日本-日本語
日本HPホーム 製品 & サービス OpenVMS製品情報
≫  お問い合わせ


OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:OpenVMS オペレーティング・システムの概要
第 2 章:DCL を使用したシステムとの会話
第 3 章:ファイル情報の格納
第 4 章:ディレクトリ・ファイルの編成
第 5 章:拡張ファイル指定
第 6 章:ディスクとテープ・ドライブの使用方法
第 7 章:Mail を使用して他のユーザと通信する
第 8 章:EVE エディタによるテキスト・ファイルの編集
第 9 章:ファイルのソートとマージ
第 10 章:資源へのアクセスの制御
第 11 章:デバイスとファイルの論理名定義
第 12 章:シンボル,コマンド,式の定義
第 13 章:コマンド・プロシージャの概要
第 14 章:DCL での拡張プログラミング
第 15 章:レキシカル関数を使用しての情報の取得と処理
第 16 章:プロセスとバッチ・ジョブ
付録 A :文字セット
付録 B :コマンド・プロシージャの例
用語集
索引
PDF
OpenVMS ホーム
OpenVMS

OpenVMS
ユーザーズ・マニュアル


目次 索引



印刷ジョブを停止して,印刷キューからその印刷ジョブを削除する場合には, DELETE/ENTRY コマンドに エントリ番号 パラメータを入力します。

たとえば,エントリ 202 を削除する場合には,次のように入力します。

$ DELETE/ENTRY=202



3.8.5 別のノードにあるファイルの印刷

DECnet や TCP/IP Servicesでは,別のシステムにファイルの印刷ができます。

システム・マネージャは,TCP/IP を使用してリモート・ネットワーク・ホスト上のプリント・キューに DCL PRINT コマンドでプリント・ジョブを転送するための LPR(Line Printer Remote) ネットワーク・サービスと LPD(Line Printer Daemon) ネットワーク・サービスをシステムに構成します。リモート・ホストは UNIX システムでも, LPR/LPD を実行する別の OpenVMS システムでもかまいません。 LPR/LPD ネットワーク・サービスでは,以下の操作ができます。

  • リモート・ネットワーク・ホストに接続したプリンタにプリント・ジョブを送信

  • プリント・キュー・ステータスを表示

  • プリント・ジョブの取り消し

  • UNIX システムで開始したプリント・ジョブをローカル OpenVMS システムのプリント・キューで受信

  • SMTP メールで「終了」通知を受信

LPR/LPD コマンドによるファイルの印刷方法については,『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS User's Guide 』を参照してください。

DECnet では,別のシステム上のファイルを印刷できます。また,そのファイルをリモート・ノードにコピーしたり, PRINT コマンドに /REMOTE 修飾子を指定することができます。

次の例では,COMPANY_HOLIDAYS.TXT ファイルがローカル・ノードからリモート・ノード CHAOS にコピーされ,ファイルは印刷のために, CHAOS ノードの省略時のシステム・プリント・キュー (SYS$PRINT) に登録されます。

$ COPY COMPANY_HOLIDAYS.TXT CHAOS"JONES PANDEMONIUM"::DISK2:[JONES]*
$ PRINT/REMOTE CHAOS::DISK2:[JONES]COMPANY_HOLIDAYS.TXT

この例では,アクセス制御文字列は,ユーザ JONES が,ノード CHAOS 上のディレクトリ [JONES] にファイルをコピーする権限を持つことを示しています。ファイル指定の最後のアスタリスク(*)・ワイルドカードは,ファイルをリモート・ノードにコピーする場合に,ファイル名 COMPANY_HOLIDAYS.TXT を使用するようにシステムに指示します。

  注意
PRINT コマンドのすべての修飾子が /REMOTE 修飾子と互換性があるとは限りません。たとえば,印刷キューの中にはジョブを特定のキューに登録できないものがあり,ジョブはすべて省略時のシステム印刷キュー (SYS$PRINT) に登録されます。 /REMOTE 修飾子と互換性のある PRINT コマンドの修飾子のリストについては,『OpenVMS DCL ディクショナリ』の PRINT コマンドの /REMOTE 修飾子の説明を参照してください。



