Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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  1. すべてのページ・ファイルの合計サイズを 100,000 ブロック以下にするには,次の行を MODPARAMS.DAT に追加します。


    PAGEFILE = 100000 
    


    1次ページ・ファイルだけしか存在しない場合,そのファイルのサイズは,100,000 ブロックになります。ページ・ファイルが複数存在する場合には,現在の合計サイズと新しい合計サイズとの差が2次ファイルに配分されます。たとえば, PAGEFILE = 100000 を指定すると,変更後のページ・サイズは次のようになります。

    ファイル 元のサイズ
    (ブロック数)
    変更後のサイズ
    (ブロック数)
    1次ページ・ファイル 10,000 10,000
    2次ページ・ファイル 1 30,000 45,000
    2次ページ・ファイル 2 30,000 45,000

  2. 1次ページ・ファイルのサイズを 10,000 ブロックに設定するよう, AUTOGEN に指示するためには,シンボルを次のように定義します。


    PAGEFILE1_SIZE = 10000 
    

  3. サイズが 30,000 ブロックの新しい2次スワップ・ファイル
    PAGED$:[PAGESWAP]SWAPFILE.SYS を作成するよう,AUTOGEN に指示するためには,シンボルを次のように定義します。


    SWAPFILE2_NAME = "PAGED$:[PAGESWAP]SWAPFILE.SYS" 
    MIN_SWAPFILE2_SIZE = 30000 
    

16.16.2 SWAPFILES.COM の使用方法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更する場合は,できるだけ AUTOGEN を使用するようにしてください。ただし,1次 ページ・ファイル, 1次 スワップ・ファイル, 1次 ダンプ・ファイルのサイズは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM を使用して変更することができます。 SWAPFILES.COM により,サイズを変更する前に,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの現在のサイズを見ることができます。

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更する場合は, 第 16.16.1.2 項 で説明したように, MODPARAMS.DAT を編集して新しいサイズを指定する必要があります。新しいサイズを MODPARAMS.DAT に指定しなかった場合, AUTOGEN は次回実行されたときにファイルのサイズを変更します。

このプロシージャにより,SYS$SYSTEM 内の現在のページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズと,システム・ディスクに残っている空間の量が表示され,新しいサイズを入力したり,既存のサイズを保持したりすることができるようになります。既存のファイル・サイズよりも大きいサイズを指定すると,このプロシージャにより,ページ・ファイルまたはダンプ・ファイルのサイズが自動的に増やされます。また,システムのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルに,小さいサイズを指定すると,新しくファイルが作成されます。

作業方法

  1. 次のコマンドを入力して,コマンド・プロシージャを起動する。


    $ @SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM
    


    システムは SYS$SYSTEM 内にある現在のファイルおよびそのサイズを表示する。次の例を参照。


    Current file sizes are: 
     
    Directory SYS$SYSROOT:[SYSEXE] 
     
    PAGEFILE.SYS;1    16384 
    SYSDUMP.DMP;1      4128 
    SWAPFILE.SYS;1     3072 
     
    Total of 3 files, 23584 blocks. 
     
    There are 128741 available blocks on SYS$SYSDEVICE. 
    

  2. 次のプロンプトに対して,ページ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。サイズを変更しない場合は Return を押す。


    Enter new size for page file: 
    

  3. 次のプロンプトに対して,ダンプ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。サイズを変更しない場合は Return を押す。


    Enter new size for system dump file: 
    

  4. 次のプロンプトに対して,スワップ・ファイルに必要なサイズをブロック単位で入力する。サイズを変更しない場合は Return を押す。


    Enter new size for swap file: 
    

  5. システムをシャットダウンしてから再ブートし,新しいファイルを使用できるようにする。

  6. システムを再ブートした後,使用しなくなったファイルのコピーをパージする。システムを再ブートするまでは,古いファイルを削除しないこと。

  7. MODPARAMS.DAT を編集して,新しいファイル・サイズを取り込む ( 第 16.16.1.2 項 参照)。 MODPARAMS.DAT に新しいサイズを指定していない場合は,AUTOGEN が次回実行されるとき,自動的にファイルのサイズを変更する。



$ @SYS$UPDATE:SWAPFILES
To leave a file size at its current value type a 
carriage return in response to its size prompt. 
Current file sizes are: 
 
Directory SYS$SYSROOT:[SYSEXE] 
 
PAGEFILE.SYS;1    100000 
SYSDUMP.DMP;1      28000 
SWAPFILE.SYS;1     33000 
 
Total of 3 files, 161000 blocks. 
 
There are 128741 available blocks on SYS$SYSDEVICE. 
 
