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OpenVMS マニュアル |
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OpenVMS
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DIGITAL コマンド言語 (DCL) は,オペレーティング・システムに特定の操作を実行させる命令からなります。 DCL には,200 を超えるコマンドと関数があり,これらを使用してオペレーティング・システムと通信し,さまざまなコンピューティング・タスクを実行することができます。 DCL コマンドを使用すると,次のことが行えます。
次の表は,いくつかの一般的なシステム操作を実行する場合に使用される DCL コマンドを示しています。
コマンド | 操作 |
---|---|
COPY | 指定されたファイルをコピーする。 |
COPY/FTP | TCP/IP ネットワーク上のホスト間でファイルを転送する。 |
CREATE | ファイルまたはディレクトリを作成する。 |
DELETE | 指定されたファイルをディレクトリから削除する。 |
DIRECTORY | ディレクトリの内容 (ファイルのリスト) を表示する。 |
EDIT | テキスト・ファイルの内容を調べて変更する。 |
LOGOUT | セッションを終了する。 |
指定されたファイルをプリンタに送って印刷する。 | |
RENAME | 指定されたファイルの名前または位置を変更する。 |
SET | 画面上でのシステムの表示のしかたを制御する。 |
SHOW | システムの状態を表示する。 |
TYPE | 指定されたファイルの内容を画面に表示する。 |
本章では,DIGITAL コマンド言語の使用方法について学びます。特に次のことについて説明します。
本書では,標準的な DCL コマンドについてのみ説明します。システム管理者はローカル環境をサポートするためにシステムを変更できます。システム管理者は次のことができます。
本章で説明するコマンド,修飾子,およびパラメータについての詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』とオンライン・ヘルプを参照してください。
2.1 コマンドの入力
DCL コマンドを入力するためには, DCL プロンプト ($) に対してコマンドを入力してから Enter を押します。 DCL は大文字と小文字を区別しません。したがって,コマンドは大文字または小文字のどちらでも入力できます。 1
たとえば,DCL コマンドSHOW TIME を使用する場合には,次のコマンドを入力します。
$ SHOW TIME |
現在の日付と時間が表示された後 DCL プロンプトに戻るので,別のコマンドを入力できます。
11-DEC-2002 15:41:43 $ |
DCL は,次の 2 つのモードで使用できます。
DCL コマンドを入力すると,DCL インタプリタがそれを読み込んで解釈します。コマンド・インタプリタのコマンドに対する応答は,入力したコマンドの種類によって異なります。 DCL コマンドには,次の 3 つの種類があります。
DCL には,他の言語と同様,独自の語彙と使用規則があります。 DCL は,語 (語彙) と 語順 (構文または形式) から構成されます。ここでは,この 2 つの要素について説明するとともに,有効な DCL コマンドの構成方法について解説します。
次の例は,DCL コマンド行の一般形式と各要素を示しています。
2.1.1 使用モード
会話モードでは,ユーザはターミナルからコマンドを入力します。 1 つのコマンドの実行が終了すると,次のコマンドを入力できます。
バッチ・モードでは,ユーザの代わりにコマンドを実行する別のプロセスをシステムが作成します。
バッチ・ジョブ とは,独立したユーザ・プロセスとして実行するためにオペレーティング・システムに発行されるコマンド・プロシージャやプログラムです。コマンド・プロシージャをバッチ実行のために発行した後は,ターミナルとの会話を続けることができます。
バッチ・ジョブとネットワーク・プロセスは,DCL をバッチ・モードで使用します。プロセスについての詳細は, 第 16 章 を参照してください。
2.1.2 DCL コマンドの種類
DCL インタプリタに組み込まれているコマンドであり,内部的に実行されます。
DCL はこの種類のコマンドを受け取ると内部では実行せず,別のプログラムを呼び出して実行します。コマンドを実行するために起動されたプログラムを コマンド・イメージ と呼びます。コマンド・イメージは,会話型のプログラムや
ユーティリティ (Mail など) のこともあれば,非会話型プログラム (COPY など) のこともあります。
イメージを実行するシンボルをフォーリン・コマンドと呼びます。フォーリン・コマンドは,コマンド・インタプリタが DCL コマンドとして認識しない名前のイメージを実行します。シンボルについての詳細は, 第 12 章 を参照してください。
1 大文字小文字の区別については 第 5 章 を参照。
