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HP OpenVMS Systems
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日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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第 11 章
問題の解決方法

この章では,次に示すようなプリンタ・システムで発生したエラーを診断し,問題を解決するための方法について説明します。

PRINTコマンド行に/NOTIFY修飾子を指定した場合には,プリンタで問題が発生すると,情報がユーザのターミナルに表示されます。この情報が問題の原因を示すこともあります。

また,プリント・ジョブから出力されるジョブ・トレーラ・ページも確認してください。このページには,印刷中に作成されたメッセージの一部が出力されます。プリント・ファイルに問題がある場合には,ファイル・エラー・ページに示されます ( 第 6.7 節 を参照)。

プリンティング・システムで問題が発生した場合には,コンソールの出力またはOPERATOR.LOGファイルを調べ,オペレータ通信マネージャ(OPCOM)メッセージが出力されていないかどうかを確認してください。ターミナルでOPCOMが実行されていない場合には,REPLY/ENABLEを使用して PRINTERメッセージとCENTRALメッセージを有効に設定してください。その後,シンビオントを再起動し,ジョブを再度印刷します。このようにすれば,関連メッセージを確認できます。この操作を実行するには,OPER特権が必要です。プリンタ・メッセージについては『 DCPS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

11.1 raw TCP/IP プリンタで出力できないときの処置

11.1.1 raw TCP/IP または LAT キューでのジョブの "Starting" 状態

ほとんどのプリンタは DCPS ジョブの冒頭で PostScript 同期化コマンドに応答しますが,応答しないプリンタもあります。あるキューのすべてのジョブが Starting 状態のままの場合には,次のいずれかの処置を講ずる必要があります。

11.1.2 raw TCP/IP キューでのジョブの "Starting" 状態

raw TCP/IP 接続を使用する DCPS キューを設定する際にプリンタに不正な TCP ポート番号を指定した場合,そのキューに出力したプリント・ジョブは "Starting" 状態のままとなります。これは,DCPS がネットワーク障害とプリンタのビジー状態あるいはオフライン状態を区別できないため, DCPS がユーザによる不正なポート番号指定であるかどうかを判断することができないことが原因です。

これ以外の理由によっても raw TCP/IP キュー内のプリント・ジョブが "Starting" 状態のままとなる場合があることに注意してください。

プリンタ,ネットワーク・インタフェース・カード,プリント・サーバ,ターミナル・サーバのドキュメントをチェックし,正しい TCP ポート番号を使用していることを確認してください。 TCP ポート番号については, 表 3-2 にも記述されています。

11.1.3 raw TCP/IP キューの接続の切断

raw TCP/IP 接続を使用している場合,長いプリント・ジョブについては CONTERMINATED エラーが発生する可能性があります。単一のファイルから構成されるジョブあるいはプリンタのネイティブ PostScript 互換機能のみを使用している場合 (たとえば,ネイティブ PCL を使用しない場合) は,このエラーはジョブの最後で発生する傾向があり, (キューに対してトレーラを指定している場合) トレーラ・ページは出力されず, (プリント・ジョブのアカウンティング機能を有効としている場合) アカウンティング情報は消失します。これ以外のジョブについてはジョブの中間で発生する可能性があり,トレーラ・ページと同様に以降のドキュメントは出力されず, (プリント・ジョブのアカウンティング機能を有効としている場合) アカウンティング情報は消失します。 DCPS は中断されたジョブを再度キューに登録して "Holding" 状態とし,ユーザによる問題解決後に再度そのジョブを出力できるようにします。

HP JetDirect カードを含むいくつかのネットワーク・デバイスでは,指定された時間内にホスト・システムから入力を受け取らない場合には, TCP/IP 接続が切断されます。これは,ホスト・ソフトウェアによるデバイスの専有を防ぐための機能です。ただし DCPS は,プリンタが PostScript から別のネイティブ・プリンタ言語に切り替える場合,あるいはトレーラ・ページの出力およびアカウンティング情報の収集を行う場合,その前に出力したドキュメントをプリンタが出力したことという通知を受け取るまで待ちます。この場合はたとえプリンタがビジー状態であっても,指定されたタイムアウト時間が経過するまで, NIC は DCPS からのそれ以上の入力を受け取ることができません。

