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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMSドキュメント
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目次
まえがき
第1章:システム構成の概要
第2章:ビジネス要件とアプリケーション要件の決定
第3章:システムの選択
第4章:インターコネクトの選択
第5章:ストレージ・サブシステムの選択
第6章:SCSI と Fibre Channel ストレージに対するマルチパスの構成
第7章:ストレージ・インターコネクトとしての Fibre Channel の構成
第8章:可用性を目的とした OpenVMS Cluster の構成
第9章:スケーラビリティを目的とした OpenVMS Cluster の構成
第10章:システム管理の手法
付録A :インターコネクトとしての SCSI
付録B :MEMORY CHANNEL 技術概要
付録C :マルチサイト OpenVMS Cluster
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OpenVMS Cluster 構成ガイド


目次 索引



AlphaServer コンソールは,FC インターコネクトの状態を確認するときに利用します。これにより,インターコネクトが正しくセットアップされているかをブート前に確認できます。 FC ディスク・デバイスでブートやダンプするときには, FC ディスク・デバイスのセットアップのためにコンソールから追加作業が必要です。次にこの作業内容を説明します。

7.6.1 コンソールによる FC 構成の確認

コンソールの SHOW コマンドは,コンソールから前回システムのI/O アダプタを調べたときに検出されたデバイスに関する情報を表示できます。他のインターコネクトと異なり,FC ディスク・デバイスは, SHOW DEVICE 出力に自動的には組み込まれません。 FC デバイスが WWID で識別され, WWID は SHOW DEVICE の出力に組み込むには大きすぎるためです。代わりに,コンソールには WWID を操作するコマンドが用意されています。これを wwidmgrコマンドといいます。このコマンドでは,FC デバイスに関する情報を表示したり,ブートやダンプに使用する FC デバイスのデバイス名を定義することができます。

wwidmgrコマンドの使用時には以下の点に着目してください。

  • wwidmgrコマンドを使用するとき,システムが AlphaServer model 8x00,4x00,または 1200 の場合,まず診断モードを起動します。他のどのプラットフォームでも, wwidmgrコマンドはいつでも発行できます。

  • wwidmgrコマンドによる変更内容は,次回のシステム初期化で初めて有効になります。 wwidmgrコマンドを実行した後に, initializeコマンドを実行してください。

wwidmgr コマンドの詳細については,『Wwidmgr Users' Manual』を参照してください。 (『Wwidmgr Users' Manual』は, Alpha Systems Firmware Update CD-ROM の [.DOC] ディレクトリにあります。)

以下の例は,AlphaServer 4100 システムで作成したものですが,wwidmgr コマンドの典型的な用例を示しています。他の環境では,さらに追加作業が必要であり,他のシステムにおける出力は少し異なる場合があります。

例 7-1 については,以下の点に着目してください。

  • wwidmgr -show wwidコマンドでは,システム上の FC デバイスの要約情報を表示できます。このコマンドでは,デバイス接続に関する情報は表示されません。

  • ここには,FC アダプタが 2 つとディスクが 5 つ表示されています。 ( どのディスクも接続先とは無関係にリストの最後に掲載されています。) この例で,各ディスクには HSG80 コンソールでデバイス識別子が割り当てられています。コンソールでは,この識別子をユーザ割り当てデバイス識別子 (UDID) として認識します。

例 7-1 wwidmgr -show wwid の使用
P00>>>SET MODE DIAG 
Console is in diagnostic mode 
P00>>>wwidmgr -show wwid 
polling kgpsa0 (KGPSA-B) slot 2,bus 0 PCI,hose 1 
kgpsaa0.0.0.2.1            PGA0        WWN 1000-0000-c920-a7db 
polling kgpsa1 (KGPSA-B) slot 3,bus 0 PCI,hose 1 
kgpsab0.0.0.3.1            PGB0        WWN 1000-0000-c920-a694 
[0] UDID:10 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 (ev:none) 
[1] UDID:50 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 (ev:none) 
[2] UDID:51 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 (ev:none) 
[3] UDID:60 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 (ev:none) 
[4] UDID:61 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 (ev:none) 

