5.18.2 インストールと初期化に関する注意事項 |
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V8.4
CDSA は,オペレーティング・システムのインストール時に自動的にインストールされます。
恒久的な条件
OpenVMS オペレーティング・システムには,複雑なハードウェアの問題やソフトウェアの問題をデバッグするのに役立つように,多くの特殊操作モードが準備されています。一般には,これらの特殊モードを使用すれば,特別なレベルでトレース,データの記録,一貫性チェックを行うことができ,このような機能は,問題があるハードウェア構成要素やソフトウェア構成要素を突き止めるのに役立ちます。これらの操作モードは,システム・パラメータ MULTIPROCESSING, POOLCHECK,BUGCHECKFATAL,SYSTEM_CHECK によって制御されます。
一般に I/O 負荷の高い特定の状況で,これらの特殊モードのいずれかを使用している場合は ( たとえば,デバイス・ドライバや他の複雑なアプリケーションをデバッグする場合など ),CPUSPINWAIT バグ・チェックが発生することがあります。特に,スピンロックのある状態で長期間実行する特権コードに対して CPUSPINWAIT バグ・チェックが発生します。スピンロックは,クリティカル・セクションのエントリ・ポイントとイグジット・ポイントを区切るために使われ,この場合のように連続的に使うことはできません。
CPUSPINWAIT バグ・チェックを防止するには,これらのシステム・パラメータに対して,システムのデフォルト設定を使用するか,またはシステムの負荷を低下させます。
何らかの理由でデフォルトの設定を変更しなければならない場合は, SMP_ LNGSPINWAIT システム・パラメータを 9000000 に設定することで,問題が発生する可能性を減らせます。
ここでは,OpenVMS Alpha および Integrity システム上で動作する OpenVMS Delta および XDelta デバッガに関する注意事項について説明します。
5.20.1 XDelta のレジスタ表示に関する考慮 (Integrity のみ) |
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V8.2
OpenVMS Integrity 上の XDelta は,あたかも,レジスタ・リネーム・ベース (CFM.rrb) とローテート・サイズ (CFM.sor) がいずれも 0 であるかのように,汎用レジスタ,浮動小数点レジスタ,およびプレディケート・レジスタを表示します。言い換えると,ローテートするレジスタを使用しているときには,ローテイションの効果は無視されます。この状況は,今後のリリースで修正される予定です。詳細は 第 5.17 節 を参照してください。
恒久的な訂正
『Guide to OpenVMS File Applications』が改訂される際には,下記の訂正が反映される予定です。
- 表 1-4 は誤解を招く可能性があります。ファイル・フォーマットの比較表で,ODS-2 や ODS-5 のファイル・フォーマットでのディレクトリの制限として 256 としてあります。この説明は,256 ディレクトリ・レベル とし,ユーザが,ディレクトリ数が 256 に制限されているものと誤解しないようにする必要があります。
『OpenVMS システム管理者マニュアル』の類似した表は Version 8.2 で訂正されました。
- 第 6.6.3 項の第 4 パラグラフ (Note はカウントしない) を,以下の内容に置き換えます。
「プログラム内で使用するルート・デバイス論理名を, SET DEFAULT コマンドで定義する際には,DCL コマンドの DEFINE または ASSIGN で /TRANSLATION_ATTRIBUTES=CONCEALED 修飾子を使用して,この論理名が隠し装置の論理名であることを指定します。隠し装置の論理名をルート・デバイス論理名として定義するためには,ルート・ディレクトリがピリオド (.) で終わっていなければなりません (例: DUA22:[ROOT.])。また,デバイスの指定が,物理デバイス名でなければなりません。ルート・デバイス論理名の等価名には,他の論理名を含めることはできません。ディレクトリを指定するときには,ルート・ディレクトリに対して,後のピリオドだけを使用することができます。」
恒久的な条件
RMS ユーザ構造体 (たとえば,FAB,RAB) の割り当てに使用できる BLISS マクロ ($xxx_DECL) に,クォドワード・アラインメントが追加されました。プロセッサが高速になるほど,アラインメント・フォルトは性能に悪影響を及ぼします。アラインメントをマクロ内に直接実装することにより,これらのマクロを使用する,BLISS で書かれた多数の OpenVMS ユーティリティおよびユーザ・アプリケーションは,性能が改善されます。
該当するマクロは,$FAB_DECL,$NAM_DECL,$NAML_DECL,$RAB_DECL, $RAB64_DECL,$XABALL_DECL,$XABDAT_DECL,$XABFHC_DECL,$XABITM_DECL, $XABJNL_DECL,$XABKEY_DECL,$XABPRO_DECL,$XABRDT_DECL,$XABRU_DECL, $XABTRM_DECL,および $XABSUM_DECL です。
RMS マクロに追加されたアラインメントにより,コンパイラがアラインメント競合の警告を出力することがあります。コンパイラの警告があるプログラムでも,正しくリンクして,実行することができます。ただし,ソースに簡単な変更を加えて,警告を取り除くことをお勧めします。
これらのマクロを BLISS アプリケーション内で使用し,宣言に ALIGN 属性が含まれている場合, BLISS コンパイラは "conflicting or multiply specified attribute" という警告を出力します。たとえば,FAB: $FAB_DECL ALIGN(2) という宣言に対して,警告が出力されます。この警告は,クォドワード・アラインメント (ALIGN(3)) を指定したとしても出力されます。これらのマクロに関連する明示的な ALIGN 属性を削除する必要があります。
さらに,これらの割り当てが, ALIGN(3) と競合する明示的なアラインメント (ALIGN(3) 未満のもの) を持つ PSECT に含まれている場合,BLISS コンパイラは, "align request negative or exceeds that of psect" という警告を出力します。たとえば,次の宣言に対して警告が出力されます。