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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)

第1章 システム・パラメータの管理

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:システムパラメータの管理
第2章:ページファイル/スワップファイル/ダンプファイルの管理
第3章:性能の管理
第4章:ファイルシステムのデータキャッシュの管理
第5章:UETPによるシステムのテスト
第6章:システムに関する情報の入手
第7章:リソース使用状況の調査
第8章:クラスタの管理
第9章:ネットワーク
第10章:LANの管理
第11章:InfoServerの管理
第12章:LATの管理
第13章:特殊処理環境の管理
第14章:DECdtmサービスの管理
付録A:Files-11ディスク構造
付録B:時差係数表
付録C:タイムゾーン
用語集
索引
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目次

1.1 システム・パラメータについて
1.1.1 省略時の値,現在値,アクティブ値
1.1.2 ページとページレット
1.2 パラメータ値の標準的な変更方法
1.3 AUTOGEN で使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換
1.4 AUTOGEN コマンド・プロシージャについて
1.4.1 AUTOGEN フィードバックについて
1.4.2 フィードバック・レポート (AGEN$PARAMS.REPORT) について
1.4.3 AUTOGEN のフェーズについて
1.4.4 AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について
1.5 AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更
1.5.1 MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御
1.5.2 AUTOGEN フィードバックに必要な最小稼働時間の指定 (VAX のみ)
1.5.3 外部パラメータ・ファイルの MODPARAMS.DAT への取り込み
1.5.4 DCL 文のログの停止
1.6 AUTOGEN レポートの自動化
1.6.1 AUTOGEN レポートを調べた後のパラメータ値の変更
1.7 SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理
1.7.1 パラメータ値と SYSMAN について
1.7.2 SYSMAN によるパラメータ値の表示
1.7.3 SYSMAN によるパラメータ・ファイルの変更
1.7.4 SYSMAN によるアクティブ値の変更
1.8 SYSGEN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理
1.8.1 パラメータ値と SYSGEN について
1.8.2 SYSGEN によるパラメータ値の表示
1.8.3 SYSGEN によるシステム・パラメータ・ファイルの変更
1.8.4 SYSGEN によるアクティブ値の変更
1.8.5 SYSGEN による新規パラメータ・ファイルの作成
1.9 会話型ブートによるシステム・パラメータの変更
1.10 BAP システム・パラメータのチューニング

システムをインストールまたはアップグレードすると,システム・パラメータの値は弊社の提供するコマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM (AUTOGEN) によって自動的に設定されます。 定期的に AUTOGEN を使用し,ハードウェア構成とシステムの作業負荷に合わせて,システム・パラメータの値を調整してください。

この章の内容

この章では,次の作業について説明します。

作業

参照箇所

AUTOGEN で使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換

1.3 項 「AUTOGEN で使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換」

AUTOGEN によるシステム・パラメータ値の変更 (標準的な方法)

1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」

MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定の制御

1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」

AUTOGEN レポートの自動化

1.6 項 「AUTOGEN レポートの自動化」

SYSMAN によるシステム・パラメータの管理

1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」

SYSGEN によるシステム・パラメータの管理

1.8 項 「SYSGEN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」

会話型ブートによるシステム・パラメータの管理

1.9 項 「会話型ブートによるシステム・パラメータの変更」

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

システム・パラメータ

1.1 項 「システム・パラメータについて」

システム・パラメータの省略時の値,現在値,アクティブ値

1.1.1 項 「省略時の値,現在値,アクティブ値」

ページとページレット

1.1.2 項 「ページとページレット」

システム・パラメータ値の標準的な変更方法

1.2 項 「パラメータ値の標準的な変更方法」

AUTOGEN.COM コマンド・プロシージャ

1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」

AUTOGEN フィードバック

1.4.1 項 「AUTOGEN フィードバックについて」

AUTOGEN フィードバック・レポート (AGEN$PARAMS.REPORT)

1.4.2 項 「フィードバック・レポート (AGEN$PARAMS.REPORT) について」

AUTOGEN のフェーズ

1.4.3 項 「AUTOGEN のフェーズについて」

AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT)

1.4.4 項 「AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について」

1.1 システム・パラメータについて

システムがどのように機能するかは,システム・パラメータの値によって制御されます。 システム・パラメータは,広範囲のシステム機能を制御します。 次に,システム・パラメータで制御できる機能の一部を紹介します。

  • メモリ管理

  • スケジューリング

  • 機密保護属性

  • システム・キャッシュ

  • ウィンドウ・システム選択

  • ターミナル構成

  • VAXcluster または OpenVMS Cluster システム属性

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』では,システム・パラメータの一覧を示し,各パラメータについて説明しています。

ディストリビューション・キットで提供されるシステム・パラメータの 省略時の値 は,どんな構成でもブートするように設定されています。 システムをインストールまたはアップグレードすると,SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM コマンド・プロシージャが実行され,システム構成の評価と主な作業負荷の予想を行い,必要に応じてシステム・パラメータの値を調整します。

各システム・パラメータには,許容値の範囲を定義する最大値と最小値が設定されています。

パラメータ・タイプ

各システム・パラメータのタイプは,次の 1 つまたは複数になります。

タイプ

説明

ダイナミック

ダイナミック・システム・パラメータの値は,メモリ内のアクティブ値を変更することによりシステムの稼働中に変更できる。 これに対してダイナミック・パラメータ以外のパラメータの値を変更する場合,パラメータ・ファイルに格納されている現在値を変更した後,システムをリブートして変更した値を有効にしなければならない。 アクティブ値と現在値についての詳細は,1.1.1 項 「省略時の値,現在値,アクティブ値」を参照。

汎用

汎用パラメータの値は,ブート時におけるデータ構造の作成と初期化に影響する。

メジャー

メジャー・パラメータは変更する必要性が最も高い。

特殊

特殊パラメータは,弊社で使用するためだけに用意される。 これらのパラメータは,弊社のエンジニアから指示があった場合,または弊社の製品のインストレーション・ガイドまたはリリース・ノートに示されている場合にのみ変更する。

機能別のパラメータ・カテゴリ

システム・パラメータは,その機能別に次のカテゴリに分けることができます。

カテゴリ

機能

ACP

ファイル・システム・キャッシュおよび Files-11 XQP (拡張 QIO プロシージャ),すなわち補助制御プロセス (ACP) に関連するパラメータ。[2]

クラスタ

VAXcluster または OpenVMS Cluster 操作を制御するパラメータ。

ジョブ

ジョブを制御するパラメータ。

LGI

ログイン・セキュリティを制御するパラメータ。

マルチプロセシング

対称型マルチプロセシングに関連するパラメータ。

PQL

プロセス作成上の制限とクォータに関連するパラメータ。

RMS

OpenVMS レコード管理サービス (RMS) に関連するパラメータ。

SCS

システム通信サービス (SCS) とポート・ドライバの操作を制御するパラメータ。 SCS 操作に影響するパラメータの先頭には SCS という文字列が付けられる。

SYS

システム操作全体に影響するパラメータ。

TTY

ターミナルの動作に関連するパラメータ。

ユーザ定義

次のパラメータはユーザが定義できる。

  • USERID1 (ダイナミック・パラメータ)

  • USERID2 (ダイナミック・パラメータ)

  • USER3

  • USER4

[2] ACP パラメータの多くは,Files-11 ディスク構造レベル 1 ディスクがマウントされている場合,あるいはマウント・コマンドで ACP が特に要求された場合にだけ適用できる。 バージョン 4.0 より前のオペレーティング・システムでは,ファイルのオープンやクローズ,ウィンドウ切り替えといった,ファイル操作は補助制御プロセス (ACP) という別のプロセスが行う。 バージョン 4.0 では,XQP (拡張 QIO プロシージャ) が導入され,これらの操作はシステム上の各プロセスが行うようになった。 互換性のため,パラメータの名前は変更されていない。

1.1.1 省略時の値,現在値,アクティブ値

システムの各システム・パラメータは,次の 4 種類の値をとります。

値の種類

説明

省略時の値

システムにあらかじめ設定されている値で,サポートされるどの構成でもブートできるように設定されている。

現在値

ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納され,システムのブート時に使用される値。

VAX システムの省略時のパラメータ・ファイルは VAXVMSSYS.PAR。

Alpha システムの省略時のパラメータ・ファイルは ALPHAVMSSYS.PAR。

I64 システムの省略時のパラメータ・ファイルは IA64VMSSYS.PAR。

アクティブ値

メモリに格納され,システムの稼働中に使用される値。 システムの稼働中に変更できるアクティブ値は,カテゴリがダイナミック・システム・パラメータであるシステム・パラメータの値に限られる。

他のパラメータ・ファイルに格納されている値

現在値を格納する省略時のパラメータ・ファイル以外にも,特別な目的のパラメータ・ファイルを作成できる。

ブート時,システムは現在値をメモリに読み込み,アクティブ値を作成します。 変更がない限り,アクティブ値と現在値は同じです。

AUTOGEN コマンド・プロシージャの SETPARAM フェーズを実行すると,現在値が変更されます。

SYSMAN ユーティリティと SYSGEN ユーティリティにより,現在値アクティブ値の両方を表示または変更できます。 表示したり変更したい値を指定するには,USE コマンドおよび WRITE コマンドを使用します。

SYSMAN によるパラメータの管理についての詳細は,1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照してください。 SYSGEN によるパラメータの管理についての詳細は,1.8 項 「SYSGEN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照してください。

1.1.2 ページとページレット

VAX システムでは,オペレーティング・システムはページと呼ばれる単位を使って,プロセスに対するメモリの割り当てや割り当て解除を行います。 VAX システムのページ・サイズは 512 バイトです。 システム・パラメータのいくつかはページ単位で割り当てられます。

Alpha システムおよび I64 システムでは,システム・パラメータのいくつかはページ単位で割り当てられますが,ページレット単位で割り当てられるシステム・パラメータもあります。

Alpha と I64 のどちらも,いろいろなページ・サイズをサポートしています。 OpenVMS オペレーティング・システムでは,現在,Alpha システムと I64 システムで 8KB (8192 バイト) のページを使用しています。 ページレットとは,512 バイトのメモリ単位です。 Alpha システムまたは I64 システムの 1 ページレットは VAX の 1 ページと同じサイズです。 また,ページ・サイズが 8KB の Alpha システムまたは I64 システムでは,16 ページレットが 1 ページと等しくなります。

パラメータ値,特にメモリ管理に関連するパラメータを調べる場合には,各パラメータに必要な割り当て単位に注意してください。 1.7.2 項 「SYSMAN によるパラメータ値の表示」1.8.2 項 「SYSGEN によるパラメータ値の表示」 では,パラメータ値とその割り当て単位を表示する方法が説明されています。

1.2 パラメータ値の標準的な変更方法

システム・パラメータの多くは,他のパラメータやシステムの性能に影響します。 したがって,システム・パラメータを管理するときにはコマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM (AUTOGEN) を使用してください。 AUTOGEN については,1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」 を参照してください。

またシステム・パラメータの管理は,SYSMAN ユーティリティや SYSGEN ユーティリティを使って行うこともできます。 パラメータ値の変更にこれらのユーティリティを使用するのは一般的ではありません。 しかし,次の場合には使用できます。

