HP OpenVMS Systems Documentation |
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New Desktop に期限切れのパスワードでログインしたときでも,推奨パスワード・リストが表示されないようにすることができます。
推奨パスワード・リストを抑制するには,システム論理名 CDE$NOGENPWD にゼロ以外の値を定義します。次に例を示します。
$ DEFINE/SYSTEM CDE$NOGENPWD 1 |
4.3.5 UNIX スタイルのファイル名のサポートを有効にする (New Desktop のみ)
ファイル・セレクション widget およびファイル・マネージャで,ファイル名とデバイス名を UNIX スタイルで表示することができます。
この機能を有効にすると,ファイルとディレクトリは,ディレクトリ・ツリーを区切る際に大括弧の代わりにスラッシュを使用するなど, UNIX のパス名規約に従って表示されます。また,UNIX スタイルのパス名表示では,デバイス名は大文字に変換されず,大文字と小文字の違いが保持されます。
以降の項では,この機能を有効にする方法を簡単に説明します。
4.3.5.1 「File Selection」ダイアログ・ボックスで有効にする
「File Selection」ダイアログ・ボックスで UNIX スタイルのファイル名の表示を有効にするには,以下の論理名の 1 つ以上にゼロ以外の値を設定します。
DECC$FILENAME_UNIX_ONLY (CRTL モード)
DECW$XM_FORCE_UNIX_NAMES_TO_VMS
これらの論理名を SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM ファイルに追加することで,システム全体で定義することができます。また,各ユーザの DECW$LOGIN.COM ファイルまたは LOGIN.COM ファイルに追加することで,ユーザごとに定義することもできます。
「File Selection」ダイアログ・ボックスで,UNIX 形式で表示する場合でも,選択されたファイル名は OpenVMS 形式で返すようにするには,論理名 DECW$XM_UNIX_NAMES_TO_VMS を定義します。これにより,UNIX 形式でファイル名を表示する一方で, OpenVMS 形式のファイル名を必要とするその他のアプリケーションが,「File Selection」ダイアログ・ボックスと正常にやり取りすることができます。
4.3.5.2 ファイル・マネージャで有効にする
ファイル・マネージャで UNIX スタイルのファイル名の表示を有効にするには,論理名 CDE$DTFILE_UNIX_NAMES にゼロ以外の値を設定します。
この論理名をシステム全体で定義するには, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM ファイルに追加します。ユーザごとに定義するには,各ユーザの DECW$LOGIN.COM ファイルまたは LOGIN.COM ファイルに追加します。
4.4 スタートアップ環境のカスタマイズ
ここでは,アプリケーション・カスタマイズ・パラメータを使用して, DECwindows Motif のデフォルトのスタートアップ環境を変更する方法について概要を説明します。
4.4.1 DECW$PRIVATE_APPS_SETUP ファイルの利用
DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE ファイルは,SYS$MANAGER ディレクトリにあります。このテンプレート・ファイルには, DECwindows Motif のスタートアップ環境をカスタマイズするために使用できる情報が格納されています。
このファイルを使用することで, 表 4-6 に示すクライアント領域を変更することができます。デスクトップに依存するパラメータには注が付けられています。 New Desktop 環境固有の追加パラメータについては,『日本語 DECwindows Motif New Desktop使用概説書』を参照してください。
クライアント領域 | グローバル・シンボル | デフォルト |
---|---|---|
アプリケーション | ||
Bookreader のオンライン・ブック・ディレクトリ | DECW$BOOK | SYS$SYSROOT:[DECW$BOOK] |
FileView のコマンド・ファイル・ディレクトリ | VUE$LIBRARY 1 | DECW$SYSCOMMON: [VUE$LIBRARY.USER], DECW$SYSCOMMON: [VUE$LIBRARY.SYSTEM] |
FileView の公用プロファイル・ファイル・ディレクトリ | VUE$LIBRARY_WRITE 1 | SYS$COMMON:[VUE$LIBRARY.USER] |
コンソール・ウィンドウ | ||
コンソール・ウィンドウへのシステム・メッセージの表示を有効または無効にする | DECW$CONSOLE_SELECTION | 無効 |
コンソール・ウィンドウの位置を指定する | DECW$CONSOLE_GEOMETRY | -0,-0 |
デスクトップ | ||
セッションのスタートアップ時に実行するデスクトップ | DECW$START_NEW_DESKTOP | True ( New Desktop を実行) |
ディスプレイ・デバイス | ||
SET DISPLAY コマンドのパラメータ | DECW$APPSNODE
DECW$APPSSERVER DECW$APPSSCREEN |
ノード 0
サーバ 0 画面 0 |
