HP OpenVMS Systems Documentation |
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Advanced Server は,OpenVMS AUTOGENユーティリティを使用して,必要とするリソースを要求します。 AUTOGENが Advanced Server 以外のプロセスの使用に必要なリソースを過小評価し, Advanced Server の起動時にそのリソースがすでに消費されていた場合, Advanced Server が予定した数のクライアントをサポートするためのリソースが十分残されていない可能性があります。
クライアントをサポートするために十分なリソースの割り当てを確保するには, Advanced Server と同時に実行されるソフトウェアがすべて, Advanced Server 構成プロシージャ (PWRK$CONFIG.COM)を実行する前にインストールされ起動されていなければなりません。トランスポートとしてTCP/IPが選択されている場合,PWRK$CONFIGプロシージャを実行する前にTCP/IP製品がロードされていることを確認します。
Advanced Server を正常に構成しても,クライアントをサポートするためのリソースが不十分であるとレポートして,起動しないことがあります。この場合,次のファイルを検査して増加させる必要があるシステム・リソースを判断します (nodename は,サーバ・ノードの名前)。
PWRK$LOGS:PWRK$CONFIG_ERROR_nodename.LOG |
リソースを増加させるには,MODPARAMS.DATファイルに適切な変更を加えた後, AUTOGENを実行します。
3.10.3 Advanced Server の再構成中に問題が発生した場合
以前に構成されたサーバを再構成する場合, PWRK$CONFIGコマンド・プロシージャは,PWRK$LMDOMAINS: および PWRK$LMDATAFILES: ディレクトリにサブディレクトリを作成し,元のアカウント・データベース・ファイルをそこに保存します。
サブディレクトリの名前は,16JUN200014314818.DIRのように,日付と時刻に基づいて決められ,これはディレクトリが16-JUN-2000の午後2:32頃に作成されたことを示しています。
構成中にエラーが発生した場合,サーバ構成は元の状態に戻されます。再構成が成功したことを確信している場合は,これらのサブディレクトリとその中のファイルを手動で削除することができます。
3.11 Advanced Serverのネットワーク・アダプタ
PWRK$CONFIG 構成では,PDC と通信するために,ネットワークを使用する必要がある場合があります。システムに複数のネットワーク・アダプタ (ネットワーク・インタフェース・カードとも呼ばれる) がある場合,PWRK$CONFIGによって選択されたデフォルトのアダプタが正しくないことがあります。また,いくつかの新しいシステムでは, Advanced Server はひとつしか存在しないネットワーク・アダプタでも認識できないことがあります。このような場合には,システム論理名を定義して, Advanced Server に特定のインタフェースを使用するように指示することができます。そのような論理名が定義されていなければ,PWRK$CONFIGは,既知のアダプタのリストからシステムで定義されている最初のアダプタ (アルファベット順)を選択します。
サーバが複数のネットワーク・アダプタにアクセスし,選択されたアダプタを使用したくない場合,または, Advanced Server が見つけられなかったり認識できないネットワーク・アダプタがシステムにある場合は,指定したトランスポートで使用するネットワーク・アダプタを手動で指定することができます。
3.11.1 ネットワーク・アダプタの手動による定義
特定のプロトコルで使用するためにネットワーク・アダプタを手動で定義するには,次の手順に従います。
$ @SYS$STARTUP:PWRK$STARTUP |
論理名 | トランスポート |
---|---|
NETBIOS$DEVICE | DECnet |
PWRK$KNBDAEMON_DEVICE | TCP/IP |
PWRK$NETBEUI_DEVICE | NetBEUI |
次の例は,DECnet,TCP/IP,および NetBEUI トランスポートに適切なネットワーク・アダプタを定義する方法をそれぞれ示しています。
$ DEFINE/SYSTEM NETBIOS$DEVICE EWA0: |
$ DEFINE/SYSTEM PWRK$KNBDAEMON_DEVICE ESA0: |
TCP/IPが複数のネットワーク・アダプタ上で実行されていて,そのうちの1つをAdvanced Serverが使用するよう選択する場合, TCP/IP トランスポート用に選択するアダプタが TCP/IPローカル・ホスト・データベースにリストされた最初のホストの IP アドレスに対応していることを確認してください (TCPIP SHOW HOST コマンドで確認できます)。そうしないと,関連する論理名 PWRK$KNBDAEMON_DEVICE とは異なるネットワーク・インタフェースの IP アドレスを Advanced Server が使用する可能があります。 しかし,そのインタフェースの IP アドレスを論理名 PWRK$KNBDAEMON_IPADDR に定義することにより,論理名 PWRK$KNBDAEMON_DEVICE によって定義されたのと同じインタフェースの IP アドレスを Advanced Server が確実に使用するように設定することができます。これにより,選択したアダプタが,ローカル・ホスト・データベースの最初の IP アドレスに対応しているかどうかを気にする必要がなくなります。 |