  • VAX,Alpha,または I64 システム上で,システム・パラメータとその値を表示する場合

  • OpenVMS Cluster 環境のシステムのシステム・パラメータとその値を表示する場合

  • 他のパラメータにほとんど影響のないパラメータを単独で,一時的に変更する場合

重要:

SYSMAN または SYSGEN を使ってパラメータ値を変更すると,AUTOGEN の実行時に,値が省略時の値に変更されたり再設定されることがあります。 AUTOGEN を実行してもパラメータの変更内容が保持されるようにするためには,変更した値を AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に追加します。 詳細は 1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照してください。

カスタマイズ済みのパラメータ設定を MODPARAMS.DAT に追加してなく,SYSMAN または SYSGEN を使用してパラメータを変更しようとする場合は,AUTOGEN を実行する前に 1.3 項 「AUTOGEN で使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換」の指示に従ってください。

1.3 AUTOGEN で使用するためのカスタマイズ済みパラメータ設定の変換

システムのチューニングには,できるだけ AUTOGEN コマンド・プロシージャを使用するようにしてください。 システム管理ユーティリティ (SYSMAN) またはシステム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使用してシステム・パラメータ値を変更し,その変更内容を AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に保存しなかった場合,これらの変更内容は次に AUTOGEN を実行したときに上書きされます。

以前に,SYSMAN または SYSGEN を使ってパラメータ値を変更した場合は,AUTOGEN で使用できるように,次の手順でパラメータ設定を変更します。 この手順に従うと,AUTOGEN を実行してもその設定が維持されるように,カスタマイズ済みパラメータ設定を MODPARAMS.DAT に追加することができます。

この作業を行う場合は,その前に 1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」を参照して,AUTOGEN,フィードバック,AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT について理解しておいてください。

  1. システムが現在使用しているパラメータ値を保存する。 次に例を示す。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE ACTIVE
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR
    
  2. アクティブ・パラメータ値のリストをノード名_PARAMS.OLD という ASCII ファイルに書き込む。 次に例を示す。

    SYSMAN> PARAMETERS SHOW/ALL/OUTPUT=ノード名_PARAMS.OLD
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW/SPECIAL/OUTPUT=ノード名_PARAMS_SPECIAL.OLD
    SYSMAN> EXIT
    $ APPEND ノード名_PARAMS_SPECIAL.OLD ノード名_PARAMS.OLD
    

    このファイルは,ステップ 6 で使用する。

  3. AUTOGEN のパラメータ・ファイル SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT を編集してシンボルを定義し,以下の値を指定する。

    • AUTOGEN で算出されないパラメータ値 (SCSNODE,SCSSYSTEMID など)。 AUTOGEN で算出されるパラメータについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN の説明の部分にある表を参照。

    • 使用するシステムの作業負荷に合うように調整する必要のある,すべてのパラメータ値 (GBLPAGES,GBLSECTIONS など)。

    値の指定は,明示的に行うのではなく,MIN_パラメータ名,MAX_パラメータ名,ADD_パラメータ名のいずれかの形式を使用してシンボルを定義する。 次に例を示す。

    $ EDIT SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT
    
    SCSNODE = "MYNODE"      ! Not calculated by AUTOGEN
    SCSSYSTEMID = 10001     ! Not calculated by AUTOGEN
    MIN_GBLPAGES = 10000    ! Needed for MCS, BLISS32, and ADA
    MIN_GBLSECTIONS = 600   ! Needed for MCS, BLISS32, and ADA
    

    MODPARAMS.DAT に加えた変更内容を分かりやすく示すために,各行にコメントを追加する。 コメントの先頭には感嘆符(!) を付ける。 MODPARAMS.DAT にシンボルを定義する方法については,1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照。

  4. AUTOGEN を実行する。 ただし,リブートはしない。 システムに応じて次のいずれかのコマンドを使用する。

    • システムをブートしてから 24 時間以上通常の作業負荷を実行している場合は,次のコマンドを使用する。

      $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS SETPARAMS FEEDBACK
      

      SAVPARAMS フェーズでは,稼働中のシステムに対する資源使用量についてのフィードバック情報を収集する。 この情報は AUTOGEN が使用する。 このコマンドにより作成される SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT というフィードバック・レポートからピーク時の資源使用量を知ることができる。

    • 以前に収集したフィードバック・ファイルを使いたい場合は,次のコマンドを使用する。

      $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS FEEDBACK
      

      GETDATA フェーズから起動すると,AUTOGEN は現在のフィードバックを収集しない。

    • 新しいシステムの場合 (すなわちフィードバックがない場合),あるいはシステムが最後にブートして以来行ったアクティビティがほとんどないため (たとえば,週末にかかっていた場合など),有効なフィードバック・ファイルがない場合には,次のコマンドを使用する。

      $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS CHECK_FEEDBACK
      

      フィードバックが有効かどうかを AUTOGEN に判断させるには,CHECK_FEEDBACK を使用する。

  5. 新しいパラメータ値のリストを ASCII ファイルに書き込む。 次に例を示す。

    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW /ALL /OUTPUT=ノード名_PARAMS.NEW
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW /SPECIAL /OUTPUT=ノード名_PARAMS_SPECIAL.NEW
    SYSMAN> EXIT
    $ APPEND ノード名_PARAMS_SPECIAL.NEW; ノード名_PARAMS.NEW
    
  6. 古いパラメータ値と新しいパラメータ値を比較する。 次に例を示す。

    $ DIFFERENCES/PARALLEL/OUTPUT=ノード名_PARAMS.DIF/MATCH=5  -
    _$ ノード名_PARAMS.OLD ノード名_PARAMS.NEW
    
  7. ステップ 6 で作成した差分ファイル (ファイル名の形式は ノード名_PARAMS.DIF) を出力する。 出力は読み易さを考えて 132 カラムのライン・プリンタで行う。

  8. 各パラメータ名カラムの後の 2 つのカラムの数値を比較する。 左側のカラムには古い値,右側のカラムには新しい値が示されている。 図 1-1 「パラメータの古い値と新しい値」 に,出力の例を示す。

    図 1-1 パラメータの古い値と新しい値

    パラメータの古い値と新しい値

  9. MIN_,MAX_,ADD_ のいずれかが先頭に付いたシンボルを使って,MODPARAMS.DAT の調整を行う。 たとえば,AUTOGEN により GBLPAGES に比較的小さい値が算出された場合,次のようにして,このパラメータに最小値を指定することができる。

    MIN_GBLPAGES = 10000
    

    ステップ 3 で MODPARAMS.DAT にパラメータ値を指定したのに,そのパラメータが変更されていない場合は,次の事柄をチェックする。

    • パラメータ名のスペルが正しく完全である (省略されていない) こと。 MODPARAMS.DAT では,AUTOGEN はパラメータをシンボル割り当てとして認識する。 スペルミスがあると,AUTOGEN はシンボルと対応するシステム・パラメータとを同一のものとして認識することができない。 AUTOGEN により作成されるエラー・メッセージについては,AGEN$FEEDBACK.REPORT を参照。

    • 値が正しいこと。 桁数を数え,コンマが入っていないことを確認する。

    • このパラメータが MODPARAMS.DAT に一度だけしか指定されていないこと。

    • パラメータがコメントアウトされていないこと。

    ほとんどのパラメータは,新しい値の方が古い値よりも大きければ,AUTOGEN による設定を受け入れる。 新しい値の方が古い値よりも小さい場合は,AUTOGEN の実行時にその資源を使用できなかったため,古い値を残しておくようにする。

    たとえば,SYSMAN を使って,レイヤード製品に合うように GBLPAGES を 10,000 に増やしたのに,その変更内容を MODPARAMS.DAT に保存しなかった場合,AUTOGEN はシステムが必要とするのは 5,000 グローバル・ページだけであると算出する。 この場合,AUTOGEN の実行後リブートすると,レイヤード製品の一部がインストールされずに,システム・メッセージ GPTFULL (global page table full) が表示されて,さらに GBLPAGES が必要であることが示される。

  10. 満足できるパラメータ値が決まるまで,ステップ 3 以降を繰り返す。

    必要ならば,MODPARAMS.DAT にさらに変更を加え,AUTOGEN を再度実行し,上述したようにその変更内容をチェックする。 通常,AUTOGEN のチェックに 2 回パスすれば,このパラメータ値が確定し,リブートすることができる。

  11. リブートする。 リブートすると,新しいパラメータ値が有効になる。 リブートには AUTOGEN は必要ないし,またすぐにリブートする必要もない。 ただし,新しいパラメータ値が使用される前にリブートする必要がある。

    システムがブートしない場合は,会話型ブートを行い,ステップ 1 で作成したバックアップ・パラメータ・ファイルを使用する。

    SYSBOOT> USE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR
    SYSBOOT> CONTINUE
    

    CONTINUE コマンドを入力すると,AUTOGEN の実行前に保存したパラメータ値でシステムがブートされる。

    システムのブート後,古いパラメータ値が必要になった場合は,次のコマンドを使用する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE SYS$SYSTEM:ノード名_PARAMS_CURRENT.PAR
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    SYSMAN> EXIT
    
  12. システムの資源が確実にシステムの作業負荷に一致するように,フィードバックを使って定期的に AUTOGEN を実行する。 フィードバックを使った AUTOGEN の実行方法については,1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」を参照。

1.4 AUTOGEN コマンド・プロシージャについて

AUTOGEN コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM は,ディストリビューション・キットで提供されます。 AUTOGEN は,システムのインストールまたはアップグレード時に自動的に実行され,システム・パラメータを適切な値に設定します。 また,システム・パラメータの値を再設定したり,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを変更したりする場合にも,AUTOGEN を使用してください。 新しい値は,システムのブート後,有効になります。

AUTOGEN は特定の重要なシステム・パラメータのみを算出します。 AUTOGEN により算出されるシステム・パラメータの表が『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節にありますので参照してください。

どのような場合に AUTOGEN を実行するか?

