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OpenVMS マニュアル |
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OpenVMS
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目次 | 索引 |
2.4 パラメータの入力 |
ファイル指定は,最も一般的なパラメータです。 DCL コマンドは,入力ファイル指定 (コマンドによって処理されるファイル) と出力ファイル指定 (コマンドによって作成されるファイル) を受け入れます。
コマンド行でパラメータを指定するときには,次の規則が適用されます。
DIRECTORY [file-spec] |
SHOW PRINTER device-name |
次の例は,入力ファイル LISTS.TXT を出力ファイル FORMAT.TXT にコピーする方法を示しています。
$ COPY LISTS.TXT FORMAT.TXT |
次の例は,ファイル指定の一覧をパラメータとして入力する方法を示しています。
DELETE file-spec[,...] |
次の例は,パラメータを複数指定する方法を示しています。ここでは,3 つのファイルが 4 番目のファイルにコピーされます。 3 つのファイル指定 (PLUTO.TXT,SATURN.TXT,EARTH.TXT) が最初のパラメータです。 PLANETS.TXT は 2 番目のパラメータです。 PLUTO.TXT,SATURN.TXT,EARTH.TXT の各ファイル指定の間にはスペースがないことに注意してください。
$ COPY PLUTO.TXT,SATURN.TXT,EARTH.TXT PLANETS.TXT |
修飾子には,次の3種類があります。
短縮した名前が,同じコマンドのすべての修飾子名の間で固有の名前として識別される場合には,修飾子名を短縮できます。しかし,コマンド・プロシージャの互換性を維持するには,コマンド・プロシージャの内部でコマンドと修飾子を短縮しないようにしてください。
コマンドには省略時の修飾子が設定されています。コマンドの省略時の設定と異なる場合を除き,修飾子を指定する必要はありません。この後の節では,修飾子のタイプと修飾子の省略時の設定について説明します。各コマンドの省略時の設定については,『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
コマンド修飾子はコマンドを詳細に指定します。修飾子はコマンド行のどこに指定してもかまいませんが,コマンド名の後に指定するのがよいです。複数の修飾子を指定する場合には,コマンド名の後にまとめて指定します。
次の例では,/QUEUE がコマンド修飾子です。ファイルSATURN.TXT と EARTH.TXT が印刷キュー LN03_PRINT に登録されます。
2.5 修飾子の入力
2.5.1 コマンド修飾子
$ PRINT/QUEUE=LN03_PRINT SATURN.TXT,EARTH.TXT |
定位置修飾子は,コマンドやパラメータの意味に変更を加えるためのもので,コマンド文字列内での指定位置によってコマンド全体の意味が異なります。コマンドと最初のパラメータの間に定位置修飾子を指定した場合には,コマンド文字列全体が影響を受けます。パラメータの後に定位置修飾子を指定した場合には,そのパラメータだけが影響を受けます。
次の例では,最初のPRINT コマンドは,ファイル SPRING.SUN と FALL.SUM のコピーを 2 部印刷することを要求しています。 2 番目の PRINT コマンドは,ファイル SPRING.SUM のコピーは 2部要求していますが, FALL.SUM のコピーは 1 部しか要求していません。
$ PRINT/COPIES=2 SPRING.SUM,FALL.SUM $ PRINT SPRING.SUM/COPIES=2,FALL.SUM |
パラメータ修飾子は,入力ファイルや出力ファイルなどの特定のタイプのパラメータと一緒に使用します。たとえば,BACKUP コマンドは,入出力ファイル指定にだけ適用されるいくつかのパラメータ修飾子を受け入れます。
次の例の /CREATED と /BEFORE 修飾子は入力ファイルと一緒にしか指定できない修飾子です。これらの修飾子は,特定の入力ファイルを選択してバックアップ操作を行います。なお,アスタリスク (*) は,ファイル名に置き換わるワイルドカード文字です。 BACKUP は,2002 年 12 月 11 日以前に作成されたファイル・タイプ TXT を持つすべてのファイルを選択します。
$ BACKUP *.TXT/CREATED/BEFORE=11-DEC-2002 NEWFILE.TXT |
1 つのコマンド行で矛盾する複数の修飾子を使用すると,最も右側の修飾子が優先されます。
コマンドの中には,同一コマンド行に指定できない相反する修飾子が入っているものもあります。互換性のない修飾子を使用すると,コマンド・インタプリタはエラー・メッセージを表示します。
次の例は矛盾する修飾子を示しています。 PRINT コマンドは,/COPIES=2 修飾子と /NOBURST 修飾子だけを受け付けます。これは,これらの修飾子がコマンド行に最後に入力された修飾子だからです。
$ PRINT MYFILE/COPIES=3/BURST/COPIES=2/NOBURST EARTH.TXT |
修飾子には,キーワード,ファイル指定,文字列,数値を指定できます。修飾子に値を入力するときには,修飾子と値を等号 (=) またはコロン (:) で分けます。
修飾子キーワードの中には,さらに情報が必要なものもあります。この場合には,キーワードと値をコロンまたは等号で分けます。
値を必要とする複数のキーワードを指定するには,キーワードを括弧で囲み,キーワードと値を等号 (=) またはコロン (:) で分けます。
$ PRINT/COPIES=3 MYFILE.DAT |
$ PRINT/COPIES:3 MYFILE.DAT |
