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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
ライブラリ

タイトル
目次
まえがき
第 1 章:日本語OpenVMSの概要
第 2 章:漢字ターミナルの設定
第 3 章:ESC/Pプリンタによる印刷
第 4 章:使用可能な文字
第 5 章:日本語の入力
第 6 章:日本語ファイル名サポート
第 7 章:こんな時どうする
第 8 章:各ハードウェア・バージョンの違い
第 9 章:マニュアル
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日本語 HP OpenVMS

日本語 HP OpenVMS
概説書


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第 5 章
日本語の入力

日本語 OpenVMS 上では,さまざまな場所で日本語を入力することができます。この章では,日本語 OpenVMS が提供する日本語入力方法について説明します。

5.1 日本語入力の種類

日本語 OpenVMS では,以下のような日本語入力方法を提供しています。用途に合わせて使い分けができます。

5.1.1 KINQUIRE コマンド

シンボルに日本語を割り当てることができます。詳しくは,『日本語ユーティリティ 利用者の手引き』をご覧ください。

5.1.2 日本語エディタ(日本語 EVE)

日本語のファイルを作成することができます。詳しくは,『日本語 EVE かな漢字変換入門』,『日本語EVE ユーザーズ・ガイド』をご覧ください。

5.1.3 日本語入力プロセス(FIP)

日本語入力機能を持たないアプリケーション・プログラムに日本語を入力することができます。詳しくは,『日本語入力プロセス 利用者の手引き』をご覧ください。

5.1.4 日本語ライブラリ

日本語入力を行うアプリケーション・プログラムを作成するときに利用できる実行時ライブラリです。様々な使いかたに対応した,自由度の高い機能が用意されています。詳しくは,『日本語ライブラリ 利用者の手引き』,『日本語画面管理ライブラリ 利用者の手引き』をご覧ください。

5.2 かな漢字変換キー

日本語 OpenVMS 上では,さまざまな場所で日本語を入力することができます。また,入力方法はユーザ・キー定義ライブラリ によって,ユーザの好みに合ったかな漢字変換キーを使用することができます。詳しくは,『ユーザ・キー定義 利用者の手引き』をご覧ください。

ここでは,日本語 OpenVMS で提供され,標準的に使われている JVMS キーを始め,日本語エディタで長らく使われている EVEJ キー,一太郎

(注意:一太郎は株式会社ジャストシステムの商標です。) のような TARO キーを紹介します。なお,日本語 OpenVMS 上で統一的にユーザ・キー定義を用いたアプリケーション開発のためには,『 IMLIB/OpenVMS ライブラリ・リファレンス・マニュアル』をご覧ください。

表 5-1 かな漢字変換キー
変換機能 JVMS キー TARO キー EVEJ キー
漢字変換/
文節次候補
CTRL/space
【変換】
space CTRL/space
【変換】
全角英数字変換 CTRL/F
【ALT/ひらがな】
F14 CTRL/F
【ALT/ひらがな】
半角カタカナ変換/
文節半角カタカナ
変換
CTRL/G + CTRL/K
【CTRL/ひらがな】
【CTRL/Shift/
ひらがな】
該当するキーなし 1
【CTRL/
ひらがな】
【CTRL/Shift/
ひらがな】
PF1 + CTRL/K
【CTRL/ひらがな】
【CTRL/Shift/
ひらがな】
全角カタカナ変換/
文節全角カタカナ変換
CTRL/K
【カタカナ】
F12 1 CTRL/K
【カタカナ】
ひらがな変換/
文節ひらがな変換
CTRL/L
【ひらがな】
F11 CTRL/H
【ひらがな】
無変換1 2 CTRL/N
【無変換】
該当するキーなし CTRL/N
【無変換】
無変換2 2 該当するキーなし
【SHIFT/無変換】
DEL 該当するキーなし
【SHIFT/無変換】
次文節移動 CTRL/P
【SHIFT/下矢印】
下矢印 1 CTRL/P
【SHIFT/下矢印】
文節縮小 CTRL/ /
【SHIFT/左矢印】
左矢印 CTRL/A
【SHIFT/左矢印】
記号変換 CTRL/ ]
【ALT/無変換】
CTRL/ ] PF1 + z(Z)
【ALT/無変換】
文節前候補 CTRL/G + CTRL/
space
【前候補】
上矢印 PF1 + CTRL/space
【前候補】
半角英数字変換 CTRL/G + CTRL/F
【CTRL/ALT/
ひらがな】
F13 1 CTRL/E
【CTRL/ALT/
ひらがな】
前文節移動 CTRL/G + CTRL/P
【SHIFT/上矢印】
該当するキーなし PF1 + CTRL/P
【SHIFT/上矢印】
文節拡大 CTRL/G + CTRL/ /
【SHIFT/右矢印】
右矢印 PF1 + CTRL/A
全候補 【Alt + 変換】 space 【Alt + 変換】