AUTOGEN は次の場合に実行してください。

  • インストールまたはアップグレード時。 この場合は,インストレーション・プロシージャまたはアップグレード・プロシージャの一部として自動的に実行される。

  • 作業負荷が大幅に変化した場合。

  • オプションの (レイヤード) ソフトウェア製品を追加する場合。 インストレーションの必要条件については,個々の製品のドキュメントを参照。 レイヤード製品の中には,AUTOGEN によってパラメータ値やページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを変更しなければならないものもある。 AUTOGEN を使ってパラメータ値やページ・ファイルおよびスワップ・ファイルのサイズを調整する方法については,2.16.1 項 「AUTOGEN を使用(標準的な方法)」 を参照。

  • /SHARED 属性によりイメージをインストールする場合。 この場合,追加されるグローバル・ページとグルーバル・セクションに合わせてパラメータ GBLSECTIONS および GBLPAGES の値を大きくする必要がある。

  • システムの作業負荷の変更を定期的に監視する場合。 フィードバックを定期的にチェックし,システム・パラメータの変更を指示するように,AUTOGEN を自動化することができる。 AUTOGEN をフィードバック・モードで定期的に実行し,フィードバック・レポートを該当する Mail アカウントに自動的に送信する,バッチ形式のコマンド・プロシージャについては,1.6 項 「AUTOGEN レポートの自動化」を参照。

  • 定期的に適切なスワップ・ファイル用のスペースを空ける。 FEEDBACK オプションを使用して,システムが十分な時間 (24 時間以上) 立ち上がっていて,通常のロードであることを確認する。 また,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルが,決まった SWAPFILE 値を含んでいないことも確認する。 値が決まっていると,AUTOGEN はスワップ・ファイルのサイズを正しく決定できない。

AUTOGEN の機能

AUTOGEN はフェーズ単位で実行されます。 AUTOGEN をどのフェーズで実行させるかによって,次の動作の一部またはすべてが行われます。

  • 次のデータの収集

    • 稼働中のシステムについてのフィードバック

    • システムのハードウェア構成

    • ユーザが設定したパラメータの要件 (MODPARAMS.DAT より)

    • 弊社が設定したパラメータの要件

  • 重要なシステム・パラメータに対する値の計算。 これらのパラメータについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN の節を参照。

  • 新しいインストール・イメージ・リストの作成

  • システムのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの計算

  • 必要に応じて,システム・パラメータ値である,システムのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの値を調整する。

  • システムのシャットダウンとリブート (オプション)

AUTOGEN の起動

AUTOGEN を起動するには,DCL プロンプトに次の形式でコマンドを入力します。

@SYS$UPDATE:AUTOGEN [開始フェーズ] [終了フェーズ] [実行モード]

開始フェーズ

AUTOGEN の実行が開始されるフェーズ。 1.4.3 項 「AUTOGEN のフェーズについて」 に AUTOGEN フェーズのリストを示す。

終了フェーズ

AUTOGEN の実行が完了するフェーズ。 1.4.3 項 「AUTOGEN のフェーズについて」 に AUTOGEN フェーズのリストを示す。

実行モード

次のいずれか

  • FEEDBACK

    フィードバックを使用する。

  • NOFEEDBACK

    フィードバックを使用しない。

  • CHECK_FEEDBACK

    フィードバックが有効であれば使用する。 フィードバックが無効な場合は,無視するが,終了フェーズまで実行は続けられる。

  • ブランク (実行モードが指定されない場合)

    フィードバックが有効であれば使用する。 フィードバックが無効な場合は変更が行われる前に終了する。

AUTOGEN の起動と,指定できるコマンド行パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節を参照してください。

AUTOGEN の動作の制御

表 1-1 「AUTOGEN の制御」 に,AUTOGEN の動作を制御する方法を要約します。

表 1-1 AUTOGEN の制御

制御内容

使用する方法

AUTOGEN を実行させるための操作

AUTOGEN の起動時に開始フェーズと終了フェーズを指定する。

AUTOGEN による パラメータ値の設定

AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に値を指定する。

使用しているハードウェア構成に関して AUTOGEN が正しい計算を行っているかどうか,AUTOGEN による計算結果を定期的に調べ,システム・パラメータ値が作業負荷の必要条件を確実に満たすようにする。 値が適切でない場合は,MODPARAMS.DAT に必要な値を指定することにより調整する。 MODPARAMS.DAT についての詳細は,1.4.4 項 「AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について」を参照。

AUTOGEN による フィードバック情報の使用

AUTOGEN の起動時に実行モードを指定する。

AUTOGEN により,稼働システムから収集した動的フィードバックを利用して,システムの性能を向上させることができる場合が多いが,フィードバック情報は無効な場合や不適切な場合もある。 詳細は 1.4.1 項 「AUTOGEN フィードバックについて」を参照。

 

1.4.1 AUTOGEN フィードバックについて

AUTOGEN フィードバックを利用すると,パラメータ値やシステム・ファイルのサイズを変更する回数が少なくてすみます。 フィードバックにより,AUTOGEN は実際の作業負荷に基づいて,オペレーティング・システムのサイジングを自動的に行います。 サイジングとは,システム資源 (メモリおよびディスク空間) の割り当てを実際の作業負荷の必要条件に一致させることです。

フィードバックとは,オペレーティング・システム・エグゼクティブによって連続的に収集された,作業負荷を処理するためにシステムが使用するさまざまな資源に関する情報のことです。 この情報は例外イベントが発生したときに収集されるため,収集作業はシステム性能に影響しません。 AUTOGEN をフィードバック・モードで実行すると,AUTOGEN はこの情報を分析し,関連するすべてのパラメータ値を調整します。

注意:

構成を大幅に変更した後に AUTOGEN を実行するときには,nofeedback を指定して,必ず初期 AUTOGEN 設定を使用するようにしてください。 1.4 項 「AUTOGEN コマンド・プロシージャについて」を参照してください。

AUTOGEN フィードバックは,次の資源に影響を与えます。 影響を受けるシステム・パラメータについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節を参照してください。

  • 非ページング・プール

  • ページング・プール

  • ロック資源

  • プロセスの数

  • グローバル・ページ

  • グローバル・セクション

  • ファイル・システム・キャッシュ

  • システム論理名テーブル・サイズ

  • ページ・ファイル

  • スワップ・ファイル

フィードバックは,AUTOGEN の SAVPARAMS フェーズで収集され,SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.DAT ファイルに書き込まれます。 このファイルはその後,GETDATA フェーズに読み込まれます。 AUTOGEN のフェーズについての詳細は,1.4.3 項 「AUTOGEN のフェーズについて」を参照してください。

フィードバックが有効なのは,それがシステムの正常な作業負荷を反映している場合だけです。 このため,AUTOGEN はフィードバックに対していくつかの基本的なチェックを行い,次のいずれかの条件に一致した場合には警告メッセージを出します。

  • システムの連続稼働時間が 24 時間より少ない。

  • フィードバックが作成されてから 30 日より多くの日数が経過している。

システムを変更した場合 (たとえばハードウェアのアップグレード,ユーザ数の変更,オプション製品のインストールを行った場合) には,しばらく新しいシステム環境で操作してから,再度 AUTOGEN を SAVPARAMS フェーズから実行してください。

VAX システムでは,フィードバックに必要な最小稼働時間を時間単位で指定するために,論理名 AGEN$FEEDBACK_REQ_TIME を定義できます。 詳細は1.5.2 項 「AUTOGEN フィードバックに必要な最小稼働時間の指定 (VAX のみ)」を参照してください。

AUTOGEN を実行すると,フィードバックが使用されているかどうかが次のように表示されます。

Feedback information was collected on 21-JAN-2000 14:00:08.53
Old values below are the parameter values at the time of collection.
The feedback data is based on 21 hours of up time.
Feedback information will be used in the subsequent calculations

1.4.2 フィードバック・レポート (AGEN$PARAMS.REPORT) について

AUTOGEN によって算出されたシステム・パラメータの値とシステム・ファイルのサイズを使用するかどうか判断する必要があります。 判断のための手助けとして,AUTOGEN は次の情報を含むレポート・ファイル (SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT) を生成します。

  • フィードバックから直接影響を受けるすべてのパラメータとシステム・ファイル

  • 現在値

  • 新しい値

  • 各パラメータの計算に使用されるフィードバック

  • MODPARAMS.DAT に対してユーザまたは弊社が行ったすべての変更内容

  • AUTOGEN の実行中に表示されたすべてのアドバイス・メッセージと警告メッセージ

  • VAX システムの場合,VMSPARAMS.DAT に対してユーザまたは弊社が行ったすべての変更内容

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,GENPARAMS フェーズで検出されたパラメータ値

例 1-1 「AUTOGEN フィードバック・レポートの例」 は,VAX システムの AUTOGEN フィードバック・レポートの例です。 Alpha システムおよび I64 システムについては,フィードバック・レポートは似ていますが,この例とは同一ではありません。

情報メッセージの禁止

情報メッセージの表示を禁止するには,AGEN$REPORT_NO_INFORMATIONALS 論理名を TRUE に定義します。 メッセージは,AGEN$REPORT_NO_INFORMATIONALS の値に関係なく,SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT に入力されます。

ユーザ・レポートからの DCL 文のチェック

フィードバック・レポートには,MODPARAMS.DAT の DCL 文が含まれます。 これらの DCL 文は,システム・パラメータや ADD_,MAX_,または MIN_ 拡張への単純な割り当てではありません。 これらの文をレポートから除去するには,MODPARAMS.DAT の各文の先頭にドル記号 ($) を付けます。

例 1-1 AUTOGEN フィードバック・レポートの例

AUTOGEN Parameter Calculation Report on node: NODE22
  This information was generated at 23-APR-2000 01:45:47.87
  AUTOGEN was run from GETDATA to TESTFILES using FEEDBACK

** No changes will be done by AUTOGEN **
   The values given in this report are what AUTOGEN would
    have set the parameters to.

Processing Parameter Data files
-------------------------------

** WARNING ** - The system was up for less than 24 hours when the feedback
information was recorded. This could result in feedback information
that does not accurately reflect your typical work load.

Including parameters from: SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT

The following was detected within MODPARAMS.DAT
   Please review immediately.

** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_CHANNELCNT.
        Using MODPARAMS value (550) which is superseding OpenVMS value (255)

** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_SWPOUTPGCNT.
        Using MODPARAMS value (1000) which is superseding OpenVMS value (500)

** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_PQL_DWSEXTENT.
        Using MODPARAMS value (11000) which is superseding OpenVMS value (1024)

** INFORMATIONAL ** - Multiple MIN values found for MIN_PQL_MWSEXTENT.
        Using MODPARAMS value (11000) which is superseding OpenVMS value (1024)


Feedback information was collected on 22-APR-2000 14:00:07.70
  Old values below are the parameter values at the time of collection.
  The feedback data is based on 13 hours of up time.
  Feedback information will be used in the subsequent calculations


Parameter information follows:
------------------------------

MAXPROCESSCNT parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 100, New value is 80
           Maximum Observed Processes: 52

Information on VMS executable image Processing:

        Processing SYS$MANAGER:VMS$IMAGES_MASTER.DAT


GBLPAGFIL parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 1024.  The new value is 6024.
           GBLPAGFIL has been increased by 5000.
           GBLPAGFIL is not allowed to be less than 6024.

GBLPAGES parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 43300, New value is 50000
           Peak used GBLPAGES: 36622
           Global buffer requirements: 6024

GBLSECTIONS parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 400, New value is 400
           Peak used GBLSECTIONS: 294
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 350.  The new value is 400.
           GBLSECTIONS is not allowed to be less than 400.

LOCKIDTBL parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 2943, New value is 3071
           Current number of locks: 1853
           Peak number of locks: 3200

LOCKIDTBL_MAX parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 65535, New value is 65535

RESHASHTBL parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 1024, New value is 1024
           Current number of resources: 957

MSCP_LOAD parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 1.  The new value is 0.
           MSCP_LOAD has been disabled by a hard-coded value of 0.

MSCP_BUFFER parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 128, New value is 128
           MSCP server I/O rate: 0 I/Os per 10 sec.
           I/Os that waited for buffer space: 0
           I/Os that fragmented into multiple transfers: 0

SCSCONNCNT parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 5, New value is 5
           Peak number of nodes: 1
           Number of CDT allocation failures: 0

SCSRESPCNT parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 300, New value is 300
           RDT stall count: 0

SCSBUFFCNT parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 512, New value is 512
           CIBDT stall count: 0

NPAGEDYN parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 686592, New value is 783360
           Maximum observed non-paged pool size: 815616 bytes.
           Non-paged pool request rate: 47 requests per 10 sec.

