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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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目次
まえがき
第1章:New Desktopの概要
第2章:New Desktopの使用方法
第3章:New Desktopの管理
第4章:アプリケーションの統合
第5章: プログラミング・リソース
付録A :New DesktopとCDEとの違い
付録B :複数画面のサポート
付録C :CDEのAPIルーチン
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New Desktop 使用概説書

New Desktop 使用概説書


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[アクション作成]アプリケーションからアイコン・エディタを呼び出してアイコン・ファイルを編集しても,編集内容はアイコン・エディタ終了時に自動的に表示されません。アイコン・エディタ終了後, [アイコンセット検索...] を選択して,新しく編集したアイコンを選択して表示を変更し,編集したアイコンをアクションに対応付けする必要があります。

いろいろなサイズのアイコンを編集したい場合は, [アイコンセット検索] を選択する前に,編集をすべて完了しておくようにしてください。 [アイコンセット検索]選択時に,編集アイコンセットが全部揃っていない場合は,足りないアイコンは表示されず, [アクション作成]アプリケーション内からは作成することができません。

4.2 推奨レベルの統合

推奨レベルの統合とは,アプリケーションがその他のCDE構成要素と統合して, CDEデスクトップとより一貫性があるようにすることです。推奨レベルの統合を行うと,ご利用のアプリケーションの次のような機能向上が達成されます。

  • ドラッグ・ドロップ機能ならびに保存および復元機能などアプリケーションに便利な機能を提供 ( 第 5 章 を参照)。

  • アプリケーションの国際化を実現。

  • CDEスタイルのエラー・メッセージを表示。

  • CDEフォントを使用 ( 第 5 章 を参照)。

  • CDEスタイルのヘルプの組み込み ( 第 5 章 を参照)。

推奨レベルの統合にはコード変更が必要になることがしばしばあります。この節では,各国語のユーザ・インタフェースを提供するためのリソースと, CDEスタイルのエラー・メッセージについて簡単に説明します。また, 第 5 章 では,機能を向上するこの他のプログラミング・リソースについて説明しています。

4.2.1 国際化

New Desktop では,各国語のユーザ・インタフェースを提供しています。通貨の数値データや日付のフォーマット化用のシンボルと規則など,言語やその他のその国の文化に独特の属性はロケールと呼ばれるファイルに定義されています。各ロケールを,アプリケーションが特定言語で出力する全テキストが入ったメッセージ・カタログとリソース・ファイルが補佐します。ロケール・ファイルとメッセージ・カタログを作成するには,本書の 表 4-4 で簡単に説明している DEC C XPG4 地域化ユーティリティを使用してください。

ユーザは,ユーザ・インタフェース用言語をログイン時に指定することができます。ログイン画面で[オプション]を選択してから,[言語]を選択してください。システムにインストールされ,ロケール・ファイルに定義されている言語が表示されます。ここで,ご使用のシステムのユーザ・インタフェース用言語を選択できます。

  注意
デフォルトのロケールはCロケールです。本書で記載されているファイル指定のなかのlangは,ロケール変数を表します。 CDE ドキュメントでは %L と <lang> がロケール変数を表します。

表 4-4 DEC C XPG4 現地化ユーティリティ
ユーティリティ 用途
GENCAT メッセージ・カタログ・ファイルに, 1つ以上のメッセージ・テキストのソース・ファイルを統合します。メッセージ・テキストのソース・ファイルのファイル型にはデフォルトの .MSG が使用され,メッセージ・カタログ・ファイルのファイル型にはデフォルトの .CAT が使用されます。 GENCAT 構文は次のとおりです。
GENCAT msgfile [,...] catfile

ICONV ICONV は,指定するオプションによって変換テーブル・ファイルをコンパイルしたり (ICONV COMPILE),あるコードセットから他のコードセットに文字を変換 (ICONV CONVERT) したりします。変換テーブル・ファイルは,あるコードセットの文字をどのように他のコードセットの文字に変換するかを定義したものです。
LOCALE 指定するオプションによって次のように動作します。

  • LOCALE COMPILE は,バイナリのロケール・ファイルをコンパイルします。

  • LOCALE LOAD は,ロケール名を読み出し専用の共有グローバル・データとしてシステム・メモリにロードします。

  • LOCALE SHOW は,システムのロケールの詳細を表示します。

  • LOCALE UNLOAD は,システム・メモリからロケール名をアンロードします。

ロケール・ファイルは,論理名SYS$I18N_LOCALEで定義されるディレクトリに存在します。 DEC C XPG4 地域化ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS 新機能説明書』を参照してください。

4.2.2 アプリケーションからのエラー・メッセージの表示

ユーザが,エラーや警告のメッセージが通常は,メッセージ・フッタ,エラー・ダイアログ・ボックスまたは警告ダイアログ・ボックスに表示され,必要に応じてさらに詳しい説明がオンライン・ヘルプで表示されるものと考えているため, New Desktop のアプリケーションでは,これらのメッセージをこのような一般的な形式で表示しています。アプリケーションが出力するエラー・メッセージの詳細およびメッセージ・ダイアログとオンライン・ヘルプのリンク付けに関する詳細は,『共通デスクトップ環境: プログラマーズ・ガイド』を参照してください。

