日本-日本語
日本HPホーム 製品 & サービス OpenVMS製品情報
≫  お問い合わせ


OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第1章:英語版 DCPS と日本語 DCPS との対応
第2章:日本語 DCPS V 2.7 について
第3章: 英語版 DCPS Version 2.7-A について
第4章:プリンタ固有の情報
第5章:日本語 DCPS の使用上の注意事項および制限事項
第6章:DCPS の制限事項
第7章:DCPS に影響を与えるその他の制限事項
付録A :Raw TCP/IP ポート番号
付録B :LPD キューに指定するプリンタ製品名
PDF
OpenVMS ホーム
日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS

日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS
リリース・ノート


目次

第 6 章
DCPS の制限事項

この章では,DECprint Supervisor に関する注意事項および制限事項について説明します。

日本語版の DECprint Supervisor に固有の制限事項については,本書の 第 5 章 で説明しています。また,プリンタ固有の制限事項については,本書の 第 4 章 に加えて以下のドキュメントも参照してください。

  • 『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS システム管理者ガイド』のプリンタ固有の情報の章

  • 『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS ユーザーズ・ガイド』のプリンタ固有の情報の章



6.1 OpenVMS V8.2 およびそれ以降のバージョンにおける AppleTalk

DCPS が使用するネットワーク・プロトコルの 1 つとして, OpenVMS Alpha および VAX システム上のレイヤード製品である PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh) で提供される AppleTalk があります。この製品はすでにリタイヤしておりサポートされていませんが, DCPS はその後も AppleTalk キューとの動作が可能でした。

しかし,OpenVMS V8.2 でオペレーティング・システムに対して行われた変更により,AppleTalk プロトコルは開始できなくなりました。このため,OpenVMS V8.2 以降,DCPS は AppleTalk キューと動作することはできません。

OpenVMS V8.2 以降は,次のようなメッセージが表示され,キューの起動に失敗します。

    %DCPS-F-CANNOTSTART, cannot start queue queue_name
    %DCPS-F-TRANSPORTNOTSUP, transport not supported - AppleTalk 
    %SYSTEM-F-IVPARAM, invalid parameter specified 

OpenVMS クラスタ環境で AppleTalk プロトコルを使用したい場合は,可能であれば,キューを実行するノードを OpenVMS V8.2 より前のバージョンに変更してください。

6.2 自動検出機能付きプリンタを使用する場合の注意事項

多くのプリンタでは,プリント・ジョブのデータ・タイプを検出することができます。このようなプリンタでは,フロント・パネルまたはプリンタ管理ソフトウェアを使用して,接続チャネル毎に自動検出の状態と自動検出機能が有効になっているかどうかを調べることができます。

この機能を提供するほとんどのプリンタについては,プリンタが "PostScript" モードあるいは "Auto-Sensing" モードに設定されている場合に日本語 DECprint Supervisor ソフトウェアが正しく動作します。このため,このようなプリンタでは, DCPS キューを起動する前に上記のいずれかのモードで動作するように設定しておかなければなりません。プリンタが "PCL" モードに設定されていると DCPS ソフトウェアは正しく動作しません。

詳細については,本書の 第 4 章 および『 DCPS システム管理者ガイド』を参照してください。

6.3 Raw TCP/IP キューでのジョブの "Starting" 状態

Raw TCP/IP 接続を使用する DCPS キューを設定する際にプリンタに不正な TCP ポート番号を指定した場合,そのキューに出力したプリント・ジョブは "Starting" 状態のままとなります。これは,DCPS がネットワーク障害とプリンタのビジー状態あるいはオフライン状態を区別できないため, DCPS がユーザによる不正なポート番号指定であるかどうかを判断することができないことが原因です。

これ以外の理由によっても Raw TCP/IP キュー内のプリント・ジョブが "Starting" 状態のままとなる場合があることに注意してください。

プリンタ,ネットワーク・インタフェース・カード,プリント・サーバ,ターミナル・サーバのドキュメントをチェックし,正しい TCP ポート番号を使用していることを確認してください。 TCP ポート番号については,本書の 表 A-1 にも記述されています。

