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OpenVMS マニュアル |
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HP DECwindows Motif for OpenVMS
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目次 | 索引 |
4.3 ログイン環境のカスタマイズ |
ここでは,DECwindows のデフォルトのログイン環境を改善またはカスタマイズする方法について説明します。
コマンド・プロシージャ SYLOGIN.COM や LOGIN.COM が大きいと,アプリケーションのスタートアップに時間がかかります。 SYLOGIN.COM や LOGIN.COM の中で行っている操作の多くは, DECwindows アプリケーションのスタートアップでは意味がありません。そこで, DECwindows アプリケーションのスタートアップ性能を向上させるために, SYLOGIN.COM ファイルや LOGIN.COM ファイルを条件付きにすることをお勧めします。
DECwindows アプリケーションの起動時には,最小限の SYLOGIN.COM コマンドおよび LOGIN.COM コマンドだけを実行します。通常,実行が必要なコマンドは, DECW$USER_DEFAULTS の再定義 (存在する場合) と, DECwindows アプリケーションのコンテキストから参照するその他論理名の定義です。
次のコード・セグメントは,SYLOGIN.COM および LOGIN.COM 内で, DECwindows に必要なコマンドの直後に挿入することができます。
4.3.1 アプリケーションのスタートアップ性能の向上
$ mode = f$mode() $ tt_devname = f$trnlnm("TT") $ session_mgr_login = (mode .eqs. "INTERACTIVE") .and. - (f$locate("WSA",tt_devname) .ne. f$len(tt_devname)) $ session_detached_process = (mode .eqs. "INTERACTIVE") .and. - (f$locate("MBA",tt_devname) .ne. f$len(tt_devname)) $ if session_mgr_login .or. session_detached_process then exit |
4.3.2 ログイン画面のカスタマイズ ( Traditional DECwindows Desktop のみ)
DECwindows Motif のログイン画面をカスタマイズして,別のロゴを表示したり,画面の色を変更することができます。ログイン画面をカスタマイズするには,リソース定義が格納されている SYS$MANAGER ディレクトリに, DECW$LOGIN.DAT という名前のファイルを作成します。 SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT 内のカスタム・リソース定義は, SYS$COMMON:[DECW$DEFAULTS.SYSTEM]DECW$LOGIN.DAT に格納されている弊社提供のリソース定義とマージされて,新しいログイン画面が構成されます。
カスタマイズしたリソース・ファイル DECW$LOGIN.DAT は,新しいバージョンの DECwindows Motif ソフトウェアにアップグレードしたときに上書きされないように, DECW$SYSTEM_DEFAULTS ディレクトリではなく SYS$MANAGER ディレクトリに格納してください。また,SYS$MANAGER ディレクトリにファイルを保存することで,弊社が提供しているファイルをカスタム・ファイルによって置き換えてしまうのを防ぐことができます。
4.3.2.1 ロゴおよびログイン画面の色のカスタマイズ
表 4-4 に示すリソースを定義することで,ロゴの位置と色,および「Start Session」画面の背景色を変更することができます。
リソース | 説明 |
---|---|
rootColor | 画面の背景色 |
logoColor | ロゴの色 (デフォルトは赤紫色) |
logoX | ロゴの x 位置 (デフォルトは 0) |
logoY | ロゴの y 位置 (デフォルトは 75) |
centerLogoX | 論理値。true (デフォルト) の場合,ロゴは画面の左右方向の中央に配置される。 |
たとえば,x=100,y=600 の位置にロゴを表示するには,次のリソース定義を SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT ファイルに追加します。
decw$login.logoX: 100 decw$login.logoY: 600 decw$login.centerLogoX: false |
4.3.2.2 「Start Session」ダイアログ・ボックスと「Set Password」ダイアログ・ボックスの位置の変更
表 4-5 に示すリソースを定義することで,「Start Session」ダイアログ・ボックスと「Set Password」ダイアログ・ボックスの位置を変更することができます。
リソース | 説明 |
---|---|
centerStartSessionX | 論理値。true (デフォルト) の場合,「Start Session」ダイアログ・ボックスは左右方向の中央に配置される。 |
centerStartSessionY | 論理値。true (デフォルト) の場合,「Start Session」ダイアログ・ボックスは上下方向の中央に配置される。 |
centerSetPasswordX | 論理値。true (デフォルト) の場合,パスワードの期限切れを示す「Set Password」ダイアログ・ボックスは,左右方向の中央に配置される。 |
centerSetPasswordY | 論理値。true (デフォルト) の場合,「Set Password」ダイアログ・ボックスは上下方向の中央に配置される。 |
たとえば,「Set Password」ダイアログ・ボックスを x=100, y=600 の位置に表示するには,次のリソース定義を SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT ファイルに追加します。
