この章では,OpenVMS Cluster システム固有のキューイングについて説明します。 OpenVMS Cluster システムでは,スタンドアロン・コンピュータでキューを管理するために使用されるコマンドと同じコマンドを使用して,キューが設定および制御されるため,この章の説明では,『OpenVMS システム管理者マニュアル』で説明しているスタンドアロン・システムでのキュー管理について,ある程度の知識があるものと仮定しています。
| キュー・マネージャが実行されているノードが OpenVMS Cluster システムから削除された
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キュー・マネージャは自動的に別のノードにフェールオーバされる。
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このフェールオーバは透過的に行われるため,ユーザが意識する必要はない。
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| ノードがクラスタに追加された
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キュー・マネージャは自動的に新しいノードをサービスする。
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システム管理者が新しいノードでキューイングを開始するためにコマンドを入力する必要はない。
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| OpenVMS Cluster システムがリブートされた
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デフォルト設定により,キューイング・システムは自動的に再起動される。
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したがって,スタートアップ・コマンド・プロシージャにキューイングのためのコマンドを指定する必要はない。
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オペレーティング・システムは,キューイング・データベースに定義されているパラメータを使用して,自動的にキューイング・システムを復元する。
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これは,キューイング・システムを起動するときに,定義した属性がキューイング・データベースに保存されるからである。
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| START/QUEUE/MANAGER
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SYS$QUEUE_MANAGER という 1 つのクラスタ単位のキュー・マネージャを作成する。
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| /NEW_VERSION
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SYS$COMMON:[SYSEXE] に新しいキュー・データベースを作成する。このデータベースには以下の 3 つのファイルが格納される。
- QMAN$MASTER.DAT (マスタ・ファイル)
 - SYS$QUEUE_MANAGER.QMAN$QUEUES (キュー・ファイル)
 - SYS$QUEUE_MANAGER.QMAN$JOURNAL (ジャーナル・ファイル)
  
 
規則:  /NEW_VERSION 修飾子は,キュー・マネージャを最初に起動する場合,または新しいキュー・データベースを作成する場合にだけ指定する。
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/ON=
(node-list)
  [optional]
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キュー・マネージャを実行しているノードがクラスタから削除されるときに,キュー・マネージャになることができるノードの一覧を指定する。以下の例を参照。
 
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/NAME_OF_MANAGER
  [optional]
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固有の名前をキュー・マネージャに割り当てることができる。複数のキュー・マネージャを実行する場合は,固有のキュー・マネージャ名が必要である。たとえば, /NAME_OF_MANAGER 修飾子を使用すると,デフォルト名の SYS$QUEUE_MANAGER ではなく,キュー・マネージャの名前を使用してキュー・ファイルとジャーナル・ファイルが作成される。たとえば, /NAME_OF_MANAGER=PRINT_MANAGER 修飾子をコマンドに追加すると,以下のファイルが作成される。
 QMAN$MASTER.DAT
 PRINT_MANAGER.QMAN$QUEUES
 PRINT_MANAGER.QMAN$JOURNAL
 
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複数のシステム・ディスクを使用する OpenVMS Cluster システムの場合の規則: 
 
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/AUTOSTART_ON 修飾子を使用する場合, INITIALIZE /QUEUE コマンドに /START 修飾子を指定するか,または START/QUEUE コマンドを入力することにより,最初に自動起動できるようにキューを有効にしておかなければなりません。しかし,キューが動作できるノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドが入力されるまで,キューでジョブの処理を開始することはできません。汎用キューを自動起動キューとして指定することはできません。