6.4 Raw TCP/IP キューの接続の切断

HP Color LaserJet 9500,LaserJet 9055 MFP,あるいは LaserJet 9065 MFP などのデータ・スプール用に大きなメモリあるいはディスクを備えたプリンタでは, Raw TCP/IP 接続を使用している場合に,長いプリント・ジョブで CONTERMINATED エラーが発生する可能性があります。

単一のファイルから構成されるジョブあるいはプリンタのネイティブ PostScript 互換機能のみを使用している場合,このエラーはジョブの最後で発生する傾向があり, (キューに対してトレーラを指定している場合) トレーラ・ページは出力されず, (プリント・ジョブのアカウント機能を有効としている場合) アカウント情報は消失します。これ以外のジョブについてはジョブの中間で発生する可能性があり,トレーラ・ページと同様に以降のドキュメントは出力されず, (プリント・ジョブのアカウント機能を有効としている場合) アカウント情報は消失します。 DCPS は中断されたジョブを再度キューに登録して "Holding" 状態とし,ユーザによる問題解決後に再度そのジョブを出力できるようにします。

HP JetDirect カードを含むいくつかのネットワーク・デバイスでは,指定された時間内にホスト・システムから入力を受け取らない場合には, TCP/IP 接続が切断されます。これは,ホスト・ソフトウェアによるデバイスの専有を防ぐための機能です。ただし DCPS は,プリンタが PostScript から別のネイティブ・プリンタ言語に切り替える場合,あるいはトレーラ・ページの出力およびアカウント情報の収集を行う場合,その前に出力したドキュメントをプリンタが出力したことという通知を受け取るまで待ちます。この場合はたとえプリンタがビジー状態であっても,指定されたタイムアウト時間が経過するまで, NIC は DCPS からのそれ以上の入力を受け取ることができません。

NIC の TCP/IP アイドル・タイムアウト時間の変更が可能である場合は,タイムアウトを無効とすること,あるいはタイムアウト時間を長くすることによってこの問題を回避することができます。 NIC のドキュメントをチェックして,これが可能であるかどうか,また可能であればその方法を確認してください (最近の HP のプリンタでは,この設定を TCP/IP のアイドル・タイムアウトと呼んでいます)。続いて,必要な出力が得られないため,キューに再登録されたジョブを解除し,キューに再登録されているその他のジョブを削除してください。

重要なのはジョブのサイズではなく,その処理にかかる時間であることに注意してください。たとえば,非常に小さな PostScript プログラムであっても,出力に非常に長い時間がかかる場合があります。このため,どの程度のタイムアウト時間が適当であるのかを予想することは一般的に困難です。

6.5 使用不能な Raw TCP/IP プリンタについての NOT_READY 警告メッセージ

Raw TCP/IP 接続を使用するプリンタのキューにジョブを登録した際に,そのプリンタがビジー状態あるいはオフライン状態である場合は,そのプリンタについて NOT_READY 警告メッセージが表示されます。プリンタがビジー状態にあることが確実である場合は,このメッセージを無視することができます。 DCPS は,プリンタがビジー状態であるか,オフライン状態であるか,その他の理由により使用不能であるかを区別することができません。

6.6 カラー PostScript を生成できないトランスレータ

DCPS で提供されているトランスレータ (たとえば ReGIS) は,カラー情報を含んでいるソース・ファイルであっても,カラー PostScript コマンドを生成することはできません。カラー情報は,グレースケールに変換されます。

6.7 PostScript Level 2 プリンタでのジョブのトレーラ・ページのシフト排紙

PostScript Level 2 プリンタで各ジョブを分離して出力するようにジョブ・シフト排紙を有効にしている場合,ジョブ本体とそのトレーラ・ページ間でシフト排紙が発生します。

6.8 特定のプリンタでの ANSI トレイ選択不可

トレイ選択のエスケープ・シーケンスを含む ANSI ファイルを出力する場合,使用しているプリンタによっては出力できない可能性があります。この場合,offendig command is "setpapertray" という PostScript 構成エラーが発生してジョブが中断されます。