$ DEFINE/SYSTEM PWRK$NETBEUI_DEVICE ESA1: |
次の例のように,各プロトコルに対して同じアダプタを指定することができます。
$ DEFINE/SYSTEM NETBIOS$DEVICE EWA0: $ DEFINE/SYSTEM PWRK$KNBDAEMON_DEVICE EWA0: $ DEFINE/SYSTEM PWRK$NETBEUI_DEVICE EWA0: |
論理名PWRK$NETBEUI_DEVICE,PWRK$KNBDAEMON_DEVICE,および NETBIOS$DEVICEを使用して定義されたアダプタの名前は,下線(_)で始まっていてはなりません。下線で始まっている場合, PWRK$KNBDAEMON が起動しないで他のプロセスが起動し,それらのプロセスは正しく動作しません。 |
NETBIOS,PWRK$KNBDAEMON (TCP/IP用),およびPWRK$NBDAEMON (NetBEUI用) プロセスは,関連するネットワーク・アダプタがサーバ・ソフトウェアで認識されて,使用可能であることを必要とします。 Advanced Server ソフトウェアの現在のバージョンで認識されない新しいネットワーク・アダプタがリリースされることがあります。 Advanced Server が,選択されたネットワーク・アダプタを見つけられなかったり,認識しない場合,失敗した各プロセス(NETBIOS (必ず存在する),および PWRK$KNBDAEMON と PWRK$NBDAEMON (存在する場合)) は,それぞれのログ・ファイルにエラーを書き込みます。「 表 3-6, 未定義のアダプタ・メッセージ 」に,それぞれのプロセス,そのプロセスからのエラー・メッセージを記録するログ・ファイル,およびエラー・メッセージのテキストの例を示します。 表 3-6 の例では,サーバ・ノード名はMYNODEです。 3つのエラー・メッセージはすべて同じ意味 (つまり,サーバでそのようなデバイスは見つかりませんでした)です。
プロセス | ログ・ファイル名 |
---|---|
PWRK$KNBDAEMON | PWRK$LOGS:PWRK$KNBDAEMON_MYNODE.LOG |
メッセージ:
Tue Mar 24 13:13:50 2000 get_phys_addr: Failed to get Ethernet |
|
PWRK$NBDAEMON | PWRK$LOGS:PWRK$NBDAEMON_MYNODE.LOG |
メッセージ:
Tue Mar 24 13:13:50 2000 Failed to open datalink |
|
NETBIOS | PWRK$LOGS:NETBIOS_MYNODE.LOG |
メッセージ:
%NB-W-ERRSIGNAL, exceptional conditional detected at 24-Mar-2000 13:13:50.00 |
表 3-6 に記載されているいずれかのメッセージが表示された場合は,「 第 3.11.1 項, ネットワーク・アダプタの手動による定義 」で概要を説明したプロシージャを使用し,適切なプロセス用にネットワーク・アダプタを定義します。たとえば,サーバで未知のデバイスが報告された場合は, DEFINE/SYSTEM コマンドを入力して,サーバ上の各プロトコル用に適切なアダプタを定義します。
3.12 次のステップ
構成プロシージャの一部として, Advanced Server を自動的に起動することができます。
サーバを起動してよい場合は,「 第 5 章, Advanced Serverのインストール後の処理 」の指示を参照してください。
License Serverは,クライアントにライセンスを付与するために, OpenVMSシステム上で実行するソフトウェア・プログラムです。
この章では,スタンドアロンLicense Serverの構成と起動の方法について説明します。この章は,次の節から構成されます。
日本語 Advanced Server for OpenVMS の License Server は, PATHWORKS (LAN Manager) サーバ, PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) サーバ,および日本語 Advanced Server for OpenVMS サーバにアクセスする必要のあるクライアントに対してライセンスの認証を提供します。
License Serverは,クライアント別のライセンスに必要です。サーバ別のライセンスを使用する場合, License Serverを実行する必要はありません。
1つのLANごとに,クライアント別のライセンスをサポートするためのLicense Serverは1つのみ必要です。次のタイプのファイル・サーバにアクセスするクライアントのためのライセンスは,同じLicense Serverで管理できます。
日本語 Advanced Server for OpenVMS に付属のLicense Serverは,PATHWORKS for OpenVMS (NetWare)ライセンスの発行,および管理は行いません。NetWareネットワーク・ソフトウェアを使用するクライアントがある場合, Advanced Server を稼動するシステムとは異なるシステム上で,既存のバージョンのLicense Serverを維持します。
License Serverは,次のようにインストールすることができます。
License Serverは Advanced Server を持たない,決められたOpenVMSシステムにインストールすることを推奨します。したがって,日本語 Advanced Server for OpenVMS キットは,スタンドアロンLicense Serverをファイル・サーバとは別にインストールできるようになっています。また,この代わりに, Advanced Server のあるOpenVMS Cluster上でLicense Serverを実行すれば,クラスタ・フェイルオーバにより信頼性が向上します ( Advanced Server のないOpenVMS Cluster 上でもLicense Server を実行することができます)。