LNMSHASHTBL parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 1024, New value is 1024
           Current number of shareable logical names: 1194

ACP_DIRCACHE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 88, New value is 88
           Hit percentage: 99%
           Attempt rate: 0 attempts per 10 sec.

ACP_DINDXCACHE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 25, New value is 25
           Hit percentage: 97%
           Attempt rate: 1 attempts per 10 sec.

ACP_HDRCACHE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 88, New value is 106
           Hit percentage: 98%
           Attempt rate: 17 attempts per 10 sec.

ACP_MAPCACHE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 8, New value is 8
           Hit percentage: 2%
           Attempt rate: 4 attempts per 10 sec.

PAGEDYN parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 521728, New value is 542208
           Current paged pool usage: 304160 bytes.
           Paged pool request rate: 1 requests per 10 sec.

PFRATL parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 0.  The new value is 1.
           PFRATL has been disabled by a hard-coded value of 1.

WSDEC parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 35.  The new value is 19.
           WSDEC has been disabled by a hard-coded value of 19.

MPW_LOLIMIT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 120.  The new value is 2100.
           MPW_LOLIMIT is not allowed to be less than 2100.

MPW_HILIMIT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 1310.  The new value is 4500.
           MPW_HILIMIT is not allowed to be less than 4500.

LONGWAIT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 30.  The new value is 10.
           LONGWAIT has been disabled by a hard-coded value of 10.

WSMAX parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 8200.  The new value is 12000.
           WSMAX is not allowed to be less than 12000.

PQL_DWSEXTENT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 400.  The new value is 11000.
           PQL_DWSEXTENT is not allowed to be less than 11000.

PQL_DWSEXTENT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 400.  The new value is 11000.
           PQL_DWSEXTENT is not allowed to be less than 11000.

PQL_MWSEXTENT parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 2048.  The new value is 11000.
           PQL_MWSEXTENT is not allowed to be less than 11000.

VAXCLUSTER parameter information:
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 1.  The new value is 0.
           VAXCLUSTER has been disabled by a hard-coded value of 0.

Page, Swap, and Dump file calculations

  Page and Swap file calculations.

PAGEFILE1_SIZE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 45200, New value is 50500
           Maximum observed usage: 25265
        PAGEFILE1_SIZE will be modified to hold 50500 blocks

PAGEFILE2_SIZE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 154000, New value is 194400
           Maximum observed usage: 97175
        PAGEFILE2_SIZE will be modified to hold 194400 blocks

        ** WARNING ** - The disk on which PAGEFILE2 resides would be
           over 95% full if it were modified to hold 194400 blocks.
           NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]PAGEFILE.SYS will not be modified.
           NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]PAGEFILE.SYS will remain at 154002
blocks.

SWAPFILE1_SIZE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 15000, New value is 15000
           Maximum observed usage: 14280
        Override Information - parameter calculation has been overridden.
           The calculated value was 21400.  The new value is 15000.
           SWAPFILE1_SIZE is not allowed to exceed 15000.
        SWAPFILE1 will not be modified.

SWAPFILE2_SIZE parameter information:
        Feedback information.
           Old value was 50000, New value is 26300
           Maximum observed usage: 1680
        SWAPFILE2_SIZE will be modified to hold 26300 blocks

        ** WARNING ** - The disk on which SWAPFILE2 resides would be
           over 95% full if it were modified to hold 26300 blocks.
           NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]SWAPFILE.SYS will not be modified.
           NODE22$DKA300:[SYSTEM_FILES]SWAPFILE.SYS will remain at 50001 blocks.

  Dumpfile calculations:

        No dump file modifications would have been made.
        Dumpfile will remain at 34116 blocks.

1.4.3 AUTOGEN のフェーズについて

AUTOGEN の起動時には,AUTOGEN に実行させる開始フェーズと終了フェーズを指定します。 AUTOGEN は,指定された開始フェーズから終了フェーズまで,すべてのフェーズを実行します。 開始フェーズと終了フェーズを指定すると,AUTOGEN は 表 1-2 「AUTOGEN のフェーズ」 に示す順序で各フェーズを実行します。

表 1-2 AUTOGEN のフェーズ

フェーズ

説明

SAVPARAMS

稼働システムの動的フィードバックを保存する。

GETDATA

AUTOGEN の計算で使用するすべてのデータを収集する。

GENPARAMS

新しいシステム・パラメータを生成し,インストールされたイメージ・リストを作成する。

TESTFILES

AUTOGEN が算出したページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを表示する。 このフェーズを開始フェーズにはできない。

GENFILES

必要に応じて新しいページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを生成する。 開始フェーズにはできない。

SETPARAMS

SYSMAN を実行し,省略時のパラメータ・ファイルでの新しいシステム・パラメータの設定,オリジナルのパラメータの保存,新しいパラメータ・ファイル AUTOGEN.PAR の生成を行う。

VAX システムの場合,省略時のパラメータ・ファイルは VAXVMSSYS.PAR。 オリジナルのパラメータは VAXVMSSYS.OLD に保存される。

Alpha システムの場合,省略時のパラメータ・ファイルは ALPHAVMSSYS.PAR。 オリジナルのパラメータは ALPHAVMSSYS.OLD に保存される。

I64 システムの場合,省略時のパラメータ・ファイルは IA64VMSSYS.PAR。 オリジナルのパラメータは IA64VMSSYS.OLD に保存される。

SHUTDOWN

システムを手動でリブートできる状態にする。

REBOOT

自動的にシステムをシャットダウンし,リブートする。

HELP

画面にヘルプ情報を表示する。

 

AUTOGEN の各フェーズと各フェーズで影響を受けるファイルについての詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節を参照してください。

1.4.4 AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について

AUTOGEN は,GETDATA フェーズ中,MODPARAMS.DAT という名前のパラメータ・ファイルを読み込みます。 このファイルにコマンドを追加すれば,AUTOGEN が設定するシステム・パラメータ値とファイル・サイズを制御できます。 MODPARAMS.DAT を使用すれば,次のことができます。

操作

参照箇所

数値システム・パラメータの値を大きくする

1.5.1.1 項 「ADD_ 接頭辞を使って値を大きくする方法」

数値システム・パラメータの最小値を設定する

1.5.1.2 項 「MIN_ 接頭辞による最小値の指定方法」

数値システム・パラメータの最大値を設定する

1.5.1.3 項 「MAX_ 接頭辞による最大値の指定方法」

システム・パラメータの絶対値を指定する

1.5.1.4 項 「絶対値の指定方法」

外部のパラメータ・ファイルを取り込む

1.5.3 項 「外部パラメータ・ファイルの MODPARAMS.DAT への取り込み」

システム・ファイル (ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル) のサイズを指定する

2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」

VAXclusterノードの数を定義する[3]

1.5.1.5 項 「VAXcluster ノード数の定義方法 (VAX のみ)」

イーサネット・アダプタの数を定義する[3]

1.5.1.6 項 「イーサネット・アダプタの数を定義する方法 (VAX のみ)」

メモリを追加する前にパラメータ値を設定する[3]

1.5.1.7 項 「メモリを追加する前にあらかじめパラメータ値を設定する方法 (VAX のみ)」

省略時の代替スタートアップ・コマンド・プロシージャを指定する

OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)

[3] VAX のみ

MODPARAMS.DAT に加えた変更内容を分かりやすく示すために,各行にコメントを追加します。 コメントの先頭には感嘆符(!) を付けます。

重要:

システム・パラメータとシステム・ファイルのサイズを変更する場合には,できるだけ,MODPARAMS.DAT ファイルにパラメータ設定値を指定する方法を使用してください。 SYSMAN,SYSGEN,あるいは会話型ブートでシステム・パラメータ値またはファイル・サイズを変更しても,MODPARAMS.DAT に値を指定しなければ,AUTOGEN は次回の実行時にパラメータ値とファイル・サイズを再計算します。 詳細は 1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」を参照してください。

次に MODPARAMS.DAT ファイルの例を示します。

!
! ***************** A Sample MODPARAMS.DAT for Node NODE22 ***************
!
! MODPARAMS.DAT for "NODE22"
! REVISED: 04/29/00 -CHG- Upped GBLPAGES to account for ADA.
!
SCSNODE         = "NODE22"      ! This is not calculated by AUTOGEN.
SCSSYSTEMID     = 19577         ! This is not calculated by AUTOGEN.
TTY_DEFCHAR2    = %X0D34        ! This is not calculated by AUTOGEN.
ADD_ACP_DIRCACHE= 150           ! Hit rate was only 65% on directory cache.
MIN_PAGEDYN     = 500000        ! PAGEDYN must be at least 1/2 Mbyte to
                                ! account for a large number of logical names.
!

MAX_PAGEFILE1_SIZE  = 15000     ! Maximum size for primary page.
MAX_SWAPFILE        =  5000     ! Maximum size for swap file space.
MAX_DUMPFILE        = 32768     ! Maximum size for dump file space.

ADD_GBLPAGES    = 425+507+157   ! Account for MCS, BLISS32 and ADA.
ADD_GBLSECTIONS = 4 + 5 + 2     ! Account for MCS, BLISS32 and ADA.
VIRTUALPAGECNT  = 144264        ! So that we can read MONSTR's 68Mb dumps.
!
! end of MODPARAMS.DAT for NODE22

1.5 AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更

システム・パラメータを変更する場合には,できるだけ次に示すように,AUTOGEN を 2 段階に分けて実行してください。

  1. 第 1 段階では,次のコマンドを使って AUTOGEN を実行する。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES
    
    このコマンドを実行すると,AUTOGEN は次の作業を行う。
    • 現在のフィードバックの保存

    • 計算に必要なすべての情報の収集

    • システム・パラメータ値の計算

    • フィードバック・レポートの生成

    • SETPARAMS.DAT への情報の書き込み

    計算の元となるデータ (PARAMS.DAT),計算結果 (SETPARAMS.DAT),および生成されたレポート (AGEN$PARAMS.REPORT) を調べる。

    パラメータの設定内容に満足できない場合には,MODPARAMS.DAT を編集してパラメータ値を変更する。 編集方法については,1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」を参照。 パラメータ値を変更したら,ファイル・サイズを変更したい場合,2.16 項 「ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルの作成と変更」を参照してサイズを変更する。 その後,GETDATA フェーズから AUTOGEN を実行する。

    SETPARAMS.DAT の内容に満足した場合には,ステップ 2 に進む。

  2. 第 2 段階では,次のコマンドを使って,AUTOGEN をもう一度実行する。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT
    

    この AUTOGEN コマンドは,SYSMAN を実行して新しいシステム・パラメータ値を更新し,リブート時にそれらのパラメータを使用してシステムをブートする。 この方法では,システム・ファイルは変更されない点に注意。

1.5.1 MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御

AGEN$PARAMS.REPORT ファイルおよび SETPARAMS.DAT ファイルを調べた結果,ハードウェア構成データを修正したり,AUTOGEN が選択したシステム・パラメータ値を変更することになった場合は,この項で説明しているように,MODPARAMS.DAT ファイルを編集してパラメータ値を指定してください。

重要:

パラメータの値を指定するためには,PARAMS.DAT ではなく,必ず MODPARAMS.DAT を使用してください。 PARAMS.DAT の内容を変更すると,AUTOGEN が正しく機能しない場合があります。

MODPARAMS.DAT ファイルを使ってページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを制御する方法については,2.16.1.2 項 「MODPARAMS.DAT でのページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズの制御」 を参照してください。

