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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:OpenVMS オペレーティング・システムの概要
第 2 章:DCL を使用したシステムとの会話
第 3 章:ファイル情報の格納
第 4 章:ディレクトリ・ファイルの編成
第 5 章:拡張ファイル指定
第 6 章:ディスクとテープ・ドライブの使用方法
第 7 章:Mail を使用して他のユーザと通信する
第 8 章:EVE エディタによるテキスト・ファイルの編集
第 9 章:ファイルのソートとマージ
第 10 章:資源へのアクセスの制御
第 11 章:デバイスとファイルの論理名定義
第 12 章:シンボル,コマンド,式の定義
第 13 章:コマンド・プロシージャの概要
第 14 章:DCL での拡張プログラミング
第 15 章:レキシカル関数を使用しての情報の取得と処理
第 16 章:プロセスとバッチ・ジョブ
付録 A :文字セット
付録 B :コマンド・プロシージャの例
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ユーザーズ・マニュアル


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MIME ユーティリティを開始すると,初期化プロセスが以下のステップで行われます。

  1. ユーザの VMSmail プロファイルで,MIME ユーティリティは, MIME ユーティリティで使用するためのユーザのメール・ディレクトリと省略時のエディタを探します。

  2. MIME ユーティリティは,ファイル
    MIME$MAILCAP.DAT と MIME$FILETYPES.DAT を読み取ります。

  3. MIME ユーティリティは,以下の内部省略時の設定リストを参照します。

    • コンテンツ・タイプ
      MIME ユーティリティは,入力メッセージを表示する前にコンテンツ・タイプ・リストを参照します。このリストは,MIME ユーティリティが認識するコンテンツ・タイプと,各コンテンツ・タイプを元の形式にデコードするときに必要な情報がおさめられています。
      以下に示すのは,RFC 1524 で作成した MAILCAP エントリの例です。

      image/*; xview %s 
      


      コンテンツ・タイプは,MIME$MAILCAP.DAT ファイルを作成してリスト MIME 認識に追加できます。 ( 例 7-1 は MIME$MAILCAP.DAT ファイルの例です。)

    • ファイル拡張子
      MIME ユーティリティは,出力メッセージの構成時にファイル拡張子リストを参照します。このリストには OpenVMS ファイル拡張子と,各拡張子に関連付けられたコンテンツ・タイプがおさめられています。MIME ユーティリティでは,構成する MIME フォーマットのメッセージ本体に,これらの拡張子が必要です。
      ファイル拡張子リストの各行は,以下の項目からなります。

              拡張子,コンテンツ・タイプ/サブタイプ,(オプションで)Content-Transfer-Encoding文字列
      


      以下に示すのは,ファイル拡張子リストの行の例です。

      doc, application/ms-word, base64 
      


      表 7-1 で説明した MIME$FILETYPES.DAT ファイルを作成すれば, MIME ユーティリティが認識するファイル拡張子と照合用のコンテンツ・タイプをリストに追加できます。



7.15.3 オプションのMIMEユーティリティ・ファイルの作成

表 7-1 に,システム上の MIME ユーティリティをカスタマイズするときに作成する可能性のあるファイル名と説明を示します。

表 7-1 MIMEユーティリティのオプション・ファイル
ファイル 目的
MIME$MAILCAP.DAT 入力メッセージの表示と構文解析用
MIME$FILETYPES.DAT 出力アタッチ・ファイルへのコンテンツ・タイプ割り当て用

以上のファイルは SYS$LOGINディレクトリに配置します。

MIME$MAILCAP ファイル形式は,RFC 1524,1993 年 9 月発行の N. Borenstein 著,『A User Agent Configuration Mechanism for Multimedia Mail Format Information』に端を発します。MIME ユーティリティでは,このファイルの命令でメッセージとアタッチメントを解釈,表示します。これらの命令により, MIME ユーザ・エージェントは外部プログラムを呼び出して MIME メッセージであるコンテンツ・タイプを表示します。

MIME$MAILCAP.DAT ファイルをカスタマイズして,特定のコンテンツ・タイプの FDL(File Descriptor Language) を指定すれば,特定のコンテンツ・タイプでシステムのメッセージ・パーツを抽出できます。 例 7-1 は,MIME$MAILCAP.DAT ファイルの例です。

