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HP OpenVMS Systems
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HP DECwindows Motif for OpenVMS

HP DECwindows Motif for OpenVMS
管理ガイド


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3.3.10 セキュリティ拡張の利用

セキュリティ拡張 (SECURITY) を使用すると, xauth ユーティリティまたは SET DISPLAY/GENERATE コマンドを使用して承認キーを手動で生成することができます。これにより,以下の追加属性のいずれかをサーバ接続に適用するように指定することができます。

注意

信頼されない接続上での使用を許可するように作成されていないクライアント・アプリケーションは予想しない動作をすることがあります。信頼されない接続での制限事項の説明については,X.Org Foundation が発行しているセキュリティ拡張の仕様を参照してください。

3.3.10.1 セキュリティ拡張を有効にする

セキュリティ拡張を有効にするには, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更して,値 "SEC_XAG" を含むように DECW$SERVER_EXTENSIONS パラメータを再定義します。次に例を示します。


$ decw$server_extensions == "SEC_XAG" 

ファイルを保存してサーバを再起動します。

3.3.10.2 セキュリティ・ポリシー・ファイルの利用

セキュリティ・ポリシー・ファイルを使用すると,信頼されないネットワーク接続上で特定の動作 (X アトム・レベル) を許可するようにサーバを構成することができます。このファイルは,一連のフィールド定義を通じて,許可する動作を規定する 1 つ以上のサイト・ポリシーを確立します。

DECwindows Motif では,DECW$EXAMPLES:DECW$SECURITY_POLICY.TXT という名前のサンプル・ファイルが提供されています。ポリシー・ファイルを作成する際にはこのファイルをテンプレートとして使用します。セキュリティ・ポリシーについては,X.Org Foundation が発行している『Security Extension Specification』に説明があります。セキュリティ・ポリシーの使用方法と定義についての詳細は,この仕様書を参照してください。

DECwindows Motif システム上でセキュリティ・ポリシー・ファイルを設定するには,以下の手順を実行します。

  1. DECW$EXAMPLES:DECW$SECURITY_POLICY.TXT を別のファイルにコピーし,必要な変更を行って,システム上の別の場所に保存します。

  2. DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更し,セキュリティ・ポリシー・ファイルがある場所を指すように DECW$SECURITY_POLICY パラメータの値を変更します。

  3. ファイルを保存してサーバを再起動します。

3.4 マルチヘッド・システムの設定

マルチヘッド・システムでは,複数のモニタをシステムに接続して,単一のディスプレイを構成することができます。ここでは,システム設定の前提条件と,マルチヘッド・システムを構成するためにサポートされている手法について説明します。

3.4.1 システム設定

マルチヘッド・システムを設定する前に,まず以下の作業を実行する必要があります。

  1. VGA サービスを無効にする --  ビデオ・カードによっては,必要に応じて VGA サービスを動的に無効または有効にできるものもありますが,そうでない場合は,ビデオ・カード上のジャンパ設定を使用して手作業で VGA を無効にする必要があります。このような変更が必要かどうかについては,ビデオ・カードのドキュメントを参照してください。変更が必要な場合は,システムにカードを装着する前にこの変更を行います。

    警告

    システムに複数のビデオ・カードを装着し,複数のカードで VGA サービスを有効にしたままにすると,ブート時にカード全体でビデオ・サブシステムの制御が競合するため,システムが損傷する可能性があります。

  2. ビデオ・カードを装着する --  OpenVMS システムをシャットダウンし,ハードウェア・ドキュメントの説明に従ってビデオ・カードを装着します。
    電源をオンにし,オペレーティング・システムをリブートします。スタートアップ中に OpenVMS オペレーティング・システムはビデオ・カードが正しく装着されていることを確認します。

3.4.2 単純なマルチヘッド・システムの構成

DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATE ファイルには,システムにマルチヘッドの利用を設定するための以下のコマンドが含まれています。


