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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMSマニュアル
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第1章:インストールに関する注意事項
第2章:関連製品に関する注意事項
第3章:一般ユーザ向けの注意事項
第4章:システム管理に関する注意事項
第5章:プログラミングに関する注意事項
第6章:ハードウェアに関する注意事項
付録A:インターロックされたメモリ命令の使用
索引
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HP OpenVMS
V8.4 リリース・ノート【翻訳版】


目次 索引

第 6 章
ハードウェアに関する注意事項

この章では,以下のハードウェア製品についての情報を示します。

デバイス・ドライバの使用についての注意事項も,この章の最後にまとめてあります。

6.1 USB デバイスのサポート

V8.4

HP では,HP が提供する USB デバイスを OpenVMS がインストールされた HP Integrity サーバ上でテストし,これをサポートしています。

場合によっては,他社製のデバイスも OpenVMS 上でテストされ,これをサポートしています。これらのデバイスについては,OpenVMS のエンジニアリング・チームで障害報告に対応し,ドライバの不具合を修正します。これらのデバイスについては,『HP OpenVMS システム管理ユーユティリティ・リファレンス・マニュアル』の付録に掲載しています。

USB の機能として,広範囲な種類のデバイスが 1 つの汎用デバイス・ドライバでサポートされます。 OpenVMS では,未知の他社製デバイスの構成および使用を制限することはしていません。ただし,未知のデバイスの正しい動作を保証している訳ではありません。そのようなデバイスで問題が発生した場合,サポート窓口を通して報告していただくことは可能ですが,問題の修正や ECO パッチの提供を保証するものではありません。

他社製デバイスの正式なサポートが必要な場合は, HP の顧客担当チームあるいは代理店を通して要望を上げていただくことになります。

6.2 MP コンソールと BMC コンソールの制約事項 (Integrity のみ)

ここでは, MP コンソールと BMC コンソールに関する注意事項について説明します。

6.2.1 入力デバイス,出力デバイス,およびエラー・デバイスの制約事項

V8.2

現在,OpenVMS オペレーティング・システムでは,各 MP コンソールや BMC コンソールの入力デバイス,出力デバイス,およびエラー・デバイスは,同じシリアル回線コンソールに対応していなければなりません。システムに MP コンソールがある場合は,このコンソールを使用してください。

指定されたコンソールからブートしないと,VMS_LOADER に警告が送信され,ブート中にその他のエラーが表示されることがあります。また,通常のブート時に表示される情報が出力されないこともあります。

6.2.2 削除キーへの Ctrl/H の再マッピング

V8.2

文字 0X7F をDEL/RUBOUT 用に使用する OpenVMS オペレーティング・システムとは異なり, MP コンソール,BMC コンソール,および EFI コンソール環境では, Ctrl/H を使用します。 VTxxx 端末上の削除キーを押したり,ターミナル・エミュレータで 0X7F を送信するようにマッピングされているキーを押しても,文字は削除されません。

注意: ドライバは,次の条件では再マッピングを行いません。

  • 端末が IO$_READALL 状態の場合

  • 端末が IO$_READPBLK 状態の場合

  • 端末属性に PASSALL が設定されている場合

  • 端末属性に PASTHRU が設定されている場合

  • Ctrl/V が押されたことにより,ドライバが,次の文字を渡し,再マッピング・チェックを行わないようにされた場合



6.3 AlphaServer 2100

ここでは,AlphaServer 2100 シリーズのコンピュータ固有の情報をまとめます。

6.3.1 コンソール表示

V7.2

AlphaServer 2100 システムと 2100A システムで表示される次のようなコンソール表示は正常であり,システム・エラーを示しているわけではありません。