プリント・ジョブは,PRINT コマンドに対する修飾子を使用して,さまざまな方法で制御できます。たとえば,印刷部数を指定したり,印刷ジョブが完了したときに通知を出すようにシステムに要求したりできます。

ここに示した修飾子の他に,システムで DECprint Supervisor ソフトウェアを実行している場合には,ランドスケープ印刷や両面印刷など,さまざまな方法で印刷するために /PARAMETER 修飾子を使用できます。システムで使用できるプリント・オプションの一覧については,システム管理者に質問してください。

次の表は PRINT コマンドの修飾子を示しています。PRINT コマンドについての詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』またはオンライン・ヘルプを参照してください。

印刷操作 印刷ジョブ・コマンドと修飾子
コピー部数
ジョブ別
ファイル別
指定されたファイルのみ

PRINT/JOB_COUNT=n 1
PRINT/COPIES=n 1
ファイル指定/COPIES=n 1
ページ数 PRINT/PAGES= 1
印刷機能
フラグ・ページ
用紙タイプ
特殊機能
ダブルスペーシング
ページ見出し

PRINT/FLAG= 1
PRINT/FORM= 1
PRINT/CHARACTERISTICS= 1
PRINT/SPACE 1
PRINT/HEADER 1
ジョブ実行の通知 PRINT/NOTIFY
ジョブ実行の延期
実行時刻指定
無期限

PRINT/AFTER
PRINT/HOLD
延期しているジョブの解放 SET QUEUE/ENTRY/RELEASE
印刷ジョブの表示 SHOW ENTRY
印刷ジョブの停止
ジョブの削除
現在印刷しているジョブを
停止して,キューの中の次
のジョブの印刷を開始する

DELETE/ENTRY=ジョブ番号
STOP/ABORT

現在印刷しているジョブを
停止して,再登録して印刷
し直す

STOP/REQUEUE
ジョブ完了後,ジョブをキューに残す PRINT/RETAIN

1SET QUEUE/ENTRY コマンドに修飾子を使用すると,キューに登録されているが,まだ印刷されていない印刷ジョブにこれらの操作を指定できる。



WWPPS(World-Wide PostScript Printing Subsystem) は,さまざまな言語の文字で構成されたテキスト・ファイルを任意の PostScript プリンタで印刷するためのユーティリティです。 PostScript 印刷可能ファイルにフォント・データを組みこめば,ローカル言語フォントがないプリンタにもその言語文字を印刷できます。

  注意
PostScript 印刷可能ファイルにフォント・データを組みこむと,プリンタ・メモリがサポートできるサイズを越える場合があります。その場合,WWPPS では印刷された出力の最後にエラー・ページを追加してファイル・サイズがプリンタの容量を越えたことを知らせます。

中国語,韓国語,日本語などのローカル言語文字を印刷する場合,少なくとも 24MB のメモリを備えたプリンタを使用してください。

サポートされる言語

WWPPS は以下の言語をサポートしています。

  • キリル語 (ISO8859-5)

  • ギリシア語 (ISO8859-7)

  • ヘブライ語 (ISO8859-8)

  • 日本語 (Super DEC Kanji)

  • 韓国語 (DEC Korean)

  • Latin 1 (ISO8859-1)

  • Latin 2 (ISO8859-2)

  • Latin 4 (ISO8859-4)

  • 簡体字中国語 (DEC Hanzi)

  • タイ語 (TACTIS)

  • 繁体字中国語 (Taiwanese EUC/DEC Hanyu)

  • トルコ語 (ISO8859-9)

  • Unicode

文字の処理では,WWPPS は文字を現在のロケールで印刷できるかどうかを確認します。ロケール設定は, OpenVMS のインストール時に Compaq C for OpenVMS Run-Time Library(RTL) で提供されます。16 ビット Unicode や ISO 10646(USC-4) 形式以外のファイルでは,英語以外の言語文字によるファイルを印刷する場合,あらかじめ適切なロケールを設定する必要があります。プロセスのロケール設定が入力ファイルに適していない場合, /LOCALE 修飾子でロケールをそのプリント・ジョブに指定できます。

