4.11.1 ページング・プールのルックアサイド・リスト |
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V8.4
ページング動的プールでルックアサイド・リストを使用することが可能になり,これによりシステム性能の向上が期待できる場合があります。この機能は SYSGEN パラメータ PAGED_LAL_SIZE で制御され,デフォルトではこの機能は無効 (パラメータ値 0) になっています。
可変ページング・プール・フリーリストで断片化が発生した場合,このルックアサイド・リストの使用を有効にすることにより効果をもたらすことがあります。 SYSGEN パラメータ PAGED_LAL_SIZE は,ルックアサイド・リストで使用する最大サイズをバイト数で設定します。この最大サイズよりも大きなパケットは,可変ページング・プール・フリーリストから割り当てられます。 512 バイトの値を使用すると,論理名の作成と削除を集中的に実行するようなシステムで効果があることが確認されています。
このパラメータを動的に変更して,必要に応じて機能を有効にしたり,調整したり,あるいは無効にすることができます。機能を有効にした後,値を小さくすると,もはやアクティブには使用されていないパケットがページング・プール・ルックアサイド・リストに存在する場合があります。これは,DCL の "Over-limit Lookaside Blocks" や SDA の
SHOW MEMORY/POOL/FULLコマンドで確認できます。これらのパケットは以前使用されていましたが,今は新しい PAGED_LAL_SIZE よりも大きくなっています。これらのパケットは,この SYSGEN パラメータの値が増加するか,あるいはページング・プールの不足が発生してルックアサイド・リストからパケットが再要求されると再び使用されます。
ルックアサイド・リスト上のパケットがページ・プールのほとんどあるいはすべてを消費するような状況を防ぐために,ページ・プールのルックアサイド・リストはページ・ダイナミック・プールの最後の 4 分の 1 のパケットには使用されません。ページ・プール・メモリの不足が発生した場合,ルックアサイド・リスト上のパケットも再要求されます。
デフォルト値 0 でこの機能を無効にした場合,ページ・プールの動作は以前のバージョンの OpenVMS と同じで,ページ・プール変数フリーリストからパケットの割り当ておよび割り当て解除が行なわれます。
V8.4
OpenVMS Version 8.4 は最大 2 TB のディスク・ボリュームをサポートしますが,以下のような制限事項があります。
- V8.4 より古いバージョンの OpenVMS では 1 TB よりも大きなボリュームはサポートしておらず, 1 TB よりも大きなボリュームのマウントもサポートしていません。間違って古いバージョンの OpenVMS にマウントしてしまうのを防ぐために, MOUNT の最新のパッチでは,そのようなシステムで 1 TB を超えるサイズのボリュームのマウントを明示的に許可していません。
- F$GETDVI() レキシカル関数の項目 MAXBLOCK,FREEBLOCKS,EXPSIZE,および VOLSIZE はターゲット・ディスクのサイズに依存した情報を返します。 OpenVMS Version 8.4 では,ターゲット・ディスクのサイズが 1 TB を超える場合,これらの F$GETDVI() 項目は負の値を返すことになります。これは,DCL が 32-bit 符号付き整数の計算および比較を行うためです。 F$GETDVI() とこれらのタイプのアイテムコードを使用するコマンド・プロシージャは, 1 TB よりも大きなボリュームを扱えるように修正する必要があります。
DCL 整数表現の範囲を越える数値の処理については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
V8.4
SAS テープ・ドライブの命名および構成は, Fibre Channel テープ・ドライブの構成に使用するのと同じコマンドで実行する必要があります。詳細は,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』の Fibre Channel テープ・サポートの項を参照してください。
V8.4
Smart Array コントローラ以外で制御される外付けの SAS ドライブは, $3$DGA<UDID> として構成できます。 <UDID> には LUN に対するユニークなデバイス ID を指定します。 SAS デバイスと Fibre Channel デバイスを区別するために,外付け SAS ディスク・デバイス名にはアロケーション・クラス値 3 を使用するのに対し, Fibre Channel ディスク・デバイス名にはアロケーション・クラス値 1 を使用する点に注意してください。
ここでは,外部認証に関する注意事項について説明します。外部認証は OpenVMS Version 7.1 で導入されたオプションの機能であり,この機能を利用すると,OpenVMS システムは外部のユーザ ID とパスワードを使用して,指定されたユーザを認証できます。外部認証の使用方法についての詳細は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。
| 注意
外部認証ユーザに対する注意事項:
外部認証をサポートする SYS$ACM 対応の LOGINOUT.EXE と SETP0.EXE (SET PASSWORD) イメージを使用している場合, OpenVMS Version 8.4 へのアップグレードを行うと SYS$ACM 対応のイメージがリストアされます。
ACMELOGIN キットのインストールについては SYS$HELP:ACME_DEV_README.TXT を参照してください。
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