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OpenVMS マニュアル |
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New Desktop 使用概説書
本章では次の事項について説明します。
DECwindows の起動コマンド・プロシージャである SYS$MANAGER:DECW$STARTUP.COMは,従来のDECsindowsデスクトップあるいは New Desktop のいずれかを起動します。 OpenVMS Alphaシステムでは, New Desktop がデフォルトで起動します。 New Desktop のアプリケーション起動フェーズで SYS$MANAGER:CDE$STARTUP.COM が実行され,次の手順を実行します。
いったんログインを起動すると,ログインはセッション・マネージャを起動し,続いてセッション・マネージャ用のウィンドウ・マネージャを起動します。 DECwindows のログイン・プロセスについての詳細は,
Managing DECwindows Motif for OpenVMS Systems を参照してください。
デフォルトのデスクトップを New Desktop からDECwindowsデスクトップに変更するには, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMファイルを変更してからデスクトップを再起動します。 デフォルトのデスクトップをDECwindows デスクトップに変更するには,次の手順を実行してください。
DECwindowsデスクトップを起動している場合に,デフォルトを New Desktop に戻したい場合は,上記の手順に従って, DECW$START_NEW_DESKTOPの値を "FALSE" ではなく "TRUE" に定義するようにしてください。 ログイン時にいずれかのデスクトップを選択できるようにしたい場合は,グローバル・シンボル DECW$START_NEW_DESKTOP を変更しないでください。
第 2.1.1 項 の記述に従って,ログイン時にログイン・マネージャの [オプション] メニューを使用してデスクトップを選択してください。
New Desktop 環境で使用される必須ファイルは,かなり複雑なディレクトリの階層構造をしています。 New Desktop はファイルの位置を示す検索パスと検索順序を使用して,各ディレクトリ間を移動して各種の操作用のファイルにアクセスします。検索パスはディレクトリ指定を示す一覧を含む論理名であり, New Desktop の起動時に定義されます。 一般的に任意のデータ・ファイルは,3 つの位置で検索されます。その位置と検索順序は次のとおりです。
すなわち,ユーザ固有のディレクトリで見つかったファイルは,システム全体で有効でカスタマイズ可能なディレクトリのファイルよりも優先され,さらに,システム全体で有効なカスタマイズ可能なディレクトリのファイルは,システム全体で有効なインストール済みのディレクトリのファイルよりも優先されるということです。
CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[*...] は, New Desktop のシステム・ディレクトリ構造であり, 図 3-1 および 表 3-1 に示すように読み出し専用ディレクトリであり,このディレクトリにリソース・ファイル,アプリケーション・ファイル,デフォルト・ファイル,構成ファイル,アプリケーション支援ファイルが置かれています。各ファイルは,将来のバージョンのインストレーション時に上書きされるため,編集しないようにしてください。また,これらのディレクトリからのファイルの読み込みおよび実行は可能ですが,アプリケーションがこれらのディレクトリにファイルを作成することはありません。 図 3-1 CDE$SYSTEM_DEFAULTSディレクトリの構造
図 3-1 の [.C] ディレクトリには,システムにインストールされているデフォルトのCロケールの実行に必要なロケール専用ファイルが入っています。追加ロケールをインストールした場合は,各[.C]ディレクトリと同一のレベルに対応するディレクトリが存在します。たとえば,システムに日本語ロケールをインストールした場合は, [.APP-DEFAULTS] のディレクトリ構造に [.C] と [.JA_JP_*] の両方が存在します。日本語ロケールに固有のファイルは[.JA_JP_*]に置かれ, [.C]ディレクトリ内の同一名称のファイルよりも先にアクセスされます。
次のディレクトリは, New Desktop のシステム全体で有効な構成ディレクトリです。
表 3-1 に示すディレクトリは, CDE$USER_DEFAULTS:[*...] ディレクトリ構造に対応するディレクトリを持つことができます。システム全体で有効なカスタマイズ設定を行う場合は,最初にカスタマイズするファイルを CDE$SYSTEM_DEFAULTS から CDE$USER_DEFAULTSディレクトリ構造の同一ディレクトリにコピーし,続いてそのファイルを編集してください。対応するディレクトリを作成する必要があります。 CDE$USER_DEFAULTS論理名は, CDE$USER_SPECIFIC論理名とCDE$USER_COMMON論理名が入っている検索パスです。ノード固有の変更は, CDE$USER_SPECIFIC:[*...]ディレクトリ構造の該当するサブディレクトリに対して行ってください。クラスタ全体に有効な変更は, CDE$USER_COMMON:[*...] ディレクトリ構造の該当するサブディレクトリに対して行ってください。 表 3-2 は,ノードあるいはクラスタのシステム・デフォルト値のカスタマイズ方法を説明したものです。