P00>>>SET CONSOLE SERIAL 
P00>>>INIT 
 
VMS PALcode X5.48-112, OSF PALcode X1.35-81 
 
starting console on CPU 0 
initialized idle PCB 
initializing semaphores 
initializing heap 
initial heap 1c0c0 
memory low limit = 132000 
heap = 1c0c0, 13fc0 
. 
. 
. 
probing hose 0, PCI 
probing PCI-to-EISA bridge, bus 1 
probing PCI-to-PCI bridge, bus 2 
*** unable to assign PCI base address 
*** bus 2, slot 7, function 0, size 00001000 (16 bit I/O) 
bus 1, slot 1 -- fra -- DEFEA 
bus 1, slot 2 -- vga -- Compaq Qvision 
bus 1, slot 3 -- pua -- KFESA 
bus 2, slot 1 -- pka -- NCR 53C810 
bus 2, slot 6 -- pkb -- NCR 53C810 
bus 2, slot 7 -- pkc -- DEC KZPSA 
bus 0, slot 7 -- ewa -- DECchip 21041-AA 
initializing keyboard 
Memory Testing and Configuration Status 
Module   Size    Base Addr   Intlv Mode  Intlv Unit  Status 
------   -----   ---------   ----------  ----------  ------ 
  0       64MB   00000000      1-Way         0       Passed 
Total Bad Pages 0 
Testing the System 
Testing the Disks (read only) 
Testing the Network 
econfig:            20041 99 
econfig:            20042 04 
econfig:            20043 00 
AlphaServer 2100A Console V4.3-130, built on Oct 26 1996 at 19:44:57 
P00>>>P 

この表示では,KZPSA アダプタは正しくインストールされていますが,次のエラー・メッセージが表示されます。

*** unable to assign PCI base address 
*** bus 2, slot 7, function 0, size 00001000 (16 bit I/O) 



6.3.2 SCSI コントローラの制限事項

V6.2

1 GB 以上のメモリを装備した AlphaServer 2100 システムでは, Adaptec 1740/1742 SCSI コントローラ (PB2HA--SA) はサポートされていません。コントローラがこのようなシステムに接続されていると,次のメッセージがオペレータのコンソールに表示されます。

%PKJDRVR-E- The direct DMA window does not map all of memory. 
Port is going OFFLINE. 



6.4 AlphaServer 8200/8400: FRU テーブル・エラー

V7.2

エラー・ログ・バッファのサイズはシステム・パラメータ ERLBUFFERPAGES で制御され,最大値は 32 ページレットです。 AlphaServer 8200/8400 または 4100 システムで, OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのブート時に FRU (Field Replaceable Unit) テーブルがこの上限を超える場合には,エントリはエラー・ログ・ファイルに書き込まれません。

6.5 AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム

ここでは, AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムに関する注意事項について説明します。 第 6.6.2 項 の注意事項も,これらのシステムに関係します。

6.5.1 ES47/ES80/GS1280 ソフト・パーティションでの INIT コンソール・コマンドの使用

V8.2

同じハード・パーティション内で他のソフト・パーティションがブートされ, OpenVMS が実行されている場合には, ES47/ES80/GS1280 ソフト・パーティションでの INIT コンソール・コマンドの使用はサポートされません。 INIT コマンドを実行すると,OpenVMS を実行中の他のインスタンスでシステム・クラッシュが発生することがあります。 INIT コマンドを実行する前に,他のインスタンスをシャット・ダウンしてください。

コンソールの INIT の処理中に,同一ハード・パーティション内の他のインスタンスに対してブートコマンドを発行しないでください。 INIT コマンドの完了までお待ちください。

6.5.2 RAD のサポート

V7.3-2

OpenVMS でのリソース・アフィニティ・ドメイン (RAD) のサポート (NUMA サポートまたは NUMA 対応とも言います) は, AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム用の OpenVMS Alpha Version 7.3-2 ではテストされていません。 RAD サポートについての詳細は,『OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』を参照してください。

6.5.3 ライセンス要件

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムには,少なくとも 2 つの OpenVMS ソフトウェア・ライセンス (ベース・サポート用と,最初の 2 つのプロセッサのデュアル SMP サポート用) が必要です。この要件は, OpenVMS AlphaServer SMP システムの以前のライセンス付与方法から変更されています。 OpenVMS のデュアル SMP ライセンスは, OpenVMS システムを購入したとき,または OpenVMS システムの追加 CPU モジュールを購入したときに,CPU モジュールに含まれています。

6.5.4 STOP/CPU およびシャットダウン動作

V7.3-2

ハードウェアの制約により,I/O ドロアを装備した AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム上の CPU は, DCL コマンドの STOP/CPU を使用して停止することができません。一方,I/O ドロアを装備していないシステム上の CPU は,このコマンドで停止できます。

I/O ドロアを装備した ES47/ES80/GS1280 システムでシャットダウン・プロシージャを起動すると,次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。

