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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
第 1 章
OpenVMS Cluster システム構成の概要
この章では,OpenVMS Cluster の一般的な構成規則とともに,ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素について説明します。
1.1 OpenVMS Cluster の構成
OpenVMS Cluster システムは,OpenVMS システム,ストレージ・サブシステム,インターコネクト,ソフトウェアが 1 つのグループとしてまとまって働く仮想システムです。 OpenVMS Cluster システムは,Alpha,VAX,または Intel Itanium プロセッサを搭載した HP Integrity サーバのいずれかの同じアーキテクチャで構成された環境で,OpenVMS が動作するように構成できます。また,OpenVMS Cluster システムは,異なるアーキテクチャを組み合わせたクラスタ環境として実行することもできます。有効な組み合わせは,Alpha と VAX,または Alpha と HP Integrity サーバの 2 種類の組合せです。
OpenVMS Cluster システムでは,各システムが次のことを行います。
また OpenVMS Cluster システムは,1 つのエンティティとして管理されます。
注意 異種混在型のクラスタでは,システム・ディスクおよびシステム・ブート・ブロックごとに 1 つのアーキテクチャのみサポートします。 |
表 1-1 は,OpenVMS Cluster システムの利点を述べたものです。
利点 | 説明 |
---|---|
資源の共用 | 複数のシステムが同じストレージ・デバイスにアクセスできます。これはクラスタ全体でユーザがファイルを共用するためです。アプリケーション,バッチ,およびプリントジョブ処理も複数のシステムに配布できます。共用資源にアクセスするジョブは,どのシステムでも実行できます。 |
可用性 | 個々のシステムがシャットダウンしても (ダウンが予定されたものであるかどうかに関係なく),データやアプリケーションは引き続き利用できます。さまざまな構成により,ディザスタ・トレラントな操作にも対応できるさまざまなレベルの可用性を設定できます。 |
柔軟性 | OpenVMS Cluster コンピューティング環境は,幅広い価格帯とパフォーマンス域にまたがる互換ハードウェアとソフトウェアを提供します。 |
スケーラビリティ | その他のシステムに影響を与えることなく処理資源とストレージ・リソースを追加できます。ハイエンド・マルチプロセッサ・システムから小型ワークステーションまで,各種システムを相互接続でき,ニーズの増大に合わせて簡単に構成できます。パフォーマンスと可用性のレベルは拡張に応じて制御できます。 |
管理の容易さ | OpenVMS Cluster 管理は,効率的で安全です。OpenVMS クラスタは単独のシステムとして管理されるため,さまざまなタスクも 1 回実行するだけですみます。OpenVMS Cluster では,ユーザ,バッチ,印刷作業の各負荷のバランスが自動的に調整されます。 |
オープン・システム | IEEE,POSIX,OSF/1,Motif,OSF DCE, ANSI SQL,および TCP/IP の各標準に準拠しているので,OpenVMS Cluster システムはアプリケーションの移植性と相互運用性を提供できます。 |
OpenVMS Cluster システムは,システム,インターコネクト,アダプタ,ストレージ・サブシステム,周辺機器など,さまざまなハードウェア構成要素からなります。 表 1-2 は,これらの構成要素と例をまとめたものです。サポートする最新のハードウェア一覧については,ソフトウェア仕様書を参照してください。
構成要素 | 説明 | 例 |
---|---|---|
システム | 1 つの処理体として機能する 1 つ以上のプロセッサ,メモリ,入出力 (I/O) アダプタを組み込んだキャビネット。
関連項目: OpenVMS システムの詳細については, 第 3 章 を参照してください。 |
OpenVMS Cluster システムには,サポートされている Alpha, VAX,または HP Integrity サーバの各システムを組み込むことができます。 |
インターコネクト | OpenVMS Cluster ノード間のハードウェア接続であり,これを通じてノード通信を行います。
関連項目: OpenVMS Cluster インターコネクトの詳細については, 第 4 章 を参照してください。 |
OpenVMS Cluster システムには,次に示す相互接続を 1 つ以上使用します。
サポートするアダプタの一覧については,ソフトウェア仕様書を参照してください。 |
ストレージ・サブシステム | データを保存するデバイスとデバイスを管理するオプション・コントローラ
関連項目: OpenVMS ストレージ・サブシステムの詳細については, 第 5 章 を参照してください。 |
ストレージ・サブシステムには,次のものがあります。
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アダプタ | OpenVMS Cluster 内のノードをインターコネクトとストレージに接続するデバイス。
関連項目: アダプタの詳細については, 第 4 章 を参照してください。 |
PCI (Peripheral Component Interconnect) および PCIe (PCI-Express) システムで使用されるアダプタは,次のとおりです。
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OpenVMS Cluster システム・ソフトウェアのタイプは,次のように分類できます。
1.3.1 OpenVMS オペレーティング・システム構成要素
オペレーティング・システムは,ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素,および資源が適切に動作するように管理します。
