 1 次ファイルのサイズを変更することが望ましくない場合には,MODPARAMS.DAT に次のシンボルを指定してください。

PAGEFILE =   0
SWAPFILE =   0
DUMPFILE =   0
ERRORLOGDUMP = 0 ! Alpha and I64

これらのシンボルは,サイズを計算するときに,1 次ページ・ファイル,1 次スワップ・ファイル,および 1 次ダンプ・ファイルを無視するように AUTOGEN に要求します。

システム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成または拡張によって,ターゲット・ディスクの 95 パーセント以上が使用されると,AUTOGEN は警告を出し操作を実行しません。

しかし,Alpha システムおよび I64 システムでは,95 パーセントという規則はエラー・ログ・ダンプ・ファイル,SYS$ERRLOG.DMP に適用されません。 ディスクにファイルを格納できる場合には,このファイルが作成されます。

AUTOGEN を使用すると,現在のページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルよりも小さなファイルを作成できます。 システムをブートして新しいファイルを使用したら,必ず DCL コマンドの PURGE を実行してください。

現在インストールされているページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを確認するには,DCL コマンドの SHOW MEMORY/FILES を実行します。 これらのファイルのサイズを増やしたもののリブートしていない場合は,変更前のサイズが表示されます。 ダンプ・ファイルのサイズを確認するには,DIRECTORY コマンドを使用します。

注意:

値 0 を指定した場合,または現在のサイズの 10 パーセント以内のサイズを指定した場合,AUTOGEN はファイルのサイズを変更しません。

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,システム・ダンプ・ファイル,またはエラー・ログ・ダンプ・ファイルの全部の領域を制御するために,MODPARAMS.DAT で定義できるシンボルの一覧を表 2-4 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル,エラー・ログ・ダンプ・ファイル空間の合計サイズを制御するシンボル」 に示します。

表 2-4 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル,エラー・ログ・ダンプ・ファイル空間の合計サイズを制御するシンボル

操作

ページ・ファイル・シンボル

スワップ・ファイル・シンボル

ダンプ・ファイル・シンボル

エラー・ログ・ファイル・シンボル

空間の総量の定義

PAGEFILE = n[1]

SWAPFILE = n [1]

DUMPFILE = n [1]

ERRORLOGDUMP = n[1]

合計サイズの拡大

ADD_PAGEFILE = n

ADD_SWAPFILE = n

ADD_DUMPFILE = n

ADD_ERRORLOGDUMP = n

合計サイズの最大値の指定

MAX_PAGEFILE = n

MAX_SWAPFILE = n

MAX_DUMPFILE = n

MAX_ERRORLOGDUMP = n

合計サイズの最小値の指定

MIN_PAGEFILE = n

MIN_SWAPFILE = n

MIN_DUMPFILE = n

MIN_ERRORLOGDUMP = n

[1] n はブロック単位の合計サイズ。 n が 0 の場合,AUTOGEN の対応するセクションはスキップされる。 ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関しては,n が 0 でない場合,2次ファイルが存在しなければ,AUTOGEN はその値を1次ファイルに適用する。 n が 0 でない場合,2次ファイルが存在すれば,AUTOGEN は変更値をページ・ファイルまたはスワップ・ファイルのすべての2次ファイルに等分し,ほとんどの場合,1次ファイルは変更しない。

 

表 2-5 「個々のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを制御するためのシンボル」 は,個々のファイルのサイズを制御する場合に MODPARAMS.DAT に定義できるシンボルの一覧です。

表 2-5 個々のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを制御するためのシンボル

操作

ページ・ファイル・シンボル[1]

スワップ・ファイル・シンボル[1]

ファイル・サイズの指定

PAGEFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

SWAPFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

ファイル・サイズの拡大

ADD_PAGEFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

ADD_SWAPFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

最大ファイル・サイズの指定

MAX_PAGEFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

MAX_SWAPFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

最小ファイル・サイズの指定

MIN_PAGEFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

MIN_SWAPFILEn_SIZE = ブロック・サイズ

[1] n には,ページ・ファイルまたはスワップ・ファイル示す整数を指定する。 1 は1次ページ・ファイルまたは1次スワップ・ファイルを示し,それ以降のファイルでは値が増えていく。 たとえば,2次ページ・ファイルまたは2次スワップ・ファイルを指定する場合には,n の値を 2 にする。 ブロック・サイズにはサイズをブロック単位で指定する。

 