$ IF DECW$DEVICE_COUNT .GT. 1 THEN DECW$MULTI_HEAD == 1

テンプレート・ファイルは SYS$MANAGER ディレクトリにあります。マルチヘッドのサポートを起動するには,テンプレート・ファイルを SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM にコピーします。このファイルを編集する必要はありません。

3.4.3 XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムの構成

Xinerama 拡張 (XINERAMA) を使用すると,1 台のシステムに複数のモニタを接続して,統合された仮想ディスプレイを作成することができます。単純なマルチヘッド・システムと異なり,XINERAMA では,画面およびデスクトップの配置を制御することができます。ディスプレイ中の画面の数,順序,構成をカスタマイズしたり,デスクトップ上の画面間でウィンドウや文字をドラッグすることができます。

ここでは,XINERAMA を使用したマルチヘッド・システムの構成方法について説明します。

3.4.3.1 ハードウェアおよび構成の要件

XINERAMA は,同質のグラフィックス環境でのみサポートされます。マルチヘッドの各画面は,共通のビデオ・カード,ビット深度,ビジュアル・クラス,画面解像度,同サイズのモニタで構成する必要があります。また,モニタは,隙間のない長方形として配置する必要があります。

現在サポートされているビデオ・グラフィックス・カードについては,『日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェア使用書』を参照してください。これらのグラフィックス設定のデフォルト値を変更するために使用できる論理名の説明については, 第 3.1.2.4 項 を参照してください。

ディスプレイ・サーバは,マルチヘッド構成で最大 16 台のモニタをサポートします。実際のモニタの数は,利用可能なオプション・カード・スロットの数によっても制限される点に注意してください。

3.4.3.2 XINERAMA 拡張を有効にする

この拡張は X ディスプレイ・サーバの一部ですが,デフォルトでは有効になっていません。

XINERAMA を有効にするには,DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更し,値 "XINERAMA" を含むようにパラメータ DECW$SERVER_EXTENSIONS を再定義します。次に例を示します。


$ DECW$SERVER_EXTENSIONS == "DEC-XTRAP,XINERAMA" 

ファイルを保存してサーバを再起動します。

3.4.3.3 モニタの配置

デフォルトでは,システム・バス上のビデオ・カードの物理位置を使用してデバイス名 (GYA0,GYB0 など) が割り当てられます。その後デバイスに画面番号が割り当てられ,デバイス名のアルファベット順に初期化されます。

例として,4 つのモニタからなるマルチヘッド構成では,正しい順序でビデオ・カードにケーブルを接続し,モニタを横に並べたとすると,画面番号は昇順 (0, 1, 2, 3) または降順 (3, 2, 1, 0) となります。

OpenVMS システムでは,エッジとポインタを正しく連結するために,画面の初期化順序が非常に重要です。 画面 0 を最初に初期化し (仮想ディスプレイの左上),次に残りの画面を,順次初期化し,最後に最も画面番号が大きな画面 (仮想ディスプレイの右下) を初期化する必要があります。画面の順序が正しくない場合は,画面構成に応じて以下のいずれかを実行します。

画面の順序が正しくなったら,DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM 内で以下のエッジ連結パラメータを使用して,さらに仮想ディスプレイをカスタマイズします。

DECW$SERVER_EDGE_LEFT
DECW$SERVER_EDGE_RIGHT
DECW$SERVER_EDGE_TOP
DECW$SERVER_EDGE_BOTTOM

これらのパラメータは,仮想ディスプレイの各エッジを連結する場所を制御します。

セットアップ処理が完了すると,すべてのモニタがアクティブになり,適切に配置された状態になります。 DECwindows Motif を再起動すると,仮想ディスプレイの中央にセッションのログイン・ダイアログ・ボックスが表示され,アプリケーション・ウィンドウを開いたり,画面間でウィンドウをドラッグできるようになります。

3.5 デフォルトのキーボード・レイアウトの変更

DECwindows Motif で利用可能なキーボード・レイアウトには, DECwindows キーマップと X Keyboard キーマップの 2 種類があります。ここでは,デスクトップ・セッション外でデフォルトのキーボード設定を変更する方法について説明します。『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 操作ガイド』および『日本語 DECwindows Motif New Desktop使用概説書』で説明されているように,デスクトップ・セッションの間は,セッション・マネージャによってこれらの設定が設定変更される可能性がある点に注意してください。