1 TARO キーバインドには,厳密には対応するキーが存在しません。日本語 EVE では F13 は半角変換です。
2 無変換には 2 つの動作があります。 1 つは,無変換操作後の編集は行わず,次の入力キーが変換操作以外の入力 ( 矢印,アルファベットなど ) であれば確定後,入力キーに応じた操作を行う方法。もう 1 つは,入力状態に復帰する ( 編集操作を許可する ) 方法です。前者を無変換 1,後者を無変換 2 とします。

【   】で囲まれたものは新型日本語キーボード(LK401-BJ, LK411-AJ, LK411-JJ, PCXAJ-AA)で追加されたものです。また,SHIFT/矢印キーは LK401-AJ でも使用できます。

5.3 かな漢字変換辞書

日本語 OpenVMS では,次の 3 つの辞書を「かな漢字変換」に使用しています。日本語エディタ,KINQUIRE コマンド,および日本語処理ライブラリなどの変換ルーチンから共通に使用されます。

  • システム辞書
    システム全体で共通に使用されます。論理名 JSY$TANGO が登録されていない場合は, JSY$DICITIONARY:JSYTANGO.JISHO が使用されます。

  • 個人辞書
    個人辞書は個人辞書編集ユーティリティを用いて,単語の登録・削除ができます。個人辞書は,論理名 JSY$KOJIN で検索されます。この論理名が定義されていない場合には,SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO が使用されます。この辞書には,ユーザ登録の単語が使用順に登録されています。
    個人辞書は,複数のプロセス間で共有して使用することができます。また,個人辞書をまったく使用せず,システム辞書のみでかな漢字変換を行うモードを設定することもできます。

  • 文節学習辞書
    付属語まで含めた文節学習を行うために使用します。文節学習辞書は,論理名 JSY$LEARN で検索されます。この論理名が定義されていない場合には,SYS$LOGIN:JSY$LEARN.DAT が使用されます。たとえば「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」を,次候補・文節移動等で正しい文を作り,学習させます。

        貴社の/記者が/汽車で/帰社した/    
    


    2 回目以降は同じ入力にたいして上記の文が正しく変換されます。

詳細は『日本語ライブラリ 利用者の手引き』の " かな漢字変換辞書 " の章を参照してください。

5.4 半角カタカナと漢字の変換について

日本語 OpenVMS では,Super DEC 漢字コードセットを導入することで半角カタカナと漢字の混在文字列に関する機能が追加されています。エディタとしては日本語 EVE を使い半角カタカナ,漢字混在の文章を編集できます。また,日本語ライブラリ等を利用して半角カタカナ,漢字混在のアプリケーション・プログラムを作ることができます。

従来の日本語 OpenVMS で提供されてきた日本語ライブラリの「半角カタカナと全角ひらがな / カタカナの相互変換ルーチン」を用いたアプリケーション・プログラムもサポートされます。これについては『日本語ライブラリ 利用者の手引き』を参照してください。

5.5 UTF-8 テキスト・ファイルの編集

UTF-8 に対応した端末エミュレータなどから OpenVMS システムにログインし, XTPU を使用してテキスト・ファイルを UTF-8 コードセットで作成および編集するには,以下の操作を実行してください。

  1. 使用する端末エミュレータのコードセットを UTF-8 に設定します。

  2. ログインした OpenVMS システムで, SET TERM/INQコマンドを実行します。

    $ SET TERMINAL /INQUIRE 
    

      注意
    行数の設定が正しく行われていない場合は,次のようなコマンドを実行して行数を調整してください。

    $ SET TERMINAL/PAGE=24 
    

  3. XTPUを起動してファイルを編集します。

    $ EDIT /XTPU /CODESET=UTF8 /INITIALIZATION=UTF8.EVE 
    

      注意
    UTF8.EVEファイルには,あらかじめ以下の内容を記述しておきます。

      
    tpu set(mouse,off) 
    set input kanji 
    henkan mode off 
    tpu set(keyboard_codeset,utf8) 
    refresh 
    


    この例の場合,端末 (PC) 側の日本語入力を使用するようになりますが,日本語EVEの日本語入力を使用したい場合は, [Do] キーを押して, Command:プロンプトに henkan mode onコマンドを入力してください。

   


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