  1. すべてのページ・ファイルの合計サイズを 100,000 ブロック以下にするには,次の行を MODPARAMS.DAT に追加します。

    PAGEFILE = 100000
    

    1次ページ・ファイルだけしか存在しない場合,そのファイルのサイズは,100,000 ブロックになります。 ページ・ファイルが複数存在する場合には,現在の合計サイズと新しい合計サイズとの差が2次ファイルに配分されます。 たとえば,PAGEFILE = 100000 を指定すると,変更後のページ・サイズは次のようになります。

    ファイル

    元のサイズ (ブロック数)

    変更後のサイズ (ブロック数)

    1次ページ・ファイル

    10,000

    10,000

    2次ページ・ファイル 1

    30,000

    45,000

    2次ページ・ファイル 2

    30,000

    45,000

  2. 1次ページ・ファイルのサイズを 10,000 ブロックに設定するよう,AUTOGEN に指示するためには,シンボルを次のように定義します。

    PAGEFILE1_SIZE = 10000
    
  3. サイズが 30,000 ブロックの新しい2次スワップ・ファイル PAGED$:[PAGESWAP]SWAPFILE.SYS を作成するよう,AUTOGEN に指示するためには,シンボルを次のように定義します。

    SWAPFILE2_NAME = "PAGED$:[PAGESWAP]SWAPFILE.SYS"
    MIN_SWAPFILE2_SIZE = 30000
    

2.16.2 SWAPFILES.COM の使用方法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更する場合は,できるだけ AUTOGEN を使用するようにしてください。 ただし,1次ページ・ファイル,1次スワップ・ファイル,1次ダンプ・ファイルのサイズは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM を使用して変更することができます。 SWAPFILES.COM により,サイズを変更する前に,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの現在のサイズを見ることができます。

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更する場合は,2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」 で説明したように,MODPARAMS.DAT を編集して新しいサイズを指定する必要があります。 新しいサイズを MODPARAMS.DAT に指定しなかった場合,AUTOGEN は次回実行されたときにファイルのサイズを変更します。

このプロシージャにより,SYS$SYSTEM 内の現在のページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズと,システム・ディスクに残っている空間の量が表示され,新しいサイズを入力したり,既存のサイズを保持したりすることができるようになります。 既存のファイル・サイズよりも大きいサイズを指定すると,このプロシージャにより,ページ・ファイルまたはダンプ・ファイルのサイズが自動的に増やされます。 また,システムのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルに,小さいサイズを指定すると,新しくファイルが作成されます。

作業方法

  1. 次のコマンドを入力して,コマンド・プロシージャを起動する。

    $ @SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM
    
    システムは SYS$SYSTEM 内にある現在のファイルおよびそのサイズを表示する。 次の例を参照。
    Current file sizes are:
    
    Directory SYS$SYSROOT:[SYSEXE]
    
    PAGEFILE.SYS;1    16384
    SYSDUMP.DMP;1      4128
    SWAPFILE.SYS;1     3072
    
    Total of 3 files, 23584 blocks.
    
    There are 128741 available blocks on SYS$SYSDEVICE.
    

  2. 次のプロンプトに対して,ページ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。 サイズを変更しない場合は Return を押す。

    Enter new size for page file:
    

  3. 次のプロンプトに対して,ダンプ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。 サイズを変更しない場合は Return を押す。

    Enter new size for system dump file:
    

  4. 次のプロンプトに対して,スワップ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。 サイズを変更しない場合は Return を押す。

    Enter new size for swap file:
    

  5. システムをシャットダウンしてからリブートし,新しいファイルを使用できるようにする。

  6. システムをリブートした後,使用しなくなったファイルのコピーをパージする。 システムをリブートするまでは,古いファイルを削除しないこと。

  7. MODPARAMS.DAT を編集して,新しいファイル・サイズを取り込む (2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」 参照)。 MODPARAMS.DAT に新しいサイズを指定していない場合は,AUTOGEN が次回実行されるとき,自動的にファイルのサイズを変更する。

$ @SYS$UPDATE:SWAPFILES
To leave a file size at its current value type a
carriage return in response to its size prompt.
Current file sizes are:

Directory SYS$SYSROOT:[SYSEXE]

PAGEFILE.SYS;1    100000
SYSDUMP.DMP;1      28000
SWAPFILE.SYS;1     33000

Total of 3 files, 161000 blocks.

There are 128741 available blocks on SYS$SYSDEVICE.