$ SET SECURITY/PROTECTION:GROUP:RW MYFILE.DAT |
$ SET SECURITY/PROTECTION=GROUP=RW MYFILE.DAT |
$ SET SECURITY/PROTECTION=(OWNER=RWD,GROUP=RW) myfile.dat |
$ SET SECURITY/PROTECTION=(OWNER:RWD,GROUP:RW) myfile.dat |
コマンドや修飾子の中には,PRINT/AFTER コマンドのように日付と時刻を値として取るものがあります。このような値は,次のいずれかの形式で指定します。
絶対時刻は,特定の日付または時刻を示します。絶対時刻の形式は次のとおりです。
[dd-mmm-yyyy][:hh:mm:ss.cc] |
各フィールドは,次のような意味を持っています。
dd | 日。1 〜 31 の整数。 |
mmm | 月。JAN,FEB,MAR,APR,MAY,JUN,JUL,AUG,SEP,OCT,NOV,DEC。 |
yyyy | 年 (西暦)。整数。 |
hh | 時間。0 〜23 の整数。 |
mm | 分。0 〜 59 の整数。 |
ss | 秒。0 〜 59 の整数。 |
cc | 1/100 秒。0 〜 99 の整数。 |
絶対時刻には,次のような規則が適用されます。
絶対時刻は,次のいずれかのキーワードとしても指定できます。
TODAY | 今日の 00:00:00.00 時 |
TOMORROW | 明日の 00:00:00.00 時 |
YESTERDAY | 昨日の 00:00:00.00 時 |
次に,絶対時刻の指定の例をいくつか紹介します。
時刻指定 | 結果 |
---|---|
11-DEC-2002:13 | 2002年12月11日午後1時 |
11-DEC | 今年の12月11日の午前0時 |
15:30 | 今日の午後 3 時 30 分 |
19-- | 今年の今月の 19 日の午前 0 時 |
19--:30 | 今月の 19 日の午前 0 時30 分 |
デルタ時間とは,現在の日付および時刻から将来の時刻までのオフセット (時間間隔) のことです。次に,デルタ時間の一般形式を示します。
"+[dddd-][hh:mm:ss.cc]" |
各フィールドは,次のような意味を持っています。
dddd | 日数。0 〜 9999 の整数。 |
hh | 時数。0 〜 23 の整数。 |
mm | 分数。0 〜 59 の整数。 |
ss | 秒数。0 〜 59 の整数。 |
cc | 1/100 秒数。0 〜 99 の整数。 |
絶対時刻,デルタ時間,または 2 つの組み合わせとして表現できる値として,修飾子が説明されている場合には,複合時刻の一部であるかのようにデルタ時間を指定しなければなりません。たとえば,現在の時刻から 5 分間というデルタ時間を指定するには, "+:5" と指定します("0-0:5" とは指定しません)。
デルタ時間の指定には,次のような規則が適用されます。
次に,デルタ時間の指定の例をいくつか紹介します。
時刻指定 | 結果 |
---|---|
"+3-" | 現在から 3 日間 (72 時間) |
"+3" | 現在から 3 時間 |
"+:30" | 現在から30 分 |
"+3-:30" | 現在から 3 日と 30 分 |
"+15:30" | 現在から 15 時間 30 分 |
絶対時刻とデルタ時間を組み合わせる場合には,絶対時刻と正 (+) または負 (-) の符号を付けたデルタ時間を指定します。複合時刻の形式は,次のとおりです。
"[絶対時刻][+デルタ時間]" [絶対時刻][-デルタ時間] |
絶対時刻値とデルタ時間値の可変フィールドと省略時のフィールドには,前の項で説明した規則と同じ規則が適用されます。
複合時刻を指定する場合には,次の規則が適用されます。
次の表に,複合時刻の指定の例をいくつか紹介します。
時刻指定 | 結果 |
---|---|
"+5" | 現在から 5 時間後。 |
"-1" | 現在の時刻から 1 時間を減算した値。負の符号 (-) は負のオフセットを示す。 1 の後にハイフンがないので,1 は日付ではなく,時間として解釈される。 |
"+:5" | 現在から 5 分後。 |
"-:5" | 現在の時刻から 5 分を減算した値。 |
"-1-00" | 現在の時刻から 1 日を減算した値。負の符号 (-) は負のオフセットを示す。 (-) ハイフンが日付フィールドと時刻フィールドを分割している。 |
"31-DEC:+:5" | 今年の 12 月 31 日の午前 0 時 5 分。絶対時刻指定 (コロンの前) の省略時の値は,今年の 12 月 31 日の午前 0 時に設定されている。正の符号 (+) は,正のオフセットを示す。 |
31-DEC:-00:10 | 今年の 12 月 30 日の 23 時 50 分。絶対時刻指定 (コロンの前) の省略時の値は,今年の 12 月 31 日の午前 0 時に設定されている。 DEC: の後の負の符号 (-) は,負のオフセットを示す。 |
DCL レベルでは,前に入力したコマンド行を再呼び出しできるので,長いコマンド行を何度も入力する手間が省けます。コマンドを再呼び出しすれば,再実行や編集をすることができます。
OpenVMS VAXシステムでは,再呼び出しバッファには前に入力したコマンドを最大20個まで格納できます。
OpenVMS Alpha システムでは,再呼び出しバッファには前に入力したコマンドを最大254個まで格納できます。
前に入力したコマンドを表示する場合には,次のいずれかの方法を使用します。
Ctrl/B を一回押すと,すぐ前のコマンド行が再呼び出しされます。 Ctrl/B をもう一度押すと,2 つ前のコマンド行が再呼び出しされ,以下も同様になります。
2.7.2 矢印キーの使用
上向き矢印キーを押すと,直前のコマンドが再呼び出しされ,下向き矢印キーを押すと,直後のコマンドが再呼び出しされます。また,これらの矢印キーを何回も押して,以前に実行したコマンドを順に表示させ選択することができます。
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