HP OpenVMS Systems Documentation |
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クライアント・アプリケーションが X ディスプレイ・サーバに接続する際に,サーバは,どのアクセス制御方式を使用するかを,現在の X authority ファイルを参照して決定します。 X authority ファイルでは,クライアントの接続先のワークステーションに基づいて,使用するプロトコルを識別します。 X authority ファイルを変更するには,「Security Options」ダイアログ・ボックスを使用します。
4.7.1 セキュリティ・オプションの設定
このワークステーション上のクライアント・アプリケーションが X サーバに接続する際に使用するアクセス制御方式を指定するには,以下の手順を実行します。
「Security Options」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Authorized Users List」
「Kerberos」
「Magic Cookie」
クライアント・アクセス制御設定に対する変更は,現在のユーザのデフォルトの X authority ファイルのエントリ (ローカルおよび DECnet) の内容だけに影響を与えます。システム上の他のアクセス制御設定には影響しません。 |
4.7.2 セッションの最中にセキュリティ・オプションを更新する
場合によっては,現在のセッションに対して別の X authority ファイルを指定したいことがあります。しかし,セッションの最中にセキュリティ・オプションを変更すると,クライアント・アプリケーションが以降 X サーバにアクセスできなくなることがあります。この状況は, DECwindows Motif セッションの実行中に以下の順序で作業を行うと発生します。
別の X authority ファイルを指定すると,セッション中にアクセスを許可するために使用した元の設定が適用されなくなり,またクライアントは新しい設定を使用することはできません。
セキュリティ・オプションを更新してクライアントとサーバの許可エントリを同期させるには,以下の手順を実行します。
どちらの操作でも,新しい X authority エントリがサーバと代替 X authority ファイルの両方に作成されます。
セッション・マネージャやスタイル・マネージャにアクセスできない場合は, DECwindows Motif セッションを終了して再起動します。現在のセッションを終了することで,サーバがデフォルトの状態に復元されます。
4.7.3 ログイン時のアクセス制御を有効または無効にする
DECwindows Motif では,デフォルトではアクセス制御は有効になりません。代わりに,スタートアップ時にサーバによって設定されるアクセス制御を使用します。
DECwindows のセッション・マネージャに対して,ログイン時にアクセス制御を明示的に有効または無効にするよう指示するには,次の論理名のどちらかを定義します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DECW$LOGIN_ACCESS_CONTROL ENABLE $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DECW$LOGIN_ACCESS_CONTROL DISABLE |
論理名が定義されていない場合や, "SERVER" など他の値が定義されている場合は, DECwindows のログインではアクセス制御は有効にも無効にもされません。
ほとんどの場合,論理名を定義する必要はありません。
4.7.4 信頼ユーザによる一時停止状態のデスクトップ・セッションのアンロックを有効にする
DECwindows Motif ユーザに対し,Screen Lock 機能を使用して一時停止状態にした DECwindows Motif セッションのアンロックを許可することができます。
信頼ユーザを指定するには,次のようにシステム論理名 DECW$TRUSTED_UNPAUSE を定義します。ここで,username は OpenVMS ユーザを表します。
$ DEFINE/SYSTEM DECW$TRUSTED_UNPAUSE "username" |
画面のアンロックが正常に機能するように,セッション・ユーザと指定した信頼ユーザは,同じレベルのパスワード・アクセスを共用する必要がある点に注意してください。
4.8 プリント・フォーマットのカスタマイズ
ここでは, DECwindows Motif ソフトウェアのプリント・フォーマットを定義し,論理名および関連するプリント・フォーマットの一覧を表示する方法について説明します。構成によっては, DECwindows Motif のカスタマイズ作業の中で,プリント・フォーマットを指定するための論理名を定義します。
システムを起動する前に,OpenVMS スタートアップ・プロシージャを編集して,プリント・キューとプリント・フォーマットを関連付ける論理名を定義します。このスタートアップ・プロシージャは,その後 DECwindows Motif のスタートアップ・プロシージャを呼び出します。また,これらの論理名は,ログイン・コマンド・ファイルに追加することもできます。
4.8.1 プリント・フォーマットの定義
DECwindows Motif の多くのアプリケーションは,「Print」ダイアログ・ボックスを使用してファイルや画面をプリンタのキューに登録します。デフォルトでは,システム上のすべてのプリント・デバイスが「プリンタ」リスト・ボックスに表示されます。しかし,論理名を定義することで,プリント・キューにプリント・フォーマットを関連付けることができます。論理名は,OpenVMS のスタートアップ・コマンド・プロシージャ内で, DECwindows Motif のスタートアップ・プロシージャを呼び出す前に定義します。プリント・キューのリストはコンマまたはスペースで区切り,最初のキューがデフォルトの選択肢になります。
