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システム管理者は,ターミナルやプリンタなどの周辺装置を設定し管理します。本章では,このような周辺装置に関連する作業について説明します。ディスクやテープなどの記憶媒体の管理については, 第 9 章 を参照してください。
本章では,次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
システム上の装置についての情報の取得 | 第 8.2 節 |
装置の機密保護特性の設定 | 第 8.3 節 |
装置の接続とデバイス・ドライバのロード | 第 8.4 節 |
OpenVMS Alpha システムに対する装置の自動構成 | 第 8.5 節 |
ターミナルの管理 | 第 8.6 節 |
モデムの管理 | 第 8.7 節 |
プリンタの管理 | 第 8.8 節 |
テープ・ドライブの管理 | 第 8.9 節 |
+ カード・リーダの管理 | 第 8.10 節 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
装置名 | 第 8.1 節 |
装置の構成 | 第 8.5.1 項 |
プリンタのスプール | 第 8.8.2 項 |
一部のシステムでは,装置名は ddcu の形式を取ります。 dd はデバイス・コード, c はコントローラ指定,u はユニット番号です。
ローカル DSA (Digital Storage Architecture) 装置は,どの物理コントローラに置かれているかに関係なく,コントローラ名として "A" を取ります。
一文字のコントローラ名を使用するためには,すべてのローカル DSA 装置のユニット番号を一意にする必要があります。ローカル・ディスクが置かれているコントローラが異なれば,同じユニット番号を使用することができます。
システムが OpenVMS Cluster 環境のメンバの場合,装置名の形式は次のような方法で決定します。
VAXcluseter または OpenVMS Cluster 環境における装置名の形式についての詳細は,『Compaq OpenVMS Cluster システム』を参照してください。 FC (Fibre Channel) ディスクとテープ装置の名前の形式については,『Compaq OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。
8.2 システムの装置情報の取得
システムに接続されている装置に関する情報が必要な場合は, DCL の SHOW DEVICES コマンドを使用します。
装置や修飾子を指定せずに,SHOW DEVICES とだけ入力した場合,システムは,認識するすべての装置情報を表示します。
装置が表示されない場合,その装置はシステムに認識されていません。装置が接続されていないか,ドライバがロードされていない可能性があります。手動で装置を接続し,そのデバイス・ドライバをロードしなければならないこともあります。詳細は 第 8.4 節 を参照してください。 |
SHOW DEVICE コマンドで装置名を指定した場合は,その装置の情報のみ表示します。修飾子を指定した場合は,現在ボリュームをマウントしているかどうか,またはプロセスに割り当てられているかどうかなど,装置の情報を表示します。SHOW DEVICES コマンドで使用可能な修飾子については,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
次に,SHOW DEVICES コマンドの様々な使い方を示します。装置保護は, RWPL (read, write, physical, logical) です。
SHOW DEVICES/FULL の場合は,ボリューム保護と装置保護が表示されます。さらに,ボリュームが保護されたサブシステムを有効にしていた場合はそれも表示されます。
$ SHOW DEVICES Device Device Error Volume Free Trans Mnt Name Status Count Label Blocks Count Cnt $11$DUA9: (SNAP) Online 0 $11$DUA10: (SNAP) Mounted 2 PAGE 83643 3 26 $11$DUA13: (SNAP) Mounted 0 WORK1 192297 36 26 $11$DUA23: (SNAP) Online 0 $11$DUA24: (SNAP) Mounted 0 MONITORPLUS 776808 86 26 DAD0: (TULIP) Online 0 DAD9: (TULIP) Online 0 DAD44: (TULIP) Mounted wrtlck 0 CDBIN06JUL23 97947 1 1 ROSE$MUA0: Online 0 LAVNDR$MUA0: Online 0 TULIP$MUA1: Online 0 IRIS$MUA1: HostUnavailable 0 OPA0: Online 0 DBA0: Offline 0 FTA0: Offline 0 FTA239: Online 0 LTA0: Offline 0 LTA3401: Online spooled 0 LTA3402: Online spooled 0 RTA0: Offline 0 RTA1: Mounted 1 RTA2: Mounted 0 RTB0: Offline 0 TXA0: Online 0 TXA1: Online 0 XT0: Offline 0 |
$ SHOW DEVICES/FULL DAD42: Disk DAD42: (IRIS), device type RRD40, is online, mounted, software write- locked, file-oriented device, shareable, error logging is enabled. Error count 0 Operations completed 146 Owner process "" Owner UIC [SYSTEM] Owner process ID 00000000 Dev Prot S:RWPL,O:RWPL,G:RWPL,W:RWPL Reference count 1 Default buffer size 512 Total blocks 1218000 Sectors per track 4 Total cylinders 50750 Tracks per cylinder 6 Allocation class 11 Volume label "CDBIN06JUL21" Relative volume number 0 Cluster size 3 Transaction count 1 Free blocks 15153 Maximum files allowed 152083 Extend quantity 5 Mount count 1 Mount status System Cache name "_$11$DUA21:XQPCACHE" Extent cache size 64 Maximum blocks in extent cache 1515 File ID cache size 64 Blocks currently in extent cache 0 Quota cache size 0 Maximum buffers in FCP cache 1330 Volume status: ODS-2, subject to mount verification, file high-water marking, write-through caching enabled. |