4.3 オプションで行う統合

オプションで行う統合では,特定のグラフィカル・ユーザ・インタフェース機能を提供したり,複数のワークスペースを管理したりするなどの特殊なタスクを実現するための,CDEサービスを統合することができます。また,カスタム・ウィジェットでは,グラフィカル・ユーザ・インタフェース機能,ワークスペース・マネージャAPIでは複数のワークスペースを管理するための機能を提供しています。これらのCDEサービスについての詳細は,本書の 第 5 章付録 B ,およびCDEドキュメントの『共通デスクトップ環境: プログラマ概要』と『共通デスクトップ環境: プログラマーズ・ガイド』を参照してください。

4.4 新規アプリケーション・グループの作成

New Desktop には, 図 4-5 のように [DECwindows アプリケーション],[IM ツール],[DECwindows ユーティリティ], [デスクトップ・アプリケーション],[デスクトップ・ツール]の 5つのアプリケーション・グループが用意されています。デスクトップ・アプリケーションとはCDEアプリケーションのことで,デスクトップ・ツールとはCDEツールのことです。

図 4-5 アプリケーション・マネージャ画面


アプリケーション・グループとは,アクション(stub)・ファイルが入っている単なるディレクトリのことです。アプリケーション・マネージャがあるディレクトリがアプリケーション・グループであるということを認識するためには,そのディレクトリが DTAPPSEARCHPATH論理名で定義されるアプリケーション・グループのルート・ディレクトリの1つに置かれていなければなりません。 disk$:[user.DT.APPMANAGER]ディレクトリは,アプリケーション・グループのルート・ディレクトリの1つです。

アプリケーション・マネージャで管理するアプリケーション・グループを次の方法で作成し,追加することができます。

  1. 新規アプリケーション・グループ名をディレクトリ名にしたディレクトリ,たとえば disk$:[user.DT.APPMANAGER.MY_TOOLS] を作成します。

  2. 図 4-6 のように,フォルダ・アイコンと小文字で中央に下線が入ったデフォルトの新規アプリケーション・グループ名がまず最初に表示されます。フォルダ・アイコンとデフォルトのグループ名を変更するには, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.TYPES.JA_JP_*]ディレクトリの NEWGROUP.DT_TEMPLATEファイルを, disk$:[user.DT.TYPES]newgroup.DTに,同じファイルが既に入っていないことを確認してからコピーします。このファイルを,ファイルに入っている指示に従って変更します。

  3. [デスクトップアプリケーション]グループにある [アクション作成]アプリケーションを実行して,次のファイルを作成します。

    1. たとえばSYS$LOGIN:CALCULATORなどのアクション(stub)・ファイル。

    2. たとえば disk$:[user.DT.TYPES]CALCULATOR.DT などのアクションおよびデータ型定義ファイル。


    [アクション名 (アイコン・ラベル)] と [アクションを開いた(ダブルクリックした)場合のコマンド]の,最低2つのフィールドに入力するようにしてください。たとえば,[アクション名] に CALCULATOR, [アクションを開いた(ダブルクリックした)場合のコマンド]に RUN SYS$SYSTEM:DECW$CALCULATOR を入力します。

  4. 次のいずれかの方法で,新規アプリケーションにアイコンを設定します。

    • [アイコンセット検索...]あるいは[アイコン編集...]を選択しないで,デフォルトのアイコンを指定します。

    • [アイコンセット検索...]を選択してプロンプトに応え, New Desktop に組み込まれているアイコンを選択します。

    • [アイコン編集...]を選択してプロンプトに応え,既存のアイコンを編集するか,新規アイコンを作成します。


    この例では,デフォルトのアイコンを使用しています。

  5. アクション(stub)・ファイルを SYS$LOGIN から
    disk$:[user.DT.APPMANAGER.MY_TOOLS]へ移動します。

  6. [ファイル] プルダウン・メニューの [保管]オプションで, [アクション作成] のなかの新規アプリケーション・グループを使用可にします。あるいは,[アクション作成]を終了して, [アクションの再読込み]を使用し,新規アプリケーション・グループを使用可能にすることもできます。アプリケーション・マネージャの [デスクトップツール]を選択してから, [アクションの再読込み]をダブルクリックしてください。

  7. アプリケーション・マネージャを選択します。
    図 4-6 のように, my_toolsというアイコン名が付いた,新規ファイルのフォルダ・アイコンが表示されます。このアイコンをダブルクリックすると, [Calculator](電卓)というアイコン名のアクション・アイコンが表示されます。電卓を起動するには,このアイコンをダブルクリックします。