$ PRINT/COPIES = 5 GROCERY.LIS [Enter] (1) (2) (3) (4) (5) (6) |
その他に次の項目も,DCL コマンド行で使用可能です。
話し言葉がその語順によって意味が変わるのと同じように, DCL でも,コマンド行の各要素を特定の語順に並べる必要があります。
次の 2 つの例は,典型的な DCL コマンドの構文,つまり形式を示しています。
ラベル: コマンド/修飾子=値=キーワード |
ラベル: コマンド パラメータ/修飾子 |
DCL コマンドには,いくつかの必須パラメータがあります。これらのパラメータは,必ずコマンド行に入力しなければなりません。これらのパラメータを入力しなければ,パラメータの情報を求めるプロンプトが表示されます。アンダスコア( _ )で始まる行は,システムが応答を待っていることを意味します。
任意パラメータの入力を求めるプロンプトが表示された場合,Enter を押せば,そのパラメータを省略できます。どちらのプロンプトの場合でも,必須パラメータを入力した後,残りのパラメータや修飾子を1 つ以上入力できます。
スラッシュ (/) またはアットマーク (@) を含むパラメータは,二重引用符 ("") で囲む必要があります。
次の例では,TYPE コマンドはファイル指定を要求しています。ファイル指定は TYPE コマンドの必須パラメータであるため,このパラメータを指定しなかった場合には,システムから要求されます。
$ TYPE _File: WATER.TXT |
コマンド・プロンプトの後に Ctrl/Z を押すと, DCL はそのコマンドを無視して DCL プロンプトを再表示します。
2.2.3 省略時の値の使用
省略時の設定と呼ぶ一部の項目は,コマンド行に指定する必要がありません。 DCL が省略時の設定によって操作を実行する場合には,コマンドに特定の値を割り当てたり,そのコマンドに関連する特定の機能を実行します。コマンドを入力するときに,これらの値や機能を指定する必要はありません。一般に,値や機能は,ユーザが期待するものまたは典型的であると考えられるものです。
DCL は,コマンド・パラメータや修飾子など,いくつかのエリアで省略時の値を提供します。パラメータの省略時の値については,本書で説明されている特定の DCL コマンドについての節を参照してください。修飾子の省略時の値については, 第 2.5 節 を参照してください。
PRINT コマンドの修飾子として部数を指定しなかった場合には, DCL は省略時の値である 1 を使用します。次の例では,PRINT コマンド行に /COPIES 修飾子を指定しているため,省略時の値が無効になり,ファイルが 4 部印刷されます。
$ PRINT/COPIES=4 MYFILE.TXT |
1 行を超えるコマンドを入力する場合には,次の操作を実行して,コマンドを次の行に継続できます。
手順 | 操作 |
---|---|
1 | コマンド行の最後にハイフン (-) を指定し,Return を押す。
アンダスコア (_) の後に DCL プロンプト ($) が表示される。 |
2 | このプロンプトの後にコマンド行の残りの部分を入力する。
アンダスコアから始まる行は,システムがユーザの応答を待っていることを示す。 |
次のことに注意してください。
次の例では,複数の行に継続されるコマンドの入力方法を示しています。
$ COPY/LOG FORMAT.TXT,FIGURE.TXT,ARTWORK.TXT - _$ SAVE.TXT |
DCL コマンドの PIPE コマンドを使用すると,1 つの DCL コマンドから複雑なコマンド処理文を作成することができます。たとえば,同一 DCL コマンド行から,次に示す 1 つまたは複数の操作を実行できます。
詳細は, 第 14.20 節 および『OpenVMS DCL ディクショナリ: N--Z』の PIPE コマンドの説明を参照してください。
DCL コマンドを入力するときには,次の規則が適用されます。 DCL コマンドにおける拡張ファイル名の使用については, 第 5 章 を参照してください。
2.3 DCL コマンドの入力規則
コマンドの中の各要素は 255 文字を超えてはなりません。また,すべてのシンボル 1 とレキシカル関数 2 を値に変換した結果得られる,コマンド全体が 1,024 文字を超えないようにすることが必要です。
たとえば,次の 2 つのコマンドは等しくなります。
$ PRIN/COPI=2 FORMAL_ART.TXT
$ PRINT/COPIES=2 FORMAL_ART.TXT
ただし,コマンド・プロシージャの中ではコマンドを短縮しないでください。これは,コマンド・プロシージャの上位互換性や明確さを維持するためです。
コマンド・プロシージャの中のでのコマンドの使い方については, 第 13 章 と 第 14 章 を参照してください。
1 情報を短縮してシステムに渡す場合には,シンボルを使用します ( 第 12 章 を参照 )。
2
レキシカル関数 は,システムから情報を得ます ( 第 15 章 を参照)。
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