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インターコネクトは,コンピュータ同士,およびコンピュータとストレージ・サブシステムを接続する物理パスです。 OpenVMS Cluster システムは,最も適切で効率的な方法を使用して,メンバが相互におよびストレージと通信できるように,多様なインターコネクト (バスとも呼ぶ) をサポートしています。
OpenVMS Cluster システムでインターコネクト経由の通信を行うためのソフトウェアを SCS (System Communications Services) と呼びます。ノード間 SCS 通信をサポートするインターコネクトを クラスタ・インターコネクト と呼びます。1 つのクラスタ内でのノードとストレージ間の接続を可能にするインターコネクトを 共有ストレージ・インターコネクト と呼びます。CI および DSSI などの一部のインターコネクトは,クラスタ・インターコネクトとストレージ・インターコネクトの両方の役割を果たすことができます。
OpenVMS は,以下のタイプのインターコネクトをサポートします。
この章で説明するインターコネクトにはいくつか共通の特徴があります。 表 4-1 に,これらの特徴をまとめました。
特徴 | 説明 |
---|---|
スループット | インターコネクトを経由して転送されるデータ量。
インターコネクトによっては,より多くのプロセッサ・オーバヘッドが必要になります。たとえば,Ethernet インターコネクトと FDDI インターコネクトには, CI や DSSI よりも多くのプロセッサ・オーバヘッドが必要です。 パケット・サイズが大きければ,小さい場合よりも高いデータ転送速度 (スループット) が可能になります。 |
ケーブル範囲 | 3 m から 40 km の範囲で相互接続します。 |
最大ノード数 | 1 つのインターコネクトに接続できるノード数は,インターコネクトのタイプによって異なります。OpenVMS Cluster システムの設定時には,このことを忘れないでください。 |
サポートされるシステムとストレージ | 各 OpenVMS Cluster ノードとストレージのサブシステムごとに,内部システム・バスとインターコネクトを結ぶアダプタが必要です。インターコネクト・タイプの選択時には,まずストレージとプロセッサの I/O パフォーマンスを考え,次にアダプタ・パフォーマンスを考えてください。 |
表 4-2 は,各種インターコネクトの主な仕様です。
インターコネクト | 最大スループット (Mb/s) | ハードウェア支援データ・リンク1 | ストレージへの接続 | トポロジ | クラスタあたりの最大ノード数 | 最大 長 |
---|---|---|---|---|---|---|
汎用 | ||||||
ATM | 155/622 | No | MSCP 対応 | スイッチに対しラジアル | 96 2 | 2 km 3/300 m 3 |
Ethernet/
Fast/ Gigabit |
10/100/1000 | No | MSCP 対応 | ハブやスイッチに対しリニアまたはラジアル | 96 2 | 100 m 4/100 m 4/550 m 3 |
FDDI | 100 | No | MSCP 対応 | ツリーに対しデュアル・リング,ハブやスイッチに対しラジアル | 96 2 | 40 km 5 |
CI | 140 | Yes | 直結と MSCP 対応 | ハブに対しラジアル | 32 6 | 45 m |
DSSI | 32 | Yes | 直結と MSCP 対応 | バス | 8 7 | 6 m 8 |
共有ストレージ専用 | ||||||
Fibre Channel | 1000 | No | 直結 9 | スイッチに対しラジアル | 96 2 | 10 km
10
/100 km 11 |
SCSI | 160 | No | 直結 9 | バスまたはハブに対しラジアル | 8-16 12 | 25 m |
ノード間 (SCS トラフィック専用) | ||||||
MEMORY CHANNEL | 800 | No | MSCP 対応 | ラジアル | 4 | 3 m |
インターコネクトやアダプタの 1 つにでも障害が発生すると,別のインターコネクトにノード通信が自動的に移行します。
複数の MSCP サーバ構成では,OpenVMS Cluster は負荷分散により最適なパスを自動的に選択します。そのため,1 か所のアダプタで I/O ボトルネックが発生することが少なくなります。構成によっては,1 つのノード間に複数のパスがあると,パスが 1 つだけの場合よりも多くの情報を転送できます。
関連項目: 動的 MSCP 負荷分散の例については, 第 10.7.3 項 を参照してください。
複合インターコネクトは,1 つの OpenVMS Cluster システムに 2 種類以上のタイプのインターコネクトを組み合わせたものです。複合インターコネクトでは,それぞれのタイプの利点を組み合わせて OpenVMS Cluster システムを拡張します。たとえば,Fibre Channel,SCSI,または CI 接続を追加することにより,Ethernet クラスタでさらに多くのストレージが必要になっても拡張が可能です。
4.5 Alpha システムと VAX システムがサポートするインターコネクト
表 4-3 は,Alpha システムと VAX システムがサポートする OpenVMS Cluster インターコネクトを示したものです。
