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OpenVMS マニュアル


日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


目次 索引

付録D DECprint Supervisor (DCPS)および DECprint プリンティング・サービス (CPS)

この付録では, DECprint Supervisor for OpenVMS と DECprint プリンティング・サービスの相違点について説明し,共存できる機能についても説明します。"DCPS"は DECprint Supervisor for OpenVMS のことを示しており,"CPS"は DECprint プリンティング・サービスのことを示しています。

D.1 DCPS/CPSの共存

DCPSは,CPS V4.1をインストールしたシステムと同じシステムに共存できます。 DCPSをインスートルすることによって,CPSの構成要素が削除されたり,変更されることはありません。どちらの製品も同じシステムで使用でき,既存のキュー構造をCPSからDCPSに移行することもできます。

D.2 CPS から DCPS へのアップグレード

CPS から DCPS にアップグレードする場合は,次のように CPS$STARTUP.COM ファイルを変換してください。

  1. 次のコマンドを実行します。

    $ @SYS$STARTUP:CPS_TO_DCPS_STARTUP
    

  2. 画面に表示される次のような問い合わせに対して,たとえば次のように入力します。

    Enter filename of CPS startup file to be converted; 
    Default filename is SYS$SYSROOT:[SYS$STARTUP]CPS$STARTUP.COM 
        [default]: 
     
    disk$manager:[cps_conversion]cps$startup.com
     
    Enter filename of DCPS startup file to be created; 
    Default filename is SYS$SYSROOT:[SYS$STARTUP]DCPS$STARTUP.COM [default]:
     
    disk$manager:[cps_conversion]dcps$startup.com
     
    Please read or run DIFFERENCES on the output file, 
            DISK$MANAGER:[CPS_CONVERSION]DCPS$STARTUP.COM, 
    to be sure the new file meets your needs.
     
    

コマンド・プロシージャにより, DECprint Supervisor が識別できるスタートアップ・ファイルが作成されますが,既存のキュー定義は変更されません。新しいキューを追加する必要がある場合は, 第 3.3 節 を参照してください。

DCPS には,自動データ・タイプ検出機能があります。このため,省略時のキュー設定あるいは PRINT コマンド実行時にデータ・タイプを指定する必要がありません。

ジェネリック・キューに省略時のデータ・タイプを定義している場合は, DCPS$STARTUP.COM を編集してその部分を削除してください。

D.3 接頭語DCPS$

DCPSのファイル名,論理名,メッセージはすべて,DCPS$という接頭語から始まります。このため,今後もCPSを使用して一部のキューを駆動し,他のキューを駆動するためにDCPSを追加できます。省略時のOpenVMSフォームはDCPS$DEFAULTです。

しかし,特定のファイルはシステム資源であると解釈され, DCPSとCPS,および他の製品との間で共用されます。これらの共用リソースは次のとおりです。

  • CPS$ANSI_FONTS.TLB
    これはダウンロード可能なフォントを格納したライブラリであり, LN03またはDEClaserフォント・カートリッジをエミュレートする。

  • データ・タイプ・トランスレータ
    DCPSは,CPSと同じディレクトリに同じファイル名で,トランスレータをインストールする。

2 次メッセージ (RMS などの別の機能によって生成され, DCPS 製品に渡されたメッセージ) には,メッセージの原因となった機能のコードが含まれています。

D.4 スタートアップ・ファイル・コンバータ

変換ツールであるCPS_TO_DCPS_STARTUP.COMは,CPSのスタートアップ・ファイルを変換し,DCPSと同じ名前を使用するようにします。このツールについては, 第 3.2 節 を参照してください。

次の表はCPSのファイル名と,それに対応するDCPSのファイル名の変換を示しています。

CPSのファイル名 DCPSのファイル名
CPS$STARTUP DCPS$STARTUP
CPS$EXECUTION_QUEUE DCPS$EXECUTION_QUEUE
CPS$REQUIRED DCPS$REQUIRED
CPS$GENERIC DCPS$GENERIC
CPS_LIB DCPS_LIB
CPS$DEVCTL DCPS$DEVCTL
LPS$ queuename_PARAMETER DCPS$ queuename_PARAMETER
CPS$ queuename_STALL_TIME DCPS$ queuename_STALL_TIME
LPS$LAYUP DCPS$LAYUP
DECprint Printing Services DECprint Supervisor

この変換ツールでは,キューの名前やキューの構造は変更されません。

D.5 ジェネリック・キューは不要

DCPSはデータ・タイプを自動的に検出できます。したがって,ジェネリック・キューの数を削減でき,まったく不要にすることもできます。自動的なデータ・タイプ検出についての詳しい説明は, 第 4 章 を参照してください。

D.6 ベージの拡大/縮小

DCPSでは,ジョブで次のパラメータを指定した場合,出力用紙におさまるように論理ページ・イメージを拡大/縮小できます。

PAGE_SIZE=p,SHEET_SIZE=s

p s は異なる値です。

ジョブはパラメータ NUMBER_UP=1 を想定しています。 CPSの場合には,ページの拡大/縮小機能を起動するために,NUMBER_UPパラメータも同様に指定しなければなりませんでした。

D.7 PostScript レベル2プリンタに対するレイアップとレイアップの修正

PostScript レベル2ソフトウェアを搭載しているプリンタに接続した場合, DCPSのレイアップ機能は PostScript レベル2オペレータをサポートします。また,複数のレベル1オペレータのサポートを修正したり,機能を拡張しています。

MacintoshおよびPCアプリケーションで作成されたレベル1の PostScript プログラムは一般に,CPSで印刷した場合より,DCPSで印刷した場合の方が印刷品質を向上できます。CorelDrawおよびMacintoshプログラムで発生していた問題は修正されています。