ユーザまたはアプリケーションがCDE$USER_DEFAULTSからの読み込みを行う場合は,最初に CDE$USER_SPECIFIC:[*...] を検索し,続いて CDE$USER_COMMON:[*...] を検索します。 ユーザまたはアプリケーションがCDE$USER_DEFAULTS:[*...] へのファイルの書き込みを行う場合は, CDE$USER_SPECIFIC:[*...] ディレクトリ構造に書き込まれます。 CDE$USER_COMMON:[*...] に書き込む場合は, CDE$USER_COMMON を指定して書き込みを行う必要があります。
New Desktop に最初にログインすると, 表 3-3 に示すようなユーザ固有の構成ディレクトリ構造が作成されます。次に示すように,この階層構造の最上位ディレクトリがホーム・ディレクトリに置かれます。
このディレクトリ構造には,各ユーザの固有の情報が置かれます。このディレクトリ内の情報は,システム固有の構成ディレクトリ (CDE$USER_DEFAULTS:[*...]) に存在するリソースあるいはカスタマイズ設定を無効にしたり,補足したりします。 disk$:[user.DT...]ディレクトリ構造には,エラー・ログ,ユーザが定義したアプリケーション・マネージャ用の構成ファイル,セッションの状態,保存および復元情報,ユーザが設定した背景機能,ヘルプ構成ファイル,アイコン,パレットが置かれます。
New Desktop アプリケーションが読み込むデータ・ファイルの優先順位は次のとおりです。
New Desktop 環境は各種の方法でカスタマイズすることができます。ほとんどのカスタマイズ設定はリソース・ファイルの変更によって行います。変更はファイルを直接編集するか,xrdbユーティリティを使用するか,スタイル・マネージャで間接的に変更するかのいずれかの方法で行います。 また,アクションの追加や変更によっても環境をカスタマイズすることができます。 [アクション作成] アプリケーションを使用することで,新規アクションの追加あるいは既存のアクションの変更が可能です ( 第 4.1 節 を参照)。また,アクション定義ファイルとその対応ファイルを作成あるいは編集することによっても,アクションの追加,変更が可能です。
New Desktop はXウィンドウ環境と同様に,リソース・ファイルを使用してグローバル・リソースとアプリケーション固有のリソースを定義します。グローバル・リソースは, New Desktop にログインした際に読み込まれます。アプリケーション固有のリソースは,そのアプリケーションを起動した際に読み込まれます。 DECwindowsデスクトップで現在使用中のほとんどのリソース・ファイルは, New Desktop でも引き続き使用されます。システム全体で有効なリソースの DECW$SYSTEM_DEFAULTS_JA_JP および DECW$SYSTEM_DEFAULTS論理名と,ユーザ固有のリソースのDECW$USER_DEFAULTS論理名も引き続き検索され,グローバルなユーザ・デフォルト・ファイル DECW$USER_DEFAULTS:DECW$XDEFAULTS.DATもログイン時に読み込まれます。 ただし New Desktop の場合は多少異なります。グローバルなシステム全体で有効なリソースは, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.JA_JP_*]ディレクトリの SYS.RESOURCESファイルおよびSYS.FONTファイルから読み込まれます。ユーザ専用グローバル・リソースは, DECW$USER_DEFAULTS:DECW$XDEFAULTS.DATファイルおよび disk$:[user.DT.SESSIONS]のサブディレクトリにあるユーザのDT.RESOURCES ファイルから読み込まれます。サブディレクトリの選択は,使用しているセッションのタイプ (現在のセッションあるいはホーム・セッション) に応じて異なります。 DT.RESOURCESファイルには, New Desktop のスタイル・マネージャを実行して指定されたカスタマイズ設定が入っています。このリソース・ファイルは,基本的にDECwindowsデスクトップのセッション・マネージャの [オプション] プルダウン・メニューで作成する DECW$SMB_*.DAT ファイルと同一の役割を持っています。一部の例外を除き, DECwindowsセッション・マネージャの [オプション] プルダウン・メニューでカスタマイズ可能なものは, New Desktop のスタイル・マネージャでもカスタマイズすることができます。 New Desktop に含まれているCDEアプリケーション用のアプリケーション固有のリソースは, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APP-DEFAULTS.JA_JP_*]ディレクトリに置かれており,リソース・ファイルが DECW$SYSTEM_DEFAULTS_JA_JP: および DECW$SYSTEM_DEFAULTS: ディレクトリに見つからない場合に,このディレクトリが検索されます。 New Desktopのディレクトリの完全な階層構造については, 第 3.3 節 で説明しています。
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