例 7-2 は,FC デバイスに関する情報と接続情報を wwidmgr show wwid -fullコマンドで表示したものです。この表示は 2 つに分かれています。

  • 最初の部分では,アダプタから FC ポートまでのパスをリストします。アダプタは KGPSAA などのコンソール・デバイス名で識別します。FC ポートは, 5000-1FE1-0000-0D14 など,それぞれの WWID で識別します。パスに FC ディスクがあると,そのパスの後にリストされます。FC ディスクはそれぞれの現在のコンソール・デバイス名で識別します。このデバイス名は WWID の後に付けます。

  • 表示リストの 2 番目の部分には,すべての FC ディスクと,必要なパスがリストされます。この部分で先頭が [0] UDID:10...の個所に,それぞれアダプタ KGPSAA と KGPSAB を通る 2 本のパスを持つパスが,各ディスクまで 4 本あるのがわかります。アダプタを通るパスは,いずれも HSG または HSV 上で別々のポートに達します。タイトルが Conの列は, FC ディスク装置がこのパスで使用している HSG コントローラまたは HSV コントローラに現在オンラインになっているかどうかを示します。

例 7-2 wwidmgr -show wwid -full の使用
P00>>>wwidmgr -show wwid -full 
 
kgpsaa0.0.0.2.1 
- Port: 1000-0000-c920-a7db   
 
kgpsaa0.0.0.2.1 
- Port: 2007-0060-6900-075b   
 
kgpsaa0.0.0.2.1 
- Port: 20fc-0060-6900-075b   
 
kgpsaa0.0.0.2.1 
- Port: 5000-1fe1-0000-0d14   
- dga12274.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
- dga15346.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 
- dga31539.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 
- dga31155.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 
- dga30963.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 
 
kgpsaa0.0.0.2.1 
- Port: 5000-1fe1-0000-0d11   
- dga12274.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
- dga15346.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 
- dga31539.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 
- dga31155.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 
- dga30963.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 
 
kgpsab0.0.0.3.1 
- Port: 1000-0000-c920-a694   
 
kgpsab0.0.0.3.1 
- Port: 2007-0060-6900-09b8   
 
kgpsab0.0.0.3.1 
- Port: 20fc-0060-6900-09b8   
 
kgpsab0.0.0.3.1 
- Port: 5000-1fe1-0000-0d13   
- dgb12274.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
- dgb15346.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 
- dgb31539.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 
- dgb31155.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 
- dgb30963.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 
 
kgpsab0.0.0.3.1 
- Port: 5000-1fe1-0000-0d12   
- dgb12274.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
- dgb15346.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 
- dgb31539.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 
- dgb31155.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 
- dgb30963.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 
 
 
[0] UDID:10 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 (ev:none) 
- current_unit:12274 current_col: 0 default_unit:12274   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     10 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     10 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     10 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     10 
 
[1] UDID:50 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 (ev:none) 
- current_unit:15346 current_col: 0 default_unit:15346   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     50 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     50 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     50 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     50 
 
[2] UDID:51 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 (ev:none) 
- current_unit:31539 current_col: 0 default_unit:31539   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     51 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     51 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     51 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     51 
 
[3] UDID:60 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 (ev:none) 
- current_unit:31155 current_col: 0 default_unit:31155   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     60 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     60 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     60 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     60 
 
[4] UDID:61 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 (ev:none) 
- current_unit:30963 current_col: 0 default_unit:30963   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     61 
-      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     61 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     61 
-      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     61 
 



7.6.2 FC ディスクのブートおよびダンプ用のセットアップ

ブートやダンプに使用する個々のデバイスのセットアップには, wwidmgrコマンドを使用します。デバイスをセットアップすると,コンソールからデバイスにアクセスするために必要な情報は不揮発性メモリに保存されます。システム構成が変更され,不揮発性情報が無効になった場合, wwidmgrコマンドを再実行する必要があります。