  注意
プログラム名の参照は,論理名か有効なファイル指定とします。

例 7-1 MIME$MAILCAP.DATファイル
# 
# MIME$MAILCAP.DAT 
# 
# Local customizations of content types and processing options 
# 
# Use xv.exe to display images 
image/*; xv %s 
# 
# Use Netscape for html attachments 
text/html; netscape %s 
# 



オプションの MlME$FILETYPES.DAT ファイルには,互いに関連付けられた OpenVMS ファイル拡張子と MIME コンテンツ・タイプのリストがおさめられています。ADD コマンドの処理では,構成するメッセージにアタッチする OpenVMS ファイルのコンテンツ・タイプを FILETYPE 構造で指定します。

ファイル形式の構文は,MIME$MAILCARDAT ファイルの構文に似ており,コメントは "#" 文字で表します。ファイルの各行には拡張子を 1 つ ( 前に'.'なし ),続けてコンテンツ・タイプ,拡張子を使用するファイルに関連付けられたサブタイプを指定します。

オプションで,行には Content-Transfer-Encoding 文字列 (7 ビット,8 ビット, Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列 ) を追加できます。これは,メッセージの伝送字にファイル・コンテンツをエンコードする文字列です。 7 ビット,8 ビット,Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列は,標準 MIME エンコードであり,これ以外は使用できません。エンコードを指定しないと,MIME ユーティリティは7ビットが使用されます。

7.15.4 MIME ユーティリティを使用した MIME エンコード・ファイルの抽出

MIME ユーティリティを使用して MIME エンコード・ファイルを抽出するには,まずデコードしたいファイルをオープンします。ファイル名を指定して MIME ユーティリティを起動するか,または MIME ユーティリティでファイルをオープンするといういずれかの方法で,ファイルをオープンすることができます。EXTRACT コマンドは,ネイティブ・ファイル形式または /FDL 修飾子で指定した別の形式で指定アタッチメントを抽出します。

以下に示すのは,メッセージ・ファイルを開き,読み取り可能なテキストでメッセージを表示し,メッセージ属性をリストするための代表的な MIME ユーティリティ・コマンドです。

MIME> OPEN file-name
MIME> READ 
MIME> LIST 

アタッチメントを抽出するには,以下のコマンドを入力します。

MIME> EXTRACT /ATTACHMENT=n destination-file-name

アタッチメントを単独で指定するには,/ATTACHMENT= n 修飾子を追加します。これで,抽出するアタッチメント番号を指定します。また指定アタッチメントを出力ファイルに変換するときに使用する FDL(File Descriptor Language) 定義ファイルを指定する /FDL= ファイル名も使用できます。各アタッチメントの番号は,LIST コマンドで表示します。

MIME ユーティリティで使用するコマンドの全リストは, 第 7.15.6 項 を参照してください。

7.15.5 MIME ユーティリティを使用したファイルのエンコード

アタッチメントとして送信するファイルをエンコードするには,まず MIME ユーティリティを呼び出してNEWコマンドを指定して新しいファイルを作成します。ファイル名を指定しないと, NEW のプロンプトでファイル名が要求されます。

$ MIME NEW new-file-name

また,MIME ユーティリティでは OPEN コマンドでドラフト・メッセージ・ファイルを開くことができます。

MIME> OPEN/DRAFT file-name

以前のセッションで作成したファイルをオープンするには,コマンドに修飾子 /DRAFT を指定します。

ファイルに添付ファイルを追加するには,次のコマンドを入力します。

MIME> ADD ファイル名

このコマンドのオプションの修飾子の全リストは, 第 7.15.6 項 を参照してください。

このファイルに現在の情報を書き込むには,SAVE コマンドを使用します。いったんセーブすると MIME エンコード・ファイルは, OpenVMS Mail ユーティリティを使用してファイルとして送信することができます。

MIME ユーティリティを終了するには, QUIT または EXIT コマンドを入力します。

MIME ユーティリティで使用できるコマンドの完全なリストについては, 第 7.15.6 項 を参照してください。

7.15.6 MIME ユーティリティ・コマンド

以下のリストに,コマンド,パラメータ,MIME ユーティリティで使用できる修飾子について説明します。説明の後にそれぞれ例を示します。

ADD --- 新しい本体部分または添付ファイルを編集しているメッセージに追加します。ADDコマンドには,パラメータとして添付したいファイルの名前が必要です。オプションの修飾子は次のとおりです。