サポートされるコードセット

OpenVMS システムでは,以下のコードセットをサポートしています。

コードセット コードセット名
DECHANYU 繁体字中国語用の DECHanyu (プレーン1とプレーン2のみ)
DECHANZI 簡体字中国語用の DECHanzi
DECKOREAN 韓国語用の DECKorean
GB18030 簡体字中国語および繁体字中国語用の GB18030-2000
ISO8859-1 ISO Latin-1
ISO8859-2 ISO Latin-2
ISO8859-5 ISO Latin-5
ISO8859-7 ISO Latin-7
ISO8859-8 ISO Latin-8
ISO8859-9 ISO Latin-9
SDECKANJI 日本語用のSuper DEC Kanji
TACTIS タイ語用のTIS-620

上記のコードセットは,いずれも WWPPS でサポートしていますが, 1 度に関連付けることができるフォントは各コードセットごとに 1 言語だけです。

WWPPS では,タイ語を除く上記のすべてのコードセットについて, Unicode 文字変換機能もサポートしています。 Unicode 文字は上記のコードセットのどれかの文字に変換され, PostScript ファイルでは,そのコードセットをサポートするフォントがその文字に適用されます。文字を変換できない場合,その位置にはスペースが印刷されます。

WWPPS 用のフォーリン・コマンドがシステム・マネージャによって設定されていない場合,以下の行を LOGIN.COM に追加して設定します。

$ WWPPS :== $SYS$SYSTEM:WWPPS.EXE 

DCL プロンプトから WWPPS ユーティリティを呼び出すには,以下のように入力します。

$ WWPPS 



以下に,WWPPS ユーティリティで使用できるコマンド,パラメータ,修飾子を説明します。説明の後に例を示します。

EXIT

WWPPS セッションを終了し,DCL コマンド・レベルに戻ります。 Ctrl/Z または Ctrl/C を入力しても WWPPS セッションは終了します。

WWPPS> EXIT 

HELP

WWPPS (World-Wide PostScript Printing Subsystem) に関する情報を入手できます。

WWPPS> HELP PRINT 

個々のコマンドやトピックに関する情報を入手するには,コマンド名やトピック名を指定して HELP コマンドを入力します。

HELP [topic] 

PRINT

1 度にテキスト・ファイルを 1 つずつ,印刷可能な PostScript ファイルに変換し,プリンタ・キューに発行します。文字は標準フォントまたは太字で印刷できます。

PRINT/QUEUE=queue-name [/qualifiers] file-spec 

/QUEUE 修飾子は,file-spec によって指定されたテキスト・ファイルを送るキューの名前を指定するために,すべての PRINT コマンドに必要です。たとえば,次のコマンドは,ファイル REPORT.TXT を PRT_QUEUE プリンタ・キューに発行して,American English (/LOCALE 修飾子で指定された言語) で印刷します。

WWPPS> PRINT/QUEUE=PRT_QUEUE/LOCALE=EN_US_ISO8859-1 REPORT.TXT 

PRINT コマンドのオプションの修飾子は以下のとおりです。

  • /COPIES
    印刷するコピー数を指定します。省略時のコピー数は 1 です。

  • /INDENTATION
    左マージンからのインデントを文字数で指定します。省略時の設定は /INDENTATION=0( インデントなし ) です。使用できる最大値は /PAPER_SIZE と /ORIENTATION の指定 ( または省略時の設定 ) 値によって異なります。

    /PAPER_SIZE /ORIENTATION /INDENTATIONの最大値
    LETTER PORTRAIT 39
    A4 PORTRAIT 38
    LETTER LANDSCAPE 65
    A4 LANDSCAPE 67