Enter new size for page file: Return
Enter new size for system dump file: 30000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP;1 extended
Enter new size for swap file: Return


***********************************************************************
*  Please reboot in order for the new files to be used by the system. *
*  After rebooting, purge obsolete copies of the files.               *
*  DO NOT delete the old files until after the reboot.                *
***********************************************************************

2.16.3 SYSGEN の使用法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを作成する場合には,できるだけ AUTOGEN を使用してください。 AUTOGEN は,システム生成ユーティリティ(SYSGEN)を起動して,ファイルを作成または変更します。 ただし,緊急時には,システム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使用して,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを直接変更することができます。 たとえば,ページ・ファイルの空間が危険なほど少なくなっていることが分かった場合には,SYSGEN を利用して,ページ・ファイルの空間をすぐに追加し,システムのハングを防ぐことができます。

注意:

VAX:

システム・パラメータ SWPFILCNT および PAGFILCNT はそれぞれ,システムがインストールするスワップ・ファイルおよびページファイルの数を制限します。 詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

Alpha および I64:

OpenVMS Alpha および I64 は,1 つのシステムで最大で 254 のページ・ファイルまたはスワップ・ファイルあるいはその両方をサポートします。 システム・パラメータ SWPFILCNT および PAGFILCNT は,Alpha システムおよび I64 システムでは使用されません。

作業方法

  1. ファイルの位置と適切なサイズを調べる (2.4 項 「ダンプ・ファイル,ページ・ファイル,スワップ・ファイルのサイズの机上計算」 を参照)。

  2. SYSGEN を起動し,次の形式で CREATE コマンドを入力する。

    CREATE ファイル指定/SIZE=ブロック・サイズ

    ファイル指定には,完全ファイル指定を行う。

    ブロック・サイズには,ファイルのサイズをブロック数で指定する。

    指定したファイルがすでに存在する場合,指定したサイズが既存のファイルのサイズより大きければ,既存のファイルが拡大される。 指定したファイルがすでに存在する場合,指定したサイズが既存のサイズより小さければ,指定したサイズのファイルが新しく作成される。

    たとえば,次のコマンドは既存のページ・ファイル PAGEFILE.SYS を拡大する。

    SYSGEN> CREATE PAGEFILE.SYS/SIZE=100000
    

    SYSGEN の CREATE コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SYSGEN の節を参照。

    注意:

    ファイルの作成および削除を頻繁に行うと,ディスク上の空き空間が著しくフラグメンテーションする場合があります。 システム・ファイルの作成または拡張によって,そのファイルがフラグメンテーションされ,システムがブートできなくなると判断した場合,SYSGEN は HEADERFULL 警告メッセージを出します。 そのような場合には,ボリューム上の空き空間を 1 つの連続領域にまとめるため,システム・ボリュームをいったんバックアップしてから復元し (『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』参照) します。

    その後,SYSGEN の操作を再試行します。 SYSGEN が警告メッセージを出す場合には,ファイルのサイズは多少大きくなりますが,CREATE コマンドで指定したサイズまでにはなりません。

  3. 新しいファイルまたは変更したファイルを使用するために,リブートする必要があるかどうかを判断する。 次の表を参照。

    種類

    変更形態

    リブート

    1次ページ・ファイル
    1次スワップ・ファイル
    1次システム・ダンプ・ファイル
    エラー・ログ・ダンプ・ファイル[11]

    作成

    必要

     

    拡大

    必要

    2次ページ・ファイル
    2次スワップ・ファイル

    作成

    不要[12]

     

    拡大

    必要

    代替 (DOSD) ダンプ・ファイル (Alpha および I64)

    作成

    不要

     

    拡大

    不要

    代替 (DOSD) ダンプ・ファイル (VAX)

    作成

    必要

     

    拡大

    必要

    [11] 1次ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルは,それぞれ SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS,SWAPFILE.SYS,SYSDUMP.DMP。 エラー・ログ・ダンプ・ファイルは SYS$ERRLOG.DMP。

    [12] システムをリブートする必要はないが,システムで 2 次ファイルを利用する前に2次ファイルをインストールしなければならない。 詳細は2.14 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール」 を参照。

  4. ファイルの新しいバージョンを作成した場合には,システムのリブート後,古いバージョンをパージする。

  5. システムがブートされるたびに,ファイルが確実にインストールされるように,サイト固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYPAGSWPFILES.COM にコマンドを追加する。 操作手順については,2.14 項 「ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール」を参照。