コンソールに用意されているコマンドは wwidmgr -quicksetというシンプルなコマンドです。このコマンドは,以下のどちらの場合にも使用できます。

  • デバイスを 1 つだけセットアップする場合。

  • セットアップするすべてのデバイスが HSG または HSV 上の同じポートを介してアクセスする場合。

上記のどちらも自分のケースに当てはまらない場合は,『Wwidmgr Users' Manual』を参照してください。

例 7-3 は, wwidmgr-quicksetコマンドの実行例です。以下の点に着目してください。

  • コマンド wwidmgr -quickset -udid 10は, HSG デバイス識別子または HSV デバイス識別子が 10 の FC ディスクをセットアップします。

  • コンソール・デバイス名は,パスに依存します。 FC ディスクにアクセスするパスには,それぞれ異なる名前が割り当てられます。この例では,ホストから FC ディスクまでの 4 本のパスに応じて wwidmgr -quicksetコマンドにより 4 つのコンソール・デバイス名が割り当てられています。

    • dga10.1001.0.2.1

    • dga10.1002.0.2.1

    • dgb10.1003.0.3.1

    • dgb10.1004.0.3.1

  • 2 番目のコマンド wwidmgr -quickset -udid 50は, HSG 識別子または HSV 識別子が 50 の FC ディスクをセットアップします。

  • wwidmgrコマンドによる変更内容は,次回のシステム初期化で初めて有効になります。したがって,次の操作では, initializeコマンドを実行します。

  • 初期化が済んだら,コンソール show deviceコマンドにより各 FC アダプタを表示します。コマンドには,アダプタから定義済みの各 FC ディスクまでのパスを指定します。各FC ディスクの,パスなしの OpenVMS デバイス名が 2 列目に表示されます。

例 7-3 widmgr -quickset の使用
P00>>>wwidmgr -quickset -udid 10 
 
Disk assignment and reachability after next initialization: 
 
 
6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
                          via adapter:         via fc nport:        connected: 
dga10.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes 
dga10.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb10.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes 
dgb10.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No 
P00>>>wwidmgr -quickset -udid 50 
 
Disk assignment and reachability after next initialization: 
 
 
6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 
                          via adapter:         via fc nport:        connected: 
dga10.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes 
dga10.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb10.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes 
dgb10.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No 
 
6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 
                          via adapter:         via fc nport:        connected: 
dga50.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes 
dga50.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb50.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes 
dgb50.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No 
P00>>>initialize 
Initializing... 
P00>>>show device 
polling ncr0 (NCR 53C810) slot 1,bus 0 PCI,hose 1   SCSI Bus ID 7 
dka500.5.0.1.1     DKA500                   RRD45  1645 
polling kgpsa0 (KGPSA-B) slot 2,bus 0 PCI,hose 1 
kgpsaa0.0.0.2.1            PGA0        WWN 1000-0000-c920-a7db 
dga10.1001.0.2.1   $1$DGA10                 HSG80  R024 
dga50.1001.0.2.1   $1$DGA50                 HSG80  R024 
dga10.1002.0.2.1   $1$DGA10                 HSG80  R024 
dga50.1002.0.2.1   $1$DGA50                 HSG80  R024 
polling kgpsa1 (KGPSA-B) slot 3,bus 0 PCI,hose 1 
kgpsab0.0.0.3.1            PGB0        WWN 1000-0000-c920-a694 
dgb10.1003.0.3.1   $1$DGA10                 HSG80  R024 
dgb50.1003.0.3.1   $1$DGA50                 HSG80  R024 
dgb10.1004.0.3.1   $1$DGA10                 HSG80  R024 
dgb50.1004.0.3.1   $1$DGA50                 HSG80  R024 
polling isp0 (QLogic ISP1020) slot 4,bus 0 PCI,hose 1   SCSI Bus ID 15 
dkb0.0.0.4.1       DKB0                     RZ1CB-CS  0844 
dkb100.1.0.4.1     DKB100                   RZ1CB-CS  0844 
polling floppy0 (FLOPPY) PCEB - XBUS hose 0   
dva0.0.0.1000.0    DVA0                      RX23 
polling ncr1 (NCR 53C810) slot 4,bus 0 PCI,hose 0   SCSI Bus ID 7 
dkc0.0.0.4.0       DKC0                     RZ29B  0007 
polling tulip0 (DECchip 21040-AA) slot 3,bus 0 PCI,hose 0 
ewa0.0.0.3.0       00-00-F8-21-09-74 Auto-Sensing 