インターコネクトのサポートについては,最新の OpenVMS Cluster SPD (ソフトウェア仕様書) も参照してください。
システム | CI | DSSI | FDDI | Ethernet | ATM | MEMORY CHANNEL |
SCSI | Fibre Channel |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AlphaServer GS160, GS320 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
AlphaServer GS60, GS80, GS140 | ○ | ○ 1 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
AlphaServer ES40 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
AlphaServer DS20E, DS10L, DS10 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
AlphaStation ES40 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ 2 | ○ | |
AlphaStation DS20E | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
AlphaStation DS10/XP900 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
AlphaStation XP1000 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
AlphaServer 8400, 8200 | ○ | ○ | ○ | ○ 1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
AlphaServer 4100, 2100, 2000 | ○ | ○ | ○ 1 | ○ 1 | ○ | ○ | ○ | ○ 3 |
AlphaServer 1000 | ○ | ○ | ○ | ○ 1 | ○ | ○ | ||
AlphaServer 400 | ○ | ○ | ○ 1 | ○ | ||||
DEC 7000/10000 | ○ | ○ | ○ 1 | ○ | ||||
DEC 4000 | ○ | ○ | ○ 1 | |||||
DEC 3000 | ○ 1 | ○ 1 | ○ | |||||
DEC 2000 | ○ | ○ 1 | ||||||
VAX 6000/7000/10000 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
VAX 4000, MicroVAX 3100 | ○ | ○ | ○ 1 | |||||
VAXstation 4000 | ○ | ○ 1 |
表 4_3 にあるように,OpenVMS Clusters は,広範囲なインターコネクトをサポートしています。 第 2 章 で説明しましたが,注意すべきことは,どれだけの I/O が必要かということです。
ほとんどの場合,I/O 要件がどれか 1 つの OpenVMS Cluster インターコネクトの能力を上回ることはありません。I/O キャパシティに十分な余裕があることを確認し,その他の必須機能に基づいてインターコネクトを選択してください。
関連項目: 各 AlphaServer システムでサポートされるインターコネクトとアダプタについての詳細は,次の Compaq ウェブ・サイトを参照してください。
http://www.compaq.com |
「Products」の下の「Servers」を選択した後,「AlphaServers」,サーバ・ファミリ (DS,ES,または GS など),サーバ・モデルの順に選択します。サポートされているすべてのオプションの中から選択できます。
次の「Alpha Systems Technology Technical Information」の Web ページを選択することもできます。このページから,各 Alpha システム・モデルのドキュメント,サポートされているオプション,ファームウェアのアップデート版,およびソフトウェア・パッチ・サービスにアクセスできます。
http://www5.compaq.com/alphaserver/technology/index.html |
Fibre Channel は,PCI ベースの Alpha システム用の高性能 ANSI 標準ネットワーク・ストレージ・インターコネクトです。全二重シリアル・インターコネクトとして,毎秒 100 MB で送受信できます。初期リリースでは, Fibre Channel は,Fibre Channel スイッチへの複数ノード接続により SCSI ストレージの同時アクセスをサポートします。ノード間通信には, 2 番めのタイプのインターコネクトが必要です。Fibre Channel 経由のノード間通信は,将来リリースされる予定です。
Fibre Channel ストレージに対するマルチホスト・アクセスには,以下のコンポーネントが必要です。
Fibre Channel インターコネクトには,以下の利点があります。
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