NIC の TCP/IP アイドル・タイムアウト時間の変更が可能である場合は,タイムアウトを無効とすること,あるいはタイムアウト時間を長くすることによってこの問題を回避することができます。 NIC のドキュメントをチェックして,これが可能であるかどうか,また可能であればその方法を確認してください。続いて,必要な出力が得られないため,キューに再登録されたジョブを解除し,キューに再登録されているその他のジョブを削除してください。

重要なのはジョブのサイズではなく,その処理にかかる時間であることに注意してください。たとえば,非常に小さな PostScript プログラムであっても,出力に非常に長い時間がかかる場合があります。このため,どの程度のタイムアウト時間が適当であるのかを予想することは一般的に困難です。

11.1.4 使用不能な raw TCP/IP プリンタについての NOT_READY 警告メッセージ

raw TCP/IP 接続を使用するプリンタのキューにジョブを登録した際に,そのプリンタがビジー状態あるいはオフライン状態である場合は,そのプリンタについて NOT_READY 警告メッセージが表示されます。プリンタがビジー状態にあることが確実である場合は,このメッセージを無視することができます。 DCPS は,プリンタがビジー状態であるか,オフライン状態であるか,その他の理由により使用不能であるかを区別することができません。

11.2 LPD プリンタで印刷できない場合の対処

11.2.1 LPD ジョブで出力が印刷されない

LPDジョブが完了しても出力が印刷されない場合,プリンタに報告されないPostScriptエラーとなる場合があります。 LPD は単方向なので,DCPS は他のプロトコルのようには PostScript エラーをユーザに報告できません。この問題の原因が分かるように,プリンタの PostScriptエラー報告機能を有効にしておいてください (詳細はプリンタのドキュメントを参照してください)。

LPDプリンタで PostScriptエラーが発生する一般的な原因としては, DCPS 論理名 DCPS$SHEET_SIZE, DCPS$queue-name_SHEET_SIZE,あるいは DCPS$queue-name_PRODUCT_NAME の値が設定されてない,もしくは間違った値が設定されていることが考えられます。

出力が印刷されないと,ジョブがプリンタに送られる前にファイル・サイズ情報をプリンタが必要とする原因になります。この問題は,プリンタに多機能デバイスが装着されている場合にしばしば発生します。これが問題になりそうな場合は,論理名 DCPS$queue-name_SPOOLを定義して DCPS の LPDスプール機能を有効にしてください。

11.2.2 LPD キューの停止とジョブの保留

LPD 接続を使用する DCPS キューをセットアップし,プリンタに対して誤った内部キュー名を指定した場合,あるいは必要な内部キュー名の指定を省略した場合,キューに登録した印刷ジョブは保留され,キューが停止します。また,次のメッセージが表示されます。


    %DCPS-F-LPDTERMINATED, LPD connection abnormally terminated 
    -DCPS-I-JOB_ID, for job S (queue SNOBALL, entry 866) on SNOBALL 
 
    %%%%%%%%%%%  OPCOM  19-SEP-2003 12:12:48.88  %%%%%%%%%%% 
    Message from user SYSTEM on FUNYET 
    Queue SNOBALL: %DCPS-F-LPDTERMINATED, LPD connection abnormally terminated 

プリンタ,ネットワーク・インタフェース・カード,プリント・サーバ,またはターミナル・サーバのドキュメントをチェックして,正しい内部キュー名を調べてください。 LPD キューの作成については,本書の 第 3.3.2.2 項 を参照してください。

注意

大半のプリンタでは, LPD プリント・キューを作成する際に内部キュー名を指定する必要はありません。

誤った内部キュー名や内部キュー名の指定漏れが最も考えられる原因ですが,このエラーは,プリンタやリモート・ホスト上のライン・プリンタ・デーモン (LPD) が接続を確立したが,何らかの理由でプリント・ジョブが拒否された場合にも発生します。

11.3 PrintServerプリンタで印刷できないときの処置

ここに示す問題解決手順は,PrintServerプリンタで DECprint Supervisor ソフトウェアをインストールするときに発生するエラーを診断するのに役立ちます。