Enter new size for page file: [Return]
Enter new size for system dump file: 30000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP;1 extended
Enter new size for swap file: [Return]
 
 
*********************************************************************** 
*  Please reboot in order for the new files to be used by the system. * 
*  After rebooting, purge obsolete copies of the files.               * 
*  DO NOT delete the old files until after the reboot.                * 
***********************************************************************

16.16.3 SYSGEN の使用法

ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを作成する場合には,できるだけ AUTOGEN を使用してください。 AUTOGEN は,システム生成ユーティリティ(SYSGEN)を起動して,ファイルを作成または変更します。 ただし,緊急時には,システム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使用して,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを直接変更することができます。たとえば,ページ・ファイルの空間が危険なほど少なくなっていることが分かった場合には,SYSGEN を利用して,ページ・ファイルの空間をすぐに追加し,システムのハングを防ぐことができます。

注意

VAX: システム・パラメータ SWPFILCNT および PAGFILCNT はそれぞれ,システムがインストールするスワップ・ファイルおよびページファイルの数を制限します。詳細は『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

Alpha: OpenVMS Alpha は,1 つのシステムで最大で 254 のページ・ファイルまたはスワップ・ファイルあるいはその両方をサポートします。システム・パラメータ SWPFILCNT および PAGFILCNT は, Alpha システムでは使用されません。

作業方法

  1. ファイルの位置と適切なサイズを調べる ( 第 16.4 節 を参照)。

  2. SYSGEN を起動し,次の形式で CREATE コマンドを入力する。


    CREATE ファイル指定/SIZE=ブロック・サイズ 
    


    ファイル指定には,完全ファイル指定を行う。
    ブロック・サイズには,ファイルのサイズをブロック数で指定する。
    指定したファイルがすでに存在する場合,指定したサイズが既存のファイルのサイズより大きければ,既存のファイルが拡大される。指定したファイルがすでに存在する場合,指定したサイズが既存のサイズより小さければ,指定したサイズのファイルが新しく作成される。
    たとえば,次のコマンドは既存のページ・ファイル PAGEFILE.SYS を拡大する。


    SYSGEN> CREATE PAGEFILE.SYS/SIZE=100000
    


    SYSGEN の CREATE コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SYSGEN の節を参照。

    注意

    ファイルの作成および削除を頻繁に行うと,ディスク上の空き空間が著しくフラグメンテーションする場合があります。システム・ファイルの作成または拡張によって,そのファイルがフラグメンテーションされ,システムがブートできなくなると判断した場合, SYSGEN は HEADERFULL 警告メッセージを出します。そのような場合には,ボリューム上の空き空間を 1 つの連続領域にまとめるため,システム・ボリュームをいったんバックアップしてから復元し ( 第 11.17 節 参照)します。
    その後,SYSGEN の操作を再試行します。 SYSGEN が警告メッセージを出す場合には,ファイルのサイズは多少大きくなりますが, CREATE コマンドで指定したサイズまでにはなりません。

  3. 新しいファイルまたは変更したファイルを使用するために,再ブートする必要があるかどうかを判断する。次の表を参照。

    種類 変更形態 再ブート
    1次ページ・ファイル
    1次スワップ・ファイル
    1次システム・ダンプ・ファイル
    エラー・ログ・ダンプ・ファイル 1
    作成 必要
      拡大 必要
    2次ページ・ファイル
    2次スワップ・ファイル
    作成 不要 2
      拡大 必要
    代替 (DOSD) ダンプ・ファイル (Alpha) 作成 不要
      拡大 不要
    代替 (DOSD) ダンプ・ファイル (VAX) 作成 必要
      拡大 必要


    11次ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルは,それぞれ SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS,SWAPFILE.SYS,SYSDUMP.DMP。
    2システムを再ブートする必要はないが,システムが利用する前に2次ファイルをインストールしなければならない。詳細は 第 16.14 節 を参照。

  4. ファイルの新しいバージョンを作成した場合には,システムの再ブート後,古いバージョンをパージする。

  5. システムがブートされるたびに,ファイルが確実にインストールされるように,サイト固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYPAGSWPFILES.COM にコマンドを追加する。操作手順については, 第 16.14 節 を参照。

  6. AUTOGEN が計算に従ってファイルのサイズを変更することが望ましくない場合には, MODPARAMS.DAT を変更して,これらのファイルのサイズを指定する。 第 16.16.1.2 項 を参照。


既存のファイル PAGEFILE.SYS,SWAPFILE.SYS,および SYSDUMP.DMP を指定したサイズに拡大します。


$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> CREATE PAGEFILE.SYS/SIZE=100000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS;1 extended
SYSGEN> CREATE SWAPFILE.SYS/SIZE=30000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SWAPFILE.SYS;1 extended
SYSGEN> CREATE SYSDUMP.DMP/SIZE=33000
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP;1 extended
SYSGEN> EXIT