言語,キーボード・モデル,キーマップ名の一覧については, 付録 B を参照してください。

3.5.1 DECwindows キーマップ・ファイルの利用

デフォルトのキーボード・レイアウトを設定変更して, DECwindows キーマップ・ファイルを指定するには,以下のようにして,使用しているキーボードのモデル番号から正しい名前を確認します。

  1. キーボードを裏返し,モデル番号が記載されたラベルを探します。モデル番号は LK401--xx のような形式になっています。
    モデル番号は,単に LK401 のようになっていることもあります。その場合は,必要な情報はラベルの別の部分にあり, nn-nnnnn-xx の形式の番号が記載されています。

  2. この番号の xx の部分を使用して, 付録 B からキーマップ名を選択します。表は,キーボードの言語順に並んでいます。
    以下の文字列で終わるキーマップを選択します。
    _DP (データ処理キーボード・レイアウトの場合)
    _TW (タイプライタ・レイアウトの場合)
    _LK (LK シリーズのレイアウトの場合)
    _PC (PC ベースのレイアウトの場合)

  3. キーマップ名を選択したら, DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルを変更します。たとえば,キーボード・レイアウトをオランダ語のタイプライタ・レイアウトに変更するには,次の行を DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM に追加します。


    $ DECW$DEFAULT_KEYBOARD_MAP == "DUTCH_LK201LH_TW" 
    

  4. 同様の行を,北米のキーボード・レイアウトでないワークステーションのそれぞれで追加するか,全ワークステーション共通のセクションにこの行を追加します (すべてのワークステーションが同じキーボード・レイアウトの場合)。

例 3-2 に,オランダ語キーボードと 100 dpi のモニタを使用した 2 台のワークステーション用の設定例を示します。

例 3-2 オランダ語キーボードと 100 dpi モニタの設定例

$do_DUTCH: 
$do_DUTCH2: 
$ decw$server_density == 100 
$ decw$default_keyboard_map == "DUTCH_LK201LH_DP" 
$ exit 

3.5.2 X Keyboard キーマップ・ファイルの利用

X Keyboard キーマップ・ファイルは, DECwindows Motif でのキーマップに相当し,標準の X ウィンドウ・システムでの代替方法です。これは, DECwindows Motif のキーマップ・ファイルを置き換えるものではなく,補完するものとして設計されています。

以下の項で説明するように, X Keyboard Compiler ユーティリティ (xkbcomp) を使用して, X Keyboard レイアウト・ファイルをコンパイルし,ロード可能なキーマップを作成することも,サーバが必要に応じてコンパイルすることもできます。

また,ベンダに依存しない,標準のロード可能なキーボードとして X Keyboard キーマップ形式 (.XKM) があるため,他の X11R6 ベース・システムおよび X ウィンドウ・システム・ソフトウェアのプロバイダが提供している .XKM ファイルをロードすることもできます。

3.5.2.1 X Keyboard のコンポーネント・データベース

X ディスプレイ・サーバは,X キーボード・コンポーネントおよび共通キーボード・マッピングのデータベースを保持しています。これらのコンポーネントを組み合わせることで,キーボードとその動作の完全な記述が得られます。

サーバは,DECW$SERVER_XKEYBOARD_MAP パラメータで指定された,コンパイル済みのキーマップ・ファイルからデータベースをロードします。このファイルは,DECW$SERVER_XKEYBOARD_COMPILED_DIR パラメータで定義されるディレクトリにあります。コンパイル済みのキーマップ・ファイルが存在しない場合,サーバは xkbcomp ユーティリティを実行してコンポーネント・ソースをコンパイルしてコンパイル済みのキーマップ・ファイルを生成します。

データベースは以下のキーボード・コンポーネント・ソース・ファイルで構成され,これらのソース・ファイルを使用してロード可能なキーマップ・ファイルが生成されます。


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