D.8 PRINTコマンド・ラインでのレイアップ・オプション

DCPSでは,LAYUP_DEFINITIONSパラメータにレイアップ・オプションを直接指定でき,また,これらのオプションを .LUPファイルに記録し,その名前をパラメータに指定することもできます。レイアップ・オプションをPRINTコマンドで指定すれば, Distributed Queuing Services製品を介して別のシステムで印刷されるジョブとの間で,これらのオプションを受け渡しすることができます。 CPS V4.1では.LUPファイル・オプションだけしか提供されていません。

レイアップ定義ファイルに記録したレイアップ・オプションの例と, PRINTパラメータとして指定したレイアップ・オプションの例については,『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

D.9 ページ・サイズ

CPS V4.1では,次のページ・サイズは存在しないか,または正しく解釈されていませんでした。DCPSでは,これらのページ・サイズが定義され,正しく解釈されるようになりました。

A6
C
D
7x9
7_envelope
10x14
11x14
PostCard


DCPSを使用して代替トレイからジョブ・セパレータ・ページを選択するには,次のシステム論理名を定義します。

$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queuename_SEPARATOR_TRAY number

ただし,number はそのキューによってサービスされるプリンタの正しいトレイ番号であり,プリンタ固有の値です。正しい値については,プリンタのマニュアルを参照してください。

D.11 到達不可能なPrintServerの停止

オペレータがSTOP/QUEUE/RESETを実行したときに,キューが到達不可能な PrintServerプリンタに接続されている場合にも,そのキューは正しく停止されます。しかし,CPS V4.1の場合には,常に正しく停止されるとは限りませんでした。

D.12 1行目の重ね書き

CPS V4.1では,レコードがフォーム・フィードから始まる場合,一番上の行が重ね書きされていました。DCPSでは,この問題はありません。

D.13 ストール時間切れ

CPS V4.1では,直接接続されたシリアル・プリンタに対してストール・タイマが起動されていませんでした。DCPSでは,タイマが起動されます。

CPS V4.1では,ストール・メッセージの時間切れの初期値は1分でした。この初期値を使用した場合,プリンタが処理中で,実際にまったくストールしていないときに,"queue stalled"というメッセージが出力されることがありました。DCPSでは,ストール時間切れは4分です。

D.14 ジョブのキューへの再登録

プリンタに接続しているときにネットワーク・エラーが発生した場合には, CPS V4.1は/HOLD属性を使用してジョブをキューに再登録します。DCPSでは /HOLD属性を使用せずに,ジョブをキューに再登録します。

D.15 ストリーム・ファイルの読み込み

PostScript ファイルのレコード属性がSTREAM,STREAM_LF, STREAM_CRのいずれか場合,このファイルはブロック・モードで読み込まれます。このため,DCPSでは,CPSで印刷できなかった非常に長いストリーム・レコードを印刷できます。このタイプのファイルはPCの通信プログラムで書き込まれることがあります。

D.16 コピーは新しい用紙で開始

/COPIES=n で,n が2以上の場合には, NUMBER_UPやSIDES=2を指定して印刷しても,各コピーは新しい用紙に印刷されます。CPS V4.1で PostScript ジョブを印刷した場合には,このようにはなりません。

D.17 ジェネリック・キューの再起動

シャットダウン時に,OpenVMSは実行キューを停止しますが,ジェネリック・キューは停止しません。この結果,システムを再起動すると,ジェネリック・キューは誤った属性が設定されている場合でも,動作を開始します。CPS V4.1でジェネリック・キューを起動すると,キューがすでに実行中であることを示す警告メッセージが表示されます(OpenVMS V5.5の場合)。DCPSでジェネリック・キューを起動した場合には,すでに実行中のキューは停止され,再起動されます。

D.18 Proprinterトランスレータ

DCPSには,Proprinterから PostScript 形式へ変換する新しいトランスレータが含まれていますが,CPSではこのトランスレータは提供されていませんでした。 PROPRINTERデータ・タイプの使用についての一般的な説明は,『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

D.19 DCPSおよびPATHWORKSライブラリ

PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh)では,独自の装置制御ライブラリ, MSAP$DEVCTL.TLB が作成され,CPSライブラリが存在する場合には,そのライブラリにもモジュールが登録されます。これらのモジュールは, DCPSライブラリには登録されません。この問題を解決するには,DCPSライブラリとPATHWORKSライブラリの両方を指すサーチ・リストとして,DCPS_LIBを定義してください。この操作方法については,DCPS$STARTUP.TEMPLATE の例に示されています。

  注意
PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh) は廃止され,サポートされなくなりました。



DCPSには新しい PostScript サンプル・ファイルが含まれており,弊社の PrintServerプリンタでMacintoshファイルとPCファイルの印刷を改善できます。

D.21 Colormate PSのカラー機能の改善

Colormate PSのカラー転送機能は,グレイ・スケール・イメージが茶色になる問題や,自然イメージで人間の肌色がきれいに表現されないという問題を回避するように変更されています。Colormate PSは,よりよいグレイ・スケール・イメージと自然な肌色を実現できるように,新しい初期設定のカラー転送機能を使用して印刷を実行します。したがって, Colormate PSで印刷する場合には,次のことに注意してください。

  • グラフィックス・イメージがこれまでほど鮮やかに見えないことがある

  • グレイは正確にグレイとしてレンダリングされ,茶色では表示されない

  • 一部の図形は黄色の割合が低く,青の割合が高い状態で表示されることがある



D.22 セキュリティ・メッセージの印刷

DCPSには,新しいサンプル・ファイルが添付されています。

SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]CONFIDENTIAL.PS 

このファイルには,各ページの一番上と一番下にオーバレイとして(つまり,ページの内容を出力した後),"Confidential"を出力するための showpageオペレータの再定義方法が示されています。


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