「Print」ダイアログ・ボックスに表示されるプリンタ・キューの一覧をカスタマイズするには, 表 4-8 に示す論理名のいずれかを定義します。この方法は,システム上のすべてのキューの名前を「Print」ダイアログ・ボックスに表示するよりも高速です。これは,キューのほとんどが,想定しているプリント・フォーマットに該当しないためです。次の例は, OpenVMS のスタートアップ・ファイル内でプリント・フォーマットの論理名を定義する方法を示します。
$ Define DECW$PRINTER_FORMAT_TEXT "CLUSTER_LN03,CLUSTER_PRINT, - _$ ANSI_ARTWRK,ANSI_PROTON" $ Define DECW$PRINTER_FORMAT_LINE "CLUSTER_PRINT" $ Define DECW$PRINTER_FORMAT_ANSI2 "CLUSTER_LN03,ANSI_ARTWRK,ANSI2_PROTON" $ Define DECW$PRINTER_FORMAT_ANSI "CLUSTER_LN03,ANSI_ARTWRK,ANSI_PROTON" $ Define DECW$PRINTER_FORMAT_PS "PS_ARTWRK,PS_PROTON" $ Define DECW$PRINTER_FORMAT_REGIS "SYS$NULL" |
たとえば,DECW$PRINTER_FORMAT_ANSI2 が CLUSTER_LN03,ANSI_ARTWRK, ANSI2_PROTON として定義されている場合,「プリント・フォーマット」リスト・ボックスから「ANSI2」を選択すると, CLUSTER_LN03,ANSI_ARTWRK,および ANSI2_PROTON だけが「プリンタ」リスト・ボックスに表示され, CLUSTER_LN03 がデフォルトの選択肢となります。
4.8.2 論理名とプリント・フォーマット
表 4-8 に, DECwindows Motif 製品の論理名とそれに関連付けられているプリント・フォーマットの一覧を示します。
論理名 | プリント・フォーマット |
---|---|
DECW$PRINTER_FORMAT_DEFAULT | Default |
DECW$PRINTER_FORMAT_TEXT | Text |
DECW$PRINTER_FORMAT_LINE | Line Printer |
DECW$PRINTER_FORMAT_TERM | Terminal |
DECW$PRINTER_FORMAT_ANSI2 | ANSI2 |
DECW$PRINTER_FORMAT_ANSI | ANSI |
DECW$PRINTER_FORMAT_PS | PostScript |
DECW$PRINTER_FORMAT_REGIS | ReGIS |
DECW$PRINTER_FORMAT_TEK | TEKTRONIX |
DECW$PRINTER_FORMAT_DDIF | DDIF |
システム全体の論理名テーブルで論理名を定義し,ユーザが必要に応じて論理名を設定変更することができます。
この付録では,DECwindows Motif システムの制限値とシステム・パラメータの推奨値の一覧を示します。
A.1 DECwindows アプリケーション向けの UAF パラメータの設定
DECwindows アプリケーションは,利用者登録ファイル (UAF) のリミットに敏感に反応することがあります。セッションの起動時やアプリケーションの起動時に問題が発生したり,エラー・メッセージを表示せずにアプリケーションが消えた場合は,セッションを開始した際のアカウントの UAF リミットを確認してください。
表 A-1 に,推奨される UAF リミットを示します。具体的な数値は,ガイドラインとして使用することを意図したものです。適切な UAF パラメータは,各自のアプリケーションとプロセスに依存します。詳細は,『HP OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。
リミット | 設定 | 使用目的 |
---|---|---|
ASTLM | 100 | 非同期システム・トラップ (AST) キュー・リミット |
BIOLM | 100 | バッファード入出力回数リミット |
BYTLM | 100000 | 入出力バイト・リミット |
DIOLM | 100 | 直接入出力回数リミット |
ENQLM | 300 | 同時発行ロック・リミット |
FILLM | 100 | オープン・ファイル・リミット |
MAXDETACH | 0 | 単一のユーザ名に対する最大独立プロセス数
(0 = 無制限) |
MAXJOBS | 0 | 単一のユーザ名に対する最大アクティブ・プロセス数
(0 = 無制限) |
MAXACCTJOB | 0 | 単一のアカウントに対する最大アクティブ・プロセス数
(0 = 無制限) |
PGFLQUOTA | 70000 | ページング・ファイル・リミット |
PRCLM | 10 | サブプロセス作成リミット |
TQELM | 10 | タイマ・キュー・エントリ・リミット |
WSDEFAULT | 1024 | デフォルトのワーキング・セット・サイズ |
WSEXTENT | 8192 | ワーキング・セット超過値 |
WSQUOTA | 2048 | ワーキング・セット制限 |
A.2 DECwindows アプリケーションおよびディスプレイ・サーバ用のシステム・パラメータの設定
ほとんどの DECwindows プロセス,特に DECterm ウィンドウは独立モードで動作するため,特定のシステム・パラメータの値を増やす必要があります。 表 A-2 および 表 A-3 に,そのようなパラメータとその最小設定値,加算値,Alpha システムと I64 システムでの使用方法を示します。 加算値 は, DECwindows Motif がリソースを利用できるように AUTOGEN がパラメータを増やす際の増分値です。