MODPARAMS.DAT ファイル中で,次の形式でシンボルを定義すると,パラメータ値を制御することができます。

制御方法

シンボルの形式

参照箇所

指定された量だけ値を大きくする

ADD_*

1.5.1.1 項 「ADD_ 接頭辞を使って値を大きくする方法」

最小値を指定する

MIN_*

1.5.1.2 項 「MIN_ 接頭辞による最小値の指定方法」

最大値を指定する

MAX_*

1.5.1.3 項 「MAX_ 接頭辞による最大値の指定方法」

絶対値を指定する

パラメータ名

1.5.1.4 項 「絶対値の指定方法」

MODPARAMS.DAT を使ってシンボルを定義する場合には,次のことを確認してください。

  • 値が正しく,そのパラメータに対して有効である。 桁数は適切で,コンマは使用されていない。

  • そのシンボルが MODPARAMS.DAT 内で一度だけ定義されている。

  • シンボルの値がコメントになっていない。

  • シンボル名のスペルが正しく完全である (省略されていない)。

  • 文字列の値が二重引用符 ("") の中にある。

重要:

MODPARAMS.DAT や他のパラメータ・ファイルを読み込む場合,AUTOGEN は ファイルに指定されたシンボル名が有効かどうかチェックします。 有効でない場合,AUTOGEN は AGEN$PARAMS.REPORT に警告メッセージを書き込みます。 しかし,AUTOGEN がチェックするのはシンボル名だけで,そのシンボルに指定された値が有効かどうかはチェックしません。

値が無効でもその行が無視されることはありません。 AUTOGEN は指定された値の使用を試みます。

シンボルが指定されている行に等号記号(=) 以外の DCL の命令文が含まれていると,そのシンボルはチェックされません。 たとえば,DCL の IF 文がある行に指定されているシンボル名は,有効かどうかはチェックされません。 その場合,AUTOGEN は AGEN$PARAMS.REPORT に警告メッセージを書き込みます。

MODPARAMS.DAT に加えた変更内容を分かりやすく示すために,ファイルを変更するたびに必ず各行にコメントを追加します。 コメントの先頭には感嘆符(!) を付けます。

1.5.1.1 ADD_ 接頭辞を使って値を大きくする方法

ADD_ 接頭辞を使って数値パラメータの値を大きくします。 新しい値は GENPARAMS フェーズの以降の AUTOGEN 計算によって更新されます。 次に,ADD_ 接頭辞の使用例を示します。

ADD_GBLPAGES=500
ADD_NPAGEDYN=10000

AUTOGEN が計算するパラメータの場合は,AUTOGEN の計算結果に加算されます。 AUTOGEN が計算しないパラメータの場合には,現在値ではなく,省略時の値に加算されます。 なお,AUTOGEN により影響を受けるパラメータの表が『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節にありますので参照してください。

注意:

ADD_ で指定された値は計算された値に一度だけ加えられます。 フィードバック計算のための連続実行は,累積されません。

通常,フィードバック機構によって計算されたパラメータを変更するときに,ADD_ 接頭辞を使用することはありません。 それは,フィードバックの結果が作業負荷を正確に反映しなければならないためです。 もし,フィードバックで ADD_ 接頭辞を使用する場合は,AUTOGEN が SETPARAMS フェーズ以降まで実行されても,AUTOGEN は値を一度しか加算しない点に注意してください。 AUTOGEN の計算値より上に最小値を設定したい場合には,MIN_ 接頭辞を使用します。

1.5.1.2 MIN_ 接頭辞による最小値の指定方法

AUTOGEN による設定値が指定した値より小さくならないようにするためには,MIN_ 接頭辞を使用します。 MIN_ は,AUTOGEN が設定できるパラメータの最小値を示します。 最小値を 400,000 に設定する例を次に示します。

MIN_PAGEDYN = 400000

1.5.1.3 MAX_ 接頭辞による最大値の指定方法

AUTOGEN が,指定した値より大きな値にパラメータを設定しないようにするためには,MAX_ 接頭辞を使用します。 MAX_ は,AUTOGEN によって設定できるパラメータの最大値を示します。 最大値を 400,000 に設定する例を次に示します。

MAX_PAGEDYN = 400000

1.5.1.4 絶対値の指定方法

この方法は,AUTOGEN が計算しないパラメータの値を指定する場合に使用します。 AUTOGEN の計算で変更されるシステム・パラメータの表が『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の AUTOGEN の節にありますので参照してください。

注意:

この方法は,システム環境を記述するパラメータ (SCSNODE や SCSSYSTEMID など) に限って使用してください。 AUTOGEN により計算されるパラメータでこの方法を指定すると,AUTOGEN の計算ができなくなります。 絶対値を指定する代わりに,次のいずれかの方法を用いてください。

  • MIN_ 接頭辞を使用して最小値を指定する

  • MAX_ 接頭辞を使用して最大値を指定する

  • ADD_ 接頭辞を使用して値を大きくする

パラメータの絶対値を指定するためには,MODPARAMS.DAT に次の形式で代入文を追加します。

パラメータ名 = パラメータ値 ! comment

たとえば,次のコマンドはノード名 BIGVAX を SCSNODE パラメータに代入します。

SCSNODE = "BIGVAX"   ! the node name
注意:

文字列の値は,二重引用符 (" ") で囲む必要があります。

1.5.1.5 VAXcluster ノード数の定義方法 (VAX のみ)

VAXcluster 環境では,NUM_NODES シンボルを使用して,VAXcluster のメンバが一時的に変化しても AUTOGEN による VAXcluster に関連するパラメータの値の計算に影響しないようにすることができます。 具体的には,MODPARAMS.DAT で NUM_NODES シンボルを定義して,VAXcluster で稼働させるノードの数を指定します。 AUTOGEN はこの値を使用して,VAXcluster ノードの数に影響されるパラメータを設定します。 たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。

NUM_NODES = 30

1.5.1.6 イーサネット・アダプタの数を定義する方法 (VAX のみ)

VAXcluster 環境では,NUM_ETHERADAPT シンボルを MODPARAMS.DAT に定義して,VAXcluster 内のイーサネット・アダプタの合計数を指定します。 たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。

NUM_ETHERADAPT = 40

1.5.1.7 メモリを追加する前にあらかじめパラメータ値を設定する方法 (VAX のみ)

VAX システムでは,大容量のメモリ (512 MB 以上) を追加することにより,システム・ハードウェアをアップグレードしようとする場合,システム・パラメータを追加分のメモリに適するようあらかじめ設定しておくようにします。 システム・パラメータをあらかじめ設定しておくことにより,不適切なパラメータ値を指定することで発生するメモリのアップグレードに関する問題を,最小限に抑えることができます。

作業方法

次の手順を実行してください。

  1. SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に次の形式の 1 行を加える。

    MEMSIZE = アップグレード後のメモリの総ページ数

    次に例を示す。
    MEMSIZE = 2048 * 1024 ! (2048 page per MB *  1GB of memory)
    

  2. SETPARAMS フェーズで AUTOGEN を実行する。

  3. ハードウェアのアップグレードを実行して,追加メモリを加える。

  4. MODPARAMS.DAT を編集して,ステップ 1 で追加した行を削除する。

1.5.1.8 DECnet に関連するパラメータを上書きする方法

DECnet の存在 (または不在) に関する AUTOGEN の観測を上書きするには,MODPARAMS.DAT のパラメータ LOAD_DECNET_IMAGES を TRUE (または FALSE) に設定します。 同期ネットワーク・ハードウェアがないシステムにおいて非同期 DECnet を実行したい場合には,設定値を制御すると役に立ちます。

1.5.1.9 NPAGEDYN と NPAGEVIR の値の設定

物理メモリが多くない OpenVMS VAX システムのために,AUTOGEN はNPAGEDYN が 物理メモリの 10% を超えた時,あるいは NPAGEVIR が 物理メモリの 33% を超えた時に,警告メッセージをレポートに記録します。

AUTOGEN は計算値を,NPAGEDYN は物理メモリの 20 % に NPAGEVIR は物理メモリの 50 % に制限しています。 これらの計算値は 物理メモリが16MB 以下のほとんどのシステムで妥当な値です。 システムでこれ以上大きな値を設定する必要がある場合,MODPARAMS.DAT に書き込むことによって AUTOGEN の計算値を上書きすることができます。

1.5.2 AUTOGEN フィードバックに必要な最小稼働時間の指定 (VAX のみ)

VAX システムでは,システムの稼働時間がシステムの正常な作業負荷を十分に反映していなければ,AUTOGEN フィードバックは有効ではありません。 省略時の設定では,AUTOGEN はデータが作成されてから 24 時間より多く経過しないとフィードバックを使用しません。 VAX システムでは,論理名 AGEN$FEEDBACK_REQ_TIME を定義することにより,省略時の設定と異なる最小稼働時間 (データの生成後,フィードバックに利用できない期間) を時間単位で指定できます。

たとえば,論理名を次のように定義した場合,AUTOGEN はデータが生成されてから 19 時間より多く経過しないとフィードバック・データを使用しません。

$ DEFINE/SYSTEM AGEN$FEEDBACK_REQ_TIME 19

システムが起動するたびにこの論理名を定義するためには,このコマンドを SYLOGICALS.COM に追加します。

1.5.3 外部パラメータ・ファイルの MODPARAMS.DAT への取り込み

外部のパラメータ・ファイルを MODPARAMS.DAT に取り込むことができます。 たとえば,あるシステム・パラメータを VAXcluster または OpenVMS Cluster 環境内のすべてのノードと同じ値に設定すると同時に,他のシステム・パラメータをノード固有の値にしたいことがあります。 そのような場合は,クラスタ共通の値を別のファイルで指定し,クラスタ内の各システムの MODPARAMS.DAT にそのファイルを取り込むようにします。

パラメータ・ファイルを取り込むためには,MODPARAMS.DAT,あるいは MODPARAMS.DAT に取り込まれる任意のパラメータ・ファイルに次の形式でコマンドを追加します。

AGEN$INCLUDE_PARAMS 完全なディレクトリ指定:ファイル名

CLUSTERPARAMS.DAT という名前のクラスタ共通のパラメータ・ファイルを取り込む場合には,まず,次の名前の共通のパラメータ・ファイルを作成します。

SYS$COMMON:[SYSEXE]CLUSTERPARAMS.DAT

次に,各クラスタのシステム固有のディレクトリの MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を追加します。

AGEN$INCLUDE_PARAMS SYS$COMMON:[SYSEXE]CLUSTERPARAMS.DAT

1.5.4 DCL 文のログの停止

MODPARAMS.DATの内容は,DCL 文として評価されます。 したがって,シンボルにシステム・パラメータではない名前 (たとえば,他の値に基づくスクラッチ変数または条件付き割り当て) を割り当てることができます。 通常,そのような割り当てはすべて AGEN$PARAMS.REPORT にログが取られ,ログが取られた多くの文によって必要のない大きなファイルが作成されていきます。

このような割り当てすべてにドル記号($)を接頭辞として付けることにより,AGEN$PARAMS.REPORTにログを取られたくない割り当てを指定することができます。 AUTOGEN は,MODPARAMS.DATの中のドル記号で始まるレコードを検出すると,既知のシステム・パラメータのリストをチェックしないで,AGEN$PARAMS.REPORT にこのレコードのログを取りません。