OpenVMSクラスタでは,PAKは共有ライセンス・データベースにロードしなければなりません。ライセンス管理についての詳細は,『 HP Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses 』を参照してください。
4.2 スタンドアロンLicense Serverを構成する前に
スタンドアロンLicense Serverは, Advanced Server のインストレーションに使用するのと同じソフトウェア・キットからインストールします。プロシージャについては,「 第 2 章, Advanced Server ソフトウェアのインストレーション 」で説明されています。
4.3 スタンドアロンLicense Serverの構成
LANのクライアントにライセンスを付与するよう,スタンドアロンLicense Serverを構成しなければなりません。したがって,クライアントが使用する適切なトランスポートを選択します。次のトランスポートを使用するよう License Serverを構成することができます。
License Server は,これらのタイプのトランスポートをすべてサポートしているので,スタートアップおよびシャットダウン・プロシージャは,サービスが予期せず中断されるのを防ぐために,注意深く設計されています。 License Server の起動およびシャットダウンは,ファイル・サーバ・コマンド・プロシージャ PWRK$STARTUP.COM およびPWRK$SHUTDOWN.COMを使用して行うことができます。スタンドアロンLicense Server の起動についての詳細は,「 第 4.6 節, スタンドアロンLicense Serverの起動方法 」を参照してください。
次の表に,PWRK$STARTUP.COM プロシージャの詳細について示します。
構成されているもの | 起動されるもの |
---|---|
DECnet | DECnet トランスポート |
NetBEUI | NetBEUI トランスポート |
TCP/IP | TCP/IP トランスポート |
DECnet | Advanced Server メール通知のためのDECnetトランスポート |
License Server | License Server コンポーネント |
次の節では,構成コマンド・プロシージャを使用して,スタンドアロンLicense Server用のトランスポートを構成する方法を説明します。
インストレーション・プロシージャが完了すると,OpenVMSのシステム・プロンプト ($)が表示されます。インストレーションに続いてシステムを再起動する場合は,次の手順を行います。
$ @SYS$UPDATE:PWRK$CONFIG |
4.5 License Serverの構成プロンプトへの応答方法
「 表 4-1, License Serverの構成プロンプト 」には,スタンドアロンLicense Serverの構成時に, PWRK$CONFIGが表示するプロンプトに対する応答方法を示します。
表 4-1 には,PWRK$CONFIGが表示するプロンプトだけを示し,情報メッセージは表示しません。構成スクリプトの完全な例については,「 付録 B,Advanced Server のインストレーションおよび構成の例 」を参照してください。 |
プロンプト | 行いたい操作 | 入力 |
---|---|---|
Enter disk device name where the Advanced Server data files will be stored [ default_device]: | サーバのオンディスク構成を,表示されるデフォルトの OpenVMSディスク・デバイスにコピーする。これらのデータ・ファイルを保管するためには, 5,000 ブロックの空きディスク容量が必要です。
(以前にPWRK$CONFIGを実行した場合,デフォルトのディスク・デバイスは,サーバを最後に構成したときに指定したデバイスとなる。) |
[Return] |
Advanced Server のオンディスク構成を,表示されるデフォルトのディスク・デバイス以外のOpenVMSディスク・デバイスにコピーする。 | device_name | |
Do you want to serve client-based licenses over DECnet [YES]: 1 | ライセンスをDECnet経由で付与する。 | [Return] |
ライセンスをDECnet経由で付与しない。 | NO | |
Do you want to serve client-based licenses over NetBEUI [NO]: 1 | ライセンスをNetBEUI経由で付与する。 | YES |
ライセンスをNetBEUI経由で付与しない。 | [Return] | |
Do you want to serve client-based licenses over TCP/IP [NO]: 1 | ライセンスをTCP/IP経由で付与する。 | YES |
ライセンスをTCP/IP経由で付与しない。 | [Return] | |
Do you want to start the Advanced Server License Server now [YES]: | 構成プロシージャ完了後にサーバを自動起動する。 | [Return] |
サーバを起動せずに,構成プロシージャを完了する。 | NO |
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