16.17 プロセス・ダンプについて

単一プロセスが異常終了しても,オペレーティング・システムがまだ実行されている場合には,システムは,プロセスが異常終了した原因を判断するための補助として,プロセスに関する情報が含まれている プロセス・ダンプを作成することができます。

省略時の設定では,プロセス・ダンプは現在の省略時のディレクトリに書き込まれます。これは,代替ディレクトリ・パスを識別するように論理名 SYS$PROCDMP を定義することによって,上書きすることができます。プロセス・ダンプ・ファイルの名前は,プロセス・ダンプが書き込まれる時点でアクティブなメイン・イメージの名前と常に同じで,ファイル・タイプが .DMP であることに注意してください。

Alpha システムでは,プロセス・ダンプには完全プロセス・ダンプと部分プロセス・ダンプがあります。 完全プロセス・ダンプには,プロセス・スペースのすべてと,システム・スペースからの,プロセスに関連するデータのすべてが含まれます。 部分プロセス・ダンプ には,プロセス・スペースからは,ユーザが読み込み可能なデータのみ,システム・スペースからはデータ構造のうち,機密度が高いと見なされないものだけが含まれます。他社製ソフトウェアの暗号キーなど,特権が与えられたり保護されているデータは,機密度が高いとみなされます。

Alpha システムでは, DCL コマンド SET PROCESS/DUMP=NOW process-spec を使用して,ダンプを別のプロセスに強制的に書き込むことができます。このコマンドを実行すると, process-spec によって占有されているアドレス空間の内容が, process-spec の現在のディレクトリの image-name.DMP というファイルに直ちに書き込まれます。

DCL コマンド SET PROCESS/DUMP の詳細については,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』を参照してください。

16.17.1 特権ユーザおよびプロセス・ダンプへのアクセスについて (Alpha のみ)

ここでは,特権ユーザとは,次のいずれかの条件に一致するユーザです。

CMKRNL または CMEXEC を持っていれば,完全プロセス・ダンプを書き込むことができます。ここに示された他の特権を持っていれば,プロセス・ダンプがどこに書き込まれていても,これを読み込むことができます。

通常,非特権ユーザは完全プロセス・ダンプを読み取ることができてはならないため,省略時の設定ではこれを読み取ることができません。ただし,状況によっては,非特権ユーザが完全プロセス・ダンプを読み取ることが必要な場合もあります。また,非特権ユーザが完全プロセス・ダンプを作成できる一方で,部分プロセス・ダンプだけを読み込むことができるようにすることが必要な場合もあります。

ライト識別子 IMGDMP$READALL により,非特権ユーザも完全プロセス・ダンプを読み込むことができるようになります。ライト識別子 IMGDMP$PROTECT により,完全プロセス・ダンプが,そのプロセス・ダンプを作成した非特権ユーザによって読み込まれるのを防ぐことができます。これらのライト識別子は,OpenVMS のインストール中にイメージ SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE によって作成されます。このイメージは,システム・スタートアップ中にも自動的に実行され,これらのライト識別子が確実に正しい値および属性を伴って存在するようにします。

これらのライト識別子が削除されている場合には, SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE を実行すると再作成することができます。次に例を示します。


    $ RUN SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS 
    %PROCDUMP-I-CREATED, rights identifier IMGDMP$READALL successfully created 
    %PROCDUMP-I-CREATED, rights identifier IMGDMP$PROTECT successfully created 

IMGDMP$READALL には属性がありませんが,IMGDMP$PROTECT は RESOURCE 属性を伴って作成されることに注意してください。

16.17.2 プロセス・ダンプへのアクセスの許可 (Alpha のみ)

非特権ユーザが完全プロセス・ダンプの書き込み/ 読み込みができるようにするには,そのユーザにライト識別子 IMGDMP$READALL を許可します。 IMGDMP$READALL ライト識別子がない場合には,イメージ SYS$SYSTEM:IMGDMP_RIGHTS.EXE を実行してこれを作成します ( 第 16.17.1 項 を参照)。次に AUTHORIZE を使用して,このライト識別子をユーザに許可します。次に例を示します。


    $ DEFINE /USER SYSUAF SYS$SYSTEM:SYSUAF.DAT  !if necessary 
    $ RUN SYS$SYSTEM:AUTHORIZE 
    UAF> GRANT /IDENTIFIER IMGDMP$READALL <user> 
    UAF> EXIT 

ライト識別子を実行できるようにするには,ユーザはいったんログアウトし,再びログインしなければなりません。ライト識別子 IMGDMP$READALL を持つ非特権ユーザは,無制限に完全プロセス・ダンプの読み込み/書き込みができます。


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