Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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16.14 ページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール

SYS$SYSTEM にある1次ページ・ファイルと1次スワップ・ファイルは,システムによって自動的にインストールされます。ただし,その他のファイルが自動的にインストールされることはありません。このため,2次ページ・ファイルまたは2次スワップ・ファイルを作成した場合には,システム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使って,それらをインストールする必要があります。 SYSGEN の INSTALL コマンドは, INSTALL ユーティリティ・コマンドとは異なる働きをする点に注意してください。

16.14.1 会話型のインストール

  1. 次のコマンドを入力して,SYSGEN を起動する。


    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
    

  2. 次のように,SYSGEN の INSTALL コマンドを入力する。
    ページ・ファイルの場合は,次の形式で入力する。


    INSTALL ファイル指定/PAGEFILE 
    


    次の例を参照。


    SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE
    


    スワップ・ファイルの場合は,次の形式で入力する。


    INSTALL ファイル指定/SWAPFILE 
    


    次の例を参照。


    SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE
    

  3. システムがブートするたびにファイルがインストールされるように, SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM にステップ 2 で入力したコマンドを追加する。詳細は 第 16.14.2 項 を参照。


ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルを会話形式でインストールします。


$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE
SYSGEN> INSTALL DUA2:[PAGE_SWAP]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE

16.14.2 SYPAGSWPFILES.COM でのインストール

SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS,SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS 以外のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルは,システムがブートするたびにインストールしなおす必要があります。この作業は,スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM にファイルをインストールするコマンドを追加することによって自動化できます。テンプレート・ファイル SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.TEMPLATE には,このファイルがどのように使用されているかを説明するコメントが含まれます。

この作業を行う前には, 第 16.16 節 で説明したように,2次ファイルを作成しておく必要があります。

SYPAGSWPFILES.COM についての詳細は, 第 5.2.3 項 を参照してください。

また,SATELLITE_PAGE.COM を使って, OpenVMS Cluster サテライト・ノードのローカル・ディスク上に,ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルをインストールすることもできます。 SATELLITE_PAGE.COM は,CLUSTER_CONFIG.COM を実行すると作成されます。サテライト・ノードのローカル・ディスク上にページ・ファイルおよびスワップ・ファイルをインストールする方法については,『Compaq OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

作業方法

  1. SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM を編集するために,任意のエディタを起動する。

  2. 必要に応じて,ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルを保持するディスクをマウントするための MOUNT コマンドを追加する。この作業が必要なのは,SYPAGSWPFILES.COM の起動時には,システム・ディスクしかインストールされていないためである。
    例 :


    $ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DUA2: DISK_SYS2 
    


    MOUNT コマンドについては,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照。
    次のコマンドは,MOUNT コマンドの前に挿入する。このコマンドも,マウント前にディスクが使用できるかどうかを判断するのに有用である。ただし,ディスクが破損していてマウントできない場合は,これらのコマンドにより無限ループが発生する。


    $ LOOP1: 
    $  ON WARNING THEN GOTO LOOP1 
    $  WAIT 0000 00:00:00.50 
    $  READY = F$GETDVI("device:","AVL") 
    $  IF READY .EQS. "FALSE" THEN GOTO LOOP1 
    


    ここで,device: には,装置名を指定する。

  3. SYSGEN を起動する次のコマンドを追加する。


    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN 
    

  4. 次の形式のコマンドを SYPAGSWPFILES.COM に追加する。これらのコマンドは,システムがブートするたびに該当するファイルをインストールする。
    ページ・ファイルの場合は,次の形式を使用する。


    INSTALL ファイル指定/PAGEFILE 
    


    例:


    INSTALL DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS/PAGEFILE 
    


    スワップ・ファイルの場合は,次の形式を使用する。


    INSTALL ファイル指定/SWAPFILE 
    


    例:


    INSTALL DUA2:[SYSTEM]SWAPFILE_1.SYS/SWAPFILE 
    

  5. EXIT コマンドを追加して SYSGEN を終了する。


    EXIT 
    


装置 DUA2: 上に存在する, PAGEFILE_1.SYS および SWAPFILE_1.SYS という名前のファイルをインストールする場合に,SYPAGSWPFILES.COM に追加するコマンドを示します。


$ EDIT SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM 
  [add the following commands to SYPAGSWPFILES.COM:] 
   .
   .
   .
 
$ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DUA2: DISK_SYS2 
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN 
  INSTALL DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS /PAGEFILE 
  INSTALL DUA2:[SYSTEM]SWAPFILE_1.SYS /SWAPFILE 
  EXIT

16.15 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの削除

重要

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを削除する場合には,単にファイルだけを削除しないでください。ファイルだけを削除した後,システム・ディスクを継続して使用していると,システム・ディスクが破損することがあります。

作業方法

  1. RENAME コマンドを使って,削除するファイルの名前を変更する。

  2. システムをシャットダウンし,再ブートする。

  3. ファイルを削除する。

  4. ファイルを削除する場合は, SYPAGSWPFILES.COM および
    MODPARAMS.DAT から,そのファイルに関連するすべてのコマンド行を確実に削除するようにする。



$ RENAME DUA2:[SYSTEM]PAGEFILE_1.SYS; DUA2:[SYSTEM]JUNK.SYS;
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM
   .
   .
   .
[SHUTDOWN.COM shuts down and reboots the system] 
[When the system reboots, log in] 
   .
   .
   .
$ DELETE DUA2:[SYSTEM]JUNK.SYS;

16.16 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更

性能を向上させるため,あるいはディスク空間の制約から,システム・ディスク以外のディスクにページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびシステム・ダンプ・ファイルを作成することがあります。ただし,エラー・ログ・ファイルは,システム・ディスク上になければなりません。

次の項では,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびシステム・ダンプ・ファイルのさまざまな作成方法を説明します。

方法 参照箇所
AUTOGEN を使用 (標準的な方法) 第 16.16.1 項
SWAPFILES.COM を使用 (1次ファイルのみ) 第 16.16.2 項
SYSGEN を使用 第 16.16.3 項

16.16.1 AUTOGEN を使用(標準的な方法)

新しく作成し AUTOGEN を起動するファイルの名前,格納場所,およびサイズを指定するように,MODPARAMS.DAT にシンボルを追加することにより, AUTOGEN を使用して新しいシステム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルを作成することができます。これらの作業を行う前に, AUTOGEN およびパラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT を理解しておく必要があります。 AUTOGEN については 第 15.4 節 , MODPARAMS.DAT については 第 15.4.4 項 をそれぞれ参照してください。

AUTOGEN はシステム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルの適切なサイズを自動的に計算します。また,ファイルを適切なサイズに変更し,インストールします。 AUTOGEN が計算するサイズは,ファイル MODPARAMS.DAT でシンボルを定義することにより制御できます。詳細は 第 16.16.1.2 項 を参照してください。

作業方法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,およびダンプ・ファイルのサイズを変更するには,AUTOGEN を 2 段階に分けて実行します。

  1. 次のコマンドを入力して,AUTOGEN の第 1 段階を起動する。 AUTOGEN は,システム・ファイルのサイズの計算結果を SYS$OUTPUT に表示する。


    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES
    

  2. ステップ 1 で表示されたファイルのサイズが十分ではない場合は, 第 16.16.1.2 項 で説明したように,ファイルのサイズを制御するために MODPARAMS.DAT にシンボルを追加し,ステップ 1 に戻る。

  3. ステップ 1 で表示されたファイルのサイズで十分な場合は,次のコマンドを使用して AUTOGEN の第 2 段階を実行する。これにより,システムが再ブートする時に,変更されたシステム・ファイルをインストールされる。


    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT
    

  4. システムがブートされるたびに,変更されたファイルがインストールされるように,サイト固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYPAGSWPFILES.COM にコマンドを追加する。詳細は 第 16.14 節 参照。

16.16.1.1 システム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの格納場所の制御

作成するページ・ファイルとスワップ・ファイルの名前と格納場所を指定するには,次のシンボルを MODPARAMS.DAT に追加します。

定義 ページ・
ファイル
スワップ・
ファイル
ダンプ・
ファイル
ファイル名と格納場所 PAGEFILE n_NAME
= ファイル指定
SWAPFILE n_NAME
= ファイル指定
DUMPFILE_DEVICE= 装置

ただし,

16.16.1.2 MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御

AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に情報を追加すると, AUTOGEN が計算するページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを制御することができます。 MODPARAMS.DAT にシステム・ファイルのサイズ情報を指定しないと,AUTOGEN は,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの省略時のサイズ計算を行います。

次のいずれかを指定するシンボルを,MODPARAMS.DAT で定義できます。

指定するサイズ 参照箇所
すべてのページ・ファイルまたはスワップ・ファイルで必要なサイズの 合計。(システム・ダンプ・ファイルに対しては無効)。 表 16-4
ページ・ファイル,スワップ・ファイル,またはダンプ・ファイルの 個々のサイズ。 表 16-5

注意

ファイルの合計サイズと個々のサイズの両方を指定することはできません。 MODPARAMS.DAT 中のシンボル定義が矛盾する場合は, AUTOGEN は警告メッセージを表示します。

ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関しては,他にページ・ファイルおよびスワップ・ファイルがない場合のみ , AUTOGEN は SYS$SYSTEM:PAGEFILE.SYS および SYS$SYSTEM:SWAPFILE.SYS を操作します。 2 次ファイルがある場合は,AUTOGEN は2 次ファイルを操作し, 1 次ファイルは操作から除外されます。ただしインスタンスによっては, 1 次ページ・ファイルおよび 1 次スワップ・ファイルが変更されることがあります。

VAX システムでは,システム・ダンプ・ファイルに対して, AUTOGEN は 1 つのファイルだけのサイズを操作します。 DUMPFILE_DEVICE が指定されていないときは,システム・ディスクのシステム・ダンプ・ファイルを操作し, DUMPFILE_DEVICE が指定されているときは,指定された装置のシステム・ダンプ・ファイルを操作します。