%SYSTEM-W-WRONGSTATE, CPU 5 is in the wrong state for the requested operation 

このメッセージは無視して構いません。シャットダウンは正常に実行されます。

6.5.5 MBM での時刻の設定

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムでは,MBM で正しい時刻と日付を設定しなければなりません。正しく設定しないと,OpenVMS は誤った日時を表示することがあります。

6.6 AlphaServer GS シリーズ・システム

ここでは, AlphaServer GS シリーズ・システムの大半のユーザに関係する注意事項について説明します。

6.6.1 AlphaServer GS80/160/320 システム: デバイスの制限事項

恒久的な制限事項

OpenVMS Alpha Version 7.3 以降では,1 つのパーティションあたり,従来型のバス・アダプタ上のデバイスが 1 セットだけ設定され,サポートされます。このようなデバイスは,次のとおりです。

  • シリアル・ポート COM1 および COM2

  • パラレル・ポート

  • キーボード

  • マウス

従来型のバス・アダプタが複数ある場合には,コンソール・ポートを含むアダプタだけが設定され,サポートされます。

6.6.2 OpenVMS Galaxy ライセンスの実行

V7.3

OpenVMS Galaxy のコンピューティング環境では,システム・スタートアップ時やインスタンス間での CPU の再割り当てが発生するつど,OPENVMS-GALAXY ライセンス・ユニットがチェックされます。

CPU を起動しようとしたときに十分な OPENVMS-GALAXY ライセンス・ユニットがないと,CPU はインスタンスの設定されたセットの中に引き続き残りますが,動作は停止します。その後,適切なライセンス・ユニットをロードすれば,停止している CPU をシステムの実行中に起動することができます。これは,CPU が単独の場合でも複数の場合でも同じです。

6.6.3 ライセンスのインストール

V7.3-1

Version 7.3-1 以降にアップグレードする前に,次の手順を実行して,共通ライセンス・データベースが,ハード・パーティションとソフト・パーティション間でライセンス・ユニットを共有できるようにします。

  1. 必要なユニット数を計算します。

    • OpenVMS 基本ライセンスをロードする。

    • SMP ライセンスをロードする。

    • 次のコマンドを使用して,ライセンス・ユニットの数が適切か確認する。

      $ SHOW LICENSE /UNIT_REQUIREMENTS /CLUSTER 
      

      注意
    OpenVMS 基本ライセンスでは,パーティションではなく物理システムごとに, 1 人の操作ユーザのみを割り当てることができます。ただし,各パーティションの OPA0: からいつでもログインできます。操作ユーザを追加する場合は,追加のライセンス・ユニットが必要です。必要なライセンス・ユニット数については,弊社のサポート担当者にお問い合わせください。

  2. 共通ライセンス・データベースにライセンスを追加します。たとえば,次のように入力します。

    $ LICENSE REGISTER license-name /ISSUER=DEC - 
    _$ /AUTHORIZATION=USA123456 - 
    _$ /PRODUCER=DEC - 
    _$ /UNITS=1050 - 
    _$ /AVAILABLITY=H - 
    _$ /OPTIONS=(NO_SHARE) - 
    _$ /CHECKSUM=2-BGON-IAMA-GNOL-AIKO 
    


    LICENSE REGISTER コマンドで /INCLUDE 修飾子を使用して,ライセンスの NO_SHARE 属性を変更することはできません。

  3. ライセンスを編集して, LICENSE REGISTER /INCLUDE=(node-name-list) コマンドで PAK の NO_SHARE 属性を変更します。たとえば,次のように入力します。

    $ LICENSE MODIFY OPENVMS-ALPHA /INCLUDE=(NODEA, NODEB, NODEC) 
    

  4. 各パーティションで実行している OpenVMS のインスタンスで OpenVMS Alpha のライセンス・ユニットを利用できるようにするために, SRM 環境変数 SYS_SERIAL_NUM が各パーティションで同じであるか確認します。確認するには,次の手順を実行します。

    1. 各パーティションのマスタ・コンソール (通常はコンソール・ライン 0) で, SHOW SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して,システムのシリアル番号を表示します。たとえば,次のように入力します。

      P00>>> 
      P00>>>SHOW SYS_SERIAL_NUM 
      sys_serial_num G2A105 
      


      SYS_SERIAL_NUM の値がブランクの場合は,他の各パーティションのマスタ・コンソールで SHOW SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して,ブランクでないシステム・シリアル番号がないかチェックします。