また,Compaq Laser Printer LN16 などのいくつかのプリンタでは, PostScript トレイ番号 0 の給紙トレイを持っています。トレイを選択するために ANSI エスケープ・シーケンス DECASFC が使用されますが, 0 という値はトレイの変更がないという意味であり,トレイ 0 の選択はできません。たとえば,次の ANSI エスケープ・シーケンスはトレイ 0 を選択せず,トレイの変更なしを示します。

        <CSI>0!v

この問題の回避策は, TRN$XLATE_DICT ディレクトリ内に settoptray,setbottomtray,setlcittray という PostScript コマンドを再定義するセットアップ・モジュールを作成して起動することです。

たとえば,Compaq Laser Printer LN16,DIGITAL Laser Printer LN15 あるいは LN15+ の場合は, settoptray,setbottomtray,setlcittray を次のように定義するセットアップ・モジュールを作成します。

    TRN$XLATE_DICT begin 
        /settoptray        { statusdict begin 0 setpapertray end } def 
        /setbottomtray     { statusdict begin 1 setpapertray end } def 
        /setmanualfeedtray { statusdict begin 3 setpapertray end } def 
    end 

たとえば HP LaserJet 4M Plus の場合には, settoptray,setbottomtray,setlcittray を次のように定義するセットアップ・モジュールを作成します。

    TRN$XLATE_DICT begin 
        /settoptray    { statusdict begin 3 setpapertray end } def 
        /setbottomtray { statusdict begin 0 setpapertray end } def 
        /setlcittray   { statusdict begin 1 setpapertray end } def 
    end 

PostScript トレイ番号は,『 DCPS ユーザーズ・ガイド』に記述されています。

6.9 ホストにステータス・メッセージを送信しないいくつかのプリンタ

内部的なアーキテクチャのため,いくつかのプリンタではプリンタと通信しているホスト・システムではなく,プリンタ・コンソールにステータス情報を通知するものがあります。このため DCPS はいくつかのステータス状態 (たとえば紙切れ,紙詰まり,複雑すぎるページ,カバーの開放など) を検出できないため,ユーザにその状態を通知することができません。その代わり,その後に DCPS がそのプリンタと通信しようとした場合に, DCPS キューは "Stalled" 状態となります。これは最初にこの問題が発生したジョブで表示されることも,その後のジョブで表示されることもあります。

この問題が発生するプリンタは次のとおりです。

  • DEClaser 5100 プリンタ

  • LN17ps プリンタ

  • いくつかの HP LaserJet III プリンタおよび IV プリンタ (ただし,紙詰まりの回復機能が無効となっている場合, HP PostScript-Plus Level 2 カートリッジの付いた HP LaserJet III および HP LaserJet IIISi では発生しません。)



6.10 プリンタ名の出力に関する問題

各国語対応文字が PostScript "printername" で使用されている場合,セパレータ・ページの下部に出力されるプリンタ名が間違った文字セットで出力される可能性があります。

6.11 DECwindows ソフトウェアあるいは DECimage Application Services を必要とする DDIF 出力

DDIF エンコード 2 値イメージを出力するには, DCPS は DECwindows ソフトウェアあるいは DECimage Application Services (DAS) がシステムにインストールされていることを必要とします。 DAS は OpenVMS VAX システムだけで使用可能です。

6.12 NUMBER_UP および PostScript ドライバの互換性

ユーザ・アプリケーションで LaserWriter 8.0 または 8.1.1 ドライバ,あるいは Adobe 2.1.1 Windows ドライバを使用して作成された PostScript ファイルは, 1 より大きな NUMBER_UP が指定された場合に正しく出力されません。

この場合,ページが抜けたり,NUMBER_UP ページ位置とは異なる位置に出力されたり,間違った拡大縮小率で出力されるという現象が発生します。

6.13 PAGE_SIZE パラメータを無視する LIST トランスレータ

LIST トランスレータは,ページのフォーマットの際に PAGE_SIZE パラメータを無視します。この場合,LIST トランスレータは A (レター用紙) および A4 用紙に適合する最大サイズのページを作成します。