  6. AUTOGEN が計算に従ってファイルのサイズを変更することが望ましくない場合には,MODPARAMS.DAT を変更して,これらのファイルのサイズを指定する。 2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」を参照。

既存のファイル PAGEFILE.SYS,SWAPFILE.SYS,および SYSDUMP.DMP を指定したサイズに拡大します。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> CREATE PAGEFILE.SYS/SIZE=100000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS;1 extended
SYSGEN> CREATE SWAPFILE.SYS/SIZE=30000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SWAPFILE.SYS;1 extended
SYSGEN> CREATE SYSDUMP.DMP/SIZE=33000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP;1 extended
SYSGEN> EXIT

2.17 プロセス・ダンプについて

単一プロセスが異常終了しても,オペレーティング・システムがまだ実行されている場合には,システムは,プロセスが異常終了した原因を判断するための補助として,プロセスに関する情報が含まれているプロセス・ダンプを作成することができます。

省略時の設定では,プロセス・ダンプは現在の省略時のディレクトリに書き込まれます。 これは,代替ディレクトリ・パスを識別するように論理名 SYS$PROCDMP を定義することによって,上書きすることができます。 プロセス・ダンプ・ファイルの名前は,プロセス・ダンプが書き込まれる時点でアクティブなメイン・イメージの名前と常に同じで,ファイル・タイプが .DMP であることに注意してください。

Alpha システムおよび I64 システムでは,プロセス・ダンプには完全プロセス・ダンプと部分プロセス・ダンプがあります。 完全プロセス・ダンプには,プロセス・スペースのすべてと,システム・スペースからの,プロセスに関連するデータのすべてが含まれます。 部分プロセス・ダンプには,プロセス・スペースからは,ユーザが読み込み可能なデータのみ,システム・スペースからはデータ構造のうち,機密度が高いと見なされないものだけが含まれます。 他社製ソフトウェアの暗号キーなど,特権が与えられたり保護されているデータは,機密度が高いとみなされます。

Alpha システムおよび I64 システムでは,DCL コマンド SET PROCESS/DUMP=NOW process-spec を使用して,別のプロセスのダンプを強制的に書き込むことができます。 このコマンドを実行すると,process-spec によって占有されているアドレス空間の内容が,process-spec の現在のディレクトリの image-name.DMP というファイルに直ちに書き込まれます。

DCL コマンド SET PROCESS/DUMP の詳細については,『OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』を参照してください。

2.17.1 特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha および I64)

ここでは,特権ユーザとは,次のいずれかの条件に一致するユーザです。

  • CMKRNL,CMEXEC,SYSPRV,READALL,または BYPASS のうち 1 つまたは複数の特権を持つ。

  • システム UIC グループ (省略時の設定では [10,n] 以下) のメンバである。 このようなユーザは,SYSPRV 特権を持っているかのように扱われる。

CMKRNL または CMEXEC を持っていれば,完全プロセス・ダンプを書き込むことができます。 ここに示された他の特権を持っていれば,プロセス・ダンプがどこに書き込まれていても,これを読み込むことができます。

通常,非特権ユーザは完全プロセス・ダンプを読み取ることができてはならないため,省略時の設定ではこれを読み取ることができません。 ただし,状況によっては,非特権ユーザが完全プロセス・ダンプを読み取ることが必要な場合もあります。 また,非特権ユーザが完全プロセス・ダンプを作成できる一方で,部分プロセス・ダンプだけを読み込むことができるようにすることが必要な場合もあります。

ライト識別子 IMGDMP$READALL により,非特権ユーザも完全プロセス・ダンプを読み込むことができるようになります。 ライト識別子 IMGDMP$PROTECT により,完全プロセス・ダンプが,そのプロセス・ダンプを作成した非特権ユーザによって読み込まれるのを防ぐことができます。 これらのライト識別子は,OpenVMS のインストール中にイメージ SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE によって作成されます。 このイメージは,システム・スタートアップ中にも自動的に実行され,これらのライト識別子が確実に正しい値および属性を伴って存在するようにします。

これらのライト識別子が削除されている場合には,SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE を実行すると再作成することができます。 次に例を示します。

$ RUN SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS
%PROCDUMP-I-CREATED, rights identifier IMGDMP$READALL successfully created
%PROCDUMP-I-CREATED, rights identifier IMGDMP$PROTECT successfully created