        注意
      すべてのパーティション・コンソールに SYS_SERIAL_NUM の値がブランクで表示される場合は,0 以外の値を 12 文字以内で作成してください。作成するシステム・シリアル番号が,同じ OpenVMS Cluster の他の AlphaServer GS80/160/320 で使用されていないことを確認してください。

    2. システムのシリアル番号が決まったら,各パーティションのマスタ・コンソールで SET SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して, SYS_SERIAL_NUM の値を適切な値に変更します。たとえば,次のように変更します。

      P00>>> 
      P00>>>SET SYS_SERIAL_NUM G2A105 
      


      この手順は,すべてのハード・パーティションとソフト・パーティションで実行する必要があります。

  5. OpenVMS Cluster ライセンス・データベースを正しく更新するために,すべての OpenVMS Cluster 共通ノードをシャットダウンしてからリブートすることをお勧めします。ローリング・アップグレード・タイプのブートでは,共通ライセンス・データベースは適切に更新されません。

  注意
システムが,共通ライセンス・データベースを共有する OpenVMS Cluster の一部である場合,AlphaServer GS80/160/320 のハード・パーティションとソフト・パーティションの数を再構成する際には,必ずすべてのパーティションの SYS_SERIAL_NUM を同じ値にしてください。

パーティション間で NO_SHARE ライセンスを共有しているパーティション化可能なマシンでは,システムのブート時に次のエラー・テキストが表示される場合があります。

%LICENSE-E-NOAUTH, DEC OPENVMS-ALPHA use is not authorized on this node 
-LICENSE-F-EXCEEDED, attempted usage exceeds active license limits 
-LICENSE-I-SYSMGR, please see your system manager 
Startup processing continuing... 

このエラー・テキストは無視して構いません。このテキストは,OPENVMS-ALPHA PAK を共有しているシステムにユーザがログインして,使用中になった場合に表示されます。この問題は今後のリリースで修正される予定です。

6.6.4 AlphaServer GS60/GS60E/GS140 複数 I/O ポート・モジュール構成の制限事項

V7.2-1

複数の I/O ポート・モジュール (KFTHA-AA または KFTIA-AA) がある AlphaServer GS60/GS60E/GS140 構成では,システム障害が発生することがあります。

GS60/GS60E/GS140 システムの複数 I/O ポート・モジュールを持つ OpenVMS Galaxy および非 Galaxy の AlphaServer 8200/8400 構成をアップグレードするときには, Compaq Action Blitz # TD 2632 に記載されているように,最低でもリビジョン B02 KN7CG-AB EV6 CPU (E2063-DA/DB rev D01) のモジュールを 1 つインストールしなければなりません。

この制限事項と解決方法についての詳細は,Compaq Action Blitz # TD 2632 を参照してください。

6.7 AlphaStation 200/400: ISA_CONFIG.DAT の変更が必要

V7.1

AlphaStation 200/400 ファミリ・システムで ISA 装置を構成する場合には,各デバイスのノード情報が各デバイス記述ブロックの最後に格納されるように, SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルを変更しなければなりません。

  重要
OpenVMS Version 6.2 または7.0 システムからアップグレードする場合は,アップグレード手順を開始する前に,この変更を行わなければなりません。

表 6-1 に,デバイス記述ブロックの変更点を示します。

表 6-1 デバイス記述ブロックの変更点
Version 7.1 より前 Version 7.1 以降
[AUA0] [AUA0]
NAME=AU NAME=AU
NODE=3 DRIVE=SYS$MSBDRIVER
DRIVER=SYS$MSBDRIVER IRQ=9
IRQ=9 DMA=(0,1)
DMA=(0,1) PORT=(388:4,530:8)
PORT=(388:4.530:8) NODE=3



6.8 AlphaStation 255: PCI 構成の制限事項

V7.1

AlphaStation 255 シリーズ・システムの OpenVMS Alpha オペレティング・システムでは, PCI スロット 0 に PCI オプション・カードを構成することはできません。