TCP/IP トランスポート上の IPv6 のサポートを有効または無効にする | DECW$IPV6_SUPPORT | なし |
例と自習書 | ||
プログラム例のディレクトリ | DECW$EXAMPLES 2 | SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES.DECW] |
学習支援システムのファイルがあるディレクトリ | DECW$CBI | SYS$SYSROOT:[SYSCBI.DECW$CBI] |
キーマップ | ||
キーマップ・ファイルのディレクトリ | DECW$KEYMAP | DECW$SYSCOMMON: [SYS$KEYMAP.DECW.USER], DECW$SYSCOMMON: [SYS$KEYMAP.DECW.SYSTEM] |
ログイン | ||
LOGINOUT ログ・ファイル | DECW$LOGINLOG | なし |
loginout 中に複数の接続を使用 | DECW$LOGINMANY | False |
ログイン・ロゴ | DECW$LOGINLOGO 1 | なし |
ログイン・ロゴをサブプロセスで実行 | DECW$LOGINLOGOSUB 1 | False (独立プロセス) |
loginout 中に指定された X authority ファイルからデータを提供 | DECW$LOGIN_XAUTHORITY | SYS$LOGIN: DECW$XAUTHORITY.DECW$XAUTH |
プロキシ・マネージャ | ||
プロキシ・マネージャ構成ファイル | DECW$PROXY_MANAGER_CONFIG | なし |
プロキシ・マネージャ・ログ・ファイル | DECW$PROXY_MANAGER_LOG | なし |
プロキシ・マネージャ・アプリケーションを起動する際のデフォルトのコマンド行オプション | DECW$PROXY_MANAGER_OPTIONS | /PORT=6500/TRANSPORT= "LOCAL,TCPIP,DECNET" |
プロキシ・マネージャを独立プロセスとして起動する際のデフォルトのコマンド行オプション | DECW$PROXY_MANAGER_QUOTAS | /PROCESS_NAME=DECW$PROXY |
セッション管理 | ||
セッションを実行するコマンド | DECW$SESSIONMAIN 1 | Run SYS$SYSTEM:DECW$SESSION |
セッションをリセットするコマンド | DECW$SESSIONEND 1 | なし |
セッション・ログの有効化または無効化 | DECW$SESSIONLOG 1 | True (ログ・ファイルはオン) |
システム・スタートアップ | ||
DECwindows のスタートアップ完了時に実行する DCL コマンド | DECW$MAINAPP 1 | Run SYS$SYSTEM:DECW$STARTLOGIN |
ユーザ認証完了後に実行するコマンド・プロシージャ | DECW$SESSIONCOM | SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM |
DECwindows Motif の SYLOGIN コマンド・プロシージャ | DECW$SYLOGINCOM | なし |
UNIX との互換性 | ||
UNIX との互換性のための論理名を定義 | DECW$UNIXLOGICALS | True |
ユーザ・リソース | ||
正しいユーザ・リソース値でシステムを初期化するためのコマンド | DECW$SESSIONINIT | Run SYS$SYSTEM:DECW$WSINIT |
ユーティリティ | ||
X ウィンドウ・システム・ユーティリティ・ディレクトリ | DECW$UTILS | SYS$SYSROOT:[SYSHLP. EXAMPLES.DECW.UTILS] |
上記の領域のいずれかをカスタマイズするには, SYS$MANAGER: DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE ファイルを SYS$MANAGER: DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM にコピーします。次に例を示します。
$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - _$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM/LOG |
次に,ファイルを編集して,該当するシンボルを変更します。
以降の項では,テンプレート・ファイルを使用して, DECwindows のクライアント環境をカスタマイズする例を示します。
このファイルには, Cluster Common セクションと Cluster Member Workstation-Specific セクションの 2 つのセクションがあります。適切なセクションに新しいシンボルを追加します。
4.4.2 デスクトップの切り替え
インストール時に選択したものとは異なるデスクトップをロードするには, DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM 内の DECW$START_NEW_DESKTOP シンボルに TRUE ( New Desktop ) または FALSE ( Traditional DECwindows Desktop ) を設定します。
ファイル SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM が存在しない場合には,次のようにしてテンプレートから作成します。