$ SHOW DEVICES/FULL DU Disk $11$DUA8: (SNAP), device type RA90, is online, mounted, file-oriented device, shareable, served to cluster via MSCP Server, error logging is enabled. Error count 0 Operations completed 334 Owner process "" Owner UIC [SYSTEM] Owner process ID 00000000 Dev Prot S:RWED,O:RWED,G:RWED,W:RWED Reference count 1 Default buffer size 512 Total blocks 2376153 Sectors per track 69 Total cylinders 2649 Tracks per cylinder 13 Host name "SNAP" Host type, avail HS70, yes Alternate host name "DRAGON" Alt. type, avail HS70, yes Allocation class 11 Volume label "DOCRES" Relative volume number 0 Cluster size 3 Transaction count 1 Free blocks 1211964 Maximum files allowed 297019 Extend quantity 5 Mount count 26 Mount status System Cache name "_$11$DUA21:XQPCACHE" Extent cache size 64 Maximum blocks in extent cache 121196 File ID cache size 64 Blocks currently in extent cache 0 Quota cache size 0 Maximum buffers in FCP cache 1330 Volume status: ODS-2, subject to mount verification, write-through caching enabled. Volume is also mounted on TANGO, WHOCRS, SIRE, BARKIN, SALT, SNEEZY, ARTIC, HEMMING, ROCKUP, HUTZPA, HAPPY, TOSIR, CHAIN, BOXER, SPELLN, WAYLND, ADAM, PINE, MONA, PALMER, WLDWND, ERICA, VALLEY. Disk $11$DUA9: (SNAP), device type RA90, is online, file-oriented device, shareable, served to cluster via MSCP Server, error logging is enabled. Error count 0 Operations completed 544 Owner process "" Owner UIC [SYSTEM] Owner process ID 00000000 Dev Prot S:RWED,O:RWED,G:RWED,W:RWED Reference count 0 Default buffer size 512 Total blocks 2376153 Sectors per track 69 Total cylinders 2649 Tracks per cylinder 13 Host name "SNAP" Host type, avail HS70, yes Alternate host name "DRAGON" Alt. type, avail HS70, yes Allocation class 11 |
ボリュームが適切にディスマウントされなければ,リビルドが必要になる場合があります。ボリュームのディスマウントが不適切というのは,たとえばシステムがクラッシュした場合です。SHOW DEVICES コマンドに /REBUILD_STATUS 修飾子を指定して,ボリュームのリビルドが必要であるかどうかを判断します。 /REBUILD_STATUS 修飾子は,/OUTPUT 修飾子以外のいかなる SHOW DEVICES 修飾子とも一緒に使用しないでください。
SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS は,各ボリュームに対して,次のいずれかの値を返します。
値 | 意味 |
---|---|
Yes | リビルドが必要 |
No | リビルドは不要 |
Not applicable | ボリュームはリビルドできない。ボリュームがディスクでないか,書き込み禁止に設定されている。 |
Information unavailable | リビルドの情報が得られない。ボリュームがマウントされていないか,マウント・チェックを実行中である。 |
ボリュームのリビルドには,次のいずれかの操作を行います。
次の例の装置 EMUL$DKB500 は,リビルドが必要です。
$ SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS Device Name Rebuild needed? ADU15$DKA300: Information unavailable EDIV$DKA300: Information unavailable EMUL$DKB200: No EMUL$DKB300: No EMUL$DKB500: Yes FTA0: Not applicable OPA0: Not applicable |
8.2.2 ISO 9660 形式の装置についての情報の取得