IMGDMP$READALL には属性がありませんが,IMGDMP$PROTECT は RESOURCE 属性を伴って作成されることに注意してください。

2.17.2 プロセス・ダンプへのアクセスの許可 (Alpha および I64)

非特権ユーザが完全プロセス・ダンプの書き込み/読み込みができるようにするには,そのユーザにライト識別子 IMGDMP$READALL を許可します。 IMGDMP$READALL ライト識別子がない場合には,イメージ SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE を実行してこれを作成します (2.17.1 項 「特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha および I64)」を参照)。 次に AUTHORIZE を使用して,このライト識別子をユーザに許可します。 次に例を示します。

$ DEFINE /USER SYSUAF SYS$SYSTEM:SYSUAF.DAT		!if necessary
$ RUN SYS$SYSTEM:AUTHORIZE
UAF> GRANT /IDENTIFIER IMGDMP$READALL <user>
UAF> EXIT

ライト識別子を実行できるようにするには,ユーザはいったんログアウトし,再びログインしなければなりません。 ライト識別子 IMGDMP$READALL を持つ非特権ユーザは,無制限に完全プロセス・ダンプの読み込み/書き込みができます。

2.17.3 プロセス・ダンプへのアクセスの制限 (Alpha および I64)

非特権ユーザが完全プロセスを書き込むことができるようにしながら,同時にユーザがそのプロセス・ダンプを読み込むことができないようにすることができます。 その場合,次の手順を行います。

  1. IMGDMP$PROTECT ライト識別子が存在しない場合には,イメージ SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE を実行してこれを作成する (2.17.1 項 「特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha および I64)」を参照)。

  2. ライト識別子 IMGDMP$PROTECT を使用して,保護されたディレクトリを作成する。 次に例を示す。

    $ CREATE /DIRECTORY DKA300:[PROCDUMPS] -
        /PROTECTION=(S:RWE,O:RWE,G,W) /OWNER_UIC=IMGDMP$PROTECT
    $ SET SECURITY DKA300:[000000]PROCDUMPS.DIR -
        /ACL=( (DEFAULT_PROTECTION,SYSTEM:RWED,OWNER:RWED,GROUP:,WORLD:), -
         (IDENTIFIER=IMGDMP$PROTECT,ACCESS=READ+WRITE), -
         (IDENTIFIER=IMGDMP$PROTECT,OPTIONS=DEFAULT, -
          ACCESS=READ+WRITE+EXECUTE+DELETE+CONTROL), -
         (CREATOR,ACCESS=NONE) )
    
  3. エグゼクティブ・モード論理名 SYS$PROTECTED_PROCDMP が,保護されたディレクトリを指すように定義する。 次に例を示す。

    $ DEFINE /SYSTEM /EXECUTIVE_MODE SYS$PROTECTED_PROCDMP DKA300:[PROCDUMPS]
    
  4. 保護されたディレクトリが含まれるディスクで DISKQUOTA を使用する場合には,プロセス・ダンプに使用する最大ディスク領域を指定する。 次に例を示す。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> DISKQUOTA CREATE /DEVICE=DKA300	! if necessary
    SYSMAN> DISKQUOTA ENABLE /DEVICE=DKA300	! if necessary
    SYSMAN> DISKQUOTA ADD IMGDMP$PROTECT /DEVICE=DKA300 /PERMQUOTA=10000
    SYSMAN> DISKQUOTA REBUILD /DEVICE=DKA300	! if necessary
    SYSMAN> EXIT
    
警告:

IMGDMP$PROTECT は,どのユーザにも許可しないでください。 これは,プロセス・ダンプの書き込み中に,必要に応じてエグゼクティブ・モードから SYS$SHARE:IMGDMP.EXE によって許可されたり,許可を取り消されたりします。 これをユーザに永久に許可すると,ユーザは,保護されたディレクトリに書き込まれたすべてのプロセス・ダンプのすべてにアクセスできるようになります。

保護されたディレクトリにさらに ACL を追加して設定し,どのユーザにそのディレクトリ内のプロセス・ダンプへの読み込みや書き込みを許可するかを,さらに厳しく制御することもできます。

高い特権を使用してイメージがインストールされたり,保護されたサブシステムに所属する場合にプロセス・ダンプを取るには,ユーザは CMKRNL 特権を保持していなければならず,定義上は特権ユーザに限られます (2.17.1 項 「特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha および I64)」を参照)。

プライバシー 本サイト利用時の合意事項
© 2011 Hewlett-Packard Development Company, L.P.