  • /LENGTH
    行数でページ長を指定します。省略時の長さは LETTER サイズで 66 行,A4 サイズで 68 行です。

  • /LOCALE
    WWPPS で入力ファイルを変換するときのロケール設定を指定します。 Unicode 形式 (UTF-20) のテキスト・ファイルに /LOCALE は指定する必要はありません。
    ロケールは以下の規則で構成されています。

        language_country_codeset.LOCALE    
    


    言語と国はいずれも OSF 命名規則で定義した 2 文字で表します ( 使用できる値については /LOCALE サブトピックを参照 )。たとえば,EN_US_ISO8859-1 は米国で話される英語のロケールを表します。
    省略時の設定で, WWPPS はシステム指定ロケールまたはプロセス指定ロケールを使用します。システム指定ロケールまたはプロセス指定ロケールがない場合,省略時の設定は /LOCALE=C です。
    システムで指定したロケールを表示するには,以下のコマンドを入力します。

    $ LOCALE SHOW PUBLIC 
    


    表 3-1 は,一般に組み合わせとなっている言語コードと国コードを整列します。

    表 3-1 一般的な言語コードと国コードの組み合わせ
    言語コード 言語 国コード
    CA カタロニア語 ES スペイン
    ES スペイン語    
    CS チェコ語 CZ チェコ共和国
    DA デンマーク語 DK デンマーク
    DE ドイツ語 CH スイス
        DE ドイツ
    EL ギリシア語 GR ギリシア
    EN 英語 GB イギリス
        US アメリカ合衆国
    FI フィンランド語 FI フィンランド
    FR フランス語 BE ベルギー
        CA カナダ
        FR フランス
    HE ヘブライ語 IL イスラエル
    IW ヘブライ語    
    HU ハンガリー語 HU ハンガリー
    IS アイスランド語 IS アイスランド
    IT イタリア語 IT イタリア
    JA 日本語 JP 日本
    KO 韓国語 KR 韓国
    LT リトアニア語 LT リトアニア
    NL オランダ語 NL オランダ
    NO ノルウェー語 NO ノルウェー
    PL ポーランド語 PL ポーランド
    PT ポルトガル語 PT ポルトガル
    RU ロシア語 RU ロシア
    SK スロヴァキア語 SK スロヴァキア
    SL スロヴェニア語 SI スロヴェニア
    SV スウェーデン語 SE スウェーデン
    TH タイ語 TH タイ
    ZH 中国語 HK 香港
        TW 台湾
        CN 中華人民共和国


    OpenVMS システムでサポートされるコードセットの一覧は, 第 3.8.7 項サポートされるコードセット にあります。

  • /ORIENTATION
    論理ページ上の印刷出力の向きを PORTRAIT( 省略時の設定 ) または LANDSCAPE で指定します。

  • /PAPER_SIZE
    LETTER( 省略時の設定 ) または A4 で用紙のサイズを指定します。

  • /RANGE
    開始ページ番号 m と終了ページ番号 n で,印刷するページを指定します。または,ページを指定して印刷するかわりに ODD と指定すると奇数ページが印刷され,EVEN と指定すると偶数ページが印刷されます。省略時の設定では,ドキュメント全体が印刷されます。

  • /VERTICAL
    中国語,韓国語,日本語のマルチバイト文字用に縦書きモードを指定します。 /VERTICAL を指定すると,マルチバイト文字が反時計回りに 90 度回転し,左から右に行が印刷されます。印刷するページを時計回りに 90 度回転すると,文字は右から左に縦書きで読み取られます。縦書きモードでも,英語などの言語のシングルバイト文字は左から右に横に印刷されます。

  • /WIDTH
    ページ幅をカラム数で指定します。有効値は以下のとおりです。

    • 80 (LETTER サイズ用紙と PORTRAIT 方向用 )

    • 132 (LETTER サイズ用紙と LANDSCAPE 方向用 )

    • 78 (A4 サイズ用紙と PORTRAIT 方向用 )

    • 136 (A4 サイズ用紙と LANDSCAPE 方向用 )

    省略時の値は /WIDTH=80 です。


目次 索引

© 2012 Hewlett-Packard Development Company, L.P.