ポートレートの場合: 80 カラム,70 行
ランドスケープの場合: 150 カラム,66 行

PAGE_SIZE および SHEET_SIZE パラメータの両方を指定して,論理ページを拡大縮小して異なるサイズの用紙に出力することが可能です。

6.14 挿入された PJL コマンドの無視,バイナリ・モードは避けるべきこと

DEClaser 5100 および HP LaserJet IV ファミリーなどの PJL プリンタ用のファイルを作成するドライバは, HP Printer Job Language (PJL) 内にプリンタ制御コマンドを含んでいます。 DCPS はそのデータを検出して無視します。このため,そのようなドライバによって選択されたプリンタ・オプションはプリンタ・ジョブに影響を与えません。

これらのドライバを使用する場合は,バイナリ・モードを選択してはなりません。バイナリ・モードでは,DCPS を経由して出力する場合に不正な動作を引き起こす可能性のあるコマンドをファイルに追加するからです。 DCPS トランスレータを経由してジョブが渡されたかどうかに関わらず,出力フォームはキューに実際に接続されているプリンタに依存しています。

6.15 接続を拒否している PrintServer プリンタに対する STOP /QUEUE /RESET の使用回避

ジョブが "Starting" 状態であり,プリンタが接続を拒否している場合 (たとえば,その PrintServer の電源が落ちている,あるいはブート中である場合) に,弊社の PrintServer プリンタのキューに対して STOP /QUEUE /RESET コマンドを実行すると,そのキューは停止します。まれに,そのシンビオント・プロセスが停止する可能性があります。 PrintServer プリンタが使用可能となるまで,このコマンドを実行することは避けてください。ジョブが "Starting" 状態であり, PrintServer プリンタのジョブ・キューに登録されている場合, STOP /QUEUE /RESET コマンドは正しく実行されます。

6.16 DELETE /ENTRY でのジョブのトレーラ・ページの出力

プリンタでジョブのトレーラ・ページ出力中に DELETE /ENTRY コマンドを実行した場合,このページの出力を削除することは可能です。また,ファイルのすべてのデータを転送して PrintServer プリンタにジョブを出力している場合であっても,そのジョブに対する DELETE /ENTRY コマンドを実行して,そのジョブのトレーラ・ページが出力されないようにすることは可能です。

6.17 /COPIES を指定した出力時の PostScript ファイルの問題

PostScript ファイルに /COPIES 修飾子を指定した場合, DCPS は各ファイルの前後に PostScript の "save" および "restore" を追加して,プリンタ内の仮想メモリの消費を避けるようにします。

ただし,まれに不正な restore エラー・メッセージを表示してプリント・ジョブが中断する場合があります。この現象が発生した場合は,/COPIES ではなく /JOB_COUNT 修飾子を使用してください。

6.18 /JOB_COUNT を指定した場合の PAGE_LIMIT 使用の問題

/JOB_COUNT 修飾子を指定した場合に PAGE_LIMIT パラメータを使用すると,期待していない出力となる可能性があります。特に,ジョブの最初の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについてはすべてのページを出力してしまいます。ジョブの最後の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについては指定を無視して出力してしまいます。

いくつかのページを出力しないで複数のコピーを必要とする場合は, /JOB_COUNT 修飾子を使用するのではなく,必要な回数だけ PRINT コマンドを実行するようにしてください。

6.19 I/O バッファ設定が小さすぎる場合の OPCOM エラー発生の可能性

SYSGEN パラメータの MAXBUF で設定された I/O バッファのサイズが小さすぎる場合,プリンタ・キューが停止し,OPCOM に次のメッセージが表示されます。

    %SYSTEM-E-EXQUOTA, process quota exceeded 

このエラーが発生した場合は,SYSGEN パラメータの MAXBUF の値を増やしてください。


目次

© 2012 Hewlett-Packard Development Company, L.P.