  8. グループにアプリケーションを追加する場合は,アプリケーションごとに手順3〜6を繰り返してください。

この手順を実行するたびに,新規.DT ファイルが disk$:[user.DT.TYPES]ディレクトリに追加されます。 MY_TOOLS.DTなどのファイルを1つ作成して,このファイルに全アクションをまとめることも可能です。ファイルが1つだけだと,アプリケーション・グループの管理がしやすくなります。

図 4-6 新規アプリケーション・グループが表示されたアプリケーション・マネージャ画面




アプリケーションの登録とは,CDE ドキュメントで使用されている用語で, New Desktop にアプリケーションをインストールして組み込むことを表します。アプリケーションの組み込みに必要な各ファイルを登録パッケージと言います。アプリケーションの登録についての詳細は,『共通デスクトップ環境: 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』の第4章で説明しています。

アプリケーション登録のプロセスは, UNIXシステムと OpenVMS Alpha システムでは異なります。最大の違いは,CDEアプリケーション dtappintegrateが New Desktop には組み込まれていないことです。ただし,その他の New Desktop のプロセスはほとんど同じです。

アプリケーションが次の構成要素を持つようになると, New Desktop に完全に登録されたことになります。

  • アプリケーション・マネージャの最上位にある独自のアプリケーション・グループ。

  • そのアプリケーションを起動するアクション。このアクションは,アプリケーション・グループのアイコンで表されます。

  • データ・ファイル用のデータ型 (オプション)。

登録パッケージは,次の要素で構成されます。

  • New Desktop にアプリケーションを組み込むために作成されるファイル。ファイルの数とファイルの型は,アプリケーションの種類とユーザが選択する統合レベル (最低限,推奨,オプション) によって異なります。

  • 新規アプリケーション・グループを 図 4-7 のように, CDE$USER_DEFAULTS:[APPCONFIG.APPMANAGER.JA_JP_*] ディレクトリに入れるための,新規ディレクトリ・ファイルとその関連ファイル。

登録パッケージのインストール・プロシージャは,次のタスクを実行しなければなりません。

  • CDE$USER_DEFAULTS:[*...]ディレクトリ構造に適切なディレクトリが入っているか確認するためにテストを行います。このディレクトリ構造には,次の型のファイルが入るはずです ( 図 4-7 を参照)。

    • *.DT

    • *.FP

    • *.SDL

    • *.HV

    • *.PM

    • *.BM

    • アクション・ファイル

    • Readme ファイル


    以上のディレクトリが存在しない場合は,インストール・プロシージャが作成しなければなりません。

  • システムに組み込む 1 つ以上のアプリケーションのために作成したアプリケーション・グループ用のファイルをインストールします。

  • 各アプリケーション用に作成したアプリケーション統合ファイルを, CDE$USER_DEFAULTS ディレクトリ構造の該当するディレクトリにインストールします。

  • アプリケーションの実行可能ファイル,共有可能イメージ,リソース・ファイルを,順に SYS$SYSTEM,SYS$SHARE,CDE$USER_DEFAULTSにインストールします。

図 4-7 CDE$USER_DEFAULTS ディレクトリ構造


インストール完了後にセッションを再起動すると,次の手順で新規アプリケーション・グループを呼び出して,グループのなかのアプリケーションを起動することができます。

  1. アプリケーション・マネージャを表すアイコンをシングル・クリックします。

  2. インストールした新規アプリケーション・グループを表すアイコンをダブル・クリックします。そのグループに入っている各アプリケーションのアイコンが表示されます。

  3. 起動したいアプリケーションをダブル・クリックします。



4.6 New Desktop へのUNIX リファレンス・ページの移植

UNIXシステムで作成したリファレンス・ページ (マニュアル・ページ)を, New Desktop のリファレンス・ページに追加したい場合は,次の方法で追加することができます。

  • UNIX システムで次のようにリファレンス・ページをフォーマットして,その出力を取り込みます。

    % man dtwmrc > dtwmrc.1 
    

  • dcp, ftp その他のコピー用コマンドで, OpenVMS システムにフォーマット済みのファイルをコピーします。
    次の例ではdcpでコピーしています。

    % dcp dtwmrc.1 node"user password"::'cde$system_defaults:[man]' 
    


    次の例ではftpでコピーしています。

    ftp node
    ftp> cd cde$system_defaults:[man] 
    ftp> put dtwmrc.1 
    ftp> bye 
    

コピーしたリファレンス・ページは,アプリケーション・マネージャの[デスクトップ・アプリケーション]グループの [マニュアル・ページ・ビューア]を選択すると,表示させることができます。

4.7 アプリケーション統合関連のCDEドキュメント

アプリケーション統合についての詳しい説明は,特に [アクション作成] のヘルプなどの,関連するオンライン・ヘルプや次のCDEドキュメントを参照してください。

  • 『共通デスクトップ環境: プログラマ概要』

  • 『共通デスクトップ環境: 上級ユーザ及びシステム管理者ガイド』

オンライン版ドキュメントにアクセスする方法,あるいはこれらの印刷版を入手する方法については,本書の 表 1-2 をご覧ください。


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