1.6 AUTOGEN レポートの自動化

バッチ・モードのコマンド・プロシージャを作成して,AUTOGEN を定期的に自動実行させ,その結果得られるフィードバック・レポートを適切な Mail アカウントに送信しておくようにしてください。 例 1-2 「AUTOGEN コマンド・プロシージャの例」 は,このようなコマンド・プロシージャの例です。

注意:

このコマンド・プロシージャでは,システム・パラメータの適切な値を計算してレポートを送信するためにだけ AUTOGEN を実行しています。 AUTOGEN の実行によりシステム・パラメータを変更したり,システムをリブートすることはありません。 レポートを調べた結果,システム・パラメータを変更することになった場合には,1.6.1 項 「AUTOGEN レポートを調べた後のパラメータ値の変更」 にある指示に従ってください。

例 1-2 「AUTOGEN コマンド・プロシージャの例」 に示したコマンド・プロシージャは,AUTOGEN を 2 段階に分けて実行します。 第 1 段階では,AUTOGEN を作業負荷がピークになる時間帯に実行し,現実的なシステムの作業負荷のデータを収集します。 この段階ではシステムの性能が低下することはありません。 第 2 段階では,AUTOGEN をシステムの作業負荷が軽い時間帯に実行し,第 1 段階で収集したデータを解釈します。

このプロシージャで,ファイル AGEN$PARAMS.REPORT に含まれている結果のレポートが SYSTEM アカウントに送信されます。 このレポートを定期的に検討し,システムの負荷が変更されているかどうかを調べてください。

例 1-2 「AUTOGEN コマンド・プロシージャの例」 に,コマンド・プロシージャの例を示します。 このプロシージャを参考にして,使用中のシステム構成に合ったコマンド・プロシージャを作成してください。

例 1-2 AUTOGEN コマンド・プロシージャの例

$ BEGIN$:   ! ++++++++++ AGEN_BATCH.COM ++++++++++
$  on warning then goto error$
$  on control_y then goto error$

$!
$! Setup process
$!
$! Set process information
$  set process/priv=all/name="AUTOGEN Batch"
$! Keep log files to a reasonable amount
$  purge/keep=5 AGEN_Batch.log
$  time = f$time()                              ! Fetch current time
$  hour = f$integer(f$cvtime(time,,"hour") )     ! Get hour
$  today = f$cvtime(time,,"WEEKDAY")            ! Get Day of the week
$  if f$integer(f$cvtime(time,,"minute") ) .ge. 30 then hour = hour + 1

$!
$! Start of working day...
$!
$ 1AM$:
$  if hour .le. 2
$     then
$     next_time = "today+0-14"
$     gosub submit$                             ! Resubmit yourself
$     set noon
$!

$!    Run AUTOGEN to TESTFILES using the parameter values collected earlier

$!      in the day (i.e., yesterday at 2:00pm)
$       if today .eqs. "Tuesday" .OR. today .eqs. "Thursday" .OR. -
           today .eqs. "Saturday"
$          then
$	     @sys$update:autogen GETDATA TESTFILES feedback 1
$            mail/sub="AUTOGEN Feedback Report for system-name" -
		  sys$system:agen$params.report system 2
$            ! Clean up
$            purge/keep=7 sys$system:agen$feedback.report 3
$            purge/keep=7 sys$system:agen$feedback.dat
$            purge/keep=7 sys$system:params.dat
$            purge/keep=7 sys$system:autogen.par
$            purge/keep=7 sys$system:setparams.dat
$            purge/keep=7 sys$system:agen$addhistory.tmp
$            purge/keep=7 sys$system:agen$addhistory.dat
$        endif
$     goto end$
$     endif

$!
$ 2PM$:
$  if hour .le. 15
$     then
$     next_time = "today+0-17"
$     gosub submit$
$     if today .eqs. "Monday" .OR. today .eqs. "Wednesday" .OR. -
         today .eqs. "Friday"
$        then
$          @sys$update:autogen SAVPARAMS SAVPARAMS feedback 4
$        endif
$     goto end$
$     endif
$!
$ 5PM$:
$  if hour .le. 18
$     then
$     next_time = "tomorrow+0-1"
$     gosub submit$
$     endif

$!
$! End of working day...
$!
$ END$:     ! ---------- BATCH.COM ----------
$  exit
$!++
$! Subroutines
$!--
$!
$ SUBMIT$:
$  submit/name="AGEN_Batch"/restart/noprint - 5
   /log=AGEN_batch.log -
   /queue=sys$batch/after="''next_time'" sys$system:AGEN_batch.com
$  return
$!++
$! Error handler
$!--

$ ERROR$:
$  mail/sub="AGEN_BATCH.COM - Procedure failed." _nl: system
$  goto end$

次に,このコマンド・プロシージャで実行されるタスクを説明します。

1

作業負荷が軽い時間帯に AUTOGEN の第 2 段階を実行し,第 1 段階で収集したデータを解釈する。

2

AGEN$PARAMS.REPORT という名前の結果のレポート・ファイルを SYSTEM アカウントにメールする。

3

作成したファイルを削除する。

4

作業負荷がピークになる時間帯に AUTOGEN の第 1 段階を実行し,実際の作業負荷のデータを収集する。 このコマンドは非常に高速なイメージを実行するため,システムの応答性を低下させることはない。

5

コマンド・プロシージャを再びキューに登録する。

1.6.1 AUTOGEN レポートを調べた後のパラメータ値の変更

1.6 項 「AUTOGEN レポートの自動化」で説明したコマンド・プロシージャのレポートにおいて,AUTOGEN の計算結果が現在値と異なっている場合には,次に示すいずれかの方法で,AUTOGEN の設定内容を修正してください。

  • ただちにシステムをシャットダウンしてリブートできる場合には,次のコマンドを実行する。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT FEEDBACK
    
  • ただちにシステムのシャットダウンとリブートを行うことができない場合には,次のコマンドを実行してシステム・パラメータを再設定する。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SETPARAMS FEEDBACK
    

    新しいパラメータは,システムのブート後,有効になる。

1.7 SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理

注意:

システム・パラメータを変更する場合には,できるだけ AUTOGEN を使用してください。 詳細は1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」 を参照してください。 また,ノード・グループに関するシステム・パラメータを表示したり,パラメータを一時的に変更したい場合には,SYSMAN を使用してください。

システム管理ユーティリティ (SYSMAN) を使用すると,1 つのシステムだけではなく,クラスタ全体,あるいはノードの任意のグループに対応するシステム・パラメータを調べたり,変更することができます。 SYSMAN で利用できる PARAMETERS コマンドは,OpenVMS のシステム生成ユーティリティ (SYSGEN) のパラメータ設定機能を持っています。

次に,SYSMAN ユーティリティを使ってシステム・パラメータを管理できる作業を示します。

作業

参照箇所

パラメータ値の表示

1.7.2 項 「SYSMAN によるパラメータ値の表示」

パラメータ・ファイル内の現在値の変更

1.7.3 項 「SYSMAN によるパラメータ・ファイルの変更」

稼働中のシステムのアクティブ値の変更[4]

1.7.4 項 「SYSMAN によるアクティブ値の変更」

[4] ダイナミック・システム・パラメータだけに適用

表 1-3 「SYSMAN PARAMETERS コマンド」 に,SYSMAN が提供するコマンドと機能を示します。

表 1-3 SYSMAN PARAMETERS コマンド

コマンド

機能

PARAMETERS SHOW

パラメータ値を表示する。

PARAMETERS USE

パラメータのセットを,メモリまたはディスクから調査または変更のための一時作業領域に読み込む。 ファイル名,または追加パラメータ ACTIVE か CURRENT が必要。

PARAMETERS SET

パラメータ値を変更する。 変更内容は作業領域内でのみ有効。 変更内容をより永久的なものにするためには,PARAMETERS WRITE コマンドが必要。

PARAMETERS WRITE

作業領域の内容をメモリまたはディスクに書き込む。 ファイル名,または追加パラメータ ACTIVE か CURRENT が必要。

 

一時作業領域についての詳細は,1.7.1 項 「パラメータ値と SYSMAN について」 を参照してください。

1.7.1 パラメータ値と SYSMAN について

1.1.1 項 「省略時の値,現在値,アクティブ値」 で説明しているように,システム・パラメータの値にはいくつかの種類があります。 簡単にまとめると現在値とは,ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納されている値のことです。 アクティブ値とは,メモリ内に格納され,システムの稼働中に使用される値のことです。 これらの値のほかにも,SYSMAN はディスク上の独自の作業領域にパラメータ値を一時的に書き込みます。 この値を一時値と呼びます。 図 1-2 「SYSMAN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値」 は,この 3 種類の値と,SYSMAN コマンドがそれらの値にどう影響するかを示しています。 次に,図中の動作を説明します。

  1. WRITE ACTIVE は,一時的パラメータ値をメモリに書き込む。

  2. USE ACTIVE は,値をメモリから作業領域に読み込む。 ユーザはここで値を変更することができる。

  3. WRITE CURRENT は,一時的パラメータ値をディスクに書き込む。 書き込まれた値が現在の値となる。 次にシステムをブートしたとき,これらの値がアクティブになる。

  4. USE CURRENT は,現在の値をディスクから作業領域に読み込む。 ユーザはここで値を変更することができる。

図 1-2 SYSMAN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値

SYSMAN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値

セッション中にパラメータ値を表示または変更する場合,通常のセッションでは次の手順に従ってください。

  1. USE コマンドを使って,パラメータの値を SYSMAN の一時作業領域に読み込む。 アクティブ値を読み込むときには USE ACTIVE を,現在値を読み込むときには USE CURRENT をそれぞれ使用する。

  2. SHOW コマンドを使って,パラメータ値を表示する。

  3. SET コマンドを使って,パラメータ値を変更する。 変更した値を有効にするには,WRITE コマンドを実行しなければならない。

  4. WRITE コマンドを使って,変更内容を有効にする。

    • WRITE ACTIVE を実行すると,パラメータの値はアクティブ値に書き込まれる。 ただし,アクティブ値を変更できるのはダイナミック・パラメータの場合だけである。

    • WRITE CURRENT を実行すると,パラメータの値は現在値に書き込まれる。

システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

1.7.2 SYSMAN によるパラメータ値の表示

SYSMAN の PARAMETERS SHOW コマンドを使用すると,クラスタ内のすべてのノードのパラメータ値を表示することができます。

  1. パラメータに関する情報の表示方法を示す。 /LGI 修飾子を使用すると,すべてのログイン・セキュリティ制御パラメータを表示する。 その他にも,/ACP,/ALL,/SPECIAL などのパラメータを表示できる。 パラメータとパラメータ・カテゴリについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW/LGI
    
    Parameters in use: Active
    Parameter Name            Current    Default     Min.     Max.     Unit  Dynamic
    --------------            -------    -------    -------  -------   ----  -------
    LGI_BRK_TERM                    0          1         0         1 Boolean    D
    LGI_BRK_DISUSER                 0          0         0         1 Boolean    D
    LGI_PWD_TMO                    30         30         0       255 Seconds    D
    LGI_RETRY_LIM                   3          3         0       255 Tries      D
    LGI_RETRY_TMO                  20         20         0       255 Seconds    D
    LGI_BRK_LIM                     5          5         0       255 Failures   D
    LGI_BRK_TMO                   300        300         0        -1 Seconds    D
    LGI_HID_TIM                   300        300         0        -1 Seconds    D
    