システム・パラメータの変更についての詳細は,『HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
表 A-2 に,OpenVMS Alpha システムでのパラメータ,最小設定値,加算値,使用目的を示します。
パラメータ | 最小値 | 加算値 | 説明 |
---|---|---|---|
GBLSECTIONS | 600 | 280 | システム・グローバル・セクション |
GBLPAGES | 150000 | 92000 | システム・グローバル・ページ・テーブル・エントリ |
GBLPAGFIL | 4096 | 768 | システム・グローバル・ページ・ファイル・セクション・リミット |
NPAGEDYN | 1348576 | 300000 | システム非ページング動的プール |
PAGEDYN | 704288 | 180000 | システム・ページング動的プール |
SWPOUTPGCNT | 512 | -- | スワッピング前の最小プロセス・ページ・サイズ |
MAXBUF | 8192 | -- | 最大バッファ・サイズ |
CHANNELCNT | 255 | -- | システム永久入出力チャネル・リミット |
PROCSECTCNT | 128 | -- | プロセス・イメージ・セクション記述子リミット |
WSMAX | 12000 | -- | プロセス・ワーキング・セットの最大 |
CLISYMTBL | 512 | -- | コマンド・インタプリタのシンボル・テーブルの最小サイズ |
PQL_MPGFLQUOTA | 32768 | -- | 最小ページ・ファイル制限 |
PQL_MASTLM | 100 | -- | 最小 AST リミット |
PQL_MBIOLM | 100 | -- | 最小バッファード入出力リミット |
PQL_MDIOLM | 100 | -- | 最小直接入出力リミット |
PQL_MFILLM | 100 | -- | 最小オープン・ファイル・リミット |
PQL_MBYTLM | 100000 | -- | 最小バッファード入出力バイト・リミット |
PQL_MPRCLM | 10 | -- | 最小サブプロセス・リミット |
PQL_MENQLM | 300 | -- | 最小同時発行ロック・リミット |
PQL_MWSDEFAULT | 1024 | -- | 最小ワーキング・セット・デフォルト |
PQL_MWSQUOTA | 2048 | -- | 最小ワーキング・セット制限 |
PQL_MWSEXTENT | 8192 | -- | 最小ワーキング・セット超過値 |
GH_RES_CODE | 1584 | 560 | 常駐イメージ・コード粒度ヒント領域リミット |
IMGREG_PAGES | 10000 | 3160 | 共用可能アドレス・データを持つイメージをインストールするための最小予約ページ数 |
表 A-3 に,OpenVMS I64 システムでのパラメータ,最小設定値,加算値,使用目的を示します。
パラメータ | 最小値 | 加算値 | 説明 |
---|---|---|---|
GBLSECTIONS | 1000 | 400 | システム・グローバル・セクション |
GBLPAGES | 150000 | 92000 | システム・グローバル・ページ・テーブル・エントリ |
GBLPAGFIL | 4096 | 768 | システム・グローバル・ページ・ファイル・セクション・リミット |
NPAGEDYN | 4194304 | 300000 | システム非ページング動的プール |
PAGEDYN | 4194304 | 180000 | システム・ページング動的プール |
SWPOUTPGCNT | 512 | -- | スワッピング前の最小プロセス・ページ・サイズ |
MAXBUF | 8192 | -- | 最大バッファ・サイズ |
CHANNELCNT | 255 | -- | システム永久入出力チャネル・リミット |
PROCSECTCNT | 64 | -- | プロセス・イメージ・セクション記述子リミット |
WSMAX | 131072 | -- | プロセス・ワーキング・セットの最大 |
CLISYMTBL | 512 | -- | コマンド・インタプリタのシンボル・テーブルの最小サイズ |
PQL_MPGFLQUOTA | 32768 | -- | 最小ページ・ファイル制限 |
PQL_MASTLM | 100 | -- | 最小 AST リミット |
PQL_MBIOLM | 100 | -- | 最小バッファード入出力リミット |
PQL_MDIOLM | 100 | -- | 最小直接入出力リミット |
PQL_MFILLM | 100 | -- | 最小オープン・ファイル・リミット |
PQL_MBYTLM | 100000 | -- | 最小バッファード入出力バイト・リミット |
PQL_MPRCLM | 10 | -- | 最小サブプロセス・リミット |
PQL_MENQLM | 300 | -- | 最小同時発行ロック・リミット |
PQL_MWSDEFAULT | 4096 | -- | 最小ワーキング・セット・デフォルト |
PQL_MWSQUOTA | 8192 | -- | 最小ワーキング・セット制限 |
PQL_MWSEXTENT | 16384 | -- | 最小ワーキング・セット超過値 |
GH_RES_CODE | 3072 | 1450 | 常駐イメージ・コード粒度ヒント領域リミット |
IMGREG_PAGES | 10000 | -- | 共用可能アドレス・データを持つイメージをインストールするための最小予約ページ数 |
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