プリンタで印刷が実行されない場合には,OPCOMメッセージを確認してください。問題の原因がただちに判断できない場合には,次の方法でキュー属性を確認してください。

  1. 次のインストラクションを実行し,PrintServer装置キューの名前を指定します。


    $ SHOW QUEUE queue-name/FULL
    


    たとえば,VIPERノードのLPS40$FANGというPrintServer装置キューのキュー属性は次のように表示されます。


    $ SHOW QUEUE LPS40$FANG/FULL
    


    Printer queue LPS40$FANG, on VIPER::FANG, mounted form DCPS$$FORM 
    (stock=DEFAULT) 
        /BASE_PRIORITY=4 /FORM=DCPS$DEFAULT /LIBRARY=DCPS_LIB /OWNER=[SYSTEM] 
        /PROCESSOR=DCPS$SMB /PROTECTION=(S:E,O:D,G:R,W:W) /SCHEDULE=(NOSIZE) 
        /SEPARATE=(FLAG,TRAILER) 
    $ 
    

  2. キュー属性がDCPS$STARTUP.COMに記録されている属性と一致しない場合には,装置キューおよびそのキューを示すすべてのジェネリック・キューを削除してください。その後,DCPS$STARTUP.COMファイルを実行します。DCPS$STARTUPはSYS$STARTUP:に登録されています。次の例を参照してください。


    $ STOP/RESET/QUEUE generic-queue-1
    $ STOP/RESET/QUEUE other-generic-queues
    $ STOP/RESET/QUEUE pserver-name
    $ DELETE/QUEUE generic-queue-1
    $ DELETE/QUEUE other-generic-queues
    $ DELETE/QUEUE pserver-name
    $ @SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP    
    


    キュー属性を再度確認してください。キュー属性が正しいのに,ジョブが印刷されない場合には,『 DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide 』を参照してください。

11.4 シリアル・プリンタで印刷できないときの処置

OPCOMメッセージを調べ,NOTREADYを示すメッセージがプリンタから出力されていないかどうかを確認してください。このメッセージは,プリンタがシステムからの問い合わせを確認できないことを示します。次のことを調べてください。

11.4.1 ローカルに接続されたシリアル・プリンタが印刷を開始しないときの処置

この項の説明は,ローカル・ラインに接続された任意のシリアル・プリンタを対象にしています。

ステップ 1: テスト・ページの印刷

オーナーズ・マニュアルの指示に従って,プリンタのテスト・ページをマニュアル操作で印刷します。

テスト・ページが出力された場合には,ステップ2に進み,プリンタのハードウェア構成とソフトウェア構成を確認してください。プリンタでテスト・ページが出力されない場合には,次の手順でプリンタ・ハードウェアを調べてください。

ステップ2: プリンタのハードウェア構成とソフトウェア構成を確認する

プリンタの構成と,そのプリンタに関係するソフトウェアの設定は同じでなければなりません。設定が一致するかどうかを確認するには,印刷されたサマリ・シートを調べ,ソフトウェアの設定がプリンタの設定と一致するかどうかを確認します。

これらの設定の変更方法については,プリンタのオーナーズ・マニュアルを参照してください。

ターミナル装置のノードで次のコマンドを入力することにより,ターミナル装置属性を確認してください。


$ SHOW TERMINAL device-name[:]

ターミナル装置のノードで次のコマンドを入力することにより,ターミナル装置属性を確認してください。

次の属性を確認してください。

サマリ・シートとターミナルの設定は同じでなければなりません。

プリンタ・インタフェースが異なる速度で動作する場合には,プリンタの設定と装置属性を同じ状態に設定しなければなりません。

プリンタがホストに直接接続されている場合には, DCPS$STARTUP.COMの通信速度の設定を確認してください。実行キュー定義のパラメータP6 に通信速度を入力しなかった場合には,スタートアップ・プロシージャはプリンタの速度を9600ボーに設定します。省略時の設定の変更方法については『 HP OpenVMS DCL Dictionary 』を参照してください。