PCI スロット 0 は,AlphaStation 255 シリーズ・システム上の,最下位の物理 PCI オプション・スロットです。このスロットの割り込みシグナルは,組み込みイーサネット・ポートと共用されます。 OpenVMS Alpha オペレーティング・システムは現在, PCI デバイスが割り込みラインを共用することを許していないため,スロット 0 に PCI デバイスを設置すると,正しく動作しないか,組み込みのイーサネット・ポートでエラーが発生する原因となることがあります。この制限事項があるため,AlphaStation 255 シリーズ・システムがサポートする PCI オプション・カードの数は,最大で 2 枚 (スロット 1 とスロット 2 に構成) です。

6.9 ATI RADEON 7000 グラフィック (Integrity のみ)

V8.2

ここでは,OpenVMS Integrity システムで,組み込み型 ATI RADEON 7000 グラフィック・アダプタを使用する際の注意事項について説明します。

注意: 第 6.10.1 項 で説明しているリソースの要件は,組み込み型 ATI RADEON 7000 グラフィック・アダプタにも適用されます。

6.9.1 Integrity でのグラフィック・サポート

V8.2

OpenVMS Integrity は以下のグラフィック・オプションをサポートします。

  • ATI Radeon 7500 PCI

  • ATI Radeon 7000 PCI (内臓式および着脱可能式)

  • ATI RN50 PCI



6.9.2 RADEON 7000 ではハードウェア・アクセラレーション 3D グラフィックはサポートされていない

V8.2

ハードウェア・アクセラレーションによる 3D (OpenGL) レンダリングは,組み込み型 RADEON 7000 PCI アダプタではサポートされていません。

6.10 ATI RADEON 7500 グラフィック

V7.3-2

ここでは,ATI RADEON 7500 グラフィックのリソース要件,拡張機能,修正点および制限事項について説明します。 HP DECwindows Motif for OpenVMS に関するドキュメントを参照したい場合,特に『Managing DECwindows Motif for OpenVMS Systems』を参照したい場合は,このドキュメントと,その他のドキュメントを,次の Web サイトから入手できます。

http://www.hp.com/go/openvms/doc

OpenVMS Version 8.2 より,3D サポートのライセンス (使用権) は, OpenVMS のライセンスの一部として含まれています。詳細については, 第 6.15 節 を参照してください。

6.10.1 リソースの要件

RADEON グラフィックのサポートには,次に示す,システム単位のリソースが必要です。

  • 2 個のグローバル・セクション

  • 296 KB のグローバル・メモリ

さらに,RADEON カードごとに,次のリソースが必要です。

  • 3 個のグローバル・セクション

  • 16 MB プラス 1 ページのグローバル・メモリ

  • 16 MB プラス 1 ページのバッファ・オブジェクト・スペース (32 ビット System Space Windows)

グローバル・セクションの必要量は GBLSECTIONS システム・リソースに加算され, 16M バイト強のグローバル・メモリは GBLPAGES リソースと GBLPAGFIL リソースに加算されます。

たとえば,1 枚の RADEON カードには,次のリソースが必要です。

  • 5 個のグローバル・セクション

  • 16 MB + 8 KB + 296 KB のグローバル・メモリ

これらの数は,次の値に相当します。

GBLSECTIONS     5
GBLPAGES 33376  (GBLPAGES の単位は,512 バイト・ページレット)
GBLPAGFIL  2086  (GBLPAGFIL の単位は,8192 バイトの Alpha ページ)

4 カード構成の場合は,次のリソースが必要です。

  • 14 個のグローバル・セクション

  • 296 KB + 4*16 MB + 4*8 KB = 64 MB + 328 KB のグローバル・メモリ

これらの数は,次の値に相当します。

GBLSECTIONS     14
GBLPAGES 131728  (GBLPAGES の単位は,512 バイト・ページレット)
GBLPAGFIL   8233  (GBLPAGFIL の単位は,8192 バイト Alpha ページ)



6.10.2 DECW$OPENGLSHR_RADEON.EXE を DECW$MESA3DSHR_RADEON.EXE にリネーム

V8.2

共有ライブラリ SYS$LIBRARY:DECW$OPENGLSHR_RADEON.EXE は, Mesa 3D コードをベースとしていることを反映させるために,リネームされて SYS$LIBRARY:DECW$MESA3DSHR_RADEON.EXE になりました。 API と機能は以前のリリースと同じです。新しいファイル指定の共有ライブラリを指定するための論理名 DECW$OPENGLSHR が定義されています。