  • /BINARY --- コンテンツ・タイプを "application/octet-stream" に指定し,コンテンツ転送エンコードを "base64" に指定します。この形式で任意バイナリ・データ・ストリームを表現します。

  • /CONTENT-TYPE=タイプ --- 省略時の設定のコンテンツ・タイプを指定された文字列に変更します。たとえば "IMAGE/JPEG." です。

  • /ENCODING_TYPE={7Bit|8Bit|Base64|Quoted-Printable} --- 省略時設定のエンコード・タイプを指定されたエンコード・タイプに変更します。

  • /MESSAGE --- 添付ファイルはメッセージ・ファイルです (標準 RFC822) 。

  • /TEXT --- 添付ファイルはテキストのコンテンツタイプです。

MIME> ADD ファイル名/TEXT 

CLOSE --- 現在のメッセージ・ファイルをクローズします。最新の変更内容を保存していない場合には,クローズする前に MIME ユーティリティがプロンプトで知らせます。ファイルが /READ_ONLY である場合は,ファイルは変更されません。

MIME> CLOSE 

EDIT --- 指定された添付ファイルに対するユーザの省略時設定のテキスト・エディタを起動します。

MIME> EDIT attachment-number

EXIT --- 処理中の作業を保存して,MIMEエディタを終了します。

MIME> EXIT 

EXTRACT - ネイティブ・ファイル形式でファイルに指定アタッチメントを抽出します。

  • /ATTACHMENT=n --- 抽出するアタッチメント番号を指定します。

  • /FDL=filename --- 指定アタッチメントを出力ファイルに変換するときに使用する FDL(File Descriptor Language) 定義ファイルを指定します。

MIME> EXTRACT ファイル名/ATTACHMENT=n 

HELP --- MIME ユーティリティのヘルプ・ファイルを表示します。

MIME> HELP 

LIST --- 本体部分およびアタッチメント番号のような属性のリストを含む現在のメッセージに関する情報を表示します。

MIME>  LIST 

NEW --- 新しいメッセージを作成します。

MIME>  NEW ファイル名 

OPEN --- 指定されたファイル名を持つメッセージをオープンします。使用できる修飾子は次のとおりです。

  • /DRAFT --- メッセージ・ファイルは以前のセッションで作成されたドラフトです。

  • /READ --- メッセージは読み込み専用で更新することができません。

MIME> OPEN ファイル名/NEW 

QUIT --- 現在のメッセージを保存せずに,現在の MIME 編集セッションを強制終了します。

MIME> QUIT 

READ --- 読み取り可能なテキストで現在のメッセージを表示します。必要に応じてアタッチメントを表示します。

MIME> READ 

REMOVE --- 現在のメッセージから指定された添付ファイルを削除します。

MIME> REMOVE 1 

SHOW --- 指定したオプションにもとづいて, MIME 環境に関する情報を表示します。使用できるオプションは,CONTENT_TYPE,FILE_TYPES,VERSION です。

MIME> SHOW option 

SAVE --- 現在のメッセージをファイルに書き込みます。ファイル名が指定されている場合は,それを使用します。

MIME> SAVE ファイル名



7.15.7 エラー処理

エラー条件は,OpenVMS シグナリング・サブシステム,具体的には lib$signal() および lib$stop() を使用して報告されます。エラー条件には,回復不可能,エラー,警告という 3 つのレベルの重大度があります。これらのレベルは,条件からどのような結果が予測されるかを示します。重大度と対応する結果については,以下のリストで説明します。

  • Fatal (-F-) は,プログラムを即時終了させます。

  • Error (-E-) は,現在アクティブなコマンドを終了させ,既存のメッセージ・コンテンツは保持します。

  • Warning (-W-) は,MIME 編集セッションに割り込むことなく,現在のコマンドを終了させます。ただし,これはコマンドがそのタスクを正常にすべて完了したということではありません。エラーがないかチェックしてください。


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