decw$login.centerStartSessionX: false decw$login.centerStartSessionY: false decw$login.HiddenShell.x: 100 decw$login.HiddenShell.y: 600 |
「Set Password」ダイアログ・ボックスを x=30,y=100 の位置に表示するには,次のリソース定義を SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT ファイルに追加します。
decw$login.centerSetPasswordX: false decw$login.centerSetPasswordY: false decw$login.SetPasswordShell.x: 30 decw$login.SetPasswordShell.y: 100 |
4.3.2.3 「Start Session」ダイアログ・ボックスでのノード名表示を無効にする
「Start Session」ダイアログ・ボックスにノード名が表示されないようにするには,次のリソース定義を SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT ファイルに追加します。
decw$login.displayNodeName: false |
4.3.3 ログイン前にカスタム・メッセージを表示する (New Desktop のみ)
システム管理者などの特権ユーザは, New Desktop でのセッション・ログインの前に,カスタム・メッセージ (挨拶文,セキュリティ・アップデート,システム・ブロードキャストなど) を表示することができます。
DECwindows Motif は,セッションのスタートアップ時に,メッセージ・ファイル SYS$MANAGER:DECW$GREET.TXT を探します。ファイルが見つかると,メッセージ・ファイル中の文章が表示されたウィンドウが,ログイン・ダイアログ・ボックスの前に表示されます。ユーザは,Return キーを押すか [了解] をクリックして先に進み, New Desktop セッションにログインします。ファイルが見つからない場合は,このウィンドウは表示されず,ユーザは直接 New Desktop セッションにログインすることができます。
カスタム・メッセージを作成するには,以下の手順を実行します。
注意 テキストまたは書式制御文字を含まない行は無視されます。メッセージ・ファイルに空白行を挿入するには,行の先頭に 1 つ以上のスペース文字 <sp> を入力します。 |
4.3.4 推奨パスワード・リストを無効にする (New Desktop のみ)
New Desktop に期限切れのパスワードでログインしたときでも,推奨パスワード・リストが表示されないようにすることができます。
推奨パスワード・リストを抑制するには,システム論理名 CDE$NOGENPWD にゼロ以外の値を定義します。次に例を示します。
$ DEFINE/SYSTEM CDE$NOGENPWD 1 |
4.3.5 UNIX スタイルのファイル名のサポートを有効にする (New Desktop のみ)
ファイル・セレクション widget およびファイル・マネージャで,ファイル名とデバイス名を UNIX スタイルで表示することができます。
この機能を有効にすると,ファイルとディレクトリは,ディレクトリ・ツリーを区切る際に大括弧の代わりにスラッシュを使用するなど, UNIX のパス名規約に従って表示されます。また,UNIX スタイルのパス名表示では,デバイス名は大文字に変換されず,大文字と小文字の違いが保持されます。
以降の項では,この機能を有効にする方法を簡単に説明します。
「File Selection」ダイアログ・ボックスで UNIX スタイルのファイル名の表示を有効にするには,以下の論理名の 1 つ以上にゼロ以外の値を設定します。
これらの論理名を SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM ファイルに追加することで,システム全体で定義することができます。また,各ユーザの DECW$LOGIN.COM ファイルまたは LOGIN.COM ファイルに追加することで,ユーザごとに定義することもできます。
「File Selection」ダイアログ・ボックスで,UNIX 形式で表示する場合でも,選択されたファイル名は OpenVMS 形式で返すようにするには,論理名 DECW$XM_UNIX_NAMES_TO_VMS を定義します。これにより,UNIX 形式でファイル名を表示する一方で, OpenVMS 形式のファイル名を必要とするその他のアプリケーションが,「File Selection」ダイアログ・ボックスと正常にやり取りすることができます。
ファイル・マネージャで UNIX スタイルのファイル名の表示を有効にするには,論理名 CDE$DTFILE_UNIX_NAMES にゼロ以外の値を設定します。
この論理名をシステム全体で定義するには, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM ファイルに追加します。ユーザごとに定義するには,各ユーザの DECW$LOGIN.COM ファイルまたは LOGIN.COM ファイルに追加します。
ここでは,アプリケーション・カスタマイズ・パラメータを使用して, DECwindows Motif のデフォルトのスタートアップ環境を変更する方法について概要を説明します。
DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE ファイルは,SYS$MANAGER ディレクトリにあります。このテンプレート・ファイルには, DECwindows Motif のスタートアップ環境をカスタマイズするために使用できる情報が格納されています。
このファイルを使用することで, 表 4-6 に示すクライアント領域を変更することができます。デスクトップに依存するパラメータには注が付けられています。 New Desktop 環境固有の追加パラメータについては,『日本語 DECwindows Motif New Desktop使用概説書』を参照してください。
4.3.5.1 「File Selection」ダイアログ・ボックスで有効にする
DECC$FILENAME_UNIX_ONLY (CRTL モード)
DECW$XM_FORCE_UNIX_NAMES_TO_VMS
4.3.5.2 ファイル・マネージャで有効にする
4.4 スタートアップ環境のカスタマイズ
4.4.1 DECW$PRIVATE_APPS_SETUP ファイルの利用
クライアント領域 | グローバル・シンボル | デフォルト |