6.10.3 サポートの制限事項

V7.3-2

次の機能は,サポートされていません。

  • S ビデオ出力

  • デジタル出力

  • デュアル・ヘッド動作
    DVI ポートとアナログ VGA (CRT) ポートの両方にモニタを接続すると,両方のスクリーンに同じビデオ出力が得られます。これを,クローン・ビデオと言います。各ポートに独立したビデオ表示を行う本当の意味でのデュアル・ヘッド動作は,将来のリリースでサポートされます。



6.10.4 高リフレッシュ・レートでの画像への影響

V8.2

高解像度 (たとえば,1920×1440 や 2048×1536),高リフレッシュ・レート,高負荷の状況では,使用している RADEON カードやモニタによっては,画像に影響が出ることがあります。このような状況が発生したら,リフレッシュ・レートを下げてみてください。

6.10.5 OpenGL は IEEE 演算のみをサポート

V8.2

OpenGL ライブラリは,IEEE 浮動小数点形式のみをサポートしています。 VAX 浮動小数点形式はサポートしていません。アプリケーションのコンパイルでは, /FLOAT=IEEE_FLOAT オプションを使用してください。

6.10.6 グラフィック・コンソール (OPA0) に出力する際に DECwindows サーバがハングアップ

V8.2

DECwindows サーバの起動後に,グラフィック・コンソール (OPA0) に出力があると, DECwindows サーバはハングアップし,画面はフリーズします。 CTRL/F2 を押すと DECwindows サーバは実行状態に戻ります。

通常,コンソールに表示されるメッセージは,直接 OPA0 に書き込むのではなく, OPCOM と Console Window アプリケーションを使用してメッセージ表示することをお勧めします。このアプリケーションを有効にするには,コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM を編集し,次のグローバル・シンボル定義を追加します。

$ DECW$CONSOLE_SELECTION == "WINDOW" 

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM が存在しない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE から作成することができます。

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM の編集後,次のコマンドを入力して DECwindows を再起動します。

$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART 



6.10.7 モニタは初期化時に接続されていなければならない

RADEON 7500 グラフィック・カードは,ビデオ出力ポートを 2 つ (デジタルとアナログ) 備えています。デジタル・インタフェースは,現在サポートされていません。ただし,デジタル・ツー・アナログ・アダプタを使用すると,アナログ・モニタをデジタル・ポートに接続でき,アナログ・ポートと同じ出力を得ることができます。デジタル・ポートを使用する場合,ポートを正しく動作させるためには,システムの電源投入より前にモニタが接続されていなければなりません。

6.10.8 ブート・リセットの推奨 (Alpha のみ)

コンソール変数 boot_resetに ON を設定することをお勧めします。

6.10.9 オーバレイ・プレーンはサポートされない

ハードウェア・オーバレイ・プレーンはサポートされていません。

6.10.10 単一カラーマップのみサポート

RADEON 7500 グラフィック・コントローラがサポートするハードウェア・カラーマップは,1 つだけです。デフォルトのビジュアルが PseudoColor の場合, 8 ビット・カラーに変更するときは,このことに留意してください。複数の PseudoColor カラーマップを一度に使用しようとすると,カラーマップがフラッシュします。

  注意
3D (OpenGL) レンダリングは, 8 ビットの PseudoColor ビジュアルではサポートされていません。 ( 第 6.10.16 項 も参照してください。)

アプリケーションは,自分でカラーマップのインストールやデインストールを行ってはなりません。これらの動作は,ウィンドウ・マネージャが行います。ただし,アプリケーションは,どのカラーマップをインストールまたはデインストールするかについてのヒントをウィンドウ・マネージャに知らせなければなりません。この情報は,Xlib 関数の XsetWMColormapWindows() を使用して渡します。この関数は,指定されたウィンドウの WM_COLORMAP_WINDOWS プロパティを設定します。

6.10.11 すべてのウィンドウで同じビット深度

RADEON 7500 カードを使用している場合,特定のヘッド上のすべてのウィンドウは,同じビット深度でなければなりません。 RADEON 7500 カードは,それぞれのグラフィック・ヘッドで, 8,16,および 24 ビット/ピクセルのビット深度をサポートしています。しかし,DECwindows サーバが特定のヘッド上で一旦ビット深度を確立すると,そのビット深度のウィンドウやビジュアルだけが作成可能となります。

