1.1.3 国際化環境論理名の設定 |
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LOCALE ユーティリティは,次の操作を行う OpenVMS XPG4 ローカライゼーション・ユーティリティです。
- バイナリ・ロケール・ファイルを生成します。このファイルは,国際化環境論理名の設定に依存する各ユーティリティや C ルーチンが使用します。
- 共用の読み込み専用グローバル・データとして,システム・メモリにロケール名をロードします。
- 使用しているシステムで定義されている現在の国際化環境の概要,および使用しているシステムのロケールの詳細を表示します。
- システム・メモリからロケール名をアンロードします。
LOCALE ユーティリティは,次のコマンドをサポートしています。
- LOCALE COMPILE コマンドは,ロケール・ソース・ファイルをバイナリ・ロケール・ファイルに変換します。このファイルは,国際化環境論理名の設定に依存するユーティリティと C ルーチンで使用されます。このコマンドを使用すると, ( 弊社が指定するローケルに加えて ) 新しいローケルをシステムに追加することができます。
ロケールをコンパイルするために, LOCALE COMPILE コマンドは 2 つのソース・ファイルを使用します。
- ロケールを記述するカテゴリを含む,ロケール定義ソース・ファイル
表 4-3 に示すロケール・カテゴリには LC_COLLATE, LC_CTYPE,LC_MESSAGES,LC_MONETARY,LC_NUMERIC,LC_TIME があります。
- ロケールの文字セットを定義する charmap(character set description)ファイル。 charmap はコード化文字セットのソース・ファイルであり,文字シンボルを文字コードとして定義します ( 詳細は 第 3 章 を参照してください )。
- LOCALE LOAD コマンドは,共用の読み込み可能グローバル・セクションとして,システム・メモリにロケール名をロードします。ロードされたロケールにアクセスするすべてのプロセスは,この 1 つのロケールのコピーを使用します。したがって,全体として必要とされるシステム・メモリの容量を削減することができます。
- LOCALE UNLOAD コマンドは,システム・メモリから指定したロケール名をアンロードします。
- LOCALE SHOW CHARACTER_DEFINITIONS コマンドは,論理名 SYS$I18N_LOCALE で定義されるパブリック・ディレクトリ内の文字セット記述ファイル(charmap) の名前の一覧を表示します。 charmap は,コーディングされた文字セットの文字のシンボル名と値を定義します。 charmap ファイルのファイル・タイプは .CMAP です。
- LOCALE SHOW CURRENT コマンドは,各ロケール・カテゴリを示すいくつかの論理名により定義されている,現在の国際化環境の概要を表示します。このコマンドは各ロケール・カテゴリの設定と,環境変数 LC_ALL と LANG の値を表示します。カテゴリを定義する論理名には,カテゴリと同じ名前が付けられます。たとえば LC_MESSAGES という論理名は,LC_MESSAGES カテゴリの設定を定義します。
- LOCALE SHOW PUBLIC コマンドは,システム上のすべての公用ロケールをリストします。これには HP C ランタイム・ライブラリにより提供されるシステム・ロケール,および論理名 SYS$I18N_LOCALE で定義されるディレクトリでリストされるロケールが含まれます。
- LOCALE SHOW VALUE コマンドは,現在の国際化環境での 1 つまたは複数のキーワードの値を表示します。各ケテゴリのロケール・カテゴリおよびキーワードの一覧を 表 4-4 に示します。
LOCALE コマンドについての詳細は 第 4 章 を参照してください。
ZIC コンパイラは Zone Information Compiler(ZIC) ユーティリティを使用して,タイム・ゾーン変換情報を格納したバイナリ・ファイルを作成します。これらのファイルは,ユーザが指定したタイム・ゾーンのソース・ファイルから生成されます。
ソース・ファイルの行は複数のフィールドから構成されます。有効なタイム・ゾーンのソース・ファイルを作成するには,次の形式に従ってください。
- 各フィールドは任意の数のスペース文字で区切ります。
- 入力行の先頭と末尾のスペース文字は無視されます。
- 入力行で引用符で囲まれていないシャープ記号(#)はコメントを示し,この記号から行の末尾まではコメントになります。
- スペース文字とシャープ文字をフィールドの一部として使用するときは,二重引用符(" ")で囲みます。
- コメントを取り除いた後,何もない行は無視されます。
- 空白行以外の行は次の 3 種類のいずれかであると解釈されます。
1.2.1 ルール行 |
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ルール行の形式は次のとおりです。