$ COPY SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - _$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM |
IPv6 の利用を有効にするには, DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイル内でグローバル・シンボル DECW$IPV6_SUPPORT を定義します。ユーザは,必要に応じて,この結果得られるシステム全体の論理名を設定変更することができます。以下の値のいずれかを使用してシンボルを定義します。
この論理名のデフォルトの動作により,以前のバージョンの DECwindows Motif と同じディスプレイ名とクライアント-サーバ接続機能が提供されます。
TCP_IS_INET6 オプションでは TCP/IP Services の gethostbyaddr 関数の代わりに, getaddrinfo 関数を使用します。 TCP/IP Services では,AST ルーチンからの getaddrinfo 関数の利用はサポートされていません。使用するアプリケーションが AST ルーチン内から DECwindows トランスポートをオープンする場合には,DISABLED オプションを使用することをお勧めします。 DECwindows Motif アプリケーションは,すべて TCP_IS_INET6 オプションをサポートしています。 |
独自のロゴを表示する個別のアプリケーションを実行することで,デフォルトの HP ロゴを別のロゴで置き換えることができます。
それには, DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイル内でグローバル・シンボルを定義し,ロゴを表示するコマンドが格納された DCL コマンド・ファイルを作成する必要があります。たとえば,ログイン画面に独自のロゴを表示するには,以下の手順を実行します。
カスタム・ロゴを作成するには,以下の手順を実行します。
$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - _$ SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM/LOG |
$ DECW$LOGINLOGO == "SYS$MANAGER:MYLOGO.COM" |
$ RUN DECW$EXAMPLES:ICO |
$ @SYS$STARTUP:DECW$STARTUP RESTART |
HP ロゴを復元するには, DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイルから DECW$LOGINLOGO の定義を削除し, DECwindows を再起動します。
4.4.5 個人使用ライセンスを使用したシステムでのロゴの表示 ( Traditional DECwindows Desktop のみ)
DECwindows Motif のライセンスが SYSTEM アカウントに対して登録されていない場合, DECwindows はカスタマイズされたログイン・ロゴを表示しません。これは, DECwindows Motif の個人使用ライセンスを使用したシステムで,許可された DECwindows ユーザの一覧に SYSTEM が含まれていない場合に起こります。
個人使用ライセンスを使用した DECwindows Motif でカスタマイズされたロゴを表示するには,次の定義を SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイルに追加します。
$ DECW$LOGINLOGOSUB == "TRUE" |
設定ファイルを編集したら,次のようにして DECwindows Motif を再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART |
DECwindows Motif ログインは,独立プロセスとしてではなく,サブプロセスとしてロゴ・プロセスを起動します。
4.4.6 コンソール・メッセージの表示
Console Window アプリケーションを使用して,オペレータ・メッセージ (OPCOM) をコンソール・ウィンドウに表示することができます。コンソール・ウィンドウは,画面上部の 6 行の表示領域です。
コンソール通信用に代替ポート (OPA0: 以外) を選択した場合は, DECwindows Console Window は無効となり,コンソール・ブロードキャストが有効となります。代替コンソールポートの選択についての詳細は,使用しているワークステーションのオーナズ・ガイドを参照してください。 |
メッセージの表示方法を指定するには, DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM ファイル内でグローバル・シンボル DECW$CONSOLE_SELECTION を定義します。値には,WINDOW,DISABLE,ENABLE のいずれかを設定します。
$ DECW$CONSOLE_GEOMETRY == "+0-0" |
DECwindows Motif の以前のバージョンでは ENABLE がデフォルトでしたが,このオプションは使用しないことをお勧めします。コンソール・メッセージをデフォルトでコンソール・ウィンドウに表示すると,ワークステーションのディスプレイの表示内容が崩れることがあります。 |
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