6.10.12 読み取り/書き込みカラー・マップのピクセル深度

デフォルトでは,RADEON 7500 には,読み取り専用の TrueColor カラー・マップが 1 つある 24 プレーンのピクセル深度が用意されています。 DECwindows Paint などの一部のアプリケーションでは,読み取り/書き込みのカラー・マップが必要です。 Paint は,読み取り専用カラー・マップで実行されると,次のエラー・メッセージを出力して失敗します。

Error: Visual Not Supported 
Supported Visuals are {PseudoColor, GrayScale, StaticGray} 

読み取り/書き込みのカラー・マップを使用するには SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイル (このファイルが存在しない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATE から作成します) を編集して,次の論理名定義を追加します。

$ DEFINE/EXECUTIVE/SYSTEM/NOLOG DECW$SERVER_PIXEL_DEPTH 8,8,8,8,8,8,8,8 

そして,次のコマンドを使用して DECwindows を再起動します。

$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART 

この変更により, (マルチ・カード構成が可能な,最大 8 枚のグラフィック・カードに) ピクセル深度として 8 プレーンが設定され,サーバが PseudoColor ビジュアルを提供できるようになります。

6.10.13 backing store と save unders は 3D ウィンドウをサポートしていない

RADEON 7500 X11 サーバの backing store と save unders の実装では, 3D ウィンドウをサポートしていません。

6.10.14 スレッドの制限事項

OpenVMS 用 RADEON 7500 OpenGL ライブラリは,スレッド・セーフではありません。ただし, OpenGL の使用がプログラム内の単一のスレッドに限定されている場合は, OpenGL をマルチスレッド・プログラムで使用することができます。

6.10.15 シングル・バッファ・ビジュアルがサポートされていない

RADEON 7500 DECwindows サーバは,ダブル・バッファ・ビジュアルだけをサポートしています。シングル・バッファリングを行うには,ダブル・バッファ・ビジュアルを選択して,アプリケーション内で glDrawBuffer( GL_FRONT )を呼び出さなければなりません。

6.10.16 カラー・インデックス・モードでの 3D がサポートされていない

DECwindows サーバが 8 ビット深度で起動された場合, 8 ビット・ビジュアルが 2D 操作でサポートされますが, OpenGL レンダリングは,8 ビット・ビジュアルではサポートされません。

6.10.17 タイマ・メカニズム

環境によっては,プロセスがハードウェア・ロックを所有している間に,そのプロセスに割り込みが発生することがあります。その結果,DECwindows サーバがハングアップしているように見えることがあります。

このような状況を検出し,一時停止中のプロセス内でイメージを強制的に一時停止から抜け出させるか,場合によってはプロセスを削除してこのような状況から回復させるために,タイマ・メカニズムが実装されました。

タイマ・メカニズムは,次の 2 つの論理名を使用して構成できます。これらの論理名は, DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルで指定しなければなりません。

  • DECW$DRM_TIMER_PERIOD (デフォルト: 5.0 秒)
    クロック・ティックの間隔を秒数で指定します。浮動小数点数です。

  • DECW$DRM_TIMEOUT (デフォルト: 6)
    タイムアウトが発生して,DECwindows サーバが RADEON カードの制御を奪うまでに待つクロック・ティック数を指定します。

デフォルト値は,グラフィック・アプリケーションの性能にタイマが与える影響を最小限にするように選択されています。 DECwindows サーバが応答を再開するまでの時間を短くしたい場合は, DECW$DRM_TIMER_PERIOD の値を小さくします。

次のいずれかの状況では,ハードウェア・ロックの保持中に,プロセスに割り込みが発生することがあります。

  • プロセスは,別システム上に表示された端末を使用して,リモートでログインされている。

  • プロセスは,通常の終了処理が実行されない状態で,他のプロセスによって一時停止または終了させられたサブプロセスである。

どちらの状況も発生しないと思われる構成では,時間間隔にゼロを設定して,タイマ・メカニズムを完全に無効にすることができます。

$ DEFINE/SYSTEM DECW$DRM_TIMER_PERIOD 0 

ECW$DRM_TIMER_PERIOD の値を変更するたびに, DECwindows サーバを再起動するか,システムをリブートして,変更内容を有効にしなければなりません。 DECwindows サーバを再起動するには,次のコマンドを使用します。

$  @SYS$STARTUP:DECW$STARTUP RESTART 


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