VAX システムでは,DUMPFILE_DEVICE が指定されているときは, AUTOGEN はエラー・ログ・バッファに対して常に最小の SYSDUMP.DMP ファイルをシステム・ディスク上に作成します。

Alpha システムでは,AUTOGEN はシステム・ディスクのエラー・ログ・ダンプ・ファイルのサイズだけを操作します。

AUTOGEN が 1 次ファイルのサイズを変更することが望ましくない場合には, MODPARAMS.DAT に次のシンボルを指定してください。


PAGEFILE =   0 
SWAPFILE =   0 
DUMPFILE =   0 
ERRLOGDUMP = 0 ! Alpha only 

これらのシンボルは,サイズを計算するときに, 1 次ページ・ファイル,1 次スワップ・ファイル,および 1 次ダンプ・ファイルを無視するように AUTOGEN に要求します。

システム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成または拡張によって,ターゲット・ディスクの 95 パーセント以上が使用されると, AUTOGEN は警告を出し操作を実行しません。

しかし,Alpha システムでは,95 パーセントという規則はエラー・ログ・ダンプ・ファイル,SYS$ERRLOG.DMP に適用されません。ディスクにファイルを格納できる場合には,このファイルが作成されます。

AUTOGEN を使用すると,現在のページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルよりも小さなファイルを作成できます。システムをブートして新しいファイルを使用したら,必ず DCL コマンドの PURGE を実行してください。

現在インストールされているページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを確認するには,DCL コマンドの SHOW MEMORY/FILES を実行します。これらのファイルのサイズを増やしたものの再ブートしていない場合は,変更前のサイズが表示されます。ダンプ・ファイルのサイズを確認するには,DIRECTORY コマンドを使用します。

注意

値 0 を指定した場合,または現在のサイズの 10 パーセント以内のサイズを指定した場合, AUTOGEN はファイルのサイズを変更しません。

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,システム・ダンプ・ファイル,またはエラー・ログ・ダンプ・ファイルの全部 の領域を制御するために, MODPARAMS.DAT で定義できるシンボルの一覧を 表 16-4 に示します。

表 16-4 ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル,エラー・ログ・ダンプ・ファイル空間の合計サイズを制御するシンボル
操作 ページ・ファイル
・シンボル
スワップ・ファイル
・シンボル
ダンプ・ファイル
・シンボル
エラー・ログ・
ファイル・シンボル
空間の総量の定義 PAGEFILE = n 1 SWAPFILE = n 1 DUMPFILE = n 1 ERRLOGDUMP = n 1
合計サイズの拡大 ADD_PAGEFILE = n ADD_SWAPFILE = n ADD_DUMPFILE = n ADD_ERRLOGDUMP = n
合計サイズの最大値の指定 MAX_PAGEFILE = n MAX_SWAPFILE = n MAX_DUMPFILE = n MAX_ERRLOGDUMP = n
合計サイズの最小値の指定 MIN_PAGEFILE = n MIN_SWAPFILE = n MIN_DUMPFILE = n MIN_ERRLOGDUMP = n


1 n はブロック単位の合計サイズ。 n が 0 の場合, AUTOGEN の対応するセクションはスキップされる。ページ・ファイルとスワップ・ファイルに関しては, n が 0 でない場合,2次ファイルが存在しなければ, AUTOGEN はその値を1次ファイルに適用する。 n が 0 でない場合,2次ファイルが存在すれば, AUTOGEN は変更値をページ・ファイルまたはスワップ・ファイルのすべての2次ファイルに等分し,ほとんどの場合,1次ファイルは変更しない。

表 16-5 は,個々のファイルのサイズを制御する場合に MODPARAMS.DAT に定義できるシンボルの一覧です。

表 16-5 個々のページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを制御するためのシンボル
操作 ページ・ファイル・シンボル1 スワップ・ファイル・シンボル1
ファイル・サイズ
の指定
PAGEFILE n_SIZE = ブロック・サイズ SWAPFILE n_SIZE = ブロック・サイズ
ファイル・サイズ
の拡大
ADD_PAGEFILE n_SIZE = ブロック・サイズ ADD_SWAPFILE n_SIZE = ブロック・サイズ
最大ファイル・
サイズの指定
MAX_PAGEFILE n_SIZE = ブロック・サイズ MAX_SWAPFILEn_SIZE = ブロック・サイズ
最小ファイル・
サイズの指定
MIN_PAGEFILE n_SIZE = ブロック・サイズ MIN_SWAPFILE n_SIZE = ブロック・サイズ


1 n には,ページ・ファイルまたはスワップ・ファイル示す整数を指定する。 1 は1次ページ・ファイルまたは1次スワップ・ファイルを示し,それ以降のファイルでは値が増えていく。たとえば,2次ページ・ファイルまたは2次スワップ・ファイルを指定する場合には,n の値を 2 にする。ブロック・サイズにはサイズをブロック単位で指定する。


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