プリンタがローカル・エリア Ethernet に LAT 装置で接続されている場合には, 第 11.4.3 項 を参照してください。

設定が一致しているのに,ジョブが印刷を実行しない場合には,ステップ3に進んでください。

ステップ3: 通信ソフトウェアを確認する

装置にデータを直接送信することにより,通信機器の動作をテストしてください。この操作を実行するには,キューを一時停止しておかなければなりません ( 第 5.7 節 を参照)。

この操作を実行するには,装置をスプールしないようにしなければなりません。装置がスプールされている場合には,次のコマンドを入力してください。


$ SET DEVICE LTAnnnn:/NOSPOOL

通信設定をテストするには,プリンタにSET HOST/DTEコマンドを入力します。次の例に示すコマンドを使用してください。


$ SET HOST/DTE LTA9092:
Connection established, type ^\ to exit
Ctrl/T
%%[ status: idle ]%%

Ctrl/T を押した後, %%[Status: description]%%という形式でメッセージが出力されます。このメッセージを受信した場合には,プリンタとの接続は正しく確立され,動作していると考えられます。

この種のメッセージが表示されない場合には,次の例に示すコマンドを入力してください。


^\
$ COPY TT: LTA9092:
showpage Ctrl/Z
$

接続が正しければ,プリンタから用紙が排出されるはずです。用紙が排出されない場合には,プリンタとの接続に問題があります。この場合には,通信ケーブルを調べてください。その後,最初の例に示したコマンドを再度実行してください。

COPYコマンドは正しく実行されたものの,SET HOSTコマンドが正しく実行されない場合には,プリンタからホスト・ノードへの通信ケーブルに問題がないかどうかを確認してください。

ステップ4: DCPS$STARTUP.COMを確認する

DCPS$STARTUP.COMファイルがプリント・キューの必要条件を正しく反映しているかどうか,および変更結果がプリンタにとって適切であるかどうかを確認してください。プリンタの実行キューの属性を確認するには,次のコマンドを入力し,プリンタの実行キューの名前を指定します。


$ SHOW QUEUE/FULL exec-queue-name

たとえば,EDENホストのTXA1_LN03Rというプリンタ実行キューの属性は次のように表示されます。


$ SHOW QUEUE/FULL TXA1_LN03R


 Printer queue TXA1_LN03R, on EDEN::TXA1: 
 /BASE_PRIORITY=4 /FORM=DCPS$DEFAULT /LIBRARY=DCPS_LIB /OWNER=[SYSTEM] 
 /PROCESSOR=DCPS$SMB /PROTECTION=(S:E,O:D,G:R,W:W) /SCHEDULE=(NOSIZE) 
 /SEPARATE=(BURST,TRAILER) 
$ 

特に,次のことを確認してください。

キュー属性がDCPS$STARTUP.COMに定義されている値と一致しない場合には,プリンタの実行キューを停止してください。

次に,DCPS$STARTUP.COMファイルを実行してください。次の例を参照してください。


$ @SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP

実行キューの属性を再度確認してください。属性が正しいのに,ジョブがまだ印刷を実行しない場合には,ステップ5に進んでください。

ステップ5: キューの論理名を確認する

DCPS$STARTUP.COMファイルでキューに割り当てた省略時のパラメータの値,つまり,実行キュー定義のパラメータP4の値と,ジェネリック・キュー定義のパラメータP3の値を確認してください。


$ SHOW LOGICAL DCPS$queuename_PARAMETER

ステップ6: キューの構成を確認する

DCPS$STARTUP.COM に指定した値は,DCPS で構文だけがチェックされます。そして,この値は適切な OpenVMS ユーティリティに渡され,エラーがあるときには,これらのユーティリティがエラーを報告します。これらの OpenVMS コマンドから出力されるエラー・メッセージについての説明は, OpenVMS のドキュメントを参照するか, HELP /MESSAGE ユーティリティを使用してください。

注意

DCLコマンド・プロシージャをデバッグし,情報をファイルに記録するには,次のコマンドを使用します。


$ SET HOST hostname /LOG [/LAT | /TELNET ]
$ SET VERIFY

また,DCPS$STARTUP.COMで実行キュー定義のパラメータP8の値を1に設定しておけば,自動的な記録が可能です。


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