例 7-4 は,FC システム・ディスクからブートするときのシーケンスです。以下の点に着目してください。

  • ブート・デバイスは $1$DGA50です。ここで,ユーザは,デバイスまでの 4 本すべてのパスを bootdef_devストリングに指定しています。これにより,どれかのパスに障害が発生してもシステムを確実にブートできます。

  • ブート・コマンド・ストリングの最初のパス dga50.1002.0.2.1は,現在は接続されていません ( つまり,このディスクは,そのパスの HSG80 に対してオンラインになっていません)。コンソールにこのことが表示され 2,3 回再試行し, bootdef_dev ストリングの次のパスに移動します。このパスは現在接続されているのでブートが成功します。

  • ブート後,OpenVMS SHOW DEVICE コマンドは,コンソール wwidmgr -quicksetコマンドによってセットアップされた 2 つの FC ディスクだけでなく, wwidmgr -show wwidコマンドによって表示された 5 つすべての FC デバイスが OpenVMS によって構成されたことを確認します。 OpenVMS SHOW DEV/MULTIPATH コマンドは, OpenVMS により各ディスクまでの 4 本のパスのすべてが構成されたことを確認します。

例 7-4 FC システム・ディスクによるブート・シーケンス
P00>>>set bootdef_dev dga50.1002.0.2.1,dga50.1001.0.2.1,dgb50.1003.0.3.1, 
dgb50.1004.0.3.1 
P00>>>b 
(boot dga50.1002.0.2.1 -flags 0,0) 
dga50.1002.0.2.1 is not connected 
dga50.1002.0.2.1 is not connected 
dga50.1002.0.2.1 is not connected 
dga50.1002.0.2.1 is not connected 
failed to open dga50.1002.0.2.1 
(boot dga50.1001.0.2.1 -flags 0,0) 
block 0 of dga50.1001.0.2.1 is a valid boot block 
reading 919 blocks from dga50.1001.0.2.1 
bootstrap code read in 
Building FRU table 
base = 200000,image_start = 0,image_bytes = 72e00 
initializing HWRPB at 2000 
initializing page table at 1f2000 
initializing machine state 
setting affinity to the primary CPU 
jumping to bootstrap code 
 
 
    OpenVMS (TM) Alpha Operating System,Version V7.2    
... 
 
$ SHOW DEVICE 
 
Device                  Device           Error    Volume         Free  Trans Mnt 
Name                   Status           Count     Label        Blocks Count Cnt 
$1$DGA10:     (FCNOD1)  Online               0 
$1$DGA50:     (FCNOD1)  Mounted              0  V72_SSB        4734189   303   1 
$1$DGA51:     (FCNOD1)  Online               0 
$1$DGA60:     (FCNOD1)  Online               0 
$1$DGA61:     (FCNOD1)  Online               0 
 
$ SHOW LOGICAL SYS$SYSDEVICE 
   "SYS$SYSDEVICE" = "$1$DGA50:" (LNM$SYSTEM_TABLE) 
 
$ SHO DEV/MULTI 
 
Device                  Device           Error         Current 
Name                   Status           Count  Paths    path 
$1$DGA10:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11 
$1$DGA50:     (FCNOD1)  Mounted              0   4/ 4  PGA0.5000-1FE1-0000-0D12 
$1$DGA51:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGA0.5000-1FE1-0000-0D13 
$1$DGA60:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D14 
$1$DGA61:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11 
Device                  Device           Error         Current 
Name                   Status           Count  Paths    path 
$1$GGA42:               Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11 



7.7 OpenVMS Integrity システムでの Fibre Channel ストレージ・デバイスからのブート

この節では,OpenVMS Integrity システムで Fibre Channel (FC) ストレージ・デバイスをブートする方法について説明しています。 FC ストレージは,OpenVMS システムでサポートするすべてのストレージ・アレイでサポートされます。

OpenVMS Integrity Version 8.2 は, PCI-X デュアル・チャネルの 2-Gb Fibre Channel ホストベース・アダプタ (HBA) である HP A6826A をサポートします。 A6826A HBA は次のソフトウェアとファームウェアをサポートします。