表 1-3 は,OpenVMS Cluster の動作に必要なシステム構成要素です。これらの構成要素は,OpenVMS オペレーティング・システム・ライセンスと OpenVMS Cluster ライセンスがないと使用できません。
構成要素 | 機能 |
---|---|
レコード管理サービス (RMS) と OpenVMS ファイル・システム | OpenVMS Cluster 環境のディスクやテープ上の共用読み込みアクセスと書き込みアクセスを提供します。 |
クラスタ全体のプロセス・サービス | クラスタ全体でプロセスを作成, 削除するだけなく,SHOW SYSTEM や SHOW USERS などの OpenVMS コマンドのクラスタ規模による操作を可能にします。 |
分散ロック・マネージャ | 多数のユーザによる共用資源へのアクセスを同期します。 |
分散ジョブ・コントローラ | バッチやプリント・キューをクラスタ全体で共用可能にし,資源を最適化します。 |
接続マネージャ | OpenVMS Cluster メンバのメンバシップとクォーラムを制御します。 |
SCS (システム通信サービス) | System Communications Architecture (SCA) により,ノード間の OpenVMS Cluster 通信を可能にします。 |
MSCP サーバ | 直接アクセスできるローカル接続ディスクを, OpenVMS Cluster 内の他のシステムにも開放します。 |
TMSCP サーバ | 直接アクセスできるローカル接続テープを, OpenVMS Cluster 内の他のシステムにも開放します。 |
図 1-1 は,代表的な OpenVMS Cluster システムにおけるハードウェアとオペレーティング・システム構成要素の組み合わせを示したものです。
図 1-1 ハードウェアとオペレーティング・システム構成要素
注意 すべてのインターコネクタが OpenVMS の 3 つのアーキテクチャでサポートされるわけではありません。 CI,DSSI,FDDI インターコネクトは, Alpha および VAX システムでサポートされます。 Memory Channel および ATM インターコネクトは Alpha システムでのみサポートされます。 |
1.3.2 ネットワーキング構成要素 |
表 1-4 は,1 つのOpenVMS Cluster システム・ノードと他の OpenVMS Cluster ノード間の通信と資源を共用するためのオプション・ネットワーキング・ソフトウェアを説明したものです。
オプション・ソフトウェア | 機能 |
---|---|
DECnet-Plus/DECnet | ネットワーク通信はノード間通信に必要です。 |
Advanced Server for OpenVMS (Advanced Server) および HP Common Internet File System (CIFS) for OpenVMS (Advanced Server) | PC システムを OpenVMS Cluster システムにリンクするクライアント・サーバ・ネットワーキング・ソフトウェアです。 Advanced Server は Alpha システムでのみ利用できます。 CIFS は Integrity サーバおよび Alpha システムの両方で利用できます。 |
HP TCP/IP Services for OpenVMS ソフトウェア | OpenVMS 用の Network File System (NFS) サーバであり,Internet ネットワーキング・プロトコルをサポートします。 Cluster over IP ではクラスタ通信に TCP/IP を必要とします。 |
オプションのストレージ拡張ソフトウェアは,ストレージ・サブシステムのパフォーマンスや可用性を改善します。
OpenVMS ストレージ管理製品に関する最新情報については,次の OpenVMS Web サイトにある OpenVMS 製品のページを参照してください。
http://www.hp.com/go/openvms |
または
http://www.hp.com/jp/openvms |
システム管理ソフトウェアは,OpenVMS Cluster システムを管理します。
たとえば,次のようなものがあります。
OpenVMS Cluster の特徴や利点を活用するには,正しく構成することが重要です。 OpenVMS Cluster の理想的な構成では,次の基準を満たすことができます。
OpenVMS Cluster システムの構成は,さまざまな要因を考慮する必要があるため,慎重に行う必要があります。新しい要因が発生するたびに計画は変更する必要があるかもしれません。設計内容の更新時には,トレードオフに対する利点を評価し,ニーズに最適な決定を下します。
以下の一般規則が,OpenVMS Cluster システムに適用されます。
以上の一般的な規則以外に,構成によりさらに詳細なガイドラインが適用されます。本書ではこの後,構成ごとのコンテキストでそれらのガイドラインについて説明します。
1.4 OpenVMS Cluster システムの構成
1.4.1 一般的な構成規則
共用 (マルチホスト) SCSI バスや共用 (マルチホスト) Fibre Channel インターコネクトを使用する構成は,サポートされている他の OpenVMS Cluster インターコネクトとも構成できるものとします。SCSI バスや Fibre Channel ではノード・ツー・ノード通信ができないからです。
関連項目: SCSI インターコネクトの詳細については, 第 4.8 節 を参照してください。 Fibre Channel インターコネクトの詳細については, 第 4.6 節 を参照してください。
SAS インターコネクトを使用する構成では,サポートされている他の OpenVMS Cluster インターコネクトを構成する必要もあります。
関連項目: SAS の詳細については, 第 4.9 節 を参照してください。
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