  2. 次の例では,SYSMAN を起動し,NODE21 および NODE22 から構成されるローカル・クラスタを環境として指定する。 また,ユーザ,ターミナル,ノードのログインを試みる時間 (秒数) を制御する LGI_BRK_TMO パラメータのアクティブ値を表示する。 この例では,アクティブ値は 600 である。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
    %SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
       Clusterwide on local cluster
       Username MORIN    will be used on nonlocal nodes
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO
    Node NODE21:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    Node NODE22:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    

1.7.3 SYSMAN によるパラメータ・ファイルの変更

SYSMAN の PARAMETERS WRITE コマンドを使用すると,システム・パラメータ値およびシステム固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャを,ユーザが選択したパラメータ・ファイル,ディスク上の現在のシステム・パラメータ・ファイルに書き込むことができます。

DCL の SET MESSAGE コマンドを使ってシステム・メッセージの形式を変更していない限り,PARAMETERS WRITE CURRENT コマンドを実行すると,メッセージが OPCOM に送信され,イベントが記録されます。

注意:

PARAMETERS WRITE CURRENT コマンドを実行すると,現在操作している値だけではなく,パラメータのすべてのアクティブ値または現在値がディスクに書き込まれます。

  1. 新しいパラメータ指定ファイルを作成する。

    SYSMAN> PARAMETERS WRITE SYS$SYSTEM:NEWPARAM
    
  2. PARAMETERS SET コマンドに続けて PARAMETERS WRITE コマンドを実行すると,ディスク上の現在のパラメータ・ファイルが変更される。

    SYSMAN> PARAMETERS SET LGI_BRK_TMO 300
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    

1.7.4 SYSMAN によるアクティブ値の変更

SYSMAN の PARAMETERS SET コマンド,PARAMETERS WRITE コマンド,および PARAMETERS USE コマンドを使用すると,アクティブ・パラメータ値を変更できます。

アクティブ値を変更するとメモリ上の値が変更されるため,ただちにダイナミック・パラメータに影響します。 ダイナミック・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 また,SYSMAN の PARAMETERS SHOW/DYNAMIC コマンドを使っても調べることができます。 ダイナミック・パラメータ以外のパラメータ値は,システムの稼働中には変更できません。

アクティブ値を変更しても,ディスク上のシステム・パラメータ・ファイルには影響はありません。 次回のシステム・ブート時には,以前の現在値がアクティブ値として使用されるためです。

新しいアクティブ・パラメータ値を設定し,その値を以降のブート操作で使用する場合には,PARAMETERS WRITE CURRENT コマンドを使って,新しい値を現在のパラメータ・ファイルに書き込みます。 次の例を参照してください。

重要:

SYSMAN によって変更されたパラメータ値は,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。 SYSMAN で行った変更内容を保持するためには,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に新しいパラメータ値を指定する必要があります。 手順については,1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」を参照してください。

  1. LGI_BRK_TMO の値を作業領域で 300 に変更し,それをアクティブ値としてメモリに書き込んだ後,アクティブ値を表示する。

    
    SYSMAN> PARAMETERS SET LGI_BRK_TMO 300
    
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE ACTIVE
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO
    Node NODE21:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                300       300         0         -1 Seconds     D
    
    Node NODE22:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                300       300         0         -1 Seconds     D
    
    
  2. LGI_BRK_TMO に含まれている現在のパラメータ値をディスクから作業領域に呼び出した後,LGI_BRK_TMO を表示する。 この例では,ディスク上の現在値は 600 である。

    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO
    
    Node NODE21:   Parameters in use: CURRENT
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    Node NODE22:   Parameters in use: CURRENT
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    
  3. LGI_BRK_TMO の値 (600) を作業領域からメモリに書き込む。 書き込まれた値は,稼働中のシステムのアクティブ値となる。 PARAMETER WRITE ACTIVE コマンドにより,LGI_BRK_TMO だけではなく,すべてのパラメータ値が作業領域からメモリに書き込まれる点に注意。

    SYSMAN> PARAMETERS WRITE ACTIVE
    
    SYSMAN> PARAMETERS USE ACTIVE
    
    SYSMAN> PARAMETERS SHOW LGI_BRK_TMO
    
    Node NODE21:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    Node NODE22:   Parameters in use: ACTIVE
    Parameter Name         Current   Default   Minimum    Maximum Unit  Dynamic
    --------------         -------   -------   -------    ------- ----  -------
    LGI_BRK_TMO                600       300         0         -1 Seconds     D
    
    

1.8 SYSGEN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理

注意:

システム・パラメータを変更する場合には,できるだけ AUTOGEN を使用してください (詳細は 1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」を参照)。 何らかの理由で AUTOGEN を使用できない場合には,SYSMAN ユーティリティを使用してください (詳細は 1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照)。

次に,SYSGEN ユーティリティを使ってシステム・パラメータを管理できる作業を示します。 ただし,この方法はなくべく使用しないでください。

作業

参照箇所

パラメータ値の表示

1.8.2 項 「SYSGEN によるパラメータ値の表示」

省略時のパラメータ・ファイル内の現在値の変更

1.8.3 項 「SYSGEN によるシステム・パラメータ・ファイルの変更」

稼働中のシステムのアクティブ値の変更[5]

1.8.4 項 「SYSGEN によるアクティブ値の変更」

新しいパラメータ・ファイルの作成

1.8.5 項 「SYSGEN による新規パラメータ・ファイルの作成」

[5] ダイナミック・システム・パラメータのみ。

SYSGEN でシステム・パラメータを管理するときに使用するコマンドを,表 1-4 「システム・パラメータとともに使用される SYSGEN コマンド」 に示します。 SYSGEN コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SYSGEN の節を参照してください。

表 1-4 システム・パラメータとともに使用される SYSGEN コマンド

コマンド

機能

SHOW

パラメータ値を表示する。

USE

メモリまたはディスクから,調査または変更のために一時作業領域に値を読み込む。

SET

パラメータ値を変更する。 変更内容は作業領域のみで有効。 変更内容をより永久的なものにするためには,WRITE コマンドが必要。

WRITE

作業領域の内容をメモリまたはディスクに書き込む。

 

一時作業領域についての詳細は,1.8.1 項 「パラメータ値と SYSGEN について」 を参照してください。

1.8.1 パラメータ値と SYSGEN について

1.1.1 項 「省略時の値,現在値,アクティブ値」 で説明しているように,システム・パラメータの値にはいくつかの種類があります。 簡単にまとめると,現在値とは,ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納されている値のことです。 アクティブ値とは,メモリ内に格納され,システムの稼働中に使用される値のことです。 これらの値のほかにも,SYSGEN はディスク上の独自の作業領域にパラメータ値を一時的に書き込みます。 この値を一時値と呼びます。 図 1-3 「SYSGEN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値」 は,この 3 種類の値と,SYSGEN コマンドがそれらの値にどう影響するかを示しています。

図 1-3 SYSGEN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値

SYSGEN パラメータの一時値,アクティブ値,現在値

パラメータ値を表示または変更する場合,通常のセッションでは次の手順に従います。

  1. USE コマンドを使って,パラメータの値を SYSGEN の一時作業領域に読み込む。 アクティブ値を読み込むときは USE ACTIVE,現在値を読み込むときは USE CURRENT をそれぞれ使用する。

  2. SHOW コマンドを使って,パラメータ値を表示する。

  3. SET コマンドを使って,パラメータ値を変更する。 ただし,SET コマンドは,SYSGEN の一時作業領域の値を変更するだけである。

  4. WRITE コマンドを使って変更内容を有効にする。

    • WRITE ACTIVE は,メモリ内のアクティブ値のセットに値を書き込む。 ただし,アクティブ値を変更できるのはダイナミック・パラメータの場合だけである。

    • WRITE CURRENT は,ディスク上の現在値のセットに値を書き込む。

システム・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

1.8.2 SYSGEN によるパラメータ値の表示

システム・パラメータの値を表示するときには,次の手順に従います。

  1. 次のコマンドを入力して SYSGEN を起動する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
    
  2. 次の USE コマンドを使って,表示する値を指定する。

    表示対象

    入力するコマンド

    アクティブ値

    USE ACTIVE

    現在値

    USE CURRENT

    他のパラメータ・ファイルの値

    USE ファイル指定

     

    ファイル指定には,表示したい値が含まれているパラメータ・ファイルの名前を指定する。 たとえば,USE SYS$SYSTEM:ALTPARAMS.DAT。

  3. SHOW コマンドを次の形式で入力する。

    SHOW [/修飾子] [パラメータ名]

    特定のタイプのパラメータを表示する場合には,修飾子を指定する。 例を示す。

    表示対象となるグループ

    入力するコマンド

    WSMAX パラメータ

    SHOW WSMAX

    すべてのダイナミック・パラメータ

    SHOW/DYNAMIC

    TTY カテゴリのすべてのパラメータ

    SHOW/TTY

    すべてのパラメータ

    SHOW/ALL

SYSGEN SHOW コマンドと修飾子についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SYSGEN の節を参照してください。

ここでは,SYSGEN を使ってすべての TTY システム・パラメータの現在値を表示します。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> USE CURRENT
SYSGEN> SHOW/TTY
Parameters in use: Current 1
Parameter Name            Current    Default       Min.      Max. Unit       Dynamic
--------------            -------    -------    -------  -------  ----       -------
2                         3          4           5        6       7 
TTY_SCANDELTA            10000000   10000000    100000        -1  100Ns
TTY_DIALTYPE                    0          0         0       255  Bit-Encode
TTY_SPEED                      15         15         1        16  Special
TTY_RSPEED                      0          0         0        16  Special
TTY_PARITY                     24         24         0       255  Special
TTY_BUF                        80         80         0     65535  Characters
TTY_DEFCHAR             402657952  402657952         0        -1  Bit-Encode
TTY_DEFCHAR2               135178       4098         0        -1  Bit-Encode
TTY_TYPAHDSZ                   78         78         0        -1  Bytes
TTY_ALTYPAHD                 2048        200         0     32767  Bytes
TTY_ALTALARM                  750         64         0        -1  Bytes
TTY_DMASIZE                    64         64         0        -1  Bytes       D  8
TTY_CLASSNAME               "TTY"      "TTY"      "AA"      "ZZ"  Ascii
TTY_SILOTIME                    8          8         0       255  Ms
TTY_TIMEOUT                  3600        900         0        -1  Seconds    D
TTY_AUTOCHAR                    7          7         0       255  Character  D
SYSGEN> 

SYSGEN は,次の情報を表示します。

1

使用中の値 (この例では,現在値)

2

システム・パラメータの名前

3

要求された値 (この例では,現在値)

このカラムの見出しは,パラメータの現在値を表示する場合にも,アクティブ値を表示する場合にも,常に “Current” である。 この場合の “Current” は,USE コマンドで指定される,このパラメータの現在使用されている値を指すのであって,WRITE CURRENT コマンドによってディスクに格納されたパラメータの現在値を指すのではない。
4

省略時の値

5

最小値

6

最大値

7

割り当て単位

8

そのシステム・パラメータがダイナミックのときは “D”

1.8.3 SYSGEN によるシステム・パラメータ・ファイルの変更

重要:

システム生成ユーティリティ (SYSGEN) を使って変更されたパラメータ値は,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。 SYSGEN による変更内容を保持するには,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルで新しいパラメータ値を指定する必要があります (1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照)。

システム・パラメータの変更は SYSGEN を使ってもできます。 ただしシステム・パラメータ値を変更する場合にはできるだけ AUTOGEN を使ってください。 詳細は 1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」を参照してください。

AUTOGEN を使用できない場合には,システム管理ユーティリティ (SYSMAN) を使用してください。 詳細は 1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照してください。

省略時のシステム・パラメータ・ファイルの現在値の変更は,実行中のシステムのアクティブ値には,すぐには反映されません。 次回のシステム・ブート時に,新しい値で初期化されます。

VAX システム・パラメータ・ファイルの TTY_TIMEOUT パラメータの値を変更します。

$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
$ RUN SYSGEN
SYSGEN> USE CURRENT
SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 3600
SYSGEN> WRITE CURRENT
%OPCOM, 15-APR-2000 16:04:06.30, message from user SYSTEM
%SYSGEN-I-WRITECUR, CURRENT system parameters modified by process
ID 00160030 into file VAXVMSSYS.PAR
SYSGEN> EXIT

1.8.4 SYSGEN によるアクティブ値の変更

重要:

SYSGEN によって変更されたパラメータ値は,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。 SYSGEN による変更内容を保持するためには,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルで新しいパラメータ値を指定する必要があります (1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照)。

システム・パラメータの変更は SYSGEN を使ってもできます。 しかし,システム・パラメータ値を変更する場合にはできるだけ AUTOGEN を使ってください。 詳細は 1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照。

アクティブ値を変更すると,ダイナミック・パラメータにすぐに影響を与え,メモリ内にある値が変更されます。 ダイナミック・パラメータについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 また,SYSGEN の SHOW/DYNAMIC コマンドを使ってもダイナミック・パラメータであるか調べることができます。 ダイナミック・パラメータ以外の値をシステムの稼働中に変更することはできません。

アクティブ値を変更しても,ディスク上のシステム・パラメータの現在値には影響を与えません。 次回のシステム・ブート時に,それまでの現在値がアクティブ値として設定されます。

パラメータの新しいアクティブ値を設定し (WRITE ACTIVE と入力),以降のブート時に新しい値を使用する場合には,1.8.3 項 「SYSGEN によるシステム・パラメータ・ファイルの変更」で説明しているように,WRITE CURRENT コマンドを使用して,ディスク上の現在のパラメータ・ファイルに新しい値を書き込む必要があります。 また,パラメータがダイナミック・パラメータでない場合には,WRITE CURRENT コマンドを入力して,システムをリブートする必要があります。

SYSGEN を使ってアクティブ・パラメータを変更すると,DCL の SET MESSAGE コマンドを使ってシステム・メッセージの形式を変更していない限り,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) により,そのメッセージがオペレータ・ログとオペレータ・コンソールに書き込まれます。

  1. PFCDEFAULT パラメータのアクティブ値を変更する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN SYSGEN
    SYSGEN> SET PFCDEFAULT 127
    SYSGEN> WRITE ACTIVE
    %OPCOM, 15-APR-2000 16:04:06.30, message from user SYSTEM
    %SYSGEN-I-WRITEACT, ACTIVE system parameters modified by process
    ID 00160030
    SYSGEN> EXIT
    
  2. PFCDEFAULT パラメータのアクティブ値を変更し,同時に OpenVMS Alpha システム・パラメータ・ファイルに書き込む。 このファイルは,システムのリブート時に使用される。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN SYSGEN
    SYSGEN> SET PFCDEFAULT 127
    SYSGEN> WRITE ACTIVE
    %OPCOM, 15-APR-2000 16:04:06.30, message from user SYSTEM
    %SYSGEN-I-WRITEACT, ACTIVE system parameters modified by process
    ID 00160030
    SYSGEN> WRITE CURRENT
    %OPCOM, 15-APR-2000 16:04:06.30, message from user SYSTEM
    %SYSGEN-I-WRITECUR, CURRENT system parameters modified by process
    ID 00160030 into file ALPHAVMSSYS.PAR
    SYSGEN> EXIT
    

1.8.5 SYSGEN による新規パラメータ・ファイルの作成

パラメータ・ファイルを新しく作成しても,稼働中のシステムには影響を与えません。 しかし,それ以降の会話型ブート操作で,アクティブなシステムを新しいファイルの値で初期化することができます。

パラメータ・ファイルの作成方法

  1. 次のコマンドを入力して SYSGEN を起動する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN SYSGEN
    
  2. 次の形式のコマンドを入力して,パラメータ・ファイルを SYSGEN の一時作業領域にコピーする。

    USE ファイル指定

    ファイル指定には,ベースとなる既存のパラメータ・ファイルを指定する。 このファイルの値を変更して,新しいパラメータ・ファイルを作成できる。

  3. 次の形式のコマンドを入力して,必要に応じて値を変更する。

    SET パラメータ名 値

    パラメータ名には,値を変更するパラメータの名前を指定する。 値には,そのパラメータの新しい値を指定する。

  4. 次の形式のコマンドを指定して,値を新しいパラメータ・ファイルに書き込む。

    WRITE ファイル指定

    ファイル指定には,作成するパラメータ・ファイルの名前を指定する。

  5. SYSGEN を終了する。

重要:

SYSGEN ユーティリティを使って変更したパラメータ値は,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。 SYSGEN による変更内容を保持するためには,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに新しいパラメータ値を指定する必要があります (1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照)。

  1. パラメータ・ファイル PARAMS.PAR の TTY_TIMEOUT パラメータの値を変更して,ファイルを更新する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN SYSGEN
    SYSGEN> USE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR
    SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 3600
    SYSGEN> WRITE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR
    SYSGEN> EXIT
    
  2. PARAMS.PAR ファイルをベースにして SYS$SYSTEM:OURSITE.PAR という名前のファイルを作成する。

    $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
    $ RUN SYSGEN
    SYSGEN> USE SYS$MANAGER:PARAMS.PAR
    SYSGEN> SET TTY_TIMEOUT 1000
    SYSGEN> WRITE OURSITE.PAR
    SYSGEN> EXIT
    

1.9 会話型ブートによるシステム・パラメータの変更

注意:

システム・パラメータの変更は会話型ブートで行うこともできます。 しかし,システム・パラメータを変更する場合にはできるだけ AUTOGEN または SYSMAN ユーティリティを使用してください。 詳細は,1.5 項 「AUTOGEN によるシステム・パラメータの変更」および 1.7 項 「SYSMAN ユーティリティによるシステム・パラメータの管理」を参照してください。

会話型ブートを使用するのは,他に影響を与えないシステム・パラメータを一時的に変更する場合か,緊急の場合だけに限定してください。 たとえば,システムのアップグレード時などに,会話型ブートを使用して,簡易スタートアップを使用するように STARTUP_P1 を変更します。

値を変更し,変更した値を AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に追加しない場合,AUTOGEN の次回の実行時にその値は上書きされるということを覚えておいてください。

会話型ブート操作によって,システム・ブートの前にアクティブ・パラメータを変更できます。 次の方法があります。

作業内容

参照箇所

個々のパラメータのアクティブ値を変更する。

OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)

省略時のパラメータ・ファイル以外のパラメータ・ファイルの値を使って,アクティブ値を初期化する。

OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)

省略時の値を使ってアクティブ値を初期化しなおす。

OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)

会話型ブートの最後に,省略時のパラメータ・ファイルが変更され,各パラメータの新しいアクティブ値が格納されます。

重要:

会話型ブートによって変更されたパラメータ値は,AUTOGEN コマンド・プロシージャによって上書きされます。 会話型ブートによる変更内容を保持するためには,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに新しいパラメータ値を指定する必要があります (1.5.1 項 「MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御」 を参照)。

1.10 BAP システム・パラメータのチューニング

OpenVMS Alpha バージョン 7.1 以降には,BAP (bus-addressable pool) の操作を制御するシステム・パラメータが含まれています。

Alpha システムでは,CIPCA,CIXCD,KFMSB,および Qlogic 1020ISP は,BAP (bus-addressable pool) を使用して性能を向上させるアダプタの一部です。 BAP とは,I/O バスおよび 32 ビット・アダプタの物理アドレッシング・リミットを克服するために使用する,物理アドレス・チェック非ページング動的メモリ・プールです。

以下の表は,BAP の操作を制御するシステム・パラメータと,それらの省略時の値です。

システム・パラメータ

省略時の値

NPAG_BAP_MIN

0

NPAG_BAP_MAX

0

NPAG_BAP_MIN_PA

0

NPAG_BAP_MAX_PA

-1

これらのパラメータの省略時の値を使用すると,システムは任意の構成でブートできます。 構成されたシステムで AUTOGEN が実行されると,これらのパラメータは現在のシステム構成の性能を強化するような値に再設定されます。

インストール,アップグレード,または構成の変更の後でシステムがブートに失敗し,BAP パラメータが正しくないことを示すメッセージが表示された場合には,以下の手順を実行することをお勧めします。

  1. BAP パラメータを省略時の値に再設定する。

  2. システムをリブートする。

  3. インストール手順で AUTOGEN を実行できるように設定するか,AUTOGEN を手作業で実行する。

AUTOGEN に FEEDBACK 修飾子を付けてこれらのパラメータを設定すると,次の例のようになります。

$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS SETPARAMS FEEDBACK
注意:

これらのパタメータは重要です。 ここで説明されているように AUTOGEN を実行し,これらのパラメータが正しく設定されているかどうか確認することをお勧めします。

1 つの BAP パラメータの設定だけを調整するので,このコマンドを使用しない場合には,次の手順を使用します。

  1. 省略時の BAP パラメータ値を使用してシステムをブートする。

  2. SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.EXE を手作業で実行する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.EXE
    
  3. SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.DAT で BAP_* システム・パラメータの値を検索する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:AGEN$FEEDBACK.EXE
    
  4. Run SYSGEN を実行し,次のシステム・パラメータを,ステップ 3 で取得した BAP_ の値を使用して設定する。

    AGEN$FEEDBACK のデータ

    システム・パラメータ

    単位

    BAP_MIN

    NPAG_BAP_MIN

    バイト

    BAP_MAX

    NPAG_BAP_MAX

    バイト

    BAP_MIN_PA

    NPAG_BAP_MIN_PA

    M バイト[6]

    BAP_MAX_PA

    NPAG_BAP_MAX_PA

    M バイト[6]

    [6] バージョン 7.2 以前の OpenVMS Alpha システムでは,このパラメータの値はバイト単位で指定されています。

BAP の割り当て量 (BAP_MIN および BAP_MAX によって指定) は,アダプタのタイプ,アダプタの数,およびオペレーティング・システムのバージョンによって異なります。 物理アドレス範囲 (BAP_MIN_PA および BAP_MAX_PA によって指定) は,アダプタのタイプと,Galaxy 論理パーティションがあればそれが定義される方法によって異なります。

注意:

NPAG_BAP_MIN_PA および NPAG_BAP_MAX_PA を手作業で設定する場合には,必ずオペレーティング・システムのバージョンに対応する正しい単位 (バイトまたは M バイト) を使用して,各パラメータの値を設定してください。

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