SHOW DEVICE コマンドを使用すれば, ISO 9660 形式の装置についての情報を表示することができます。次の例では,SHOW DEVICES/FULL コマンドを使って, ISO 9660 形式の CD- ROM についての情報を出力します。 ACP プロセス名が指定されていることと,ボリューム状態が ISO 9660 と表示されていることに注意してください。この表示は,マウントされたボリューム・セットのメンバが,相対ボリューム番号 (RVN) 1 ,64,65535 であることを示しています。
$ SHOW DEVICE DKA1/FULL |
Disk $1$DKA1: (VMSRMS), device type RRD40, is online, allocated, deallocate on dismount, mounted, software write-locked, file-oriented device, shareable, served to cluster via MSCP Server. Error count 0 Operations completed 9 Owner process "_FTA5:" Owner UIC [FIN,USER] Owner process ID 20200066 Dev Prot S:RWPL,O:RWPL,G:R,W Reference count 2 Default buffer size 512 Total blocks 256 Sectors per track 32 Total cylinders 1 Tracks per cylinder 8 Allocation class 1 Volume label "VOLUME_1" Relative volume number 1 Cluster size 0 Transaction count 1 Free blocks 0 Maximum files allowed 0 Extend quantity 0 Mount count 1 Mount status Process ACP process name "DKA1CACP" Volume status: ISO 9660. Members of this volume set are $1$DKA1: (rvn 1), $1$DKA7: (rvn 64), $1$DKA16: (rvn 65535). |
次のDCL コマンドを使って,装置に機密保護特性を設定できます。
これらのコマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
省略時の設定では,テープまたはディスク装置の割り当てには VOLPRO 特権が必要です。ただし,特権のないユーザには次の2通りでアクセスを許可できます。
VOLPRO 特権についての詳細は, 第 9.3.4 項 を参照してください。
8.3.1 個々の装置へのアクセスの付与
個々の装置へのアクセスを付与するには,SET SECURITY コマンドを,次のいずれかの方法で使用します。
$ SET SECURITY/CLASS=DEVICE DKA300/PROT=W:RWC |
上記の例では,DKA300装置のワールド読み込み,書き込み,および制御アクセスを付与します。
$ SET SECURITY/CLASS=DEVICE DKA300/ACL=(IDENTIFIER=CHEKOV, ACCESS=CONTROL) |
上記の例では,CHEKOV識別子を持つユーザへのDKA300 装置の制御アクセスを付与します。
8.3.2 すべての装置へのアクセスの付与
次の方法を使用すれば,特定のクラスのユーザに,すべての装置へのアクセスを付与できます。
$ SET SECURITY/CLASS=SECURITY_CLASS/PROFILE=TEMPLATE=DISK - _$ DEVICE/ACL=(ID=CHEKOV, ACCESS=R+W+D+C) |
このアクアセスは,将来はすべての指定の初期化装置に適用されます。
SYS$EXAMPLES:RESET_DEVICE_PROTECTION.COM |
このコマンド・プロシージャは,機密保護テンプレートですべての現在の装置に指定された保護に適用されます。
システムは,デバイス・ドライバ というソフトウェア・コンポーネントを使用して,特定のタイプの装置の入出力操作を制御します。OpenVMS システムで装置を使用するためには,その装置を接続して,対応するデバイス・ドライバをメモリにロードする必要があります。
AUTOCONFIGURE コマンドはシステムに物理的に接続されているすべての装置を接続して,対応するデバイス・ドライバをロードします。このコマンドを利用することによって,そうした作業が簡単になり,間違いを犯す可能性が少なくなります。
汎用スタートアップ・コマンド・ファイル STARTUP.COM には AUTOCONFIGURE コマンドが入っているので,装置を自動的に構成します。
VAX システムの STARTUP.COM には,次の自動構成用コマンドが入っています。
$ SYSGEN := $SYSGEN $ SYSGEN AUTOCONFIGURE ALL |
Alpha システムの STARTUP.COM には,次の自動構成用コマンドが入ってます。
$ SYSMAN := $SYSMAN $ SYSMAN IO AUTOCONFIGURE |
STARTUP.COM による自動構成の CONFIGURE フェーズでは,次の操作を行う独立プロセスを作成します。
ここで HSx 装置とは,HSC,HSG,HSJ 装置のいずれかを指します。 |
一般に,SCSI ディスクまたはテープを追加するときには,デバイスを接続する前に,システムをシャットダウンし,マシンの電源を切断する必要があります。システムに電源を投入すると,OpenVMS が自動的に装置を設定します。
HSZ シリーズのような一部のコントローラでは,SCSI バスを停止してから,装置の追加や取り外しを行うことができます。装置を追加するときには,AUTOCONFIGURE を返す必要があります。ただし,サービスを受けるストレージ・デバイスでは,システムが CONFIGURE プロセスを実行している必要があります。
また,システム起動時の装置の自動構成を禁止したい場合もあります。詳細は,次の表に示す項を参照してください。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
+ 手動による装置の接続とドライバのロード | 第 8.4.1 項 |
++ 手動による装置の接続とドライバのロード | 第 8.4.2 項 |
自動構成の禁止 | 第 8.4.3 項 |
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