---|---|---|
アプリケーション | ||
Bookreader のオンライン・ブック・ディレクトリ | DECW$BOOK | SYS$SYSROOT:[DECW$BOOK] |
FileView のコマンド・ファイル・ディレクトリ | VUE$LIBRARY 1 | DECW$SYSCOMMON: [VUE$LIBRARY.USER], DECW$SYSCOMMON: [VUE$LIBRARY.SYSTEM] |
FileView の公用プロファイル・ファイル・ディレクトリ | VUE$LIBRARY_WRITE 1 | SYS$COMMON:[VUE$LIBRARY.USER] |
コンソール・ウィンドウ | ||
コンソール・ウィンドウへのシステム・メッセージの表示を有効または無効にする | DECW$CONSOLE_SELECTION | 無効 |
コンソール・ウィンドウの位置を指定する | DECW$CONSOLE_GEOMETRY | -0,-0 |
デスクトップ | ||
セッションのスタートアップ時に実行するデスクトップ | DECW$START_NEW_DESKTOP | True ( New Desktop を実行) |
ディスプレイ・デバイス | ||
SET DISPLAY コマンドのパラメータ | DECW$APPSNODE
DECW$APPSSERVER DECW$APPSSCREEN |
ノード 0
サーバ 0 画面 0 |
TCP/IP トランスポート上の IPv6 のサポートを有効または無効にする | DECW$IPV6_SUPPORT | なし |
例と自習書 | ||
プログラム例のディレクトリ | DECW$EXAMPLES 2 | SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES.DECW] |
学習支援システムのファイルがあるディレクトリ | DECW$CBI | SYS$SYSROOT:[SYSCBI.DECW$CBI] |
キーマップ | ||
キーマップ・ファイルのディレクトリ | DECW$KEYMAP | DECW$SYSCOMMON: [SYS$KEYMAP.DECW.USER], DECW$SYSCOMMON: [SYS$KEYMAP.DECW.SYSTEM] |
ログイン | ||
LOGINOUT ログ・ファイル | DECW$LOGINLOG | なし |
loginout 中に複数の接続を使用 | DECW$LOGINMANY | False |
ログイン・ロゴ | DECW$LOGINLOGO 1 | なし |
ログイン・ロゴをサブプロセスで実行 | DECW$LOGINLOGOSUB 1 | False (独立プロセス) |
loginout 中に指定された X authority ファイルからデータを提供 | DECW$LOGIN_XAUTHORITY | SYS$LOGIN: DECW$XAUTHORITY.DECW$XAUTH |
プロキシ・マネージャ | ||
プロキシ・マネージャ構成ファイル | DECW$PROXY_MANAGER_CONFIG | なし |
プロキシ・マネージャ・ログ・ファイル | DECW$PROXY_MANAGER_LOG | なし |
プロキシ・マネージャ・アプリケーションを起動する際のデフォルトのコマンド行オプション | DECW$PROXY_MANAGER_OPTIONS | /PORT=6500/TRANSPORT= "LOCAL,TCPIP,DECNET" |
プロキシ・マネージャを独立プロセスとして起動する際のデフォルトのコマンド行オプション | DECW$PROXY_MANAGER_QUOTAS | /PROCESS_NAME=DECW$PROXY |
セッション管理 | ||
セッションを実行するコマンド | DECW$SESSIONMAIN 1 | Run SYS$SYSTEM:DECW$SESSION |
セッションをリセットするコマンド | DECW$SESSIONEND 1 | なし |
セッション・ログの有効化または無効化 | DECW$SESSIONLOG 1 | True (ログ・ファイルはオン) |
システム・スタートアップ | ||
DECwindows のスタートアップ完了時に実行する DCL コマンド | DECW$MAINAPP 1 | Run SYS$SYSTEM:DECW$STARTLOGIN |
ユーザ認証完了後に実行するコマンド・プロシージャ | DECW$SESSIONCOM | SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM |
DECwindows Motif の SYLOGIN コマンド・プロシージャ | DECW$SYLOGINCOM | なし |
UNIX との互換性 | ||
UNIX との互換性のための論理名を定義 | DECW$UNIXLOGICALS | True |
ユーザ・リソース | ||
正しいユーザ・リソース値でシステムを初期化するためのコマンド | DECW$SESSIONINIT | Run SYS$SYSTEM:DECW$WSINIT |
ユーティリティ | ||
X ウィンドウ・システム・ユーティリティ・ディレクトリ | DECW$UTILS | SYS$SYSROOT:[SYSHLP. EXAMPLES.DECW.UTILS] |
上記の領域のいずれかをカスタマイズするには, SYS$MANAGER: DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE ファイルを SYS$MANAGER: DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM にコピーします。次に例を示します。
$ COPY SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - _$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM/LOG |
次に,ファイルを編集して,該当するシンボルを変更します。
以降の項では,テンプレート・ファイルを使用して, DECwindows のクライアント環境をカスタマイズする例を示します。
このファイルには, Cluster Common セクションと Cluster Member Workstation-Specific セクションの 2 つのセクションがあります。適切なセクションに新しいシンボルを追加します。
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