  • EFI ドライバ Version 1.40

  • RISC ファームウェア Version 3.03.001

Fibre Channel デバイスのブートでは,ポイント・ツー・ポイント・トポロジをサポートします。 FC arbitrated ループ・トポロジをサポートする予定はありません。

7.7.1 ブート可能ファームウェアのインストール

OpenVMS Integrity システムの FC デバイスからブートするためには, FC HBA のフラッシュ・メモリに格納されている EFI のブート可能ファームウェアをアップデートする必要があります。

FC HBA のフラッシュ・メモリの書き込みでは,次のコンポーネントのファームウェアをアップデートします。

  • EFI ドライバのファームウェア

  • RISC ファームウェア

  • HBA 上の FLASH ROM に常駐している NVRAM

IPF Offline Diagnostics and Utilities CD にある efiutil.efi ユーティリティを使用して,ファームウェアをアップデートします。

これらのファームウェアのアップデート手順は以下のとおりです。

  1. 「IPF Offline Diagnostics and Utilities IPF」CD を挿入します。このイメージは,以下のいずれかの方法で入手できます。

    • HP Software Depot サイトのメイン・ページから無料のイメージを申し込んでください:

      http://www.software.hp.com 
      


      Search バーで "ipf offline" と入力してください。

    • HP Support and Drivers の Web サイトから .iso マスター・イメージ・ファイルをダウンロードして,CD を作成してください。

      http://welcome.hp.com/country/us/en/support.html 
      


      Support your Product バーで,ご使用のサーバ製品を選択してください。

  2. システムで検出されたすべてのアダプタのファームウェアをバッチ・モードで書き込むには, EFI Boot Manager メニューの Boot Options list から EFI Shell を選択してください。
    EFI コンソールで次のコマンドを入力してください ( fs0:は CD-ROM のブート可能パーティションです):

    1. fs0:\efi\hp\tools\io_cards\fc2p2g\ efiutil all info
      このコマンドは,システム上のすべてのアダプタの現在の EFI ドライバと RISC ファームウェア・バージョンを出力します。

    2. fs0:\efi\hp\tools\io_cards\fc2p2g\ efiutil all efi_write
      このコマンドは EFI ドライバをアップデートします。

    3. fs0:\efi\hp\tools\io_cards\fc2p2g\ efiutil all risc_fw_write
      このコマンドは RISC ファームウェアをアップデートします。

    4. fs0:\efi\hp\tools\io_cards\fc2p2g\ efiutil all nvram_write
      このコマンドは NVRAM をアップデートします。

    5. fs0:\> reset
      このコマンドはシステムをリセットします。

  3. 別の方法として,次に示すように,アダプタ ID と ROM に書き込むファームウェアのファイル名を指定して,個々のアダプタに別々に書き込むこともできます。

    1. Boot Options リストから対応する DVD-ROM のエントリをブートします。あるいは,"Boot Option Maintenance Menu" を選択して CD メディアを指定し,"Boot from a File" を選択した後, "Removable Media Boot" を選択します。

    2. CD メイン・メニューから "View I/O Cards FW Update and Configuration Utilities, and MCA Menu" を選択した後,"2Gb Fibre Channel HBA Utility" を選択します。これにより,efiutil CLI ユーティリティが起動され,システムで検出された Fibre Channel アダプタの一覧が表示されます。

    3. インデックス番号を指定して Fibre Channel アダプタを選択します。 EFI ドライバ,RISC ファームウェア・ドライバ,NVRAM をアップデートします。すべてのアダプタがアップデートされるまで,この手順を繰り返します。次に例を示します。

      efiutil.efi> adapter 
       Adapter index number [0]? 
      efiutil.efi> efi_write 
      efiutil.efi> risc_fw_write 
      efiutil.efi> nvram_write 
      

    4. Quit と入力して efiutil CLI を終了します。この結果,"I/O Cards Firmware and Configuration Menu" に移ります。 q と入力して Main Menu へ戻ります。 Main Menu から X を選択して終了し,システムをリブートします。


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